SlideShare a Scribd company logo
1 of 85
Download to read offline
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
1
『逆転オセロニア』における、機械学習モデルを用いた

デッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用

CEDEC 2019
Sep. 5, 2019
安達 涼 / 岩城 惇
DeNA Co., Ltd.
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
自己紹介

❏ 安達 涼

 - DeNA ゲーム事業部 分析部



❏ 行動・脳データから、人間の意思決定を研究 (PhD@Caltech)



❏ 2018年4月 DeNA入社

❏ ゲームデータを統計・機械学習手法を用いて分析

❏ プレイサイクル分析

❏ ネットワーク分析



❏ Metal Gear Solid、Splinter Cell、FIFA、Falloutが好き

2
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
DeNA ゲーム事業部 分析部について

■ 分析組織としては2011年から継続しており、現在はゲーム事業に

100%コミットしている



■ 各ゲームタイトルに専属アナリストをアサインする体制

参考:CEDEC 2017「一周年で爆発した「逆転オセロニア」における、

ゲーム分析の貢献事例 〜開発・運営の意思決定を全力でサポートする、DeNAのゲーム分析体制〜」

https://www.youtube.com/watch?v=bcCiRqmvR2o



■ 行動ログ分析、ユーザー調査等、様々な分析手法を用いて分析に

取り組んでいる



■ 新たな分析手法や、機械学習等の高度な技術を活用したR&Dにも

トライしており、今回の発表はその文脈での実践例



3
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
自己紹介

❏ 岩城 惇

 - DeNA ゲーム事業部 企画部





❏ 『逆転オセロニア』プランナー



❏ 2018年11月 DeNA入社

❏ 分析ツールを用いて、キャラクター設計バランス調整



❏ Call of Duty、F1、Winning Post、Dominion、Splender

4
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
逆転オセロニアにおけるAI・機械学習の活用



● ゲーム内での活用

対戦AI、デッキのレコメンデーション 

https://www.slideshare.net/juneokumura/cedec2018ai (CEDEC 2018)

https://www.slideshare.net/juneokumura/applying-ai-in-games-gdc2019 (GDC 2019)



● ゲーム外 (運営) での活用 

デッキのアーキタイプ抽出、and more...

5
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本講演のながれ

● 話すこと

○ 逆転オセロニアの紹介と運用上の問題点

○ これまでの取り組みと既存手法の限界

○ 機械学習アルゴリズムの概要

○ 結果の可視化手法とツールの紹介

○ 運用上の問題点の解決にツールが貢献している具体例



● 話さないこと

○ 機械学習アルゴリズムの実装や、可視化ツールのシステムの詳細

○ 採用手法と他手法との精度比較

○ 売上・DAUといったKPIへの貢献度

6
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アジェンダ

1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ



2. 運用上の問題点と既存手法の限界



3. 機械学習モデルの概要



4. 可視化ツールの紹介



5. ゲーム運用への活用



6. まとめと展望

7
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
逆転オセロニアの紹介

● オセロのルールに基づいた対戦型スマホゲームアプリ

○ キャラクター (駒) のスキル・コンボによる高い戦略性

○ 劣勢からでも、「ドラマチック」に逆転できるのが特徴





● 2016年2月にリリース後、継続的に成長

○ 2,500万 ダウンロード (2019年8月時点)

○ 日本、台湾などで配信中

8※ オセロ・Othelloは登録商標です。 TM&© Othello,Co. and MegaHouse © 2016 DeNA Co.,Ltd.

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.


● キャラクター (駒) から、プレイヤーが構築した「デッキ」で対戦



● PvP (プレイヤー間対戦) がメインである

○ 対戦回数の大部分がPvP

○ 「クラスマッチ」が最もプレイされている

逆転オセロニアのゲームプレイコンテンツ

9
カップ戦

コンテンツ別バトル回数割合
 PvPコンテンツ内の対戦回数割合

クラスマッチ

PvP

PvE 

(対CPU)

コロシアム

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
10
● 月例で開催されるメインPvPコンテンツ

● 勝敗によりランキングが変動する「本気の」対戦コンテンツ

クラスマッチとは

10
ブロンズ

シルバー

ゴールド

プラチナ

ダイヤモンド
勝つ
=
ランク上昇
負ける
=
ランク下降
クラスマッチのランク

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
11


● 3つの属性: 神 (黄)、魔 (紫)、竜 (赤), 属性間の優劣はない

● 「属性補正」によって、定期的に (毎日) 環境が変化

クラスマッチの属性補正

11
神

魔

竜

神デッキ

12/1
 12/2

魔デッキ

神

魔

竜

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
デッキ構築とデッキアーキタイプ

● デッキ構築

○ 16個の駒から構成 (1駒をリーダーに指定) 

○ 駒は3,500種類以上 (2019年8月時点)

○ 駒固有のスキル・ステータスによる駒同士のシナジー



● デッキアーキタイプ

○ 戦い方を考慮した、おおまかなデッキ構成のこと

○ TCGでは一般的な概念

○ さまざまなデッキアーキタイプが存在

■ 20種類前後のアーキタイプ

■ 例:貫通速攻、混合、神殴り、…

■ リーダー駒とアーキタイプは必ずしも紐づいていない

12
スキル

ステータス

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
デッキアーキタイプの例

● 貫通速攻

○ 竜属性 (赤) の駒のみで構成されるアーキタイプ

○ 高い攻撃力と強力なコンボスキルで

大ダメージを与え、短いターンで決着を狙う

⇒ (+) 決着ターンの長いアーキタイプ

⇒ (−) ATKを減少させるアーキタイプ



● 混合

○ 神(黄)、魔(紫)、竜(赤)の3属性の駒で構成されたアーキタイプ

○ 3属性の特性をバランスよく取り入れ、他のアーキタイプに対し、 

強い・弱いのバランスが取れている

⇒ どのアーキタイプにもバランスよく戦える

13
混合
貫通速攻

各アーキタイプのデッキ例

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
デッキアーキタイプ把握の重要性

14
A

B
 C
対戦環境



● アーキタイプの相互関係は

対戦環境に大きな影響を及ぼす



● アーキタイプバランスを保つことが大切



Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.


● アーキタイプの相互関係は

対戦環境に大きな影響を及ぼす



● アーキタイプバランスが崩れると...

○ プレイヤー体験に影響 

(e.g. 特定のアーキタイプが強すぎてつまらない)

○ 中長期の継続率に大きな影響



● バランスの把握&メンテナンスが重要

デッキアーキタイプ把握の重要性

15
A
B
C
対戦環境

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アジェンダ

1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ



2. 運用上の問題点と既存手法の限界



3. 機械学習モデルの概要



4. 可視化ツールの紹介



5. ゲーム運用への活用



6. まとめと展望

16
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
ゲーム運用上の問題点と解決の方針

17
● 運用上の問題点



○ 特定のアーキタイプが強すぎる

○ アーキタイプの優劣が固定化されている



● 問題点を解決したい

○ 対戦環境を平均化・ダイナミックにすることでプレイヤー体験を向上したい

○ 運用上のポリシー

■ 禁止駒のグランドルールはない

○ プランニングのアクション

■ 駒の追加

■ 属性補正の追加



Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
定性情報に基づいたプランニングとその問題点

18
A

B
 C
対戦環境

?

?

● 定性 = 人力

○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ+プレイヤーの声

○ 蓄積した定性意見を元にプランニング





プランナー

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
19
A

B
 C
対戦環境

?

?

● 定性 = 人力

○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ + プレイヤーの声

○ 蓄積した定性意見を元にプランニング




 問題点1



プレイング

習熟まで時間が

必要

定性情報に基づいたプランニングとその問題点

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
20
A

B
 C
対戦環境

?

?

● 定性 = 人力

○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ + プレイヤーの声

○ 蓄積した定性意見を元にプランニング




 問題点1



プレイング

習熟まで時間が

必要

定性情報に基づいたプランニングとその問題点

問題点2



客観的に判断を

する難易度が高い

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
21
A

B
 C
対戦環境

?

?

● 定性 = 人力

○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ + プレイヤーの声

○ 蓄積した定性意見を元にプランニング




 問題点1



プレイング

習熟まで時間が

必要

定性情報に基づいたプランニングとその問題点

問題点3



増え続ける

アーキタイプ数への

対応が難しい

問題点2



客観的に判断を

する難易度が高い

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
22
A

B
 C
対戦環境

?

?

● 定性 = 人力

○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ + プレイヤーの声

○ 蓄積した定性意見を元にプランニング




 問題点1



プレイング

習熟まで時間が

必要

定性情報に基づいたプランニングとその問題点

問題点2



客観的に判断をす
る難易度が高い

問題点3



増え続ける

アーキタイプ数への

対応が難しい

定量的に対戦環境を把握することが必要不可欠

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
これまでの定量分析とその問題点



● ログデータから分析

○ リーダー駒の編成率

○ リーダー駒ごとの勝率





● これらの分析の課題点

○ デッキアーキタイプという抽象度でデータを解釈することが難しい

■ 意図せず対戦環境のバランスを崩してしまう可能性





23
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
これまでの定量分析とその問題点

24
リーダーa

勝率: 35%

リーダーb

勝率: 50%

デッキ
 デッキ

※ 数値は仮のものです 

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
これまでの定量分析とその問題点

25
リーダーa

勝率: 35%

リーダーb

駒を追加

勝率: 50%

デッキ
デッキ

※ 数値は仮のものです 

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
これまでの定量分析とその問題点

26
リーダーa
 リーダーb

勝率: 50%
 勝率: 65%

???

デッキ
デッキ

※ 数値は仮のものです 

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
これまでの定量分析とその問題点

27
アーキタイプA

リーダーa
 リーダーb

勝率: 50%
 勝率: 65%

アーキタイプレベルでのプランニングが重要

デッキ
デッキ

※ 数値は仮のものです 

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
これまでの定量分析とその問題点



● ログデータからアドホックに分析

○ リーダー駒の編成率

○ リーダー駒ごとの勝率



● これらの分析の課題点

○ デッキアーキタイプという抽象度でデータを解釈することができない

■ 意図せず対戦環境のバランスを崩してしまう可能性

■ ルールベース (定義に基づいた分類) では対応できない

● 大量の駒

● 同じリーダーでも異なるアーキタイプに属する



○ 新しいアーキタイプが抽出できない



● 機械学習によるデッキのアーキタイプ抽出


 28
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
ここまでのまとめ

● 対戦環境まわりの問題が顕在化

○ アーキタイプの優劣が固定化

○ 特定のアーキタイプが強すぎる



● 対戦環境改善により、ユーザー体験を向上したい

○ 対戦環境を平均化したい

○ 対戦環境をダイナミックにしたい



● これまでトライしてきた方法では問題点が多い...

