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Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませCopyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ
お金のなくなる日
〜貨幣の歴史とこれからの貨幣〜
2017年4月21日
ブルー・マーリン・パートナーズ
代表取締役
山口揚平
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1. 自己紹介
2. 貨幣の歴史
3. 貨幣の未来
4. 21世紀のビジネス
5. 21世紀のリテラシー
2
アジェンダ
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自己紹介
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プロファイル 山口揚平
4
• ブルー・マーリン・パートナーズ株式会社 代表取締役社長
• 早稲田大学政治経済学部(小野梓奨学生)。東京大学大学院修士。
1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイ
エーなどの企業再生に携わった後、独立・起業。
• 企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個
人投資家に情報を提供する。2010年に同事業を売却。
• 現在は、コンサルティング会社をはじめ、複数の事業・会社を運営する
傍ら、執筆・講演活動を行っている。専門は貨幣論・情報化社会論。
• 三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行・みずほコーポレート銀行のM&A研修、
電通・TOTO・株式会社セガ他事業会社における論理的思考研修講師
• NHK「ニッポンのジレンマ~僕らの新・資本主義~」日経CNBC放送、
テレビ東京「オープニングベル」論客出演
• 慶應義塾高校講師・福井県立大学非常勤講師(ビジネススキル講義)
• 新しい働き方を提唱する著書や講演活動を多数行っている。
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▲
「企業分析力
養成講座」
▲
英国
留学
20代で企業再生、30代で起業・売却を経験、事業創造に従事
• 「自らの体験を通して学び、血肉化した知を、社会に還元する」という生き方を志向。アカデミ
ズムでの研究から・思想家(著者)・事業家の枠を超えたキャリアを構築してきた。
5
2000 2005 2010 2015 2025
▲
クリスピー・クリーム・ドーナツ
日本参入
▲
「新しい
株の本」
▲
「そろそろ会社
辞めようかな」
▲
「なぜゴッホは貧乏で
ピカソは金持ちだったのか」
▲
GM・いすず
▲
ダイエー・カネボウ
▲
シーガイア
▲
シェアーズ
(企業分析システム)
創業
▲
シェアーズ
売却
▲
シェアーズ
再興
▲Hakuto(宇宙開発)
▲Cool japan in Hoian
((株)旅武者)
▲
エーゼット
(のちDeNAへ)
▲キビテク(IOT・ロボット)
△e-Gle
(EV)
▲メデテ(漢方)
▲
早稲田
政経
(学士)
▲
東大院
(修士)
△「事業創造力養成講座」
△「21世紀のお金」
ビ
ジ
ネ
ス
学術
・
出版
NPO
・
政策
その他
5~10社を創
業・出資・支
援予定
20代 30代
▲
NPO法人
RCF理事
企業再生 起業
▲Firms(プロフェッショナル派遣)
▲Gift(贈与経済システム)
▲
「世界を
変える
会社の
創り方」
▲ホチキス(劇団)
▲メディアイノベメーション
(先端医療メディア)
▲
NPO法人コフレ
プロジェクト
▲
「10年後世界が壊れても君
が生き残るために、今身に
付けるべきこと」出版
事業創造 事業・思想・政策
40代
▲
社団法人
日本ビリヤード協会
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6
事業創造
ポートフォリオ
(2017年)
末端価格2兆円
の知の流通業を
目指します。
事業領域
ブルー・マーリン・
パートナーズ
シェアーズ
(73.8%)
旅武者
(36%)
ispace inc.
(非公開)
QibiTech
(25.3%)
劇団ホチキス
(40%)
• Valuation matrix: 全世界75000社のカルテ
• TIMESHARE: 時間販売
• Firms: プロジェクトとプロフェッショナルのマッチングサ
ービス
• Gift: 贈与経済システム
• 世界にベース(店舗等)を持つビジネス・リーダー教育・
人財紹介・旅行事業
• 2017年には既に1000名以上がプログラムに参加し、学
生研修プログラムとしては日本最大
• 賞金30億のgoogleXprizeに日本唯一参加
• 惑星探査技術に定評
• IOTデバイスプロダクトの製造からサービス・金融へ
• 守り用「共生型IoTロボットネットワークシステム」を開発
中
• ポップ劇団。演劇市場を超えてデート市場へ参入
資源・エネルギー
IoT コンサルティング
シェア・エコノミー
教育事業
事業創造
メンタリングプログラム
M&A
/ 戦略コンサルティング
宇宙開発
省エネ建築
(ZEB/ZEH)
ロボティクス
AI アルゴリズム
Valuation Matrix
TIMESHARE
Firms
Gift
ファイナンス
マーケティング
MAP
(マーケティングリサーチ)
クラウドファンディング
ライブパフォーマンス
アート
スポーツ
リトリート
ヘルスケア
事業内容 会社(持ち株比率) 事業概要
ACTIT
(25%)
フレントレップ
日本ビリヤード協会
メディアイノベーション
(8.6%)
• 「これがほしい」という妄想の実現支援
• 医療の最新情報インターネットメディアの立ち上げ
• アーティスト作品の販売
• 価格変動型チケット販売システムの開発
• ビリヤード場のIoT管理システムを提案
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貨幣の歴史
~お金が生まれる経緯とビットコインまで~
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8
名前
パブロ・ディエゴ・ホセ・サンティアゴ・フランシスコ・デ・パウラ・フ
ァン・ネポムセノ・クリシピン・クリスピニャーノ・デ・ロス・レメディ
オス・シプリアーノ・デ・ラ・サンテシマ・トリニダッド・ルイス・イ
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9
シャトー・ムートン・ロートシルト 1973年
楽天価格
(¥168,000)
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ピカソの小切手
• ピカソは、日常生活の少額の支払いであっても好んで小切手を使った
• 当時から有名であったピカソの「サイン」が入った小切手をもらった商人は
それをどうするだろうか?
