SlideShare une entreprise Scribd logo
1  sur  47
Télécharger pour lire hors ligne
パンデミックは、2020年のメタトレンドとして予測した「原理原則の再考」を
加速したに過ぎません。生き方、働き方、学び方、買い方、遊び方、さらには
物事を体験する場所や方法が変わりました。私たちにとって大切なことが浮き
彫 り に な り 、 地 域 社 会 の 精 神 と 創 意 工 夫 を 鼓 舞 し て く れ ま し た 。
新しい領域の地図づくり が2021年のメタトレンドです。将来を見渡すと、発
展の可能性のある多数の領域が目の前に広がっています。中には怖いものもあ
れば楽しみなものもありますが、それらのすべてが総じて未開拓です。
2021年は、その未開拓の領域の発見に役立つ新しい地図づくりと、私たちが住
みたい世界に到達するための道順を描くことがテーマとなるでしょう。私たち
全員が、実験、試作、学習を行う安全な場所を創り出す探索者となるのです。
私たちは今まさに、自分たちが望む21世紀ルネサンスのあり方を決めるチャン
スを手にしているのです。
2021年の行動が、21世紀を再定義していく
2
01 歴史的転換期
Fjord Trends 2021
02 DIYイノベーション
06 共感への挑戦
03 新しい時代の組織のあり方
05 流動的なサプライチェーン
07 リチュアルの消失と創造
04 インタラクションの旅立ち
Trend 1
人々がポジティブな体験に再び出会える場や
機会を、どのように提供することができるで
しょうか。
COLLECTIVE DISPLACEMENT
歴史的転換期
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
4
2020年は世界全体が「歴史的転換」を経験しました。私たち
が物事を体験する方法や場所が変化し、それにより、大小を
問わず慣れ親しんだ快適さから切り離されたように感じられ
ました。
場所:都市から地方へ
生活:現実空間からオンライン空間へ
コミュニティ:大人数から単独もしくは限定的な規模へ
選択肢:豊富な選択肢から限られた選択肢へ
歴史転換により、人々の行動をは劇的に変わりました。ブラ
ンド認知をこれまでと同じ方法で向上・維持することは困難
になっています。
企業は、かつて知っていた生活者像はもう存在しないという
現実に対処する必要があります。
WHAT’S
GOING ON?
C
O
L
L
E
C
T
I
V
E
D
I
S
P
L
A
C
E
M
E
N
T
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
再構築される良質な体験
リモートならではのコンテンツを提供
2020年のロンドンマラソンでは、市民ランナーが自ら
のコースを決めてアプリで距離とタイムを計測する
「バーチャルマラソン」として参加しました。43,000人
が参加し、コロナ禍ならではの楽しみ方を体験しました。
また、中国の電気自動車メーカーNIOは、パンデミック
に自宅で過ごす人たちに向けて、ライブストリーミング
番組を開始。中国のアッパーミドル層に向けて、社員が
自動運転システムについてを実際に運転しながら説明し
たり、長年のNIOユーザーが車についての質問に答える
など、店舗への来店が制限される中で自社の車の魅力を
発信しました。
London Marathon
https://www.virginmoneylondonmarathon.com/th
e-event/how-to-follow
NIO
https://www.yicaiglobal.com/news/nio-ceo-sells-320-cars-in-
taobao-live-stream-netting-usd18-million
https://technode.com/2020/04/22/tesla-and-nio-try-ev-
livestreams-to-sell-cars-amid-outbreak/
5
C
O
L
L
E
C
T
I
V
E
D
I
S
P
L
A
C
E
M
E
N
T
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
バーチャル体験を活用した
新たなアプローチ
自宅でできる回遊体験
株式会社パルコは、VRショッピングができる『VR
PARCO』を期間限定でオープン。実際の店内で歩きな
がらショッピングする体験を、スマートフォンやPC上
で、 店頭の商品の取り置き&購入ができるサービス
『カエルパルコ』を通して提供しています。
また、ナイキは、ARテクノロジーを用いて、生活者の
靴選びをサポートするアプリを提供。靴のサイズを測る
だけでなく、実際の店舗に足を運ぶことなく、バーチャ
ル上で靴を試着することができます。
アマゾンは、さまざまな地域のスペシャリストがライブ
バーチャル体験を提供する新サービス『Amazon
Explore』を開始。参加者は、DIY講座やさまざまな観
光地のツアーをバーチャルで楽しむことができます。例
えば、アルゼンチンでのバーチャルワイン試飲体験やメ
キシコでのバーチャルタコス教室などさまざまなコンテ
ンツを提供しています。
Amazon Explore Image Credits: Amazon
https://techcrunch.com/2020/09/29/amazon-launches-a-virtual-tours-and-experience-platform-amazon-explore/
Nike Fit Digital Foot Measurement Tool - Nike News
https://news.nike.com/news/nike-fit-digital-foot-
measurement-tool
VR PARCO
https://voyagegroup.com/news/press/01_20170322_01/
6
C
O
L
L
E
C
T
I
V
E
D
I
S
P
L
A
C
E
M
E
N
T
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
7
企業は、それまで自社が顧客に対して知っていると思ってい
た内容の一つひとつを洗い直し、そしてどの変化が「ニュー
ノーマル」になっていくかを理解することが必要です。
1. 遠隔でブランド体験提供をすること
2. 人々の情報収集方法の変化に注目すること
3. 購買体験が、マイクロモーメントとして溶け込んでいる
こと
4. 質感をデジタルで提供すること
5. 没入体験によってワクワクを提供すること
6. デジタル広告のディスラプションの動向を追うこと
質感を伝え、透明性を保ち、環境や空間を管理することは、
次世代の体験を創造する上で不可欠な要素です。
WHAT’S
NEXT?
C
O
L
L
E
C
T
I
V
E
D
I
S
P
L
A
C
E
M
E
N
T
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
F J O R D
S U G G E S T S
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
8
昨日まで知っていた顧客は現在の顧客と同じではありません。今後し
ばらく不安定な状況が続く可能性が高いため、自らの顧客が置かれて
いる状況に気を配り続ける必要があります。
企業は、人々に希望を与える上で何らかの役割を担っています。今社
会で起こっていることの背景を考慮しながら、自社ブランドの「語り
口」(トーン・オブ・ボイス)について考えてみましょう。地域の特
性に合わせてコミュニケーションを調整し、希望を届けるような語り
口とメッセージを選びましょう。
商品を触った時の感覚、店舗での接客、店内を楽しむといった価値あ
る物理的体験をどのように提供できるか考えましょう。また、どうす
れば人々の探索欲を再び刺激し、インスピレーションを与えることが
できるか考える必要があります。
C
O
L
L
E
C
T
I
V
E
D
I
S
P
L
A
C
E
M
E
N
T
Think
Say
Do
Trend 2
製品やサービスの余白のなかで、生活者のクリ
エイティビティを解放させ、新たな体験やイノ
ベーションを創造できるでしょうか。
DO IT YOURSELT INNOVATION
DIY
イノベーション
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
10
イノベーションはパンデミックによる生活上の制約を経て、
これまでのデバイスや技術を源泉としたものから、生活者の
クリエイティビティへと変化してきています。
とりわけパンデミックは、個人それぞれに目指す生活像の実
現のあり方を再考するための時間や空間を突き付けました。
こうした状況の中、人々は身近なテクノロジーやサービスや
製品の余白を活用し、物理的距離に囚われない新たな暮らし
への適応性を積極的に高めているのです。
これによりプラットフォームは人々の創造性をマネタイズす
る場へと変化し、一般の人々が多数のオーディエンスを惹き
つけるといった場面が発生しています。
またインフルエンサーはブランド製品を紹介するだけでなく、
自らがブランドオーナーとして活動をし始めています。
WHAT’S
GOING ON?
D
O
I
T
Y
O
U
R
S
E
L
F
I
N
N
O
V
A
T
I
O
N
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
ポーラ美術館公式サイ https://www.polamuseum.or.jp/acnh/
11
パンデミックによる生活の制限で
かき立てられた人々の創造性
生活上の問題を自ら解決する生活者たち
Googleの調査によると、世界各地でロックダウンが講
じられた2020年3月頃を皮切りに、“初心者向け”や“解
説”などのハウツー動画の再生回数が65%増加していま
す。
また在宅勤務や巣ごもり需要から、生活者が自らの生活
空間をDIYする機運がこれまで以上に高まっており、 日
本のホームセンター大手各社は軒並み増益傾向となって
います。
デジタルやテクノロジーの余白性を生かしたハック
レバノンの教育現場ではベイルート港の爆発事故やロッ
クダウンを受け、メッセージアプリ「WhatsApp」を即
席のリモート教育プラットフォームに転用しました。
また、まちづくりのシュミレーションゲーム「どうぶつ
の森」では、単にユーザー自身が一つの世界観を作るだ
けでなく、オンライン美術館などゲームの余白性を生か
した新たな楽しみ方や使い方が創出されています。
D
O
I
T
Y
O
U
R
S
E
L
F
I
N
N
O
V
A
T
I
O
N
株式会社カインズ Style Factory https://style-factory.cainz.com/news/all_diyspace
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
曖昧になる作り手と使い手の境界線
スケールする生活者の創造性
ファッションECサイト「ZOZOTOWN」はこれまで培っ
たノウハウやインフラを活用し、才能やセンス溢れる”
個人”がブランドをつくれるD2C事業をスタートしまし
た。販売開始直後に完売が相次ぐなど、プラットフォー
ムを活用することで、一人の生活者がブランドオーナー
になる機会が生まれています。
またInstagramを中心にファッションインフルエンサー
として知られるアミー・ソングは人気オンラインショッ
プ「REVOLVE」と提携し、自身のブランド「Song of
Style」を立ち上げるなど、個人がインパクトのあるビ
ジネスを運営する状況も発生しています。
WakeAiは新型コロナウイルスによって売上が停滞する
中小規模の食品関連事業者と消費者をつなげる場を
Facebookで提供。人と人とをデジタル上でつなぐSNS
の特徴を、これまでの利用法とは違う形で活用すること
で、小規模事業者の販路拡大を支援しています。
画像貼る
12
D
O
I
T
Y
O
U
R
S
E
L
F
I
N
N
O
V
A
T
I
O
N
株式会社ZOZO https://corp.zozo.com/news/20200615-10594/
WakeAi: https://www.facebook.com/groups/wakeai
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
13
クリエイターと顧客の境界が曖昧になったいま、企業はイノ
ベーションを“処方する” 立場から“提案する” 立場へとシフト
することが求められています。
これまでプロセスとして捉えられてきた共創は、新たなアウト
プットとして理解される必要があるのです。したがってツール
やプラットフォームの設計は、生活者が自らの手で新たな体験
をデザインするために重要な要素になるでしょう。
またこうした共創型のアプローチはビジネスにとっても、素早
く、かつスタミナを消費せずにイノベーションを生み出せる可
能性を秘めています。
とりわけヘルスケア領域はこうしたアプローチに親和性の高い
領域として期待できるでしょう。しかし他方で、こうしたアプ
ローチではインクルーシブデザインの視点も重要です。
企業は従来のビジネス理解を脱し、生活者がデジタルやテクノ
ロジーを駆使して、自ずから新たな体験のデザインが行える状
況を提供しているのか見つめ直す必要があるでしょう。
D
O
I
T
Y
O
U
R
S
E
L
F
I
N
N
O
V
A
T
I
O
N
WHAT’S
NEXT?
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
F J O R D
S U G G E S T S
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
14
顧客を共同制作者として捉えなおしましょう。製品・サービスを「未
完成品」としたとき、体験のどの要素を顧客と共創できるのか、また、
その要素は第三者を巻き込むことで自社のビジネスモデルのエコシス
テム化を向上させることができるのか考えてみましょう。
イノベーションは長期戦です。真剣に取り組み、イノベーションを促
す習慣と行動を素早く組織全体に浸透させましょう。イノベーション
には根気が必要です。
プラットフォームを作り、顧客が自社のデータを活用し、自社の製品・
サービスのみならず、他社のものも使って色々と試し、開発できるよう
にしましょう。それにより得られる副次的なデータは非常に価値あるも
のになります。
D
O
I
T
Y
O
U
R
S
E
L
F
I
N
N
O
V
A
T
I
O
N
Think
Say
Do
Trend 3
ポストパンデミックの世界で、これまで企業が
従業員に提供していた体験をどう再構築できる
でしょうか。
SWEET TEAMS ARE MADE OF THIS
新しい時代の
組織のあり方
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
16
在宅勤務の増加により、企業文化を形成する交流や教育の機
会、福利厚生といった価値や体験が失われ、企業は従業員体
験のみならず労使間の関係についても再考する必要が出てき
ました。
これまで企業が負担してきた通信費や仕事机等のコストも多
くの従業員が自分で賄っています。在宅勤務は事実上、オ
フィスで暮らしているのと同じになり、職場で家族と過ごし
たり育児をしたりしています。
「職場」は今、テクノロジーに支えられ、物理的空間ではな
くマインドセットへと変化しつつあります。
しかし、長期的に続く在宅勤務に適したインフラやハード
ウェアはまだ不足していると言えます。
これらに対し将来的に万能の解決策が現れることはなく、従
業員や企業それぞれにあった従業員体験が求められます。
このトレンドはオフィスワーカーに限らず、オフィスに依存
する様々な職種の労働者にも影響を与えるでしょう。
WHAT’S
GOING ON?
S
W
E
E
T
T
E
A
M
S
A
R
E
M
A
D
E
O
F
T
H
I
S
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
自然発生するようなゆるやかなデジタルコミュニティを
どのように築くか
リモートワークの浸透により、雑談や関係構築の機会が
激減しており、従業員の心理的安全性の低下やストレス
増加に繋がっています。また、場に出向く機会も激減し
たことで、オフィスが体現していたビジョンを体感する
ことや経営陣と顔をあわせる機会が減り、企業文化の浸
透もしづらくなっています。
「クックパッド」では、オフィス内のキッチンを使って
料理し合うコミュニケーションが実現しづらくなったた
め、社内Slackに#リモート昼ごはんのチャンネルを作成
し、オフィス内のコミュニケーションの場を再現してい
ます。
様々な企業が文化形成の方法を模索しています。
17
離れて働くチームを繋ぐ方法
https://techlife.cookpad.com/entry/2020/02/21/130002
S
W
E
E
T
T
E
A
M
S
A
R
E
M
A
D
E
O
F
T
H
I
S
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
18
GREEN SPOON
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000055700.html
1 BeatFit https://www.beatfit.jp/b2b/
リモートワークで生まれる
新たな福利厚生
従業員への新しい福利厚生の形
経産省は、国民の健康寿命の延伸に関する取り組みの一
つとして「健康経営」をコロナ以前から掲げており、企
業も生産性向上・離職率の低下等の効果があることから、
積極的に健康促進サービスを導入してきました。
在宅勤務により運動不足や食事が疎かになったりと問題
が起こり、必要性はより増しています。以前より続いて
いるサービスも今の時代に適応し、新しいプログラムが
生まれ始めています。
「GREEN SPOON」は日々のカラダや生活に合わせて、
自分にあった野菜が毎月自宅に届くサービスです。従業
員の自宅に届ける法人向けの福利厚生プログラムを新た
に開始しました。
働く人の運動習慣・ストレス対策をサポートする
「BeatFit」のような福利厚生サービスも存在します。
企業はビジョンを明確化し、企業に合わせた適切な支援
を行う必要があります。
S
W
E
E
T
T
E
A
M
S
A
R
E
M
A
D
E
O
F
T
H
I
S
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
19
企業には、以下の4つの分野で従業員体験にイノベーション
を起こすチャンスがあります。
テクノロジー:革新的なソフトウェア・ハードウェアをいち
早く導入すること。
企業文化:物理的に離れ孤立しがちな従業員のチームへの帰
属意識を高め、企業文化を築くとともに、対面の在り方も同
時に重要になる。
人材:場所に依存しない人材採用で企業人材の最適化を図り、
在宅勤務支援等の適切な報酬を与えること。
マネジメント:在宅勤務の従業員マネジメントをプライバ
シーと体験のクオリティを考慮した上で、業務用デバイスを
効果的なものにすること。
オフィスという物理的な空間と切り離し、代わりに適切なデ
ジタル技術を用いて分散をしたチームを最大限活用できるよ
うデザインしなければなりません。私たちはまさに、未来の
仕事の姿をプロトタイプする時代に入ったと言えます。
WHAT’S
NEXT?
S
W
E
E
T
T
E
A
M
S