○ 客観的な判断が難しい、増加してきたアーキタイプ数に対応できないなど

○ アーキタイプという抽象度の高い概念



● 機械学習によるデッキのアーキタイプ抽出

29
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アジェンダ

1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ



2. 運用上の問題点と既存手法の限界



3. 機械学習モデルの概要



4. 可視化ツールの紹介



5. ゲーム運用への活用



6. まとめと展望

30
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
機械学習に使用するデータ

● クラスマッチ ダイヤモンド帯のデッキデータ

○ ユーザーのリテラシーが高く、デッキのアーキタイプが成立している





● 週次データ

○ バトル数: 数十万

○ ユニークなデッキ数: 数十万





● 月次データで属性補正ごと

○ 属性補正の種類 (e.g. 1ヶ月で5種類前後)

○ バトル数: 数十万

○ ユニークなデッキ数: 数十万

31
ブロンズ

シルバー

ゴールド

プラチナ

ダイヤモンド

クラスマッチのランク

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
機械学習を用いたデッキアーキタイプ抽出の概要

32
機械学習モデル



トピックモデル (LDA: Latent Dirichlet Allocation)
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
パラメータ

データ

機械学習を用いたデッキアーキタイプ抽出の概要

33
機械学習モデル

大量のデッキデータ (100,000)

トピックモデル (LDA: Latent Dirichlet Allocation)
抽出するアーキタイプ数 = 7

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
機械学習を用いたデッキアーキタイプ抽出の概要

34
機械学習モデル

大量のデッキデータ (100,000)

トピックモデル (LDA: Latent Dirichlet Allocation)


抽出するアーキタイプ数 = 7



駒1

駒2

駒99

0.5

0.01

0.2

...

...

アーキタイプA

駒1

駒21

駒99

0.01

0.3

0.2

...

...

アーキタイプB

駒1

駒77

駒99

0.01

0.4

0.2

...

...

アーキタイプG

...

...

...

アーキタイプの解釈はプランナーが行う

各アーキタイプの組成 (A~Gの7つ)

...

...

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
確率

デッキ100,000
デッキ1

機械学習を用いたデッキアーキタイプ抽出の概要

35
機械学習モデル

大量のデッキデータ (100,000)

トピックモデル (LDA: Latent Dirichlet Allocation)
...



抽出するアーキタイプ数 = 7



駒1

駒2

駒99

0.5

0.01

0.2

...

...

アーキタイプA

駒1

駒21

駒99

0.01

0.3

0.2

...

...

アーキタイプB

駒1

駒77

駒99

0.01

0.4

0.2

...

...

アーキタイプG

...

...

...

各デッキが属するアーキタイプ

...

...

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
LDA: Latent Dirichlet Allocation の紹介

36
ドキュメント内の単語数
 ドキュメント数
 トピック数

トピック
 ドキュメント

トピック上の分布

割り当て

d

● トピック=全単語上の確率分布



● ドキュメント=トピック上の確率分布



引用: Blei, CACM, 2012

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
LDA: Latent Dirichlet Allocation の紹介

37
引用: Blei, CACM, 2012

トピック
 ドキュメント

トピック上の分布

割り当て

ドキュメント内の単語数
 ドキュメント数
 トピック数

d

● トピック=全単語上の確率分布



● ドキュメント=トピック上の確率分布



● 事前分布にDirichlet分布を仮定



● Bayesian inference (事後分布)
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
トピックモデルを用いたデッキアーキタイプ抽出

38
駒1

駒2

駒99

0.5

0.01

0.2

...

...

3) トピック=アーキタイプ

      =駒上の確率分布

アーキタイプA

駒1

駒21

駒99

0.01

0.6

0.02

...

...

アーキタイプB

...

...

2) ドキュメント=デッキ=アーキタイプ上の確率分布

駒1

駒77

駒99

0.01

0.1

0.7

...

...

アーキタイプG

...

...

...

...

...

A
 B
 G

アーキタイプ

割り当て

1) ドキュメント内の単語=デッキ内の駒

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
トピックモデルの利点

● 実装が簡単 (pythonパッケージあり: gensim)

● 新しいアーキタイプを抽出可能

● 時系列でのアーキタイプの紐付けが容易 (確率分布間の類似度)

● パフォーマンスが良い (駒が複数アーキタイプに共有される悪条件)

39
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
デッキアーキタイプの抽出フロー

40
アーキタイプA,

アーキタイプB,...

週 T

既存のアーキタイプと比較 

Raw対戦ログ

(デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 

アーキタイプ抽出処理 

...

Raw対戦ログ

(デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 

前処理

週 T+1

...

アーキタイプA

アーキタイプB

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
デッキアーキタイプの抽出フロー

41
アーキタイプA,

アーキタイプB,...

週 T

既存のアーキタイプと比較 

Raw対戦ログ

(デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 

アーキタイプ抽出処理 

...

Raw対戦ログ

(デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 

前処理

週 T+1

...

アーキタイプA

アーキタイプB

ルールベース抽出

アーキタイプ1,

アーキタイプ2,...

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
デッキアーキタイプの抽出フロー

42
アーキタイプA,

アーキタイプB,...

週 T

既存のアーキタイプと比較 

Raw対戦ログ

(デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 

アーキタイプ抽出処理 

...

Raw対戦ログ

(デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 

前処理

週 T+1

...

アーキタイプA

アーキタイプB

ルールベース抽出

アーキタイプ1,

アーキタイプ2,...

LDA

アーキタイプx,

アーキタイプy,...

...

アーキタイプx

...

アーキタイプy

...
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
デッキアーキタイプの抽出フロー

43
アーキタイプA,

アーキタイプB,...

週 T

既存のアーキタイプと比較 

Raw対戦ログ

(デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 

アーキタイプ抽出処理 

Raw対戦ログ

(デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 

前処理

ルールベース抽出

アーキタイプ1,

アーキタイプ2,...

LDA

アーキタイプx,

アーキタイプy,...

(New) アーキタイプF 

アーキタイプB,

アーキタイプD,...

週 T+1

既存のアーキタイプと比較 

...

...

...

アーキタイプx

アーキタイプA

アーキタイプB

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アジェンダ

1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ



2. 運用上の問題点と既存手法の限界



3. 機械学習モデルの概要



4. 可視化ツールの紹介



5. ゲーム運用への活用



6. まとめと展望

44
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
可視化の要件

目標: 対戦環境改善により、プレイヤー体験向上を実現する



● 現状把握と運営のアクションの効果確認が容易にできる

○ アーキタイプに関する統計量 (e.g. 使用率、勝率など) が一目でわかる

○ これらの統計量が時系列で比較できる

○ 内製のBIツールでは自由度が低く、実現できない





● 運営チームの誰もが、対戦環境を意識できる状況をつくりだす

○ 誰でも対戦環境をツールで確認できるようになった 

○ プランナーだけでなく、チーム全員で目標を意識

○ ローカルで結果が見られるだけでは不十分



45
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
Dashを用いたデッキアーキタイプの可視化

46
● Dash: Python製のWebアプリケーションのフレームワーク



● インタラクティブなダッシュボード作成

○ オープンソース

○ Pythonで完結 (JSの知識不要)

○ 高い自由度 

○ 豊富な具体例とソースコード



● 対戦環境把握の標準化

○ Google Cloud Platform上でデプロイ 

○ Webブラウザから閲覧可能

https://dash-gallery.plotly.host/
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
可視化ツールの紹介 (週次)

47
● 週次のクラスマッチからの抽出結果

○ 月〜日曜日のデータを元に、月曜日更新

○ 最新のアーキタイプトレンドを把握することに使用





Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
可視化ツールの紹介 (週次)

● 週次のクラスマッチからの抽出結果

○ 月〜日曜日のデータを元に、月曜日更新

○ 最新のアーキタイプトレンドを把握することに使用





48
アーキタイプ名

プレイヤー数関連

時系列情報

勝率関連

ターン数関連

デッキ情報

該当週

※ 数値は乱数に置き換えてあります
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
可視化ツールの紹介 (週次)

● 週次のクラスマッチからの抽出結果

○ 月〜日曜日のデータを元に、月曜日更新

○ 最新のアーキタイプトレンドを把握することに使用





49
アーキタイプ名
 時系列情報

勝率関連

ターン数関連

デッキ情報

該当週

プレイヤー数関連

※ 数値は乱数に置き換えてあります
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
可視化ツールの紹介 (週次)

50
対戦表
 プレイヤー数分布

先攻後攻切り替え

※ 数値は乱数に置き換えてあります
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
可視化ツールの紹介 (月次)



● 月次のクラスマッチの補正ごとの抽出結果

○ 月初更新

○ より詳細な対戦環境情報の把握、プランニングのPDCAサイクルに利用









51
アーキタイプ名

補正名

クラス別

デッキ情報

ターン数関連

勝率関連

該当月

プレイヤー数関連

※ 数値は乱数に置き換えてあります
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アジェンダ

1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ



2. 運用上の問題点と既存手法の限界



3. 機械学習モデルの概要



4. 可視化ツールの紹介



5. ゲーム運用への活用



6. まとめと展望

52
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
オセロニアの運用課題/分析ツール導入前
53
運用上の問題点1

アーキタイプの

優劣が固定化
運用上の問題点2

特定のアーキタイプが
強すぎる
定性意見中心
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
オセロニアの運用課題/分析ツール導入前
54
客観的に

判断をする

難易度が高い

増え続ける

アーキタイプ数の
対応が難しい

プレイング

習熟まで時間が

必要

新しい

アーキタイプを

検知しづらい

運用上の問題点1

アーキタイプの

優劣が固定化
運用上の問題点2

特定のアーキタイプが
強すぎる
定性意見中心
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
オセロニアの運用課題/分析ツール導入前
55
客観的に

判断をする

難易度が高い

増え続ける

アーキタイプ数の
対応が難しい

プレイング

習熟まで時間が

必要

新しい

アーキタイプを

検知しづらい

運用上の問題点1

アーキタイプの

優劣が固定化
運用上の問題点2

特定のアーキタイプが
強すぎる
正確で網羅的な現状把握が難しい 改善結果が正確に評価しづらい

現実的でない 対応スピード遅
定性意見中心
難易度が高い
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
オセロニアの運用課題/分析ツール導入後
56
運用上の問題点1

アーキタイプの

優劣が固定化
運用上の問題点2

特定のアーキタイプが
強すぎる
定性+ツール
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
オセロニアの運用課題/分析ツール導入後
57
客観的に

正しいか

判断しやすい

多数の

アーキタイプの

増加に対応できる

属人化の改善

新しい

アーキタイプを

検知できる

運用上の問題点1

アーキタイプの

優劣が固定化
運用上の問題点2

特定のアーキタイプが
強すぎる
定性+ツール
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
オセロニアの運用課題/分析ツール導入後
58
客観的に

正しいか

判断しやすい

多数の

アーキタイプの

増加に対応できる

属人化の改善

新しい

アーキタイプを

検知できる

運用上の問題点1

アーキタイプの

優劣が固定化
運用上の問題点2

特定のアーキタイプが
強すぎる
正確に網羅的な現状把握に改善し、 改善アクションがスムーズになった

定性+ツール
難易度が改善 実現可能 対応スピード速
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化

