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Cog2018 kansai machi_kan
- 4. 古き良き京の町並みはどんどん失われている • 京町家は年間２％以上のペースで取り壊されている 2009年に48,000軒あった京町家は毎年2%以上のペースで取り壊されてお り、2016年時点では約40,000軒に減少していると推測されています。 特に平成28年度に調査が実施された中京区の明倫学区などでは10%以上の 激しい減少も起こっています。 • 空き家率も増加傾向 http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000228/228362/1men_ol.pdf から抜粋 京町家とは 建築基準法が施行された昭和25年 以前に建築された木造建築物で， 伝統的な構造及び都市生活の中か ら生み出された形態又は意匠を有 するもの http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000228/228362/2-3men_ol.pdf から抜 粋
- 5. 持ち主はどう思っているのか？ 空き家所有者 30代男性、相続で京都市内に昭和４０年代の平屋建て住居・ 土地を取得 • そもそも不動産取引のことをよく知らない • 売却か保有か判断できるだけの材料が不足 • 補修にも多額の費用がかかる • 不動産情報サイトで売却額をみると想定よりも安い 町家住民 80代男性、築75年、夫婦住まい、戦前から現在地に居住 • 不便もあるが必要最低限の機能はある • 意匠のこだわりもあり価値ある建物だと感じている • 通行する方に褒めてもらうと嬉しい • 最新の住宅と比べると機能的には不便も多い • 維持費が高い • 取り壊し、建て替えの意志はない • 壊すと同じものはもう作れない。職人もいない • 価値ある建物だと思うが、価値観が合わないと住めない • みんなが町家を壊したいわけではない。残したい人もいる。 • 町家が価値ある建物だと感じてないと維持しない。 • 町家を維持するのは負担も多い。 居住者には京町家の価値を知らない人も 京町家居住者を対象とした「京町家ま ちづくり調査」の結果、約半数は「普 通の木造住宅」と捉えている。 町家と認識している人は約60%が保全 の意向を持っているのに対し、「普通 の木造住宅」と捉えている人は約20％ に留まる。 京町家の価値を知らない、維持が大変なことが原因か 快適な生活をおくるための改修だけでなく、屋根、畳、襖、植 木などの定期的なメンテナンスを行わないと劣化が早い。職人 が減っており、費用も高額となることがあり、すでに修繕でき ないこともある。 「平成22年「京町家まちづくり調査」の調査結果の概要について」から抜粋 住民ヒアリングの結果 公的な調査の結果
- 6. みんなで町家を残しやすい環境を作ろう ２つのアプローチで京町家の維持に挑みます！ • 所有者が町家の価値を知ること、周囲が町家の維持を支援することが、 京都の町並み・京町家を維持する有効な手段と考え、《町家評価ツー ル》《町家タッチ》の２つのツール・サービスを提供します。 町家の 価値 所有者 保全する 取り壊す 維持費 の確保 取り壊す 感じる 感じない できる できない 《町家評価ツール》 《町家タッチ》 所有者に町家の価値 を再認識してもらう 所有者に町家を維持しやす い環境(周囲からの評価と 金銭的な支援)を提供する
- 7. 所有者に町家の価値を再認識してもらう《町家評価ツール》 所有者自身がその価値を知る必要があると考え、統計的に町家の希少度を 評価するツール《町家評価ツール》を提供します。 機能 町家評価機能（β版作成） 所有する町家の地域・建築年代・構造・規 模・意匠等を入力することで、京都市が調 査した「京町家まちづくり調査」等のデー タと照らし合わせ、所有する町家が、京都 市・地域でどの程度希少価値のある存在な のか評価します。 将来的には、メンテナンス履歴を保持し、 維持・保全することで価値が向上すること も検討します。 町家統計 収集した町家データを、分類・集計し、行 政・学術機関・民間業者へ提供します。 行政施策紹介 町家の補修・保全、補助金などを望む所有 者に対し、京都市が実施する「京町家なん でも相談」、「京町家カルテ」、「京町家 プロフィール」といった施策の紹介および 申請への動線を提供します。 利用データ • 京町家まちづくり調査（平成10年度） • 京町家まちづくり調査（平成15年度） • 京町家まちづくり調査（平成20,21年度） 地域を入力し 特徴を入力 すると 町家の希少度 をグラフ表示 うちの家 結構いい家 なんやな
- 8. 所有者に町家を維持しやすい環境を提供する《町家タッチ》 周囲からの評価と金銭的な支援も重要であると考え、観光客・近隣住民が 好みの町家に投票・寄付し、町家所有者に還元するツール《町家タッチ》 を提供します。 機能イメージ 町家タッチ端末設置 町家を評価してほしい所有者は、バーコー ドを軒先に設置します。 タッチして投票 市民および観光客は、好みの町家の軒先に あるバーコードに《町家タッチ》で読み取 ると投票・寄付・コメントが出来ます。市 民および観光客は、投票数・寄付額に応じ て、その町家のサポーターとしてランキン グされます。 所有者へのフィードバック 町家所有者は《町家評価ツール》で投票数 ・寄付額・コメントを確認することができ ます。 町家維持の支援 一定の投票・寄付を得た町家に対し、行政 施策の申請費や修繕費などの補助を行いま す。 うまく維持したら町家はお 金を生む資産になるかも。 町家情報 寄付 ランキング Pi 所有者が バーコードを掲示 チェックインしてと 町家情報取得 後世に残してほしいので 少額寄付 チェックイン数、 寄付額で サポーターランキング
- 9. 現在の状況 • なんとか町家タッチもβ版を作りたいねって言ってる。 • COG2017終了後に京町家の維持保全活動をされている市民団体 の方を紹介していただく。面白いかもしれないが、取り壊しの 一番の理由は「相続」。数千・億の金銭、相続者の人間関係・ 価値観が整わないと維持に傾かない。とのコメントをいただく。 • メンバーが繁忙になったり、具体的な期限もないため、集まる ことが少なくなっている。 • 活気を維持して長く活動するのはなかなか難しく感じている。