A
R
E
M
A
D
E
O
F
T
H
I
S
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
F J O R D
S U G G E S T S
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
20
リモートワークの倫理について考えてみましょう。従業員が会社と関わ
る場所と方法が変化する中、企業として何を与えることができ、何を得
ることができるのか、相互の利益を念頭において考えることが大切です。
一人ひとりの自宅は依然として個人の私的空間であり、従業員のプライ
バシーと自由は重要であることを認識しなければなりません。
服装、勤務日の柔軟性、就労時間よりも成果で生産性を測るなど、在
宅勤務の働き方の中からオフィスに持ち帰って欲しい要素は何かを明
らかにしましょう。また、仕事で習慣的になっているマインドセット
のどの要素を在宅勤務にも適用すべきなのかも考えてみましょう。
柔軟な勤務体制とレジリエンス(耐久性)を実現する、テクノロジー
と企業文化を組み合わせたソリューションをデザインしましょう。
S
W
E
E
T
T
E
A
M
S
A
R
E
M
A
D
E
O
F
T
H
I
S
Think
Say
Do
Trend 4
現実世界で体験するようなワクワク感や偶然性
をどのようにスクリーンやインタラクションの
体験に持ち込めるでしょうか。
インタラクション
の旅立ち
INTERACTION WANDERLUST
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
22
I
N
T
E
R
A
C
T
I
O
N
W
A
N
D
E
R
L
U
S
T
スクリーンを通して、私たちが外のオンライン世界と繋がり、
自分自身を表現していく中で、デザイン、コンテンツ、観客
間のインタラクションのあり方は急速に変化しています。
カメラや編集ツールが安価になると同時に品質が向上し、コ
ンテンツ制作者たちはプロ・アマ問わず互いに影響し合い、
「コンテンツのあるべき姿」についての新しい基準を作り始
めました。
コンピューターやスマートフォンにおけるインターフェース
デザインや、誰でも簡単に使えるデザイン・テンプレートが、
時にはオンライン体験を変わり映えのないものにしており、
つまらなさや疲れを感じさせる原因となっています。
自宅のスクリーンで過ごす時間が増えた事で、これまで屋外
や公共の場所で得られていた情報が制限されてしまい、ワク
ワク感や偶然性が欠如してしまいます。
また公共の場所では、細菌感染のリスクから接触型インター
フェースの利用が控えられ、ジェスチャー型や非接触型へと
移行しています。
WHAT’S
GOING ON?
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
Mirror Fit
https://mirrorfit.jp
mmhmm
https://www.mmhmm.app/
Zwift
https://www.zwift.com/ja
パンデミックによる環境の変化は
インタラクションの進化を加速
インタラクションで心身の健康を充実
巣篭もり生活が続き「コロナ太り」などのワードもtwitter
などから浮上。長時間のスクリーン利用による眼精疲労や、
腰痛など健康の悪化も懸念される中、美容健康や食生活へ
の意識が高まり、新たな生活習慣が好まれる傾向がありま
す。
外出を自粛し、サイクリングやジム通いなど今までの習慣
を家の中で継続するために、自宅でのフィットネスをサ
ポートするスマートミラー「Mirror Fit」や室内向け自転車
を使ったトレーニングゲーム「Zwift」などが注目を集めて
います。このような新しいサービスからは、今まで以上に
効率的かつワクワクするエンターテイメントのような体験
が得られます。
また、環境の変化により、人との何気ない会話や、非言語
的なコミュニケーションが減少し、精神的な負荷も高まっ
ています。
オンライン会議アプリ「mmhmm」は音声のみに頼りなり
がちなコミュニケーションを、一つのエンターテイメント
として彩り、対面での会議以上に見た目にも楽しい、イン
タラクティブな体験を提供しています。
23
I
N
T
E
R
A
C
T
I
O
N
W
A
N
D
E
R
L
U
S
T
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
アーティストと視聴者の夢を現実にする
新たなインタラクションの登場
Showstage
https://www.showstage.live
http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/phileweb/trend/phileweb-news__d-av__49285
https://thedice.com/showstage-1st-live/
インタラクションを促進するプラットフォーム
ライブ動画プラットフォームのSHOWROOMは、スマートフォ
ンやVRヘッドセットOculusGoを利用したバーチャルライブ配信
サービス「SHOWSTAGE」をリリースしました。現在は、臨場
感溢れるライブ配信をVR/AR形式でアバターを投影して行って
いますが、将来的には、3Dキャラクターではなく実際の映像を
投影する方法の実現を目指しています。
リアルタイムでのコミュニケーションや、ギフトなどでライブ
を盛り上げるだけでなく、没入できる感覚を味わえる空間の実
現が期待されています。
日本人のアーティストやクリエイターも世界的なプラット
フォームを新たなステージとして活用し、国内に止まらず活躍
の場をさらに広げています。
24
I
N
T
E
R
A
C
T
I
O
N
W
A
N
D
E
R
L
U
S
T
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
25
革新的な体験を作るために、当たり前になっているルール、
使い古されたテンプレートをやめ、エンターテイメントから
インスピレーションを得る必要があります。
ライブパフォーマンス、ソーシャルな場、プラットフォーム
はVRなどを利用し、オンラインとオフラインの体験が一体
化していきます。アクティブな視聴者、共同クリエイターな
ど、どのようにそこに関わる人なのかを明確に定義するのも
良いでしょう。
アイテムやアバターなどを使うことで、オンライン環境でオ
フラインの感情を再現する新たな方法もあります。また、サ
ブスクリプションや投げ銭のような課金システムを提供する
ことでクリエイターの支援を検討することも重要です。
人々がオンラインで過ごす時間が増えた結果、生成される
データをユーザーにとって有意義な形で活用する企業にチャ
ンスがあるでしょう。
人々を豊かにするワクワクや喜び、偶然性を提供するスク
リーンインタラクションを作りあげることを新たなゴールと
しましょう。
WHAT’S
NEXT?
I
N
T
E
R
A
C
T
I
O
N
W
A
N
D
E
R
L
U
S
T
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
F J O R D
S U G G E S T S
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
26
デジタル技術の長時間利用は健康に悪影響を与える可能性があります。
顧客と従業員のために、没入型デジタル環境とより多様な刺激の適切
なバランスを考えましょう。
同一化したインタラクションがあふれる中で埋もれないよう、リスク
を負うことを恐れずに創造力に富んだインターフェースとコミュニ
ケーションを本気で開発しましょう。
エンゲージメントを拡大するために自社ができることを理解するには、
エンターテインメントの新しいプラットフォームや「コンテンツのあ
るべき姿」を探求することが大切です。
I
N
T
E
R
A
C
T
I
O
N
W
A
N
D
E
R
L
U
S
T
Think
Say
Do
Trend 5
生活者との最初のタッチポイントから最後の瞬
間までを心踊るものにするために、既存アセッ
トやビジネスモデルをどうリデザインできるで
しょうか。
流動的な
サプライチェーン
LIQUID INFRASTRUCTURE
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
28
私たちが物を入手する方法や場所が大きく変ったことにより、
企業は、生産、出荷、保管、そして配送方法の再構築を迫ら
れています。
人々の「流動的な期待」(ある卓越した体験が、領域や業界
の垣根を超えて顧客の期待値を高める現象)が拡張し、本来
であればブランドの手を離れているはずの自宅での商品受け
取りや箱を開ける体験にまでその期待が及んでいます。
一方で、効率化が計れない小規模な梱包・配送コストや高い
返品率は企業の商品提供コストを引き上げ続けています。起
死回生に思われたD2Cモデルもスケーラビリティの点で難し
さが見えてきました。
このような状況下では、顧客との近さがブランドの生命線に
なります。ブランドは「体験とコスト」のトレードオフを再
考し、商品やサービスが顧客の手に届く最後の瞬間までをデ
ザインする必要があります。
WHAT’S
GOING ON?
L
I
Q
U
I
D
I
N
F
R
A
S
T
R
U
C
T
U
R
E
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
29
既存アセットを捉えなおす
サプライチェーンを効率性だけで判断せず、優れた体験を届けるためのアセットと
して再考する必要があります。自社のアセットが何を意味し、どう活用していける
のかについてより広い視野で考える必要があります。
JR東日本スタートアップは、多くの空席を抱えることになった新幹線を利用し、貨
物輸送に乗り出しました。トラック輸送よりも早く正確な配達時間や運送時の衝撃
が少ないという利点を活かすことで、時間や衝撃にシビアな鮮魚など、品質を保っ
たまま消費者の元へ届けることができます。
また米国Amazonでは、人が来なくなったホールフーズの実店舗の立地を活かし、配
送・出荷を行うダークストアとして使い始めました。
B2Bシェアリングエコノミー
自社で多額の資金投資をするリスクを考えれば、 企業間のシェアリングエコノミー
は今後も伸びていくでしょう。ブランド同士のコラボレーションによって、パンデ
ミック下で失われたフィジカルな体験価値を補い発展していくことが期待されます。
都心でダークキッチンを経営しているデリバリー専用シェア型クラウドキッチン
「KitchenBASE」は、2020年夏にビル一棟全てを新拠点として構え、飲食店がコス
トを抑え、顧客へのサービス提供に専念できるようにしました。
L
I
Q
U
I
D
I
N
F
R
A
S
T
R
U
C
T
U
R
E
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000034286.html
* Kitchen BASE( )
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000041041.html
サプライチェーンを再考することで
新しい価値を創出
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
30
二段変速型のイノベーション
企業はいま、自社のコアバリューを忠実に守りながら、柔軟性を持って素早く変化
に対応できるようにする、二段変速型のイノベーションが求められています。
ウォルマートは近年、全米の半数以上の店舗で当日配送が可能になるサブスクリプ
ションサービス「Walmart+」を始めました。さらに、店内でもより効率的に商品を
試し買うことができるよう店舗設計を見直したり、オンラインで注文した商品を駐
車場で受け取れるドライブスルーの利用も伸長させており、顧客が商品を受け取る
までの体験を新しくデザインしています。
ローカル・サステナブルの意識
既存のサプライチェーンを見直す中で、サステナブルなビジネスモデルの検討を進
める企業も出てきています。IKEAは最近、潜在的廃棄物を軽減する活動の一貫とし
て、中古家具の買取販売を始めました。
また、持続可能なサプライチェーンを実現するもう1つの方法は、ローカルビジネ
スに目を向けることです。例えば農業ベンチャー「やさいバス」は地産地消の配送
システムです。配送によるコスト・環境負荷を抑えながら、地元の食材を売買でき、
地域産業の活性と新鮮な地元食材を手軽に購入できる購買体験で、成長を続けてい
ます。
L
I
Q
U
I
D
I
N
F
R
A
S
T
R
U
C
T
U
R
E
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000284.000008062.html
Circular Hub IKEA
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000065734.html
Walmart+
https://www.walmart.com/plus
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
31
ブランドは、自社のサプライチェーンを再考し、既存アセッ
トがどうビジネスに活用できるかという発想を膨らませる必
要があります。
その際、自社で多額の資金投資をするリスクを考えれば、
企業間のシェアリングエコノミーや新たな戦略的パートナー
シップの機会は今後も伸びていくでしょう。
また、企業が自社のコアバリューを忠実に守りながら、俊敏
性と柔軟性を持って変化に対応できるようにする、二段変速
型のイノベーションの台頭もありそうです。
デリバリーという文脈においては、パーソナライゼーション
による差別化が5Gの台頭により加速するでしょう。
サプライチェーンを見直すことは同時に、ブランドが地域性
や持続可能な代替策を検討するチャンスがあることも意味し
ます。
WHAT’S
NEXT?
L
I
Q
U
I
D
I
N
F
R
A
S
T
R
U
C
T
U
R
E
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
F J O R D
S U G G E S T S
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
32
サプライチェーンと物理的資産は、効率性の観点のみならず、成長に
おいて重要な役割を果たすと考えましょう。あなたは何をどう変えま
すか?「店舗」のような資産が実際に何を提供しているのかを分析し
てみましょう。何がデジタルに属し、何が物理的領域に属するでしょ
うか?
持続可能な未来へ向けて再設計し転換すると宣言しましょう。5年経
たずに、持続可能性はサプライチェーンに関する決定に最も大きな影
響を及ぼすことになります。今すぐにでも、持続可能性のためのデザ
インをどのように行うか計画を立てはじめましょう。
なかなか見えにくい「エクスペリエンスチェーン」の中で、まだ認識
されていない価値を付加できる部分はないか考えてみましょう。例え
ば「待ち時間」は体験の一部を構成するものでしょうか?顧客に喜び
を与えるために、あなたはそのような“未開拓地”をどのように使いま
すか?
L
I
Q
U
I
D
I
N
F
R
A
S
T
R
U
C
T
U
R
E
Think
Say
Do
Trend 6
信念や価値観が多様化する社会において、企業
はどのように人々からの共感を得ることができ
るでしょうか。
共感への挑戦
EMPATHY CHALLENGE
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
34
2020年、パンデミックは様々な社会問題や不平等を浮き彫り
にしました。
BLM運動を始めとした社会への批判や意見の対立は、企業も
社会の一員としての役割を果たさなければ厳しく糾弾される
ことを明白にしました。
社会問題に関するストーリーを企業がどう扱うかは、客観的
な事実よりも感情に訴えかける情報が強く世論を動かしてい
く「ポスト真実」と呼ばれる時代において、非常に重要な課
題となっています。
しかしポスト真実の時代において、私たちは情報へのアクセ
スが容易であればあるほど、誤った情報を受け取ってしまっ
たり、惑わされてしまう危険性が高くなります。
ブランドは、多様化、そして二極化するストーリーをどのよ
うに扱い、どちらの側を支持するかを考える必要があります。
沈黙を貫くことは、それ自体が選択であり、メッセージでも
あります。
WHAT’S
GOING ON?
E
M
P
A
T
H
Y
C
H
A
L
L
A
N
G
E
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
パンデミックにより浮き彫りになる格差と
共感を呼ぶ支援
パンデミックにより、不平等がより鮮明に
パンデミックは女性や子どもを始めとした社会的立場が弱い人々への格差をより
鮮明に浮き彫りにしました。日本でも、新型コロナウイルスの影響で、働く女性
の26%が解雇や休業など、仕事に何らかの影響を受けており、これは男性の1.4倍
にも上ります。
また、リモート化が進んだ影響で人とのつながり方が変化し、これまで学校やオ
フィスで起きていた友人・同僚との関係構築が難しくなったり、アドバイスを受
ける機会が減ったりしています。
自社のケイパビリティを活かした、共感を呼ぶ行動
eBayはロックダウンの影響を大きく受ける小規模企業のために、自社のインフラ
と専門知識を活用したアクセラレータープログラム「Up & Running」を始動。無
料のeコマースプラットフォームやマーケティングツール、配達料割引を提供し、
小規模企業はタイムリーに効果的な支援を得ることができました。
NHK 1.4
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201204/k10012745251000.html
JMAM
https://www.jmam.co.jp/hrm/news/1260103_7494.html
2020
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/04#section07
eBay UP & RUNNING
https://www.ebayinc.com/stories/news/ebay-launches-up-running-to-immediately-bring-small-businesses-online/
35
E
M
P
A
T
H
Y
C
H
A
L
L
A
N
G
E
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
二極化するストーリーに、企業はど
う向き合うか
意見の対立を招く社会課題に対し、明確な意思と行動を示す企業たち
ユニリーバ・ジャパンのヘアケアブランド「ラックス」による調査では、企業の
採用担当者や経営者の約4人に1人が「採用過程において、男性と女性が平等に扱
われていない」と感じています。
そこでラックスは、性別への先入観を取り除くための「LUX Social Damage
Care Project」を立ち上げ、第一弾として、全ての採用選考の過程で、顔写真の
提出や応募者への性別に関する一切の項目を排除し、個人の適性や能力のみに焦
点を当てた採用をすることを決めました。
ローカルビジネスのレビューサイト、Yelpが、人種差別的な行為を告発された事
業者にフラグを立ててユーザーに警告したところ、オンライン上で議論が巻き起
こりました。