運用上の課題:特定のアーキタイプが強すぎる

● アーキタイプの強さが偏重すると、ゲームが単調になる

59
A

B
 C

D

F

E

理想

アーキタイプ同士の

相性が拮抗していることで、

選択肢が多様な状態

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
運用上の課題:特定のアーキタイプが強すぎる

● アーキタイプの強さが偏重すると、ゲームが単調になる

発生した事例

Aが一強であることで、

ほとんどのユーザーがAに流れて
しまい対戦環境が固定化する

改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化

60
A
D
A

B
 C

F

E

D

F

E

B
 C

理想

アーキタイプ同士の

相性が拮抗していることで、

選択肢が多様な状態

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化

運用上の課題:特定のアーキタイプが強すぎる

● アーキタイプの強さが偏重すると、ゲームが単調になる

61
A
D
A

B
 C

F

E

D

F

E

B
 C

理想

アーキタイプ同士の

相性が拮抗していることで、

選択肢が多様な状態

発生した事例

Aが一強であることで、

ほとんどのユーザーがAに流れて
しまい対戦環境が固定化する

同じ相手とばかり
当たる = 飽き

中長期継続率に悪影響
プレイヤー

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
運用上の課題:特定のアーキタイプが強すぎる

● 実際に、アーキタイプ分析ツールで突出したアーキタイプがあることを確認した

改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化

62
OLDツール
各アーキタイプ勝率グラフ
クラス:*
月:2019/03
補正:魔H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9
OLDツール
各アーキタイプ対戦表
クラス:*
月:2019/03
補正:魔H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9
対戦表
勝率

アクション:適切な抑止力の選定と対戦環境への配慮

● プランニングプロセス

改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化

63
OLDツール
アーキタイプ間の勝率%(対戦表)
クラス:*
月:2019/03
補正:神H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9
ラニトップと貫通速攻と魔バランス
OLDツール
ユニークなデッキ数分布(グラフ)
クラス:*
月:2019/03
補正:神H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9
ラニトップと貫通速攻と魔バランス
A

B

C

Aに相性の良いBを選出

Bに相性の良いCを選出

A

B
 C

A

A

C

B

C
B

対戦成績の比較
 アーキタイプ使用率の比較

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アクション:適切な抑止力の選定と対戦環境への配慮

● プランニングプロセス

OLDツール
アーキタイプ間の勝率%(対戦表)
クラス:*
月:2019/03
補正:神H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9
ラニトップと貫通速攻と魔バランス
A

A

C

B

C
B
 OLDツール
ユニークなデッキ数分布(グラフ)
クラス:*
月:2019/03
補正:神H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9
ラニトップと貫通速攻と魔バランス
A

B
 C

改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化

64
対戦成績の比較
 アーキタイプ使用率の比較

A

B

C

Aに相性の良いBを選出

Bに相性の良いCを選出

強化

使用率が低い

アーキタイプに

駒追加

全ての勝率が

拮抗する属性補正

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化

結果:突出したアーキタイプのバランスを対戦環境を配慮しつつ行えた

適切な属性補正を特定し、スムーズに調整を行えた

抑止力となるアーキタイプの選定がピンポイントに行えた



65
OLDツール
各アーキタイプ勝率グラフ
クラス:*
月:2019/03
補正:魔H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9
NEWツール
各アーキタイプ勝率グラフ
クラス:ダイマス
月:2019/06
補正:竜H1.2 魔H1.2 竜H1.2
魔バランス、貫通速攻、代償が 1,2,3のグラフ
勝率 (アクション後)

A
B
C
A

勝率(アクション前)

3ヶ月後

B

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす

66
運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化

● 対戦環境の放置は、ゲームの「単調さ」につながる

A

B
 C

D

F

E

理想

アーキタイプ同士の

相性が拮抗していることで、

選択肢が多様な状態

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす

67
運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化

● 対戦環境の放置は、ゲームの「単調さ」につながる

A

B
 C

D
A

B
 C

F

E

D

F

E

理想

アーキタイプ同士の

相性が拮抗していることで、

選択肢が多様な状態

発生した事例

A、B、Cの関係が徐々に突出し
て、選択肢が少なくなる状態

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす

68
運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化

● 対戦環境の放置は、ゲームの「単調さ」につながる

A

B
 C

D
A

B
 C

F

E

D

F

E

理想

アーキタイプ同士の

相性が拮抗していることで、

選択肢が多様な状態

発生した事例

A、B、Cの関係が徐々に突出し
て、選択肢が少なくなる状態

選択肢が少ない =
飽き

中長期継続率に悪影響
プレイヤー

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化

● 実際に、アーキタイプ分析ツールでアーキタイプ間の優劣
が固定化していることを確認した

改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす

69
OLDツール
各アーキタイプ勝率グラフ
クラス:*
月:2018/12
補正:all 1.0
OLDツール
各アーキタイプ勝率グラフ
クラス:ダイマス
月:2019/03
補正:all 1.0
3ヶ月後

上位の序列に大きな

変化がない

A
B
C
 A
B
 C
D
E
F
 F
D
E

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
OLDツール
アーキタイプ間の勝率(対戦表)
クラス:*
月:2019/02
補正:all HP1.1
アクション:分析を用いた強化対象アーキタイプ掘り起こしと適切な追加

● プランニングプロセス

改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす

70
OLDツール
代表駒と使用率
アーキタイプ:代償
クラス:*
月:2019/02
補正:all 1.1
使用率の比較

E

A

B
 C

勝率は悪くないが、

使用率の低いEを選出

E

E

勝率(対戦成績)の比較

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
E

アクション:分析を用いた強化対象アーキタイプ掘り起こしと適切な追加

● プランニングプロセス

改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす

71
OLDツール
アーキタイプ間の勝率(対戦表)
クラス:*
月:2019/02
補正:all HP1.2
勝率は悪くないが、

使用率の低いEを選出

E

A

B
 C

強化/普及

必要な駒の普及

できるガチャ

E

勝率の高くなる属
性補正を追加

勝率(対戦成績)の比較

デッキの核となる駒
の追加

使用率の比較

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
結果:ユーザーがよりアーキタイプを選択するようになった

ピンポイントでキャラクターの設計ができた

アーキタイプ追加に比較して1/5以下のキャラクター追加数で対応できた



OLDツール
ユニークなデッキ数分布
クラス:*
月:2019/02
補正:all 1.0
改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす

72
NEWツール
ユニークなデッキ数分布
クラス:*
月:2019/05
補正:神H1.1 A0.9 魔H0.9 A1.1 竜H0.9
A1.1
3ヶ月後

E

使用率(アクション前)

E

使用率(アクション後)

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上

73
運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化

● 運営で想定していないアーキタイプが生まれることがある

A

B
 C

D

E

NEW

想定外の

アーキタイプ

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化

● 実際に、アーキタイプ分析ツールで新たなアーキタイプ「NEW」を検知

改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上

74
OLDツール
各アーキタイプ勝率グラフ
クラス:*
月:2019/03
補正:all 1.0
NEW3
使用率

NEW

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
OLDツール
使用率
クラス:ダイマス
月:2019/03
補正:神H1.1 A1.1 魔H1.1 A1.1 竜H1.1 A1.1
OLDツール
各アーキタイプの勝率%(対戦表)
クラス:*
月:2019/03
補正:神H1.1 A1.1 魔H1.1 A1.1 竜H1.1 A1.1
アクション:アーキタイプ間の優劣が固定化

● プランニングプロセス

改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上

75
対戦成績の比較
 アーキタイプ使用率の比較

A

B
 C

新しいアーキタイプ

「NEW」を検知

NEW

NEW

NEW

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アクション:アーキタイプ間の優劣が固定化

● プランニングプロセス

OLDツール
各アーキタイプの勝率%(対戦表)
クラス:*
月:2019/03
補正:神H1.1 A1.1 魔H1.1 A1.1 竜H1.1 A1.1
OLDツール
各アーキタイプの勝率%(グラフ)
クラス:*
月:2019/03
補正:神H1.1 A1.1 魔H1.1 A1.1 竜H1.1 A1.1
改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上

76
対戦成績の比較
 アーキタイプ使用率の比較

A

B
 C

新しいアーキタイプ

「NEW」を検知

アーキタイプ?の

勝率が高い属性補正

使用率向上

NEW

他のアーキタイプとの

差分は何か

NEW

NEW

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
結果:新しいアーキタイプの使用率が向上する状態を生み出せた

運営が想定していないアーキタイプの検知ができた

想定していないアーキタイプの属性補正を適切に追加できた





NEWツール
各アーキタイプ使用率グラフ
クラス:ダイマス
月:2019/06
補正:神A1.1 魔A1.1 竜A1.1
77
改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上

使用率(アクション後)
使用率(検知)

2ヶ月
後

1ヶ月
後

使用率(アクションなし)

検知せず 再検知
NEW
 NEW

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アーキタイプ分析結果の活用先

アーキタイプ分析ツールは、運用の施策の出発点として活かされている

78
アーキタイプ

分析ツール

バトル定例



アーキタイプの

結果をみる

バトル開発

クラスマッチ

補正検討

個別の結果共有



イベントオーナー

ガチャラインナップ

検討

アーキタイプの強化 

対戦環境保全

アーキタイプの普及 

レベルデザイン

新しい

スキル考案

ゲーム内

施策

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
運用に今回の分析ツールを導入したことで。。。
79
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
80
『誰もが気軽に

より客観的に』



対戦環境の把握が改善されました!

運用に今回の分析ツールを導入したことで。。。
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
アジェンダ

1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ



2. 運用上の問題点と既存手法の限界



3. 機械学習モデルの概要



4. 可視化ツールの紹介



5. ゲーム運用への活用



6. まとめと展望

81
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
まとめと展望

● 機械学習を用いた対戦環境改善を、ゲーム運営の現場で行なっているはなし

○ トピックモデルを用いてデッキアーキタイプを抽出する手法

○ デッキアーキタイプの可視化

○ ゲーム運営への活用について





● デッキ構築を必要とするゲームに汎用的に活用できる

○ トピックモデルを用いたデッキアーキタイプ抽出 (弊社他タイトル)



● 今後取り組みたいこと

○ アーキタイプレベルでのデッキレコメンデーション

○ 属性補正の最適化

○ 対戦環境変化の予測 (e.g. 新キャラクター駒追加)

82
Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
83
ありがとうございました



email: ryo.adachi@dena.jp

Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
Appendix

84
● 既存手法との定性比較



Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.
デッキアーキタイプの抽出手法の比較

● トピックモデル (採用した手法)

○ (+) 実装が簡単 (パッケージあり: gensim)

○ (+) 新しいアーキタイプを抽出可能

○ (+) 時系列でのアーキタイプの紐付けが容易 (確率分布の類似度)

○ (+) パフォーマンスが良い (駒が複数アーキタイプに共有される悪条件)



● ルールベース

○ (+) 曖昧さがなく、精度が良い

○ (−) カードの枚数が多ければ、ルールの策定が非常に複雑になる

○ (−) ルールを指定するまで、新しいデッキアーキタイプを検出できない



● k-meansなどのクラスタリング手法

○ (+) 実装が簡単、新しいアーキタイプを抽出可能

○ (−) 時系列でのアーキタイプの紐付けが容易ではない

85

More Related Content

What's hot

グラフニューラルネットワーク入門
グラフニューラルネットワーク入門グラフニューラルネットワーク入門
グラフニューラルネットワーク入門ryosuke-kojima
 
ブラックボックスからXAI (説明可能なAI) へ - LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanat...
ブラックボックスからXAI (説明可能なAI) へ - LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanat...ブラックボックスからXAI (説明可能なAI) へ - LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanat...
ブラックボックスからXAI (説明可能なAI) へ - LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanat...西岡 賢一郎
 
SSII2021 [TS2] 深層強化学習 〜 強化学習の基礎から応用まで 〜
SSII2021 [TS2] 深層強化学習 〜 強化学習の基礎から応用まで 〜SSII2021 [TS2] 深層強化学習 〜 強化学習の基礎から応用まで 〜
SSII2021 [TS2] 深層強化学習 〜 強化学習の基礎から応用まで 〜SSII
 
【メタサーベイ】数式ドリブン教師あり学習
【メタサーベイ】数式ドリブン教師あり学習【メタサーベイ】数式ドリブン教師あり学習
【メタサーベイ】数式ドリブン教師あり学習cvpaper. challenge
 
ゼロから始める深層強化学習(NLP2018講演資料)/ Introduction of Deep Reinforcement Learning
ゼロから始める深層強化学習(NLP2018講演資料)/ Introduction of Deep Reinforcement Learningゼロから始める深層強化学習(NLP2018講演資料)/ Introduction of Deep Reinforcement Learning
ゼロから始める深層強化学習(NLP2018講演資料)/ Introduction of Deep Reinforcement LearningPreferred Networks
 
データ活用をするための組織
データ活用をするための組織データ活用をするための組織
データ活用をするための組織Kon Yuichi
 
レコメンドアルゴリズムの基本と周辺知識と実装方法
レコメンドアルゴリズムの基本と周辺知識と実装方法レコメンドアルゴリズムの基本と周辺知識と実装方法
レコメンドアルゴリズムの基本と周辺知識と実装方法Takeshi Mikami
 
【メタサーベイ】Video Transformer
 【メタサーベイ】Video Transformer 【メタサーベイ】Video Transformer
【メタサーベイ】Video Transformercvpaper. challenge
 
ChatGPT 人間のフィードバックから強化学習した対話AI
ChatGPT 人間のフィードバックから強化学習した対話AIChatGPT 人間のフィードバックから強化学習した対話AI
ChatGPT 人間のフィードバックから強化学習した対話AIShota Imai
 
時系列予測にTransformerを使うのは有効か?
時系列予測にTransformerを使うのは有効か?時系列予測にTransformerを使うのは有効か?
時系列予測にTransformerを使うのは有効か?Fumihiko Takahashi
 
[DL輪読会]Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision
[DL輪読会]Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision[DL輪読会]Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision
[DL輪読会]Learning Transferable Visual Models From Natural Language SupervisionDeep Learning JP
 
機械学習モデルの判断根拠の説明
機械学習モデルの判断根拠の説明機械学習モデルの判断根拠の説明
機械学習モデルの判断根拠の説明Satoshi Hara
 
画像認識モデルを作るための鉄板レシピ
画像認識モデルを作るための鉄板レシピ画像認識モデルを作るための鉄板レシピ
画像認識モデルを作るための鉄板レシピTakahiro Kubo
 
論文紹介-Multi-Objective Deep Reinforcement Learning
論文紹介-Multi-Objective Deep Reinforcement Learning論文紹介-Multi-Objective Deep Reinforcement Learning
論文紹介-Multi-Objective Deep Reinforcement LearningShunta Nomura
 
オントロジーとは?
オントロジーとは?オントロジーとは?
オントロジーとは?Kouji Kozaki
 
【DL輪読会】SimCSE: Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings (EMNLP 2021)
【DL輪読会】SimCSE: Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings  (EMNLP 2021)【DL輪読会】SimCSE: Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings  (EMNLP 2021)
【DL輪読会】SimCSE: Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings (EMNLP 2021)Deep Learning JP
 
正しいものを正しくつくる
正しいものを正しくつくる正しいものを正しくつくる
正しいものを正しくつくるtoshihiro ichitani
 
協力ゲーム理論でXAI (説明可能なAI) を目指すSHAP (Shapley Additive exPlanation)
協力ゲーム理論でXAI (説明可能なAI) を目指すSHAP (Shapley Additive exPlanation)協力ゲーム理論でXAI (説明可能なAI) を目指すSHAP (Shapley Additive exPlanation)
協力ゲーム理論でXAI (説明可能なAI) を目指すSHAP (Shapley Additive exPlanation)西岡 賢一郎
 
トピックモデルの評価指標 Perplexity とは何なのか?
トピックモデルの評価指標 Perplexity とは何なのか?トピックモデルの評価指標 Perplexity とは何なのか?
トピックモデルの評価指標 Perplexity とは何なのか?hoxo_m
 

What's hot (20)

グラフニューラルネットワーク入門
グラフニューラルネットワーク入門グラフニューラルネットワーク入門
グラフニューラルネットワーク入門
 
ブラックボックスからXAI (説明可能なAI) へ - LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanat...
ブラックボックスからXAI (説明可能なAI) へ - LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanat...ブラックボックスからXAI (説明可能なAI) へ - LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanat...
ブラックボックスからXAI (説明可能なAI) へ - LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanat...
 
SSII2021 [TS2] 深層強化学習 〜 強化学習の基礎から応用まで 〜
SSII2021 [TS2] 深層強化学習 〜 強化学習の基礎から応用まで 〜SSII2021 [TS2] 深層強化学習 〜 強化学習の基礎から応用まで 〜
SSII2021 [TS2] 深層強化学習 〜 強化学習の基礎から応用まで 〜
 
【メタサーベイ】数式ドリブン教師あり学習
【メタサーベイ】数式ドリブン教師あり学習【メタサーベイ】数式ドリブン教師あり学習
【メタサーベイ】数式ドリブン教師あり学習
 
ゼロから始める深層強化学習(NLP2018講演資料)/ Introduction of Deep Reinforcement Learning
ゼロから始める深層強化学習(NLP2018講演資料)/ Introduction of Deep Reinforcement Learningゼロから始める深層強化学習(NLP2018講演資料)/ Introduction of Deep Reinforcement Learning
ゼロから始める深層強化学習(NLP2018講演資料)/ Introduction of Deep Reinforcement Learning
 
データ活用をするための組織
データ活用をするための組織データ活用をするための組織
データ活用をするための組織
 
レコメンドアルゴリズムの基本と周辺知識と実装方法
レコメンドアルゴリズムの基本と周辺知識と実装方法レコメンドアルゴリズムの基本と周辺知識と実装方法
レコメンドアルゴリズムの基本と周辺知識と実装方法
 
【メタサーベイ】Video Transformer
 【メタサーベイ】Video Transformer 【メタサーベイ】Video Transformer
【メタサーベイ】Video Transformer
 
ChatGPT 人間のフィードバックから強化学習した対話AI
ChatGPT 人間のフィードバックから強化学習した対話AIChatGPT 人間のフィードバックから強化学習した対話AI
ChatGPT 人間のフィードバックから強化学習した対話AI
 
時系列予測にTransformerを使うのは有効か?
時系列予測にTransformerを使うのは有効か?時系列予測にTransformerを使うのは有効か?
時系列予測にTransformerを使うのは有効か?
 
研究効率化Tips Ver.2
研究効率化Tips Ver.2研究効率化Tips Ver.2
研究効率化Tips Ver.2
 
[DL輪読会]Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision
[DL輪読会]Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision[DL輪読会]Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision
[DL輪読会]Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision
 
機械学習モデルの判断根拠の説明
機械学習モデルの判断根拠の説明機械学習モデルの判断根拠の説明
機械学習モデルの判断根拠の説明
 
画像認識モデルを作るための鉄板レシピ
画像認識モデルを作るための鉄板レシピ画像認識モデルを作るための鉄板レシピ
画像認識モデルを作るための鉄板レシピ
 
論文紹介-Multi-Objective Deep Reinforcement Learning
論文紹介-Multi-Objective Deep Reinforcement Learning論文紹介-Multi-Objective Deep Reinforcement Learning
論文紹介-Multi-Objective Deep Reinforcement Learning
 
オントロジーとは?
オントロジーとは?オントロジーとは?
オントロジーとは?
 
【DL輪読会】SimCSE: Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings (EMNLP 2021)
【DL輪読会】SimCSE: Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings  (EMNLP 2021)【DL輪読会】SimCSE: Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings  (EMNLP 2021)
【DL輪読会】SimCSE: Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings (EMNLP 2021)
 
正しいものを正しくつくる
正しいものを正しくつくる正しいものを正しくつくる
正しいものを正しくつくる
 
協力ゲーム理論でXAI (説明可能なAI) を目指すSHAP (Shapley Additive exPlanation)
協力ゲーム理論でXAI (説明可能なAI) を目指すSHAP (Shapley Additive exPlanation)協力ゲーム理論でXAI (説明可能なAI) を目指すSHAP (Shapley Additive exPlanation)
協力ゲーム理論でXAI (説明可能なAI) を目指すSHAP (Shapley Additive exPlanation)
 
トピックモデルの評価指標 Perplexity とは何なのか?
トピックモデルの評価指標 Perplexity とは何なのか?トピックモデルの評価指標 Perplexity とは何なのか?
トピックモデルの評価指標 Perplexity とは何なのか?
 