LUX Social Damage Care Project
https://www.lux.co.jp/campaign/lux_socialdamagecare/
https://www.unilever.co.jp/news/press-releases/2020/lux-social-damage-care-project.html
Yelp New Consumer Alert on Yelp Takes Firm Stance Against Racism
https://blog.yelp.com/2020/10/new-consumer-alert-on-yelp-takes-firm-stance-against-racism
36
E
M
P
A
T
H
Y
C
H
A
L
L
A
N
G
E
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
37
共感は優れたデザインの基本ですが、共感とは行動であり、
顧客の声を聴くという一過性の作業ではありません。
企業は、日々利益を上げようと努力する一方で、行動とメッ
セージは常に正しいものでなければならないというプレッ
シャーにさらされています。
共感を得ることの重要性が益々高まる中、問題はすべての人
から共感を得ることは不可能に近いということです。
ブランドは、最初から全員の共感を得ようとするのではなく、
自らのパーパスに最も近いテーマにフォーカスし、そこにい
る人たちに向けて、小さく行動を起こしていく必要がありま
す。
ストーリーは今やブランドイメージの核となる部分です。
ブランドはデザインとコミュニケーションを統合し、メッ
セージとすべての行動の隅々までを一致させる必要がありま
す。
WHAT’S
NEXT?
E
M
P
A
T
H
Y
C
H
A
L
L
A
N
G
E
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
F J O R D
S U G G E S T S
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
38
従業員もステークホルダーとして認識しましょう。そして従業員の大
半を納得させる必要があります(100%は無茶な注文です)。そうす
るために、パーパスを一から作り上げ、共感については社外へのコ
ミュニケーションよりも社内へのコミュニケーションを一層重視しま
しょう。従業員は企業の代弁者であり、企業のメッセージを広く伝え
てくれます。
関わるべきテーマをいくつかに絞り、自社とテーマの関わりを示し
つつパーパスと整合させ語りましょう。混乱を避けるため、テーマ
は増やし過ぎないように。また、一種類の意見だけを果てしなく繰
り返したり、社内に修復できない亀裂を生むような文化を作ったり
しないように気を付けましょう。
デザインとコミュニケーションを融合させ、ブランドとしてのメッ
セージと行動に一貫性を持たせましょう。
E
M
P
A
T
H
Y
C
H
A
L
L
A
N
G
E
Think
Say
Do
Trend 7
予期せず生まれ変わった新しい日常の中で、
人々の人生に意味をもたらすリチュアル(儀式
・習慣)の創造の為に何ができるでしょうか。
リチュアルの
消失と創造
RITUALS LOST AND FOUND
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
40
リチュアルは、私たちの生活の枠組みを形成しています。結婚
式から毎日のコーヒーまで、その大小を問わず、私たちの人生
に対して感情的に強く結び付いています。2020年は、そんな
リチュアルの消失を世界中で共有する年になりました。
この状況に対しての対処方法の一つとして、スピリチュアリ
ティやマインドフルネスへの意識が高まっています。
これらの例は、これまでの習慣を再定義し、新たな意味を模索
する時であり、その結果、多くの人々が新たなリチュアルを生
み出すきっかけとなっていることを意味しています。
ブランドにとって、人々が再び繋がり、癒やしを得ることで、
彼らにコントロールとエンパワーメントの感覚を取り戻す手助
けをする機会が生まれています。
WHAT’S
GOING ON?
R
I
T
U
A
L
S
L
O
S
T
A
N
D
F
O
U
N
D
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
R
I
T
U
A
L
S
L
O
S
T
A
N
D
F
O
U
N
D
41
パンデミックによる行動の制限は、今まで当たり前のように行っていたリ
チュアルの中にあった本質的な価値に気づくきっかけとなりました。行動
が制限されたとき、満たす場所を失った感情や繋がりを捉え、新たなリ
チュアルを創造することが求められています。
通勤はただ家と職場を往復するだけではなく、「日常の私」と「仕事の
私」の切り替えの役割も担っていました。それに注目したMicrosoftは
Teams上で擬似的にオフィス体験ができるバーチャル通勤の機能を実装し
ました。
グループでの体験を共有することで感じられる帰属感に注目したのが
Netflix Partyです。離れていても友だちと同じコンテンツを楽しめる、体験
の共有を付加価値として提供し、話題となりました。
「EXPERIENCE THE MIX」をコンセプトに掲げているカレー屋の6curryが
提供していた価値は、食事そのものではなく、客同士が自然とMIXできる場
所。それをグループでチャットするサービスのDiscordを活用することで、
リチュアルを再現しています。
リチュアルの中にあった本質的な価値を
再現する新たな手段
Microsoft Thinks You’ve Been Missing Your Commute in Lockdown PHOTO: MICROSOFT CORP.
https://www.wsj.com/articles/microsoft-thinks-youve-been-missing-your-commute-in-lockdown-11601373601
Netflix Party
https://www.netflixparty.com/
6curry Website
https://6curry.com
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
R
I
T
U
A
L
S
L
O
S
T
A
N
D
F
O
U
N
D
42
パンデミックによる行動の制限は、私たちの日常を「ニューノーマル」へ
と変化させました。それに伴って、日々のリチュアルも変化が起こってい
ます。
マインドフルネスAPPであるCalmは、ニューノーマルな日常の中で失われ
つつある「安らぎ」に注目しました。慌ただしい日常の中で、静寂に包ま
れた時間をユーザーに提供しています。
飲み会や会食と言ったリチュアルが制限される中、同僚や友人とのコミュ
ニケーションを活性化するためZoom等を活用した「リモート飲み会」が開
催されています。それを後押しするように、社内の懇親会やランチミー
ティング等で、参加者の自宅までお食事とお酒を直接届ける「nonpi
foodbox」のようなサービスも誕生しました。
鳥飼八幡宮はオンライン初詣を開催。お賽銭や絵馬の奉納を通して感じて
いた参拝のありがたみのオンライン上での再現に挑戦。「新しい生活様
式」においても、人々の心の拠り所であり続ける神社としてのあり方を提
案しました。
「ニューノーマルな日常」を形成する
新たなリチュアルの誕生
nonpi foodbox
https://nonpi-foodbox.com/
16,000
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000371.000005725.html
Calm
https://www.calm.com
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.calm.android&hl=ja&gl=US
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
43
まず最初に、あなたのブランドが人々の生活と接点を
持っているのは、彼らの生活を楽にする習慣の一部なの
か、それとも彼らの人生に意味付けをするリチュアルの
一部なのかを問い直してみてください。
その上でリチュアルの消失によって生まれた機会を理解
し、感情と機能の両方に焦点を当てることで、新たな体
験をデザインすることが求められます。その際にはリ
チュアルの持つ以下の4つの役割を意識すると良いでしょ
う。
1. 生活の中でのモードの切り替えを担うポータル
2. 商品やサービスの消費を通じた帰属感の意識
3. 自分の時間を通じた日々の中での癒やし
4. 人々を繋げる架け橋
更に、行動デザインの原則を活用することやその新しく
生み出したリチュアルがブランドのパーパスと繋がって
いることを確認する必要があります。
WHAT’S
NEXT?
R
I
T
U
A
L
S
L
O
S
T
A
N
D
F
O
U
N
D
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
F J O R D
S U G G E S T S
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
44
Think
Say
Do
リチュアルの仕組みを分解し、人々がどのように感じているかだけではなく、
彼らが何をしているかについても理解を深めましょう。おそらく市場ごとに様
相は異なり、リチュアルがどこで行われるか(オンライン/オフライン)のバ
ランスはパンデミックが収束するにつれて徐々に変わっていくでしょう。
ブランドには今、様々な問題に対して意見を表明することが求められています
(「共感への挑戦」参照)。変化に対峙する顧客を手助けする際に、どのよう
にブランドの「声」を使うかについては慎重になりましょう。顧客に対して、
「変化を共に乗り越え一緒にニューノーマルを見つける」という姿勢を真摯に
伝えましょう。
リチュアルの再構築を促進しましょう。人々が周囲や社会とのつながりを感じ
られることが重要です。精神的な安定性をどのようにサポートできるでしょう
か?メンタルヘルスへの配慮を自社の製品・サービスにどのように取り入れる
ことができるでしょうか?一緒に変化を乗り越えるにせよ、その経験は個人に
よって様々です。新たな喜びの源泉を受け入れる人がいる一方で、悲しみに暮
れながら対処している人がいることも忘れないようにしましょう。
R
I
T
U
A
L
S
L
O
S
T
A
N
D
F
O
U
N
D
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
T H A N K Y O U
This presentation makes reference to marks owned by third parties. Unless otherwise noted, all such third-party marks are the property of
their respective owners. No sponsorship, endorsement or approval of this content by the owners of such marks is intended, expressed or implied.
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
A B O U T A C C E N T U R E A C C E N T U R E I N T E R A C T I V E
This document makes descriptive reference to trademarks that may be owned by others. The use of such trademarks herein is not an assertion of ownership of such trademarks by
Accenture and is not intended to represent or imply the existence of an association between Accenture and the lawful owners of such trademarks.
This document is produced by professionals at Accenture as general guidance. It is not intended to provide specific advice on you circumstances. If you require advice or further
details on any matters referred to, please contact your Accenture representative. Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. Accenture its logo are trademarks of Accenture.
Accenture is a global professional services company with
leading capabilities in digital, cloud and security. Combining
unmatched experience and specialized skills across more than
40 industries, we offer Strategy and Consulting, Interactive,
Technology and Operations services—all powered by the
world’s largest network of Advanced Technology and
Intelligent Operations centers. Our 506,000 people deliver on
the promise of technology and human ingenuity every day,
serving clients in more than 120 countries. We embrace the
power of change to create value and shared success for our
clients, people, shareholders, partners and communities.
Visit us at accenture.com
Accenture Interactive helps the world’s leading brands
transform their customer experiences across the entire
customer journey. Through our connected offerings in design,
marketing, content and commerce, we create new ways to win
in today’s experience-led economy. Accenture Interactive was
ranked the world’s largest and fastest-growing digital agency
in the latest Ad Age Agency Report.
To learn more, follow us @AccentureACTIVE
Visit us at accenture.com/interactive
F
J
O
R
D
T
R
E
N
D
S
2
0
2
1
Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved.
ア ク セ ン チ ュ ア に つ い て ア ク セ ン チ ュ ア イ ン タ ラ ク テ ィ ブ に つ い て
アクセンチュアは、デジタル、クラウドおよびセキュリティ領域において
卓越した能力で世界をリードするプロフェッショナル サービス企業です。
40を超える業界の比類のなき知見、経験と専門スキルを組み合わせ、スト
ラテジー&コンサルティング、インタラクティブ、テクノロジー、オペ
レーションズサービスを、世界最大の先端テクノロジーセンターとインテ
リジェントオペレーションセンターのネットワークを活用して提供してい
ます。アクセンチュアは53万7,000人の社員が、世界120カ国以上のお客様
に対してサービスを提供しています。アクセンチュアは、変化がもたらす
力を受け入れ、お客様、社員、株主、パートナー企業や社会へのさらなる
価値を創出します。
アクセンチュアの詳細は www.accenture.com を、
アクセンチュア株式会社の詳細は www.accenture.com/jp をご覧ください。
アクセンチュア インタラクティブは、体験を通じてビジネスを再構築し
ます。企業の存在価値であるパーパスとイノベーションが両立する意義深
い体験を作ることで、企業の持続的成長を支援します。人やビジネスに関
する深い洞察とテクノロジーを結びつけることで、生活をより便利に、よ
り生産的でやりがいのあるものにする体験を設計。それを具現化して構築
し、コミュニケーションを通じて広め、ビジネスを継続的に支援します。
アクセンチュア インタラクティブは、Ad Age誌が発行する最新の
Agency Reportで世界最大のデジタル・エージェンシーであると評価さ
れ、Fast Companyの「a Most Innovative Company」に選出されまし
た。日本でもCampaign誌の「Japan Digital Agency of the Year」を2年
連続3回受賞しています。
アクセンチュア インタラクティブの詳細は、
www.accenture.com/jp-ja/interactive-indexをご覧ください。
This document makes descriptive reference to trademarks that may be owned by others. The use of such trademarks herein is not an assertion of ownership of such trademarks by
Accenture and is not intended to represent or imply the existence of an association between Accenture and the lawful owners of such trademarks.
This document is produced by professionals at Accenture as general guidance. It is not intended to provide specific advice on you circumstances. If you require advice or further details
on any matters referred to, please contact your Accenture representative. Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. Accenture its logo are trademarks of Accenture.