Similar to 『逆転オセロニア 』における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用

『逆転オセロニア』における バンディットアルゴリズムおよび強化学習を用いた 対戦環境のバランス設計支援
『逆転オセロニア』における バンディットアルゴリズムおよび強化学習を用いた 対戦環境のバランス設計支援『逆転オセロニア』における バンディットアルゴリズムおよび強化学習を用いた 対戦環境のバランス設計支援
『逆転オセロニア』における バンディットアルゴリズムおよび強化学習を用いた 対戦環境のバランス設計支援TakumaYoshimura
 
強化学習技術とゲーム AI 〜 今できる事と今後できて欲しい事 〜
強化学習技術とゲーム AI  〜 今できる事と今後できて欲しい事 〜強化学習技術とゲーム AI  〜 今できる事と今後できて欲しい事 〜
強化学習技術とゲーム AI 〜 今できる事と今後できて欲しい事 〜佑 甲野
 
DeNAのプログラミング教育の取り組み #denatechcon
DeNAのプログラミング教育の取り組み #denatechconDeNAのプログラミング教育の取り組み #denatechcon
DeNAのプログラミング教育の取り組み #denatechconDeNA
 
その後のDeNAのネイティブアプリ開発 #denatechcon
その後のDeNAのネイティブアプリ開発 #denatechconその後のDeNAのネイティブアプリ開発 #denatechcon
その後のDeNAのネイティブアプリ開発 #denatechconDeNA
 
Game Creators Conference 2019 Koichi Miura
Game Creators Conference 2019 Koichi MiuraGame Creators Conference 2019 Koichi Miura
Game Creators Conference 2019 Koichi MiuraKoichi Miura
 
最新ゲームを支える文言
最新ゲームを支える文言最新ゲームを支える文言
最新ゲームを支える文言miki koganei
 
制作を支えたツール達 (パズル戦隊デナレンジャー)
制作を支えたツール達 (パズル戦隊デナレンジャー)制作を支えたツール達 (パズル戦隊デナレンジャー)
制作を支えたツール達 (パズル戦隊デナレンジャー)dena_study
 
【CGWORLDゼミ】ジェットスタジオ キャラメイクセミナー
【CGWORLDゼミ】ジェットスタジオ キャラメイクセミナー【CGWORLDゼミ】ジェットスタジオ キャラメイクセミナー
【CGWORLDゼミ】ジェットスタジオ キャラメイクセミナー弘幸 赤崎
 
俺が好きなのはJavaだけどJavaじゃない 〜虎の穴でのJava活用について〜
 俺が好きなのはJavaだけどJavaじゃない 〜虎の穴でのJava活用について〜 俺が好きなのはJavaだけどJavaじゃない 〜虎の穴でのJava活用について〜
俺が好きなのはJavaだけどJavaじゃない 〜虎の穴でのJava活用について〜虎の穴 開発室
 
FINAL FANTASY
 Record Keeper 演出データについて
FINAL FANTASY
 Record Keeper 演出データについてFINAL FANTASY
 Record Keeper 演出データについて
FINAL FANTASY
 Record Keeper 演出データについてdena_study
 
長期運用に耐えるための設計とリファクタリング(DeNA Games Tokyo)
長期運用に耐えるための設計とリファクタリング(DeNA Games Tokyo)長期運用に耐えるための設計とリファクタリング(DeNA Games Tokyo)
長期運用に耐えるための設計とリファクタリング(DeNA Games Tokyo)DeNA Games Tokyo
 

Similar to 『逆転オセロニア 』における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用 (13)

『逆転オセロニア』における バンディットアルゴリズムおよび強化学習を用いた 対戦環境のバランス設計支援
『逆転オセロニア』における バンディットアルゴリズムおよび強化学習を用いた 対戦環境のバランス設計支援『逆転オセロニア』における バンディットアルゴリズムおよび強化学習を用いた 対戦環境のバランス設計支援
『逆転オセロニア』における バンディットアルゴリズムおよび強化学習を用いた 対戦環境のバランス設計支援
 
強化学習技術とゲーム AI 〜 今できる事と今後できて欲しい事 〜
強化学習技術とゲーム AI  〜 今できる事と今後できて欲しい事 〜強化学習技術とゲーム AI  〜 今できる事と今後できて欲しい事 〜
強化学習技術とゲーム AI 〜 今できる事と今後できて欲しい事 〜
 
DeNAのプログラミング教育の取り組み #denatechcon
DeNAのプログラミング教育の取り組み #denatechconDeNAのプログラミング教育の取り組み #denatechcon
DeNAのプログラミング教育の取り組み #denatechcon
 
その後のDeNAのネイティブアプリ開発 #denatechcon
その後のDeNAのネイティブアプリ開発 #denatechconその後のDeNAのネイティブアプリ開発 #denatechcon
その後のDeNAのネイティブアプリ開発 #denatechcon
 
Game Creators Conference 2019 Koichi Miura
Game Creators Conference 2019 Koichi MiuraGame Creators Conference 2019 Koichi Miura
Game Creators Conference 2019 Koichi Miura
 
最新ゲームを支える文言
最新ゲームを支える文言最新ゲームを支える文言
最新ゲームを支える文言
 
KDD2018 paper reading
KDD2018 paper readingKDD2018 paper reading
KDD2018 paper reading
 
制作を支えたツール達 (パズル戦隊デナレンジャー)
制作を支えたツール達 (パズル戦隊デナレンジャー)制作を支えたツール達 (パズル戦隊デナレンジャー)
制作を支えたツール達 (パズル戦隊デナレンジャー)
 
【CGWORLDゼミ】ジェットスタジオ キャラメイクセミナー
【CGWORLDゼミ】ジェットスタジオ キャラメイクセミナー【CGWORLDゼミ】ジェットスタジオ キャラメイクセミナー
【CGWORLDゼミ】ジェットスタジオ キャラメイクセミナー
 
俺が好きなのはJavaだけどJavaじゃない 〜虎の穴でのJava活用について〜
 俺が好きなのはJavaだけどJavaじゃない 〜虎の穴でのJava活用について〜 俺が好きなのはJavaだけどJavaじゃない 〜虎の穴でのJava活用について〜
俺が好きなのはJavaだけどJavaじゃない 〜虎の穴でのJava活用について〜
 
FINAL FANTASY
 Record Keeper 演出データについて
FINAL FANTASY
 Record Keeper 演出データについてFINAL FANTASY
 Record Keeper 演出データについて
FINAL FANTASY
 Record Keeper 演出データについて
 
Interpretable ml
Interpretable mlInterpretable ml
Interpretable ml
 
長期運用に耐えるための設計とリファクタリング(DeNA Games Tokyo)
長期運用に耐えるための設計とリファクタリング(DeNA Games Tokyo)長期運用に耐えるための設計とリファクタリング(DeNA Games Tokyo)
長期運用に耐えるための設計とリファクタリング(DeNA Games Tokyo)
 

『逆転オセロニア 』における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用

  • 1. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved.Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 1 『逆転オセロニア』における、機械学習モデルを用いた
 デッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用
 CEDEC 2019 Sep. 5, 2019 安達 涼 / 岩城 惇 DeNA Co., Ltd.
  • 2. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 自己紹介
 ❏ 安達 涼
  - DeNA ゲーム事業部 分析部
 
 ❏ 行動・脳データから、人間の意思決定を研究 (PhD@Caltech)
 
 ❏ 2018年4月 DeNA入社
 ❏ ゲームデータを統計・機械学習手法を用いて分析
 ❏ プレイサイクル分析
 ❏ ネットワーク分析
 
 ❏ Metal Gear Solid、Splinter Cell、FIFA、Falloutが好き
 2
  • 3. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. DeNA ゲーム事業部 分析部について
 ■ 分析組織としては2011年から継続しており、現在はゲーム事業に
 100%コミットしている
 
 ■ 各ゲームタイトルに専属アナリストをアサインする体制
 参考:CEDEC 2017「一周年で爆発した「逆転オセロニア」における、
 ゲーム分析の貢献事例 〜開発・運営の意思決定を全力でサポートする、DeNAのゲーム分析体制〜」
 https://www.youtube.com/watch?v=bcCiRqmvR2o
 
 ■ 行動ログ分析、ユーザー調査等、様々な分析手法を用いて分析に
 取り組んでいる
 
 ■ 新たな分析手法や、機械学習等の高度な技術を活用したR&Dにも
 トライしており、今回の発表はその文脈での実践例
 
 3
  • 4. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 自己紹介
 ❏ 岩城 惇
  - DeNA ゲーム事業部 企画部
 
 
 ❏ 『逆転オセロニア』プランナー
 
 ❏ 2018年11月 DeNA入社
 ❏ 分析ツールを用いて、キャラクター設計バランス調整
 
 ❏ Call of Duty、F1、Winning Post、Dominion、Splender
 4
  • 5. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 逆転オセロニアにおけるAI・機械学習の活用
 
 ● ゲーム内での活用
 対戦AI、デッキのレコメンデーション 
 https://www.slideshare.net/juneokumura/cedec2018ai (CEDEC 2018)
 https://www.slideshare.net/juneokumura/applying-ai-in-games-gdc2019 (GDC 2019)
 
 ● ゲーム外 (運営) での活用 
 デッキのアーキタイプ抽出、and more...
 5
  • 6. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 本講演のながれ
 ● 話すこと
 ○ 逆転オセロニアの紹介と運用上の問題点
 ○ これまでの取り組みと既存手法の限界
 ○ 機械学習アルゴリズムの概要
 ○ 結果の可視化手法とツールの紹介
 ○ 運用上の問題点の解決にツールが貢献している具体例
 
 ● 話さないこと
 ○ 機械学習アルゴリズムの実装や、可視化ツールのシステムの詳細
 ○ 採用手法と他手法との精度比較
 ○ 売上・DAUといったKPIへの貢献度
 6
  • 7. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ
 
 2. 運用上の問題点と既存手法の限界
 
 3. 機械学習モデルの概要
 
 4. 可視化ツールの紹介
 
 5. ゲーム運用への活用
 
 6. まとめと展望
 7
  • 8. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 逆転オセロニアの紹介
 ● オセロのルールに基づいた対戦型スマホゲームアプリ
 ○ キャラクター (駒) のスキル・コンボによる高い戦略性
 ○ 劣勢からでも、「ドラマチック」に逆転できるのが特徴
 
 
 ● 2016年2月にリリース後、継続的に成長
 ○ 2,500万 ダウンロード (2019年8月時点)
 ○ 日本、台湾などで配信中
 8※ オセロ・Othelloは登録商標です。 TM&© Othello,Co. and MegaHouse © 2016 DeNA Co.,Ltd.

  • 9. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 
 ● キャラクター (駒) から、プレイヤーが構築した「デッキ」で対戦
 
 ● PvP (プレイヤー間対戦) がメインである
 ○ 対戦回数の大部分がPvP
 ○ 「クラスマッチ」が最もプレイされている
 逆転オセロニアのゲームプレイコンテンツ
 9 カップ戦
 コンテンツ別バトル回数割合
 PvPコンテンツ内の対戦回数割合
 クラスマッチ
 PvP
 PvE 
 (対CPU)
 コロシアム

  • 10. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 10 ● 月例で開催されるメインPvPコンテンツ
 ● 勝敗によりランキングが変動する「本気の」対戦コンテンツ
 クラスマッチとは
 10 ブロンズ
 シルバー
 ゴールド
 プラチナ
 ダイヤモンド
勝つ = ランク上昇 負ける = ランク下降 クラスマッチのランク

  • 11. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 11 
 ● 3つの属性: 神 (黄)、魔 (紫)、竜 (赤), 属性間の優劣はない
 ● 「属性補正」によって、定期的に (毎日) 環境が変化
 クラスマッチの属性補正
 11 神
 魔
 竜
 神デッキ
 12/1
 12/2
 魔デッキ
 神
 魔
 竜

  • 12. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. デッキ構築とデッキアーキタイプ
 ● デッキ構築
 ○ 16個の駒から構成 (1駒をリーダーに指定) 
 ○ 駒は3,500種類以上 (2019年8月時点)
 ○ 駒固有のスキル・ステータスによる駒同士のシナジー
 
 ● デッキアーキタイプ
 ○ 戦い方を考慮した、おおまかなデッキ構成のこと
 ○ TCGでは一般的な概念
 ○ さまざまなデッキアーキタイプが存在
 ■ 20種類前後のアーキタイプ
 ■ 例:貫通速攻、混合、神殴り、…
 ■ リーダー駒とアーキタイプは必ずしも紐づいていない
 12 スキル
 ステータス

  • 13. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. デッキアーキタイプの例
 ● 貫通速攻
 ○ 竜属性 (赤) の駒のみで構成されるアーキタイプ
 ○ 高い攻撃力と強力なコンボスキルで
 大ダメージを与え、短いターンで決着を狙う
 ⇒ (+) 決着ターンの長いアーキタイプ
 ⇒ (−) ATKを減少させるアーキタイプ
 
 ● 混合
 ○ 神(黄)、魔(紫)、竜(赤)の3属性の駒で構成されたアーキタイプ
 ○ 3属性の特性をバランスよく取り入れ、他のアーキタイプに対し、 
 強い・弱いのバランスが取れている
 ⇒ どのアーキタイプにもバランスよく戦える
 13 混合 貫通速攻
 各アーキタイプのデッキ例

  • 14. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. デッキアーキタイプ把握の重要性
 14 A
 B
 C 対戦環境
 
 ● アーキタイプの相互関係は
 対戦環境に大きな影響を及ぼす
 
 ● アーキタイプバランスを保つことが大切
 

  • 15. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 
 ● アーキタイプの相互関係は
 対戦環境に大きな影響を及ぼす
 
 ● アーキタイプバランスが崩れると...
 ○ プレイヤー体験に影響 
 (e.g. 特定のアーキタイプが強すぎてつまらない)
 ○ 中長期の継続率に大きな影響
 
 ● バランスの把握&メンテナンスが重要
 デッキアーキタイプ把握の重要性
 15 A B C 対戦環境

  • 16. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ
 
 2. 運用上の問題点と既存手法の限界
 
 3. 機械学習モデルの概要
 
 4. 可視化ツールの紹介
 
 5. ゲーム運用への活用
 
 6. まとめと展望
 16
  • 17. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ゲーム運用上の問題点と解決の方針
 17 ● 運用上の問題点
 
 ○ 特定のアーキタイプが強すぎる
 ○ アーキタイプの優劣が固定化されている
 
 ● 問題点を解決したい
 ○ 対戦環境を平均化・ダイナミックにすることでプレイヤー体験を向上したい
 ○ 運用上のポリシー
 ■ 禁止駒のグランドルールはない
 ○ プランニングのアクション
 ■ 駒の追加
 ■ 属性補正の追加
 

  • 18. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 定性情報に基づいたプランニングとその問題点
 18 A
 B
 C 対戦環境
 ?
 ?
 ● 定性 = 人力
 ○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ+プレイヤーの声
 ○ 蓄積した定性意見を元にプランニング
 
 
 プランナー

  • 19. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 19 A
 B
 C 対戦環境
 ?
 ?
 ● 定性 = 人力
 ○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ + プレイヤーの声
 ○ 蓄積した定性意見を元にプランニング
 
 
 問題点1
 
 プレイング
 習熟まで時間が
 必要
 定性情報に基づいたプランニングとその問題点

  • 20. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 20 A
 B
 C 対戦環境
 ?
 ?
 ● 定性 = 人力
 ○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ + プレイヤーの声
 ○ 蓄積した定性意見を元にプランニング
 
 
 問題点1
 
 プレイング
 習熟まで時間が
 必要
 定性情報に基づいたプランニングとその問題点
 問題点2
 
 客観的に判断を
 する難易度が高い

  • 21. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 21 A
 B
 C 対戦環境
 ?
 ?
 ● 定性 = 人力
 ○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ + プレイヤーの声
 ○ 蓄積した定性意見を元にプランニング
 
 
 問題点1
 
 プレイング
 習熟まで時間が
 必要
 定性情報に基づいたプランニングとその問題点
 問題点3
 
 増え続ける
 アーキタイプ数への
 対応が難しい
 問題点2
 
 客観的に判断を
 する難易度が高い

  • 22. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 22 A
 B
 C 対戦環境
 ?
 ?
 ● 定性 = 人力
 ○ プランナーがクラスマッチを徹底的にプレイ + プレイヤーの声
 ○ 蓄積した定性意見を元にプランニング
 
 
 問題点1
 
 プレイング
 習熟まで時間が
 必要
 定性情報に基づいたプランニングとその問題点
 問題点2
 
 客観的に判断をす る難易度が高い
 問題点3
 
 増え続ける
 アーキタイプ数への
 対応が難しい
 定量的に対戦環境を把握することが必要不可欠

  • 23. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. これまでの定量分析とその問題点
 
 ● ログデータから分析
 ○ リーダー駒の編成率
 ○ リーダー駒ごとの勝率
 
 
 ● これらの分析の課題点
 ○ デッキアーキタイプという抽象度でデータを解釈することが難しい
 ■ 意図せず対戦環境のバランスを崩してしまう可能性
 
 
 23
  • 24. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. これまでの定量分析とその問題点
 24 リーダーa
 勝率: 35%
 リーダーb
 勝率: 50%
 デッキ
 デッキ
 ※ 数値は仮のものです 

  • 25. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. これまでの定量分析とその問題点
 25 リーダーa
 勝率: 35%
 リーダーb
 駒を追加
 勝率: 50%
 デッキ
デッキ
 ※ 数値は仮のものです 

  • 26. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. これまでの定量分析とその問題点
 26 リーダーa
 リーダーb
 勝率: 50%
 勝率: 65%
 ???
 デッキ
デッキ
 ※ 数値は仮のものです 

  • 27. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. これまでの定量分析とその問題点
 27 アーキタイプA
 リーダーa
 リーダーb
 勝率: 50%
 勝率: 65%
 アーキタイプレベルでのプランニングが重要
 デッキ
デッキ
 ※ 数値は仮のものです 

  • 28. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. これまでの定量分析とその問題点
 
 ● ログデータからアドホックに分析
 ○ リーダー駒の編成率
 ○ リーダー駒ごとの勝率
 
 ● これらの分析の課題点
 ○ デッキアーキタイプという抽象度でデータを解釈することができない
 ■ 意図せず対戦環境のバランスを崩してしまう可能性
 ■ ルールベース (定義に基づいた分類) では対応できない
 ● 大量の駒
 ● 同じリーダーでも異なるアーキタイプに属する
 
 ○ 新しいアーキタイプが抽出できない
 
 ● 機械学習によるデッキのアーキタイプ抽出
 
 28
  • 29. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. ここまでのまとめ
 ● 対戦環境まわりの問題が顕在化
 ○ アーキタイプの優劣が固定化
 ○ 特定のアーキタイプが強すぎる
 
 ● 対戦環境改善により、ユーザー体験を向上したい
 ○ 対戦環境を平均化したい
 ○ 対戦環境をダイナミックにしたい
 
 ● これまでトライしてきた方法では問題点が多い...
 ○ 客観的な判断が難しい、増加してきたアーキタイプ数に対応できないなど
 ○ アーキタイプという抽象度の高い概念
 
 ● 機械学習によるデッキのアーキタイプ抽出
 29
  • 30. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ
 
 2. 運用上の問題点と既存手法の限界
 
 3. 機械学習モデルの概要
 
 4. 可視化ツールの紹介
 
 5. ゲーム運用への活用
 
 6. まとめと展望
 30
  • 31. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 機械学習に使用するデータ
 ● クラスマッチ ダイヤモンド帯のデッキデータ
 ○ ユーザーのリテラシーが高く、デッキのアーキタイプが成立している
 
 
 ● 週次データ
 ○ バトル数: 数十万
 ○ ユニークなデッキ数: 数十万
 
 
 ● 月次データで属性補正ごと
 ○ 属性補正の種類 (e.g. 1ヶ月で5種類前後)
 ○ バトル数: 数十万
 ○ ユニークなデッキ数: 数十万
 31 ブロンズ
 シルバー
 ゴールド
 プラチナ
 ダイヤモンド
 クラスマッチのランク

  • 32. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 機械学習を用いたデッキアーキタイプ抽出の概要
 32 機械学習モデル
 
 トピックモデル (LDA: Latent Dirichlet Allocation)
  • 33. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. パラメータ
 データ
 機械学習を用いたデッキアーキタイプ抽出の概要
 33 機械学習モデル
 大量のデッキデータ (100,000)
 トピックモデル (LDA: Latent Dirichlet Allocation) 抽出するアーキタイプ数 = 7

  • 34. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 機械学習を用いたデッキアーキタイプ抽出の概要
 34 機械学習モデル
 大量のデッキデータ (100,000)
 トピックモデル (LDA: Latent Dirichlet Allocation) 
 抽出するアーキタイプ数 = 7
 
 駒1
 駒2
 駒99
 0.5
 0.01
 0.2
 ...
 ...
 アーキタイプA
 駒1
 駒21
 駒99
 0.01
 0.3
 0.2
 ...
 ...
 アーキタイプB
 駒1
 駒77
 駒99
 0.01
 0.4
 0.2
 ...
 ...
 アーキタイプG
 ...
 ...
 ...
 アーキタイプの解釈はプランナーが行う
 各アーキタイプの組成 (A~Gの7つ)
 ...
 ...

  • 35. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 確率
 デッキ100,000
デッキ1
 機械学習を用いたデッキアーキタイプ抽出の概要
 35 機械学習モデル
 大量のデッキデータ (100,000)
 トピックモデル (LDA: Latent Dirichlet Allocation) ...
 
 抽出するアーキタイプ数 = 7
 
 駒1
 駒2
 駒99
 0.5
 0.01
 0.2
 ...
 ...
 アーキタイプA
 駒1
 駒21
 駒99
 0.01
 0.3
 0.2
 ...
 ...
 アーキタイプB
 駒1
 駒77
 駒99
 0.01
 0.4
 0.2
 ...
 ...
 アーキタイプG
 ...
 ...
 ...
 各デッキが属するアーキタイプ
 ...
 ...