Contenu connexe

Plus de Accenture Japan

A Resilient Future for Cities
A Resilient Future for CitiesA Resilient Future for Cities
A Resilient Future for CitiesAccenture Japan
 
A Resilient Future for Cities 【スマートシティ: 市民中心の未来】
A Resilient Future for Cities 【スマートシティ: 市民中心の未来】A Resilient Future for Cities 【スマートシティ: 市民中心の未来】
A Resilient Future for Cities 【スマートシティ: 市民中心の未来】Accenture Japan
 
インテリジェント・オペレーション(AIO福岡)
インテリジェント・オペレーション(AIO福岡)インテリジェント・オペレーション(AIO福岡)
インテリジェント・オペレーション(AIO福岡)Accenture Japan
 
Fjord Trends 2020 (日本語版)
Fjord Trends 2020 (日本語版)Fjord Trends 2020 (日本語版)
Fjord Trends 2020 (日本語版)Accenture Japan
 
障がい者 採用案内 - 勤務地紹介
障がい者 採用案内 - 勤務地紹介障がい者 採用案内 - 勤務地紹介
障がい者 採用案内 - 勤務地紹介Accenture Japan
 
次世代Analytics製品のSAP Analytics Cloud(SAC)ってなんなの?どうなの?
次世代Analytics製品のSAP Analytics Cloud(SAC)ってなんなの?どうなの?次世代Analytics製品のSAP Analytics Cloud(SAC)ってなんなの?どうなの?
次世代Analytics製品のSAP Analytics Cloud(SAC)ってなんなの?どうなの?Accenture Japan
 
Screen Personas 3.0を活用し、シンプルで楽しいFiori UXを!
Screen Personas 3.0を活用し、シンプルで楽しいFiori UXを!Screen Personas 3.0を活用し、シンプルで楽しいFiori UXを!
Screen Personas 3.0を活用し、シンプルで楽しいFiori UXを!Accenture Japan
 
障がい者 採用案内:勤務地紹介
障がい者 採用案内:勤務地紹介障がい者 採用案内:勤務地紹介
障がい者 採用案内:勤務地紹介Accenture Japan
 
フィンテックの発展と新たな社会価値創出
フィンテックの発展と新たな社会価値創出フィンテックの発展と新たな社会価値創出
フィンテックの発展と新たな社会価値創出Accenture Japan
 
190500 jpn-circular-advantage-po v-3
190500 jpn-circular-advantage-po v-3190500 jpn-circular-advantage-po v-3
190500 jpn-circular-advantage-po v-3Accenture Japan
 
ボトムラインから、フロントラインへ。
ボトムラインから、フロントラインへ。ボトムラインから、フロントラインへ。
ボトムラインから、フロントラインへ。Accenture Japan
 
デジタル時代に求められるCFOの役割
デジタル時代に求められるCFOの役割デジタル時代に求められるCFOの役割
デジタル時代に求められるCFOの役割Accenture Japan
 
エンタープライズシステムのUXを変革する実践方法
エンタープライズシステムのUXを変革する実践方法エンタープライズシステムのUXを変革する実践方法
エンタープライズシステムのUXを変革する実践方法Accenture Japan
 
コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースとは
コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースとはコネクテッド・インダストリアル・ワークフォースとは
コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースとはAccenture Japan
 
市民が求めるものとは?
市民が求めるものとは?市民が求めるものとは?
市民が求めるものとは?Accenture Japan
 

Plus de Accenture Japan (20)

A Resilient Future for Cities
A Resilient Future for CitiesA Resilient Future for Cities
A Resilient Future for Cities
 
A Resilient Future for Cities 【スマートシティ: 市民中心の未来】
A Resilient Future for Cities 【スマートシティ: 市民中心の未来】A Resilient Future for Cities 【スマートシティ: 市民中心の未来】
A Resilient Future for Cities 【スマートシティ: 市民中心の未来】
 
インテリジェント・オペレーション(AIO福岡)
インテリジェント・オペレーション(AIO福岡)インテリジェント・オペレーション(AIO福岡)
インテリジェント・オペレーション(AIO福岡)
 
GETTING TO EQUAL 2020
GETTING TO EQUAL 2020GETTING TO EQUAL 2020
GETTING TO EQUAL 2020
 
Fjord Trends 2020 (日本語版)
Fjord Trends 2020 (日本語版)Fjord Trends 2020 (日本語版)
Fjord Trends 2020 (日本語版)
 
障がい者 採用案内 - 勤務地紹介
障がい者 採用案内 - 勤務地紹介障がい者 採用案内 - 勤務地紹介
障がい者 採用案内 - 勤務地紹介
 
次世代Analytics製品のSAP Analytics Cloud(SAC)ってなんなの?どうなの?
次世代Analytics製品のSAP Analytics Cloud(SAC)ってなんなの?どうなの?次世代Analytics製品のSAP Analytics Cloud(SAC)ってなんなの?どうなの?
次世代Analytics製品のSAP Analytics Cloud(SAC)ってなんなの?どうなの?
 
Screen Personas 3.0を活用し、シンプルで楽しいFiori UXを!
Screen Personas 3.0を活用し、シンプルで楽しいFiori UXを!Screen Personas 3.0を活用し、シンプルで楽しいFiori UXを!
Screen Personas 3.0を活用し、シンプルで楽しいFiori UXを!
 