  • 36. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. LDA: Latent Dirichlet Allocation の紹介
 36 ドキュメント内の単語数
 ドキュメント数
 トピック数
 トピック
 ドキュメント
 トピック上の分布
 割り当て
 d
 ● トピック=全単語上の確率分布
 
 ● ドキュメント=トピック上の確率分布
 
 引用: Blei, CACM, 2012

  • 37. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. LDA: Latent Dirichlet Allocation の紹介
 37 引用: Blei, CACM, 2012
 トピック
 ドキュメント
 トピック上の分布
 割り当て
 ドキュメント内の単語数
 ドキュメント数
 トピック数
 d
 ● トピック=全単語上の確率分布
 
 ● ドキュメント=トピック上の確率分布
 
 ● 事前分布にDirichlet分布を仮定
 
 ● Bayesian inference (事後分布)
  • 38. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. トピックモデルを用いたデッキアーキタイプ抽出
 38 駒1
 駒2
 駒99
 0.5
 0.01
 0.2
 ...
 ...
 3) トピック=アーキタイプ
       =駒上の確率分布
 アーキタイプA
 駒1
 駒21
 駒99
 0.01
 0.6
 0.02
 ...
 ...
 アーキタイプB
 ...
 ...
 2) ドキュメント=デッキ=アーキタイプ上の確率分布
 駒1
 駒77
 駒99
 0.01
 0.1
 0.7
 ...
 ...
 アーキタイプG
 ...
 ...
 ...
 ...
 ...
 A
 B
 G
 アーキタイプ
 割り当て
 1) ドキュメント内の単語=デッキ内の駒

  • 39. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. トピックモデルの利点
 ● 実装が簡単 (pythonパッケージあり: gensim)
 ● 新しいアーキタイプを抽出可能
 ● 時系列でのアーキタイプの紐付けが容易 (確率分布間の類似度)
 ● パフォーマンスが良い (駒が複数アーキタイプに共有される悪条件)
 39
  • 40. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. デッキアーキタイプの抽出フロー
 40 アーキタイプA,
 アーキタイプB,...
 週 T
 既存のアーキタイプと比較 
 Raw対戦ログ
 (デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 
 アーキタイプ抽出処理 
 ...
 Raw対戦ログ
 (デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 
 前処理
 週 T+1
 ...
 アーキタイプA
 アーキタイプB

  • 41. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. デッキアーキタイプの抽出フロー
 41 アーキタイプA,
 アーキタイプB,...
 週 T
 既存のアーキタイプと比較 
 Raw対戦ログ
 (デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 
 アーキタイプ抽出処理 
 ...
 Raw対戦ログ
 (デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 
 前処理
 週 T+1
 ...
 アーキタイプA
 アーキタイプB
 ルールベース抽出
 アーキタイプ1,
 アーキタイプ2,...

  • 42. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. デッキアーキタイプの抽出フロー
 42 アーキタイプA,
 アーキタイプB,...
 週 T
 既存のアーキタイプと比較 
 Raw対戦ログ
 (デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 
 アーキタイプ抽出処理 
 ...
 Raw対戦ログ
 (デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 
 前処理
 週 T+1
 ...
 アーキタイプA
 アーキタイプB
 ルールベース抽出
 アーキタイプ1,
 アーキタイプ2,...
 LDA
 アーキタイプx,
 アーキタイプy,...
 ...
 アーキタイプx
 ...
 アーキタイプy
 ...
  • 43. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. デッキアーキタイプの抽出フロー
 43 アーキタイプA,
 アーキタイプB,...
 週 T
 既存のアーキタイプと比較 
 Raw対戦ログ
 (デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 
 アーキタイプ抽出処理 
 Raw対戦ログ
 (デッキ, 勝敗, ターン数 etc.) 
 前処理
 ルールベース抽出
 アーキタイプ1,
 アーキタイプ2,...
 LDA
 アーキタイプx,
 アーキタイプy,...
 (New) アーキタイプF 
 アーキタイプB,
 アーキタイプD,...
 週 T+1
 既存のアーキタイプと比較 
 ...
 ...
 ...
 アーキタイプx
 アーキタイプA
 アーキタイプB

  • 44. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ
 
 2. 運用上の問題点と既存手法の限界
 
 3. 機械学習モデルの概要
 
 4. 可視化ツールの紹介
 
 5. ゲーム運用への活用
 
 6. まとめと展望
 44
  • 45. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 可視化の要件
 目標: 対戦環境改善により、プレイヤー体験向上を実現する
 
 ● 現状把握と運営のアクションの効果確認が容易にできる
 ○ アーキタイプに関する統計量 (e.g. 使用率、勝率など) が一目でわかる
 ○ これらの統計量が時系列で比較できる
 ○ 内製のBIツールでは自由度が低く、実現できない
 
 
 ● 運営チームの誰もが、対戦環境を意識できる状況をつくりだす
 ○ 誰でも対戦環境をツールで確認できるようになった 
 ○ プランナーだけでなく、チーム全員で目標を意識
 ○ ローカルで結果が見られるだけでは不十分
 
 45
  • 46. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. Dashを用いたデッキアーキタイプの可視化
 46 ● Dash: Python製のWebアプリケーションのフレームワーク
 
 ● インタラクティブなダッシュボード作成
 ○ オープンソース
 ○ Pythonで完結 (JSの知識不要)
 ○ 高い自由度 
 ○ 豊富な具体例とソースコード
 
 ● 対戦環境把握の標準化
 ○ Google Cloud Platform上でデプロイ 
 ○ Webブラウザから閲覧可能
 https://dash-gallery.plotly.host/
  • 47. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 可視化ツールの紹介 (週次)
 47 ● 週次のクラスマッチからの抽出結果
 ○ 月〜日曜日のデータを元に、月曜日更新
 ○ 最新のアーキタイプトレンドを把握することに使用
 
 

  • 48. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 可視化ツールの紹介 (週次)
 ● 週次のクラスマッチからの抽出結果
 ○ 月〜日曜日のデータを元に、月曜日更新
 ○ 最新のアーキタイプトレンドを把握することに使用
 
 
 48 アーキタイプ名
 プレイヤー数関連
 時系列情報
 勝率関連
 ターン数関連
 デッキ情報
 該当週
 ※ 数値は乱数に置き換えてあります
  • 49. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 可視化ツールの紹介 (週次)
 ● 週次のクラスマッチからの抽出結果
 ○ 月〜日曜日のデータを元に、月曜日更新
 ○ 最新のアーキタイプトレンドを把握することに使用
 
 
 49 アーキタイプ名
 時系列情報
 勝率関連
 ターン数関連
 デッキ情報
 該当週
 プレイヤー数関連
 ※ 数値は乱数に置き換えてあります
  • 50. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 可視化ツールの紹介 (週次)
 50 対戦表
 プレイヤー数分布
 先攻後攻切り替え
 ※ 数値は乱数に置き換えてあります
  • 51. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 可視化ツールの紹介 (月次)
 
 ● 月次のクラスマッチの補正ごとの抽出結果
 ○ 月初更新
 ○ より詳細な対戦環境情報の把握、プランニングのPDCAサイクルに利用
 
 
 
 
 51 アーキタイプ名
 補正名
 クラス別
 デッキ情報
 ターン数関連
 勝率関連
 該当月
 プレイヤー数関連
 ※ 数値は乱数に置き換えてあります
  • 52. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ
 
 2. 運用上の問題点と既存手法の限界
 
 3. 機械学習モデルの概要
 
 4. 可視化ツールの紹介
 
 5. ゲーム運用への活用
 
 6. まとめと展望
 52
  • 53. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. オセロニアの運用課題/分析ツール導入前 53 運用上の問題点1
 アーキタイプの
 優劣が固定化 運用上の問題点2
 特定のアーキタイプが 強すぎる 定性意見中心
  • 54. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. オセロニアの運用課題/分析ツール導入前 54 客観的に
 判断をする
 難易度が高い
 増え続ける
 アーキタイプ数の 対応が難しい
 プレイング
 習熟まで時間が
 必要
 新しい
 アーキタイプを
 検知しづらい
 運用上の問題点1
 アーキタイプの
 優劣が固定化 運用上の問題点2
 特定のアーキタイプが 強すぎる 定性意見中心
  • 55. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. オセロニアの運用課題/分析ツール導入前 55 客観的に
 判断をする
 難易度が高い
 増え続ける
 アーキタイプ数の 対応が難しい
 プレイング
 習熟まで時間が
 必要
 新しい
 アーキタイプを
 検知しづらい
 運用上の問題点1
 アーキタイプの
 優劣が固定化 運用上の問題点2
 特定のアーキタイプが 強すぎる 正確で網羅的な現状把握が難しい 改善結果が正確に評価しづらい
 現実的でない 対応スピード遅 定性意見中心 難易度が高い
  • 56. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. オセロニアの運用課題/分析ツール導入後 56 運用上の問題点1
 アーキタイプの
 優劣が固定化 運用上の問題点2
 特定のアーキタイプが 強すぎる 定性+ツール
  • 57. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. オセロニアの運用課題/分析ツール導入後 57 客観的に
 正しいか
 判断しやすい
 多数の
 アーキタイプの
 増加に対応できる
 属人化の改善
 新しい
 アーキタイプを
 検知できる
 運用上の問題点1
 アーキタイプの
 優劣が固定化 運用上の問題点2
 特定のアーキタイプが 強すぎる 定性+ツール
  • 58. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. オセロニアの運用課題/分析ツール導入後 58 客観的に
 正しいか
 判断しやすい
 多数の
 アーキタイプの
 増加に対応できる
 属人化の改善
 新しい
 アーキタイプを
 検知できる
 運用上の問題点1
 アーキタイプの
 優劣が固定化 運用上の問題点2
 特定のアーキタイプが 強すぎる 正確に網羅的な現状把握に改善し、 改善アクションがスムーズになった
 定性+ツール 難易度が改善 実現可能 対応スピード速
  • 59. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化
 運用上の課題:特定のアーキタイプが強すぎる
 ● アーキタイプの強さが偏重すると、ゲームが単調になる
 59 A
 B
 C
 D
 F
 E
 理想
 アーキタイプ同士の
 相性が拮抗していることで、
 選択肢が多様な状態

  • 60. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 運用上の課題:特定のアーキタイプが強すぎる
 ● アーキタイプの強さが偏重すると、ゲームが単調になる
 発生した事例
 Aが一強であることで、
 ほとんどのユーザーがAに流れて しまい対戦環境が固定化する
 改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化
 60 A
D
A
 B
 C
 F
 E
 D
 F
 E
 B
 C
 理想
 アーキタイプ同士の
 相性が拮抗していることで、
 選択肢が多様な状態

  • 61. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化
 運用上の課題:特定のアーキタイプが強すぎる
 ● アーキタイプの強さが偏重すると、ゲームが単調になる
 61 A
D
A
 B
 C
 F
 E
 D
 F
 E
 B
 C
 理想
 アーキタイプ同士の
 相性が拮抗していることで、
 選択肢が多様な状態
 発生した事例
 Aが一強であることで、
 ほとんどのユーザーがAに流れて しまい対戦環境が固定化する
 同じ相手とばかり 当たる = 飽き
 中長期継続率に悪影響 プレイヤー

  • 62. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 運用上の課題:特定のアーキタイプが強すぎる
 ● 実際に、アーキタイプ分析ツールで突出したアーキタイプがあることを確認した
 改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化
 62 OLDツール 各アーキタイプ勝率グラフ クラス:* 月:2019/03 補正:魔H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9 OLDツール 各アーキタイプ対戦表 クラス:* 月:2019/03 補正:魔H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9 対戦表
勝率