障がい者 採用案内:勤務地紹介
障がい者 採用案内:勤務地紹介障がい者 採用案内:勤務地紹介
障がい者 採用案内:勤務地紹介
 
Human+worker
Human+workerHuman+worker
Human+worker
 
フィンテックの発展と新たな社会価値創出
フィンテックの発展と新たな社会価値創出フィンテックの発展と新たな社会価値創出
フィンテックの発展と新たな社会価値創出
 
190500 jpn-circular-advantage-po v-3
190500 jpn-circular-advantage-po v-3190500 jpn-circular-advantage-po v-3
190500 jpn-circular-advantage-po v-3
 
ボトムラインから、フロントラインへ。
ボトムラインから、フロントラインへ。ボトムラインから、フロントラインへ。
ボトムラインから、フロントラインへ。
 
Fjord Trends 2019
Fjord Trends 2019Fjord Trends 2019
Fjord Trends 2019
 
デジタル時代に求められるCFOの役割
デジタル時代に求められるCFOの役割デジタル時代に求められるCFOの役割
デジタル時代に求められるCFOの役割
 
エンタープライズシステムのUXを変革する実践方法
エンタープライズシステムのUXを変革する実践方法エンタープライズシステムのUXを変革する実践方法
エンタープライズシステムのUXを変革する実践方法
 
CFO Reimagined
CFO ReimaginedCFO Reimagined
CFO Reimagined
 
コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースとは
コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースとはコネクテッド・インダストリアル・ワークフォースとは
コネクテッド・インダストリアル・ワークフォースとは
 
Accenture & Pega
Accenture & PegaAccenture & Pega
Accenture & Pega
 
市民が求めるものとは?
市民が求めるものとは?市民が求めるものとは?
市民が求めるものとは?
 

Dernier

chouhou_obuse_reiwa6nenn_4_2404slide.pdf
chouhou_obuse_reiwa6nenn_4_2404slide.pdfchouhou_obuse_reiwa6nenn_4_2404slide.pdf
chouhou_obuse_reiwa6nenn_4_2404slide.pdfssuser31dbd1
 
HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント_ご紹介資料_Saleshub掲載用
HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント_ご紹介資料_Saleshub掲載用HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント_ご紹介資料_Saleshub掲載用
HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント_ご紹介資料_Saleshub掲載用wataruhonda3
 
エンジニア採用のミスマッチを防ぐコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』
エンジニア採用のミスマッチを防ぐコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』エンジニア採用のミスマッチを防ぐコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』
エンジニア採用のミスマッチを防ぐコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』Kousuke Kuzuoka
 
コダワリ抜いた経営指南書(概要版) - コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
コダワリ抜いた経営指南書(概要版) - コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社コダワリ抜いた経営指南書(概要版) - コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
コダワリ抜いた経営指南書(概要版) - コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社hmoriyama
 
株式会社ベクトル総研会社概要 Vector Research Institute (VRI) Corporate Profile
株式会社ベクトル総研会社概要 Vector Research Institute (VRI) Corporate Profile株式会社ベクトル総研会社概要 Vector Research Institute (VRI) Corporate Profile
株式会社ベクトル総研会社概要 Vector Research Institute (VRI) Corporate Profilevrihomepage
 
ROMS_recruting_deck_for_website_20240322.pdf
ROMS_recruting_deck_for_website_20240322.pdfROMS_recruting_deck_for_website_20240322.pdf
ROMS_recruting_deck_for_website_20240322.pdfhirokisawa3
 
株式会社AllAdsと申します。サービス紹介資料で御座いますので、是非ご覧くださいませ。
株式会社AllAdsと申します。サービス紹介資料で御座いますので、是非ご覧くださいませ。株式会社AllAdsと申します。サービス紹介資料で御座いますので、是非ご覧くださいませ。
株式会社AllAdsと申します。サービス紹介資料で御座いますので、是非ご覧くださいませ。takuyamatsumoto29
 
第15回販促コンペ 審査員個人賞(林 知幸 氏) アルカナ? アディダスジャパン
第15回販促コンペ 審査員個人賞(林 知幸 氏) アルカナ? アディダスジャパン第15回販促コンペ 審査員個人賞(林 知幸 氏) アルカナ? アディダスジャパン
第15回販促コンペ 審査員個人賞(林 知幸 氏) アルカナ? アディダスジャパンYusuke Katsuma
 
HCCソフト株式会社 2025年新卒採用向け 会社紹介・採用情報資料------
HCCソフト株式会社 2025年新卒採用向け 会社紹介・採用情報資料------HCCソフト株式会社 2025年新卒採用向け 会社紹介・採用情報資料------
HCCソフト株式会社 2025年新卒採用向け 会社紹介・採用情報資料------ssusercbaf23
 
JAPAN WEB3.0 AWARD 2023 ブロックチェーン(NFT)技術を活用したアイディア 優秀賞作品 遺3.0相続
JAPAN WEB3.0 AWARD 2023 ブロックチェーン(NFT)技術を活用したアイディア 優秀賞作品 遺3.0相続JAPAN WEB3.0 AWARD 2023 ブロックチェーン(NFT)技術を活用したアイディア 優秀賞作品 遺3.0相続
JAPAN WEB3.0 AWARD 2023 ブロックチェーン(NFT)技術を活用したアイディア 優秀賞作品 遺3.0相続Yusuke Katsuma
 

Dernier (12)

chouhou_obuse_reiwa6nenn_4_2404slide.pdf
chouhou_obuse_reiwa6nenn_4_2404slide.pdfchouhou_obuse_reiwa6nenn_4_2404slide.pdf
chouhou_obuse_reiwa6nenn_4_2404slide.pdf
 
HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント_ご紹介資料_Saleshub掲載用
HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント_ご紹介資料_Saleshub掲載用HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント_ご紹介資料_Saleshub掲載用
HRMOS(ハーモス)タレントマネジメント_ご紹介資料_Saleshub掲載用
 
エンジニア採用のミスマッチを防ぐコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』
エンジニア採用のミスマッチを防ぐコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』エンジニア採用のミスマッチを防ぐコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』
エンジニア採用のミスマッチを防ぐコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』
 
company profile
company profilecompany profile
company profile
 
コダワリ抜いた経営指南書(概要版) - コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
コダワリ抜いた経営指南書(概要版) - コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社コダワリ抜いた経営指南書(概要版) - コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
コダワリ抜いた経営指南書(概要版) - コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
 
株式会社ベクトル総研会社概要 Vector Research Institute (VRI) Corporate Profile
株式会社ベクトル総研会社概要 Vector Research Institute (VRI) Corporate Profile株式会社ベクトル総研会社概要 Vector Research Institute (VRI) Corporate Profile
株式会社ベクトル総研会社概要 Vector Research Institute (VRI) Corporate Profile
 
ROMS_recruting_deck_for_website_20240322.pdf
ROMS_recruting_deck_for_website_20240322.pdfROMS_recruting_deck_for_website_20240322.pdf
ROMS_recruting_deck_for_website_20240322.pdf
 
株式会社AllAdsと申します。サービス紹介資料で御座いますので、是非ご覧くださいませ。
株式会社AllAdsと申します。サービス紹介資料で御座いますので、是非ご覧くださいませ。株式会社AllAdsと申します。サービス紹介資料で御座いますので、是非ご覧くださいませ。
株式会社AllAdsと申します。サービス紹介資料で御座いますので、是非ご覧くださいませ。
 
Japan IT Week 2024 Brochure by 47Billion
Japan IT Week 2024 Brochure by 47BillionJapan IT Week 2024 Brochure by 47Billion
Japan IT Week 2024 Brochure by 47Billion
 
第15回販促コンペ 審査員個人賞(林 知幸 氏) アルカナ? アディダスジャパン
第15回販促コンペ 審査員個人賞(林 知幸 氏) アルカナ? アディダスジャパン第15回販促コンペ 審査員個人賞(林 知幸 氏) アルカナ? アディダスジャパン
第15回販促コンペ 審査員個人賞(林 知幸 氏) アルカナ? アディダスジャパン
 
HCCソフト株式会社 2025年新卒採用向け 会社紹介・採用情報資料------
HCCソフト株式会社 2025年新卒採用向け 会社紹介・採用情報資料------HCCソフト株式会社 2025年新卒採用向け 会社紹介・採用情報資料------
HCCソフト株式会社 2025年新卒採用向け 会社紹介・採用情報資料------
 
JAPAN WEB3.0 AWARD 2023 ブロックチェーン(NFT)技術を活用したアイディア 優秀賞作品 遺3.0相続
JAPAN WEB3.0 AWARD 2023 ブロックチェーン(NFT)技術を活用したアイディア 優秀賞作品 遺3.0相続JAPAN WEB3.0 AWARD 2023 ブロックチェーン(NFT)技術を活用したアイディア 優秀賞作品 遺3.0相続
JAPAN WEB3.0 AWARD 2023 ブロックチェーン(NFT)技術を活用したアイディア 優秀賞作品 遺3.0相続
 

Fjord trends 2021 日本語版

  • 1.
  • 2. パンデミックは、2020年のメタトレンドとして予測した「原理原則の再考」を 加速したに過ぎません。生き方、働き方、学び方、買い方、遊び方、さらには 物事を体験する場所や方法が変わりました。私たちにとって大切なことが浮き 彫 り に な り 、 地 域 社 会 の 精 神 と 創 意 工 夫 を 鼓 舞 し て く れ ま し た 。 新しい領域の地図づくり が2021年のメタトレンドです。将来を見渡すと、発 展の可能性のある多数の領域が目の前に広がっています。中には怖いものもあ れば楽しみなものもありますが、それらのすべてが総じて未開拓です。 2021年は、その未開拓の領域の発見に役立つ新しい地図づくりと、私たちが住 みたい世界に到達するための道順を描くことがテーマとなるでしょう。私たち 全員が、実験、試作、学習を行う安全な場所を創り出す探索者となるのです。 私たちは今まさに、自分たちが望む21世紀ルネサンスのあり方を決めるチャン スを手にしているのです。 2021年の行動が、21世紀を再定義していく
  • 3. 2 01 歴史的転換期 Fjord Trends 2021 02 DIYイノベーション 06 共感への挑戦 03 新しい時代の組織のあり方 05 流動的なサプライチェーン 07 リチュアルの消失と創造 04 インタラクションの旅立ち
  • 5. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 4 2020年は世界全体が「歴史的転換」を経験しました。私たち が物事を体験する方法や場所が変化し、それにより、大小を 問わず慣れ親しんだ快適さから切り離されたように感じられ ました。 場所:都市から地方へ 生活:現実空間からオンライン空間へ コミュニティ:大人数から単独もしくは限定的な規模へ 選択肢:豊富な選択肢から限られた選択肢へ 歴史転換により、人々の行動をは劇的に変わりました。ブラ ンド認知をこれまでと同じ方法で向上・維持することは困難 になっています。 企業は、かつて知っていた生活者像はもう存在しないという 現実に対処する必要があります。 WHAT’S GOING ON? C O L L E C T I V E D I S P L A C E M E N T
  • 6. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 再構築される良質な体験 リモートならではのコンテンツを提供 2020年のロンドンマラソンでは、市民ランナーが自ら のコースを決めてアプリで距離とタイムを計測する 「バーチャルマラソン」として参加しました。43,000人 が参加し、コロナ禍ならではの楽しみ方を体験しました。 また、中国の電気自動車メーカーNIOは、パンデミック に自宅で過ごす人たちに向けて、ライブストリーミング 番組を開始。中国のアッパーミドル層に向けて、社員が 自動運転システムについてを実際に運転しながら説明し たり、長年のNIOユーザーが車についての質問に答える など、店舗への来店が制限される中で自社の車の魅力を 発信しました。 London Marathon https://www.virginmoneylondonmarathon.com/th e-event/how-to-follow NIO https://www.yicaiglobal.com/news/nio-ceo-sells-320-cars-in- taobao-live-stream-netting-usd18-million https://technode.com/2020/04/22/tesla-and-nio-try-ev- livestreams-to-sell-cars-amid-outbreak/ 5 C O L L E C T I V E D I S P L A C E M E N T
  • 7. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. バーチャル体験を活用した 新たなアプローチ 自宅でできる回遊体験 株式会社パルコは、VRショッピングができる『VR PARCO』を期間限定でオープン。実際の店内で歩きな がらショッピングする体験を、スマートフォンやPC上 で、 店頭の商品の取り置き&購入ができるサービス 『カエルパルコ』を通して提供しています。 また、ナイキは、ARテクノロジーを用いて、生活者の 靴選びをサポートするアプリを提供。靴のサイズを測る だけでなく、実際の店舗に足を運ぶことなく、バーチャ ル上で靴を試着することができます。 アマゾンは、さまざまな地域のスペシャリストがライブ バーチャル体験を提供する新サービス『Amazon Explore』を開始。参加者は、DIY講座やさまざまな観 光地のツアーをバーチャルで楽しむことができます。例 えば、アルゼンチンでのバーチャルワイン試飲体験やメ キシコでのバーチャルタコス教室などさまざまなコンテ ンツを提供しています。 Amazon Explore Image Credits: Amazon https://techcrunch.com/2020/09/29/amazon-launches-a-virtual-tours-and-experience-platform-amazon-explore/ Nike Fit Digital Foot Measurement Tool - Nike News https://news.nike.com/news/nike-fit-digital-foot- measurement-tool VR PARCO https://voyagegroup.com/news/press/01_20170322_01/ 6 C O L L E C T I V E D I S P L A C E M E N T
  • 8. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 7 企業は、それまで自社が顧客に対して知っていると思ってい た内容の一つひとつを洗い直し、そしてどの変化が「ニュー ノーマル」になっていくかを理解することが必要です。 1. 遠隔でブランド体験提供をすること 2. 人々の情報収集方法の変化に注目すること 3. 購買体験が、マイクロモーメントとして溶け込んでいる こと 4. 質感をデジタルで提供すること 5. 没入体験によってワクワクを提供すること 6. デジタル広告のディスラプションの動向を追うこと 質感を伝え、透明性を保ち、環境や空間を管理することは、 次世代の体験を創造する上で不可欠な要素です。 WHAT’S NEXT? C O L L E C T I V E D I S P L A C E M E N T
  • 9. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 F J O R D S U G G E S T S Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 8 昨日まで知っていた顧客は現在の顧客と同じではありません。今後し ばらく不安定な状況が続く可能性が高いため、自らの顧客が置かれて いる状況に気を配り続ける必要があります。 企業は、人々に希望を与える上で何らかの役割を担っています。今社 会で起こっていることの背景を考慮しながら、自社ブランドの「語り 口」(トーン・オブ・ボイス)について考えてみましょう。地域の特 性に合わせてコミュニケーションを調整し、希望を届けるような語り 口とメッセージを選びましょう。 商品を触った時の感覚、店舗での接客、店内を楽しむといった価値あ る物理的体験をどのように提供できるか考えましょう。また、どうす れば人々の探索欲を再び刺激し、インスピレーションを与えることが できるか考える必要があります。 C O L L E C T I V E D I S P L A C E M E N T Think Say Do
  • 11. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 10 イノベーションはパンデミックによる生活上の制約を経て、 これまでのデバイスや技術を源泉としたものから、生活者の クリエイティビティへと変化してきています。 とりわけパンデミックは、個人それぞれに目指す生活像の実 現のあり方を再考するための時間や空間を突き付けました。 こうした状況の中、人々は身近なテクノロジーやサービスや 製品の余白を活用し、物理的距離に囚われない新たな暮らし への適応性を積極的に高めているのです。 これによりプラットフォームは人々の創造性をマネタイズす る場へと変化し、一般の人々が多数のオーディエンスを惹き つけるといった場面が発生しています。 またインフルエンサーはブランド製品を紹介するだけでなく、 自らがブランドオーナーとして活動をし始めています。 WHAT’S GOING ON? D O I T Y O U R S E L F I N N O V A T I O N
  • 12. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. ポーラ美術館公式サイ https://www.polamuseum.or.jp/acnh/ 11 パンデミックによる生活の制限で かき立てられた人々の創造性 生活上の問題を自ら解決する生活者たち Googleの調査によると、世界各地でロックダウンが講 じられた2020年3月頃を皮切りに、“初心者向け”や“解 説”などのハウツー動画の再生回数が65%増加していま す。 また在宅勤務や巣ごもり需要から、生活者が自らの生活 空間をDIYする機運がこれまで以上に高まっており、 日 本のホームセンター大手各社は軒並み増益傾向となって います。 デジタルやテクノロジーの余白性を生かしたハック レバノンの教育現場ではベイルート港の爆発事故やロッ クダウンを受け、メッセージアプリ「WhatsApp」を即 席のリモート教育プラットフォームに転用しました。 また、まちづくりのシュミレーションゲーム「どうぶつ の森」では、単にユーザー自身が一つの世界観を作るだ けでなく、オンライン美術館などゲームの余白性を生か した新たな楽しみ方や使い方が創出されています。 D O I T Y O U R S E L F I N N O V A T I O N 株式会社カインズ Style Factory https://style-factory.cainz.com/news/all_diyspace
  • 13. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 曖昧になる作り手と使い手の境界線 スケールする生活者の創造性 ファッションECサイト「ZOZOTOWN」はこれまで培っ たノウハウやインフラを活用し、才能やセンス溢れる” 個人”がブランドをつくれるD2C事業をスタートしまし た。販売開始直後に完売が相次ぐなど、プラットフォー ムを活用することで、一人の生活者がブランドオーナー になる機会が生まれています。 またInstagramを中心にファッションインフルエンサー として知られるアミー・ソングは人気オンラインショッ プ「REVOLVE」と提携し、自身のブランド「Song of Style」を立ち上げるなど、個人がインパクトのあるビ ジネスを運営する状況も発生しています。 WakeAiは新型コロナウイルスによって売上が停滞する 中小規模の食品関連事業者と消費者をつなげる場を Facebookで提供。人と人とをデジタル上でつなぐSNS の特徴を、これまでの利用法とは違う形で活用すること で、小規模事業者の販路拡大を支援しています。 画像貼る 12 D O I T Y O U R S E L F I N N O V A T I O N 株式会社ZOZO https://corp.zozo.com/news/20200615-10594/ WakeAi: https://www.facebook.com/groups/wakeai
  • 14. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 13 クリエイターと顧客の境界が曖昧になったいま、企業はイノ ベーションを“処方する” 立場から“提案する” 立場へとシフト することが求められています。 これまでプロセスとして捉えられてきた共創は、新たなアウト プットとして理解される必要があるのです。したがってツール やプラットフォームの設計は、生活者が自らの手で新たな体験 をデザインするために重要な要素になるでしょう。 またこうした共創型のアプローチはビジネスにとっても、素早 く、かつスタミナを消費せずにイノベーションを生み出せる可 能性を秘めています。 とりわけヘルスケア領域はこうしたアプローチに親和性の高い 領域として期待できるでしょう。しかし他方で、こうしたアプ ローチではインクルーシブデザインの視点も重要です。 企業は従来のビジネス理解を脱し、生活者がデジタルやテクノ ロジーを駆使して、自ずから新たな体験のデザインが行える状 況を提供しているのか見つめ直す必要があるでしょう。 D O I T Y O U R S E L F I N N O V A T I O N WHAT’S NEXT?
  • 15. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 F J O R D S U G G E S T S Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 14 顧客を共同制作者として捉えなおしましょう。製品・サービスを「未 完成品」としたとき、体験のどの要素を顧客と共創できるのか、また、 その要素は第三者を巻き込むことで自社のビジネスモデルのエコシス テム化を向上させることができるのか考えてみましょう。 イノベーションは長期戦です。真剣に取り組み、イノベーションを促 す習慣と行動を素早く組織全体に浸透させましょう。イノベーション には根気が必要です。 プラットフォームを作り、顧客が自社のデータを活用し、自社の製品・ サービスのみならず、他社のものも使って色々と試し、開発できるよう にしましょう。それにより得られる副次的なデータは非常に価値あるも のになります。 D O I T Y O U R S E L F I N N O V A T I O N Think Say Do
  • 17. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 16 在宅勤務の増加により、企業文化を形成する交流や教育の機 会、福利厚生といった価値や体験が失われ、企業は従業員体 験のみならず労使間の関係についても再考する必要が出てき ました。 これまで企業が負担してきた通信費や仕事机等のコストも多 くの従業員が自分で賄っています。在宅勤務は事実上、オ フィスで暮らしているのと同じになり、職場で家族と過ごし たり育児をしたりしています。 「職場」は今、テクノロジーに支えられ、物理的空間ではな くマインドセットへと変化しつつあります。 しかし、長期的に続く在宅勤務に適したインフラやハード ウェアはまだ不足していると言えます。 これらに対し将来的に万能の解決策が現れることはなく、従 業員や企業それぞれにあった従業員体験が求められます。 このトレンドはオフィスワーカーに限らず、オフィスに依存 する様々な職種の労働者にも影響を与えるでしょう。 WHAT’S GOING ON? S W E E T T E A M S A R E M A D E O F T H I S
  • 18. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 自然発生するようなゆるやかなデジタルコミュニティを どのように築くか リモートワークの浸透により、雑談や関係構築の機会が 激減しており、従業員の心理的安全性の低下やストレス 増加に繋がっています。また、場に出向く機会も激減し たことで、オフィスが体現していたビジョンを体感する ことや経営陣と顔をあわせる機会が減り、企業文化の浸 透もしづらくなっています。 「クックパッド」では、オフィス内のキッチンを使って 料理し合うコミュニケーションが実現しづらくなったた め、社内Slackに#リモート昼ごはんのチャンネルを作成 し、オフィス内のコミュニケーションの場を再現してい ます。 様々な企業が文化形成の方法を模索しています。 17 離れて働くチームを繋ぐ方法 https://techlife.cookpad.com/entry/2020/02/21/130002 S W E E T T E A M S A R E M A D E O F T H I S
  • 19. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 18 GREEN SPOON https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000055700.html 1 BeatFit https://www.beatfit.jp/b2b/ リモートワークで生まれる 新たな福利厚生 従業員への新しい福利厚生の形 経産省は、国民の健康寿命の延伸に関する取り組みの一 つとして「健康経営」をコロナ以前から掲げており、企 業も生産性向上・離職率の低下等の効果があることから、 積極的に健康促進サービスを導入してきました。 在宅勤務により運動不足や食事が疎かになったりと問題 が起こり、必要性はより増しています。以前より続いて いるサービスも今の時代に適応し、新しいプログラムが 生まれ始めています。 「GREEN SPOON」は日々のカラダや生活に合わせて、 自分にあった野菜が毎月自宅に届くサービスです。従業 員の自宅に届ける法人向けの福利厚生プログラムを新た に開始しました。 働く人の運動習慣・ストレス対策をサポートする 「BeatFit」のような福利厚生サービスも存在します。 企業はビジョンを明確化し、企業に合わせた適切な支援 を行う必要があります。 S W E E T T E A M S A R E M A D E O F T H I S
  • 20. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 19 企業には、以下の4つの分野で従業員体験にイノベーション を起こすチャンスがあります。 テクノロジー:革新的なソフトウェア・ハードウェアをいち 早く導入すること。 企業文化:物理的に離れ孤立しがちな従業員のチームへの帰 属意識を高め、企業文化を築くとともに、対面の在り方も同 時に重要になる。 人材:場所に依存しない人材採用で企業人材の最適化を図り、 在宅勤務支援等の適切な報酬を与えること。 マネジメント:在宅勤務の従業員マネジメントをプライバ シーと体験のクオリティを考慮した上で、業務用デバイスを 効果的なものにすること。 オフィスという物理的な空間と切り離し、代わりに適切なデ ジタル技術を用いて分散をしたチームを最大限活用できるよ うデザインしなければなりません。私たちはまさに、未来の 仕事の姿をプロトタイプする時代に入ったと言えます。 WHAT’S NEXT? S W E E T T E A M S A R E M A D E O F T H I S