  • 63. アクション:適切な抑止力の選定と対戦環境への配慮
 ● プランニングプロセス
 改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化
 63 OLDツール アーキタイプ間の勝率%(対戦表) クラス:* 月:2019/03 補正:神H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9 ラニトップと貫通速攻と魔バランス OLDツール ユニークなデッキ数分布(グラフ) クラス:* 月:2019/03 補正:神H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9 ラニトップと貫通速攻と魔バランス A
 B
 C
 Aに相性の良いBを選出
 Bに相性の良いCを選出
 A
 B
 C
 A
 A
 C
 B
 C
B
 対戦成績の比較
 アーキタイプ使用率の比較

  • 64. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アクション:適切な抑止力の選定と対戦環境への配慮
 ● プランニングプロセス
 OLDツール アーキタイプ間の勝率%(対戦表) クラス:* 月:2019/03 補正:神H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9 ラニトップと貫通速攻と魔バランス A
 A
 C
 B
 C
B
 OLDツール ユニークなデッキ数分布(グラフ) クラス:* 月:2019/03 補正:神H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9 ラニトップと貫通速攻と魔バランス A
 B
 C
 改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化
 64 対戦成績の比較
 アーキタイプ使用率の比較
 A
 B
 C
 Aに相性の良いBを選出
 Bに相性の良いCを選出
 強化
 使用率が低い
 アーキタイプに
 駒追加
 全ての勝率が
 拮抗する属性補正

  • 65. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 改善アクション1〜対戦環境のバランス平均化
 結果:突出したアーキタイプのバランスを対戦環境を配慮しつつ行えた
 適切な属性補正を特定し、スムーズに調整を行えた
 抑止力となるアーキタイプの選定がピンポイントに行えた
 
 65 OLDツール 各アーキタイプ勝率グラフ クラス:* 月:2019/03 補正:魔H1.1 A0.9 竜H1.1 A0.9 NEWツール 各アーキタイプ勝率グラフ クラス:ダイマス 月:2019/06 補正:竜H1.2 魔H1.2 竜H1.2 魔バランス、貫通速攻、代償が 1,2,3のグラフ 勝率 (アクション後)
 A
B
C
A
 勝率(アクション前)
 3ヶ月後
 B

  • 66. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす
 66 運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化
 ● 対戦環境の放置は、ゲームの「単調さ」につながる
 A
 B
 C
 D
 F
 E
 理想
 アーキタイプ同士の
 相性が拮抗していることで、
 選択肢が多様な状態

  • 67. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす
 67 運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化
 ● 対戦環境の放置は、ゲームの「単調さ」につながる
 A
 B
 C
 D
A
 B
 C
 F
 E
 D
 F
 E
 理想
 アーキタイプ同士の
 相性が拮抗していることで、
 選択肢が多様な状態
 発生した事例
 A、B、Cの関係が徐々に突出し て、選択肢が少なくなる状態

  • 68. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす
 68 運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化
 ● 対戦環境の放置は、ゲームの「単調さ」につながる
 A
 B
 C
 D
A
 B
 C
 F
 E
 D
 F
 E
 理想
 アーキタイプ同士の
 相性が拮抗していることで、
 選択肢が多様な状態
 発生した事例
 A、B、Cの関係が徐々に突出し て、選択肢が少なくなる状態
 選択肢が少ない = 飽き
 中長期継続率に悪影響 プレイヤー

  • 69. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化
 ● 実際に、アーキタイプ分析ツールでアーキタイプ間の優劣 が固定化していることを確認した
 改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす
 69 OLDツール 各アーキタイプ勝率グラフ クラス:* 月:2018/12 補正:all 1.0 OLDツール 各アーキタイプ勝率グラフ クラス:ダイマス 月:2019/03 補正:all 1.0 3ヶ月後
 上位の序列に大きな
 変化がない
 A
B
C
 A
B
 C
D
E
F
 F
D
E

  • 70. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. OLDツール アーキタイプ間の勝率(対戦表) クラス:* 月:2019/02 補正:all HP1.1 アクション:分析を用いた強化対象アーキタイプ掘り起こしと適切な追加
 ● プランニングプロセス
 改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす
 70 OLDツール 代表駒と使用率 アーキタイプ:代償 クラス:* 月:2019/02 補正:all 1.1 使用率の比較
 E
 A
 B
 C
 勝率は悪くないが、
 使用率の低いEを選出
 E
 E
 勝率(対戦成績)の比較

  • 71. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. E
 アクション:分析を用いた強化対象アーキタイプ掘り起こしと適切な追加
 ● プランニングプロセス
 改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす
 71 OLDツール アーキタイプ間の勝率(対戦表) クラス:* 月:2019/02 補正:all HP1.2 勝率は悪くないが、
 使用率の低いEを選出
 E
 A
 B
 C
 強化/普及
 必要な駒の普及
 できるガチャ
 E
 勝率の高くなる属 性補正を追加
 勝率(対戦成績)の比較
 デッキの核となる駒 の追加
 使用率の比較

  • 72. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 結果:ユーザーがよりアーキタイプを選択するようになった
 ピンポイントでキャラクターの設計ができた
 アーキタイプ追加に比較して1/5以下のキャラクター追加数で対応できた
 
 OLDツール ユニークなデッキ数分布 クラス:* 月:2019/02 補正:all 1.0 改善アクション2〜勝てるアーキタイプの選択肢を増やす
 72 NEWツール ユニークなデッキ数分布 クラス:* 月:2019/05 補正:神H1.1 A0.9 魔H0.9 A1.1 竜H0.9 A1.1 3ヶ月後
 E
 使用率(アクション前)
 E
 使用率(アクション後)

  • 73. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上
 73 運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化
 ● 運営で想定していないアーキタイプが生まれることがある
 A
 B
 C
 D
 E
 NEW
 想定外の
 アーキタイプ

  • 74. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 運用上の課題:アーキタイプ間の優劣が固定化
 ● 実際に、アーキタイプ分析ツールで新たなアーキタイプ「NEW」を検知
 改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上
 74 OLDツール 各アーキタイプ勝率グラフ クラス:* 月:2019/03 補正:all 1.0 NEW3 使用率
 NEW

  • 75. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. OLDツール 使用率 クラス:ダイマス 月:2019/03 補正:神H1.1 A1.1 魔H1.1 A1.1 竜H1.1 A1.1 OLDツール 各アーキタイプの勝率%(対戦表) クラス:* 月:2019/03 補正:神H1.1 A1.1 魔H1.1 A1.1 竜H1.1 A1.1 アクション:アーキタイプ間の優劣が固定化
 ● プランニングプロセス
 改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上
 75 対戦成績の比較
 アーキタイプ使用率の比較
 A
 B
 C
 新しいアーキタイプ
 「NEW」を検知
 NEW
 NEW
 NEW

  • 76. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アクション:アーキタイプ間の優劣が固定化
 ● プランニングプロセス
 OLDツール 各アーキタイプの勝率%(対戦表) クラス:* 月:2019/03 補正:神H1.1 A1.1 魔H1.1 A1.1 竜H1.1 A1.1 OLDツール 各アーキタイプの勝率%(グラフ) クラス:* 月:2019/03 補正:神H1.1 A1.1 魔H1.1 A1.1 竜H1.1 A1.1 改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上
 76 対戦成績の比較
 アーキタイプ使用率の比較
 A
 B
 C
 新しいアーキタイプ
 「NEW」を検知
 アーキタイプ?の
 勝率が高い属性補正
 使用率向上
 NEW
 他のアーキタイプとの
 差分は何か
 NEW
 NEW

  • 77. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 結果:新しいアーキタイプの使用率が向上する状態を生み出せた
 運営が想定していないアーキタイプの検知ができた
 想定していないアーキタイプの属性補正を適切に追加できた
 
 
 NEWツール 各アーキタイプ使用率グラフ クラス:ダイマス 月:2019/06 補正:神A1.1 魔A1.1 竜A1.1 77 改善アクション3〜新しいアーキタイプの検知と使用率向上
 使用率(アクション後)
使用率(検知)
 2ヶ月 後
 1ヶ月 後
 使用率(アクションなし)
 検知せず 再検知 NEW
 NEW

  • 78. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アーキタイプ分析結果の活用先
 アーキタイプ分析ツールは、運用の施策の出発点として活かされている
 78 アーキタイプ
 分析ツール
 バトル定例
 
 アーキタイプの
 結果をみる
 バトル開発
 クラスマッチ
 補正検討
 個別の結果共有
 
 イベントオーナー
 ガチャラインナップ
 検討
 アーキタイプの強化 
 対戦環境保全
 アーキタイプの普及 
 レベルデザイン
 新しい
 スキル考案
 ゲーム内
 施策

  • 79. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 運用に今回の分析ツールを導入したことで。。。 79
  • 80. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 80 『誰もが気軽に
 より客観的に』
 
 対戦環境の把握が改善されました!
 運用に今回の分析ツールを導入したことで。。。
  • 81. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. アジェンダ
 1. 逆転オセロニアとデッキアーキタイプ
 
 2. 運用上の問題点と既存手法の限界
 
 3. 機械学習モデルの概要
 
 4. 可視化ツールの紹介
 
 5. ゲーム運用への活用
 
 6. まとめと展望
 81
  • 82. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. まとめと展望
 ● 機械学習を用いた対戦環境改善を、ゲーム運営の現場で行なっているはなし
 ○ トピックモデルを用いてデッキアーキタイプを抽出する手法
 ○ デッキアーキタイプの可視化
 ○ ゲーム運営への活用について
 
 
 ● デッキ構築を必要とするゲームに汎用的に活用できる
 ○ トピックモデルを用いたデッキアーキタイプ抽出 (弊社他タイトル)
 
 ● 今後取り組みたいこと
 ○ アーキタイプレベルでのデッキレコメンデーション
 ○ 属性補正の最適化
 ○ 対戦環境変化の予測 (e.g. 新キャラクター駒追加)
 82
  • 83. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. 83 ありがとうございました
 
 email: ryo.adachi@dena.jp

  • 84. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. Appendix
 84 ● 既存手法との定性比較
 

  • 85. Copyright (C) 2019 DeNA Co.,Ltd. All Rights Reserved. デッキアーキタイプの抽出手法の比較
 ● トピックモデル (採用した手法)
 ○ (+) 実装が簡単 (パッケージあり: gensim)
 ○ (+) 新しいアーキタイプを抽出可能
 ○ (+) 時系列でのアーキタイプの紐付けが容易 (確率分布の類似度)
 ○ (+) パフォーマンスが良い (駒が複数アーキタイプに共有される悪条件)
 
 ● ルールベース
 ○ (+) 曖昧さがなく、精度が良い
 ○ (−) カードの枚数が多ければ、ルールの策定が非常に複雑になる
 ○ (−) ルールを指定するまで、新しいデッキアーキタイプを検出できない
 
 ● k-meansなどのクラスタリング手法
 ○ (+) 実装が簡単、新しいアーキタイプを抽出可能
 ○ (−) 時系列でのアーキタイプの紐付けが容易ではない
 85