  • 21. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 F J O R D S U G G E S T S Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 20 リモートワークの倫理について考えてみましょう。従業員が会社と関わ る場所と方法が変化する中、企業として何を与えることができ、何を得 ることができるのか、相互の利益を念頭において考えることが大切です。 一人ひとりの自宅は依然として個人の私的空間であり、従業員のプライ バシーと自由は重要であることを認識しなければなりません。 服装、勤務日の柔軟性、就労時間よりも成果で生産性を測るなど、在 宅勤務の働き方の中からオフィスに持ち帰って欲しい要素は何かを明 らかにしましょう。また、仕事で習慣的になっているマインドセット のどの要素を在宅勤務にも適用すべきなのかも考えてみましょう。 柔軟な勤務体制とレジリエンス(耐久性)を実現する、テクノロジー と企業文化を組み合わせたソリューションをデザインしましょう。 S W E E T T E A M S A R E M A D E O F T H I S Think Say Do
  • 23. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 22 I N T E R A C T I O N W A N D E R L U S T スクリーンを通して、私たちが外のオンライン世界と繋がり、 自分自身を表現していく中で、デザイン、コンテンツ、観客 間のインタラクションのあり方は急速に変化しています。 カメラや編集ツールが安価になると同時に品質が向上し、コ ンテンツ制作者たちはプロ・アマ問わず互いに影響し合い、 「コンテンツのあるべき姿」についての新しい基準を作り始 めました。 コンピューターやスマートフォンにおけるインターフェース デザインや、誰でも簡単に使えるデザイン・テンプレートが、 時にはオンライン体験を変わり映えのないものにしており、 つまらなさや疲れを感じさせる原因となっています。 自宅のスクリーンで過ごす時間が増えた事で、これまで屋外 や公共の場所で得られていた情報が制限されてしまい、ワク ワク感や偶然性が欠如してしまいます。 また公共の場所では、細菌感染のリスクから接触型インター フェースの利用が控えられ、ジェスチャー型や非接触型へと 移行しています。 WHAT’S GOING ON?
  • 24. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. Mirror Fit https://mirrorfit.jp mmhmm https://www.mmhmm.app/ Zwift https://www.zwift.com/ja パンデミックによる環境の変化は インタラクションの進化を加速 インタラクションで心身の健康を充実 巣篭もり生活が続き「コロナ太り」などのワードもtwitter などから浮上。長時間のスクリーン利用による眼精疲労や、 腰痛など健康の悪化も懸念される中、美容健康や食生活へ の意識が高まり、新たな生活習慣が好まれる傾向がありま す。 外出を自粛し、サイクリングやジム通いなど今までの習慣 を家の中で継続するために、自宅でのフィットネスをサ ポートするスマートミラー「Mirror Fit」や室内向け自転車 を使ったトレーニングゲーム「Zwift」などが注目を集めて います。このような新しいサービスからは、今まで以上に 効率的かつワクワクするエンターテイメントのような体験 が得られます。 また、環境の変化により、人との何気ない会話や、非言語 的なコミュニケーションが減少し、精神的な負荷も高まっ ています。 オンライン会議アプリ「mmhmm」は音声のみに頼りなり がちなコミュニケーションを、一つのエンターテイメント として彩り、対面での会議以上に見た目にも楽しい、イン タラクティブな体験を提供しています。 23 I N T E R A C T I O N W A N D E R L U S T
  • 25. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. アーティストと視聴者の夢を現実にする 新たなインタラクションの登場 Showstage https://www.showstage.live http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/phileweb/trend/phileweb-news__d-av__49285 https://thedice.com/showstage-1st-live/ インタラクションを促進するプラットフォーム ライブ動画プラットフォームのSHOWROOMは、スマートフォ ンやVRヘッドセットOculusGoを利用したバーチャルライブ配信 サービス「SHOWSTAGE」をリリースしました。現在は、臨場 感溢れるライブ配信をVR/AR形式でアバターを投影して行って いますが、将来的には、3Dキャラクターではなく実際の映像を 投影する方法の実現を目指しています。 リアルタイムでのコミュニケーションや、ギフトなどでライブ を盛り上げるだけでなく、没入できる感覚を味わえる空間の実 現が期待されています。 日本人のアーティストやクリエイターも世界的なプラット フォームを新たなステージとして活用し、国内に止まらず活躍 の場をさらに広げています。 24 I N T E R A C T I O N W A N D E R L U S T
  • 26. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 25 革新的な体験を作るために、当たり前になっているルール、 使い古されたテンプレートをやめ、エンターテイメントから インスピレーションを得る必要があります。 ライブパフォーマンス、ソーシャルな場、プラットフォーム はVRなどを利用し、オンラインとオフラインの体験が一体 化していきます。アクティブな視聴者、共同クリエイターな ど、どのようにそこに関わる人なのかを明確に定義するのも 良いでしょう。 アイテムやアバターなどを使うことで、オンライン環境でオ フラインの感情を再現する新たな方法もあります。また、サ ブスクリプションや投げ銭のような課金システムを提供する ことでクリエイターの支援を検討することも重要です。 人々がオンラインで過ごす時間が増えた結果、生成される データをユーザーにとって有意義な形で活用する企業にチャ ンスがあるでしょう。 人々を豊かにするワクワクや喜び、偶然性を提供するスク リーンインタラクションを作りあげることを新たなゴールと しましょう。 WHAT’S NEXT? I N T E R A C T I O N W A N D E R L U S T
  • 27. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 F J O R D S U G G E S T S Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 26 デジタル技術の長時間利用は健康に悪影響を与える可能性があります。 顧客と従業員のために、没入型デジタル環境とより多様な刺激の適切 なバランスを考えましょう。 同一化したインタラクションがあふれる中で埋もれないよう、リスク を負うことを恐れずに創造力に富んだインターフェースとコミュニ ケーションを本気で開発しましょう。 エンゲージメントを拡大するために自社ができることを理解するには、 エンターテインメントの新しいプラットフォームや「コンテンツのあ るべき姿」を探求することが大切です。 I N T E R A C T I O N W A N D E R L U S T Think Say Do
  • 29. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 28 私たちが物を入手する方法や場所が大きく変ったことにより、 企業は、生産、出荷、保管、そして配送方法の再構築を迫ら れています。 人々の「流動的な期待」(ある卓越した体験が、領域や業界 の垣根を超えて顧客の期待値を高める現象)が拡張し、本来 であればブランドの手を離れているはずの自宅での商品受け 取りや箱を開ける体験にまでその期待が及んでいます。 一方で、効率化が計れない小規模な梱包・配送コストや高い 返品率は企業の商品提供コストを引き上げ続けています。起 死回生に思われたD2Cモデルもスケーラビリティの点で難し さが見えてきました。 このような状況下では、顧客との近さがブランドの生命線に なります。ブランドは「体験とコスト」のトレードオフを再 考し、商品やサービスが顧客の手に届く最後の瞬間までをデ ザインする必要があります。 WHAT’S GOING ON? L I Q U I D I N F R A S T R U C T U R E
  • 30. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 29 既存アセットを捉えなおす サプライチェーンを効率性だけで判断せず、優れた体験を届けるためのアセットと して再考する必要があります。自社のアセットが何を意味し、どう活用していける のかについてより広い視野で考える必要があります。 JR東日本スタートアップは、多くの空席を抱えることになった新幹線を利用し、貨 物輸送に乗り出しました。トラック輸送よりも早く正確な配達時間や運送時の衝撃 が少ないという利点を活かすことで、時間や衝撃にシビアな鮮魚など、品質を保っ たまま消費者の元へ届けることができます。 また米国Amazonでは、人が来なくなったホールフーズの実店舗の立地を活かし、配 送・出荷を行うダークストアとして使い始めました。 B2Bシェアリングエコノミー 自社で多額の資金投資をするリスクを考えれば、 企業間のシェアリングエコノミー は今後も伸びていくでしょう。ブランド同士のコラボレーションによって、パンデ ミック下で失われたフィジカルな体験価値を補い発展していくことが期待されます。 都心でダークキッチンを経営しているデリバリー専用シェア型クラウドキッチン 「KitchenBASE」は、2020年夏にビル一棟全てを新拠点として構え、飲食店がコス トを抑え、顧客へのサービス提供に専念できるようにしました。 L I Q U I D I N F R A S T R U C T U R E https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000034286.html * Kitchen BASE( ) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000041041.html サプライチェーンを再考することで 新しい価値を創出
  • 31. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 30 二段変速型のイノベーション 企業はいま、自社のコアバリューを忠実に守りながら、柔軟性を持って素早く変化 に対応できるようにする、二段変速型のイノベーションが求められています。 ウォルマートは近年、全米の半数以上の店舗で当日配送が可能になるサブスクリプ ションサービス「Walmart+」を始めました。さらに、店内でもより効率的に商品を 試し買うことができるよう店舗設計を見直したり、オンラインで注文した商品を駐 車場で受け取れるドライブスルーの利用も伸長させており、顧客が商品を受け取る までの体験を新しくデザインしています。 ローカル・サステナブルの意識 既存のサプライチェーンを見直す中で、サステナブルなビジネスモデルの検討を進 める企業も出てきています。IKEAは最近、潜在的廃棄物を軽減する活動の一貫とし て、中古家具の買取販売を始めました。 また、持続可能なサプライチェーンを実現するもう1つの方法は、ローカルビジネ スに目を向けることです。例えば農業ベンチャー「やさいバス」は地産地消の配送 システムです。配送によるコスト・環境負荷を抑えながら、地元の食材を売買でき、 地域産業の活性と新鮮な地元食材を手軽に購入できる購買体験で、成長を続けてい ます。 L I Q U I D I N F R A S T R U C T U R E https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000284.000008062.html Circular Hub IKEA https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000065734.html Walmart+ https://www.walmart.com/plus
  • 32. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 31 ブランドは、自社のサプライチェーンを再考し、既存アセッ トがどうビジネスに活用できるかという発想を膨らませる必 要があります。 その際、自社で多額の資金投資をするリスクを考えれば、 企業間のシェアリングエコノミーや新たな戦略的パートナー シップの機会は今後も伸びていくでしょう。 また、企業が自社のコアバリューを忠実に守りながら、俊敏 性と柔軟性を持って変化に対応できるようにする、二段変速 型のイノベーションの台頭もありそうです。 デリバリーという文脈においては、パーソナライゼーション による差別化が5Gの台頭により加速するでしょう。 サプライチェーンを見直すことは同時に、ブランドが地域性 や持続可能な代替策を検討するチャンスがあることも意味し ます。 WHAT’S NEXT? L I Q U I D I N F R A S T R U C T U R E
  • 33. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 F J O R D S U G G E S T S Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 32 サプライチェーンと物理的資産は、効率性の観点のみならず、成長に おいて重要な役割を果たすと考えましょう。あなたは何をどう変えま すか?「店舗」のような資産が実際に何を提供しているのかを分析し てみましょう。何がデジタルに属し、何が物理的領域に属するでしょ うか? 持続可能な未来へ向けて再設計し転換すると宣言しましょう。5年経 たずに、持続可能性はサプライチェーンに関する決定に最も大きな影 響を及ぼすことになります。今すぐにでも、持続可能性のためのデザ インをどのように行うか計画を立てはじめましょう。 なかなか見えにくい「エクスペリエンスチェーン」の中で、まだ認識 されていない価値を付加できる部分はないか考えてみましょう。例え ば「待ち時間」は体験の一部を構成するものでしょうか?顧客に喜び を与えるために、あなたはそのような“未開拓地”をどのように使いま すか? L I Q U I D I N F R A S T R U C T U R E Think Say Do
  • 35. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 34 2020年、パンデミックは様々な社会問題や不平等を浮き彫り にしました。 BLM運動を始めとした社会への批判や意見の対立は、企業も 社会の一員としての役割を果たさなければ厳しく糾弾される ことを明白にしました。 社会問題に関するストーリーを企業がどう扱うかは、客観的 な事実よりも感情に訴えかける情報が強く世論を動かしてい く「ポスト真実」と呼ばれる時代において、非常に重要な課 題となっています。 しかしポスト真実の時代において、私たちは情報へのアクセ スが容易であればあるほど、誤った情報を受け取ってしまっ たり、惑わされてしまう危険性が高くなります。 ブランドは、多様化、そして二極化するストーリーをどのよ うに扱い、どちらの側を支持するかを考える必要があります。 沈黙を貫くことは、それ自体が選択であり、メッセージでも あります。 WHAT’S GOING ON? E M P A T H Y C H A L L A N G E
  • 36. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. パンデミックにより浮き彫りになる格差と 共感を呼ぶ支援 パンデミックにより、不平等がより鮮明に パンデミックは女性や子どもを始めとした社会的立場が弱い人々への格差をより 鮮明に浮き彫りにしました。日本でも、新型コロナウイルスの影響で、働く女性 の26%が解雇や休業など、仕事に何らかの影響を受けており、これは男性の1.4倍 にも上ります。 また、リモート化が進んだ影響で人とのつながり方が変化し、これまで学校やオ フィスで起きていた友人・同僚との関係構築が難しくなったり、アドバイスを受 ける機会が減ったりしています。 自社のケイパビリティを活かした、共感を呼ぶ行動 eBayはロックダウンの影響を大きく受ける小規模企業のために、自社のインフラ と専門知識を活用したアクセラレータープログラム「Up & Running」を始動。無 料のeコマースプラットフォームやマーケティングツール、配達料割引を提供し、 小規模企業はタイムリーに効果的な支援を得ることができました。 NHK 1.4 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201204/k10012745251000.html JMAM https://www.jmam.co.jp/hrm/news/1260103_7494.html 2020 https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/04#section07 eBay UP & RUNNING https://www.ebayinc.com/stories/news/ebay-launches-up-running-to-immediately-bring-small-businesses-online/ 35 E M P A T H Y C H A L L A N G E
  • 37. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 二極化するストーリーに、企業はど う向き合うか 意見の対立を招く社会課題に対し、明確な意思と行動を示す企業たち ユニリーバ・ジャパンのヘアケアブランド「ラックス」による調査では、企業の 採用担当者や経営者の約4人に1人が「採用過程において、男性と女性が平等に扱 われていない」と感じています。 そこでラックスは、性別への先入観を取り除くための「LUX Social Damage Care Project」を立ち上げ、第一弾として、全ての採用選考の過程で、顔写真の 提出や応募者への性別に関する一切の項目を排除し、個人の適性や能力のみに焦 点を当てた採用をすることを決めました。 ローカルビジネスのレビューサイト、Yelpが、人種差別的な行為を告発された事 業者にフラグを立ててユーザーに警告したところ、オンライン上で議論が巻き起 こりました。 LUX Social Damage Care Project https://www.lux.co.jp/campaign/lux_socialdamagecare/ https://www.unilever.co.jp/news/press-releases/2020/lux-social-damage-care-project.html Yelp New Consumer Alert on Yelp Takes Firm Stance Against Racism https://blog.yelp.com/2020/10/new-consumer-alert-on-yelp-takes-firm-stance-against-racism 36 E M P A T H Y C H A L L A N G E
  • 38. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 37 共感は優れたデザインの基本ですが、共感とは行動であり、 顧客の声を聴くという一過性の作業ではありません。 企業は、日々利益を上げようと努力する一方で、行動とメッ セージは常に正しいものでなければならないというプレッ シャーにさらされています。 共感を得ることの重要性が益々高まる中、問題はすべての人 から共感を得ることは不可能に近いということです。 ブランドは、最初から全員の共感を得ようとするのではなく、 自らのパーパスに最も近いテーマにフォーカスし、そこにい る人たちに向けて、小さく行動を起こしていく必要がありま す。 ストーリーは今やブランドイメージの核となる部分です。 ブランドはデザインとコミュニケーションを統合し、メッ セージとすべての行動の隅々までを一致させる必要がありま す。 WHAT’S NEXT? E M P A T H Y C H A L L A N G E
  • 39. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 F J O R D S U G G E S T S Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 38 従業員もステークホルダーとして認識しましょう。そして従業員の大 半を納得させる必要があります(100%は無茶な注文です)。そうす るために、パーパスを一から作り上げ、共感については社外へのコ ミュニケーションよりも社内へのコミュニケーションを一層重視しま しょう。従業員は企業の代弁者であり、企業のメッセージを広く伝え てくれます。 関わるべきテーマをいくつかに絞り、自社とテーマの関わりを示し つつパーパスと整合させ語りましょう。混乱を避けるため、テーマ は増やし過ぎないように。また、一種類の意見だけを果てしなく繰 り返したり、社内に修復できない亀裂を生むような文化を作ったり しないように気を付けましょう。 デザインとコミュニケーションを融合させ、ブランドとしてのメッ セージと行動に一貫性を持たせましょう。 E M P A T H Y C H A L L A N G E Think Say Do
  • 41. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 40 リチュアルは、私たちの生活の枠組みを形成しています。結婚 式から毎日のコーヒーまで、その大小を問わず、私たちの人生 に対して感情的に強く結び付いています。2020年は、そんな リチュアルの消失を世界中で共有する年になりました。 この状況に対しての対処方法の一つとして、スピリチュアリ ティやマインドフルネスへの意識が高まっています。 これらの例は、これまでの習慣を再定義し、新たな意味を模索 する時であり、その結果、多くの人々が新たなリチュアルを生 み出すきっかけとなっていることを意味しています。 ブランドにとって、人々が再び繋がり、癒やしを得ることで、 彼らにコントロールとエンパワーメントの感覚を取り戻す手助 けをする機会が生まれています。 WHAT’S GOING ON? R I T U A L S L O S T A N D F O U N D
  • 42. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. R I T U A L S L O S T A N D F O U N D 41 パンデミックによる行動の制限は、今まで当たり前のように行っていたリ チュアルの中にあった本質的な価値に気づくきっかけとなりました。行動 が制限されたとき、満たす場所を失った感情や繋がりを捉え、新たなリ チュアルを創造することが求められています。 通勤はただ家と職場を往復するだけではなく、「日常の私」と「仕事の 私」の切り替えの役割も担っていました。それに注目したMicrosoftは Teams上で擬似的にオフィス体験ができるバーチャル通勤の機能を実装し ました。 グループでの体験を共有することで感じられる帰属感に注目したのが Netflix Partyです。離れていても友だちと同じコンテンツを楽しめる、体験 の共有を付加価値として提供し、話題となりました。 「EXPERIENCE THE MIX」をコンセプトに掲げているカレー屋の6curryが 提供していた価値は、食事そのものではなく、客同士が自然とMIXできる場 所。それをグループでチャットするサービスのDiscordを活用することで、 リチュアルを再現しています。 リチュアルの中にあった本質的な価値を 再現する新たな手段 Microsoft Thinks You’ve Been Missing Your Commute in Lockdown PHOTO: MICROSOFT CORP. https://www.wsj.com/articles/microsoft-thinks-youve-been-missing-your-commute-in-lockdown-11601373601 Netflix Party https://www.netflixparty.com/ 6curry Website https://6curry.com
  • 43. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. R I T U A L S L O S T A N D F O U N D 42 パンデミックによる行動の制限は、私たちの日常を「ニューノーマル」へ と変化させました。それに伴って、日々のリチュアルも変化が起こってい ます。 マインドフルネスAPPであるCalmは、ニューノーマルな日常の中で失われ つつある「安らぎ」に注目しました。慌ただしい日常の中で、静寂に包ま れた時間をユーザーに提供しています。 飲み会や会食と言ったリチュアルが制限される中、同僚や友人とのコミュ ニケーションを活性化するためZoom等を活用した「リモート飲み会」が開 催されています。それを後押しするように、社内の懇親会やランチミー ティング等で、参加者の自宅までお食事とお酒を直接届ける「nonpi foodbox」のようなサービスも誕生しました。 鳥飼八幡宮はオンライン初詣を開催。お賽銭や絵馬の奉納を通して感じて いた参拝のありがたみのオンライン上での再現に挑戦。「新しい生活様 式」においても、人々の心の拠り所であり続ける神社としてのあり方を提 案しました。 「ニューノーマルな日常」を形成する 新たなリチュアルの誕生 nonpi foodbox https://nonpi-foodbox.com/ 16,000 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000371.000005725.html Calm https://www.calm.com https://play.google.com/store/apps/details?id=com.calm.android&hl=ja&gl=US
  • 44. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 43 まず最初に、あなたのブランドが人々の生活と接点を 持っているのは、彼らの生活を楽にする習慣の一部なの か、それとも彼らの人生に意味付けをするリチュアルの 一部なのかを問い直してみてください。 その上でリチュアルの消失によって生まれた機会を理解 し、感情と機能の両方に焦点を当てることで、新たな体 験をデザインすることが求められます。その際にはリ チュアルの持つ以下の4つの役割を意識すると良いでしょ う。 1. 生活の中でのモードの切り替えを担うポータル 2. 商品やサービスの消費を通じた帰属感の意識 3. 自分の時間を通じた日々の中での癒やし 4. 人々を繋げる架け橋 更に、行動デザインの原則を活用することやその新しく 生み出したリチュアルがブランドのパーパスと繋がって いることを確認する必要があります。 WHAT’S NEXT? R I T U A L S L O S T A N D F O U N D
  • 45. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 F J O R D S U G G E S T S Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. 44 Think Say Do リチュアルの仕組みを分解し、人々がどのように感じているかだけではなく、 彼らが何をしているかについても理解を深めましょう。おそらく市場ごとに様 相は異なり、リチュアルがどこで行われるか(オンライン/オフライン)のバ ランスはパンデミックが収束するにつれて徐々に変わっていくでしょう。 ブランドには今、様々な問題に対して意見を表明することが求められています (「共感への挑戦」参照)。変化に対峙する顧客を手助けする際に、どのよう にブランドの「声」を使うかについては慎重になりましょう。顧客に対して、 「変化を共に乗り越え一緒にニューノーマルを見つける」という姿勢を真摯に 伝えましょう。 リチュアルの再構築を促進しましょう。人々が周囲や社会とのつながりを感じ られることが重要です。精神的な安定性をどのようにサポートできるでしょう か?メンタルヘルスへの配慮を自社の製品・サービスにどのように取り入れる ことができるでしょうか?一緒に変化を乗り越えるにせよ、その経験は個人に よって様々です。新たな喜びの源泉を受け入れる人がいる一方で、悲しみに暮 れながら対処している人がいることも忘れないようにしましょう。 R I T U A L S L O S T A N D F O U N D
  • 46. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. T H A N K Y O U This presentation makes reference to marks owned by third parties. Unless otherwise noted, all such third-party marks are the property of their respective owners. No sponsorship, endorsement or approval of this content by the owners of such marks is intended, expressed or implied.
  • 47. F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. A B O U T A C C E N T U R E A C C E N T U R E I N T E R A C T I V E This document makes descriptive reference to trademarks that may be owned by others. The use of such trademarks herein is not an assertion of ownership of such trademarks by Accenture and is not intended to represent or imply the existence of an association between Accenture and the lawful owners of such trademarks. This document is produced by professionals at Accenture as general guidance. It is not intended to provide specific advice on you circumstances. If you require advice or further details on any matters referred to, please contact your Accenture representative. Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. Accenture its logo are trademarks of Accenture. Accenture is a global professional services company with leading capabilities in digital, cloud and security. Combining unmatched experience and specialized skills across more than 40 industries, we offer Strategy and Consulting, Interactive, Technology and Operations services—all powered by the world’s largest network of Advanced Technology and Intelligent Operations centers. Our 506,000 people deliver on the promise of technology and human ingenuity every day, serving clients in more than 120 countries. We embrace the power of change to create value and shared success for our clients, people, shareholders, partners and communities. Visit us at accenture.com Accenture Interactive helps the world’s leading brands transform their customer experiences across the entire customer journey. Through our connected offerings in design, marketing, content and commerce, we create new ways to win in today’s experience-led economy. Accenture Interactive was ranked the world’s largest and fastest-growing digital agency in the latest Ad Age Agency Report. To learn more, follow us @AccentureACTIVE Visit us at accenture.com/interactive F J O R D T R E N D S 2 0 2 1 Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. ア ク セ ン チ ュ ア に つ い て ア ク セ ン チ ュ ア イ ン タ ラ ク テ ィ ブ に つ い て アクセンチュアは、デジタル、クラウドおよびセキュリティ領域において 卓越した能力で世界をリードするプロフェッショナル サービス企業です。 40を超える業界の比類のなき知見、経験と専門スキルを組み合わせ、スト ラテジー&コンサルティング、インタラクティブ、テクノロジー、オペ レーションズサービスを、世界最大の先端テクノロジーセンターとインテ リジェントオペレーションセンターのネットワークを活用して提供してい ます。アクセンチュアは53万7,000人の社員が、世界120カ国以上のお客様 に対してサービスを提供しています。アクセンチュアは、変化がもたらす 力を受け入れ、お客様、社員、株主、パートナー企業や社会へのさらなる 価値を創出します。 アクセンチュアの詳細は www.accenture.com を、 アクセンチュア株式会社の詳細は www.accenture.com/jp をご覧ください。 アクセンチュア インタラクティブは、体験を通じてビジネスを再構築し ます。企業の存在価値であるパーパスとイノベーションが両立する意義深 い体験を作ることで、企業の持続的成長を支援します。人やビジネスに関 する深い洞察とテクノロジーを結びつけることで、生活をより便利に、よ り生産的でやりがいのあるものにする体験を設計。それを具現化して構築 し、コミュニケーションを通じて広め、ビジネスを継続的に支援します。 アクセンチュア インタラクティブは、Ad Age誌が発行する最新の Agency Reportで世界最大のデジタル・エージェンシーであると評価さ れ、Fast Companyの「a Most Innovative Company」に選出されまし た。日本でもCampaign誌の「Japan Digital Agency of the Year」を2年 連続3回受賞しています。 アクセンチュア インタラクティブの詳細は、 www.accenture.com/jp-ja/interactive-indexをご覧ください。 This document makes descriptive reference to trademarks that may be owned by others. The use of such trademarks herein is not an assertion of ownership of such trademarks by Accenture and is not intended to represent or imply the existence of an association between Accenture and the lawful owners of such trademarks. This document is produced by professionals at Accenture as general guidance. It is not intended to provide specific advice on you circumstances. If you require advice or further details on any matters referred to, please contact your Accenture representative. Copyright © 2020 Accenture. All rights reserved. Accenture its logo are trademarks of Accenture.