10
お金が引き落とされない
有名なピカソのサインを
大事に扱い換金をしない
小切手
チーズ
☓ ☓
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11
お金が物々交換からはじまったのは嘘?
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ヤップ島 お金の起源
12
ココ
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フェイ(巨石)
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ヴェニスの商人
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銀行家のプライベートネットワークと、
年に一度のリヨンの大市での大決算
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お金の始まりは、「記帳」だった。
お金の本質は「信用取引・精算のシステム」
お金とは「譲渡可能な債務(信用)」のこと
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• 商品の王様として成立した貨幣(もっとも支配可能性の高い商品=貨幣):民主的・ボトムアッ
プの貨幣:貨幣商品説
お金はどうやってできたか?:ボトムアップ:最も販売可能性の高い商品=金
支配関係
一次財
高次財
お金?
より高次財
画像出所:イラストAC
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• ソブリンの権威(徴税・戦争)と信用母体(商人の権力)の結合によって発行された貨幣:貨幣
信用説
トップダウンでできたお金:初めての中央銀行
政府
(王権)
イングランド
銀行
投資家
(国際金融ネッ
トワーク)
市場
出資権威
貸付
銀行券の発行
市中銀行
決済
管理権
市民・企業
商取引
徴税・
法の執行
所有・
取引の執行
17
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• 中央銀行も、株式は半数程度を民間が保有しており、私企業的にとらえることが可能(株主総
会が無い点、基本的に破綻しない点などは異なり、あくまでアナロジーである)
• 貨幣発行と株式資金で資金調達を行い、資産保有と売却で運営するビジネス
現在の中央銀行
株主構成
株主内訳
アメリカ政府: 0%
民間: 100%
日本政府:55%
民間: 45%
地区連邦準備銀行に
よって管轄される個
別金融機関が株主
保有に必要な条件
はなく、個人も保有
FRB 日本銀行
18
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新しいお金
19
Bitcoin
(仮想通貨)
bitcoin
(暗号化された私的取引)
↑
本命
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貨幣の未来
~お金のなくなる日~
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• お金とは、数あるコミュニケーションツール(社会の共通言語)の一つである
– 「マネーは、英語よりもグローバルな存在である」(日経ヴェリタスの広告)
– 「クレジットカードと現金さえ持って行けばなんとかなる」(海外旅行に行く際の納得感のある言葉)
• 広さと深さの軸で、様々なコミュニケーションツールを位置づけることができる
• お金とは、汎用性が高いが、深さ(コンテキスト)を持たないため、摩擦がゼロ、誤解が生じない言語、つまり
数字である
お金とは何か?
お金
ことば
汎用性
(使える対象、
使う人の数)
深さ
(Context)
ボディ・
ランゲージ
価値観・
宗教?
個人
indivicual
数字
123456789..
21
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• 2000〜2006年の実体経済の成長率約1.4倍に対し、金融経済の成長率は約3倍だった
“ザ・マネー”は量的に拡大
2000年 2006年
出所:日本政策投資銀行 鍋山徹 ファイナンス稲門会講演資料「成長市場をみる三つの目と人間力の3要素」
約570兆ドル
約70兆ドル
約190兆ドル
約50兆ドル
貿易
グローバル
マネー
GDP
左;実体経済
右;金融経済
デリバティブ
市場
急激な膨張
22
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• 貨幣を媒介として分業し合うことで、すべての人が自分でやるべきことはどんどん少なくなる
• しかし貨幣には限界があり、どうしても人間として他人に任せられない部分(人間性)もあるは
ず。「お金で買える、買えない」の境目を“倫理”という
• お金で買えるもの、お金で“ケリ”つけて良いと思うのはどこまで?
– 月の土地(3000円~)と南の島
– 人脈売買ビジネスとCEOの調達
– 角膜(3万ドル)、肝臓(13万ドル)、心臓(15万ドル)
– 処女(1万ポンド)と臍帯血
– 廃棄物やCO2の排出権
– 裏口入学(500万円)や無罪判決
– 別れさせ屋(150万)と、出会い工作(30万~)
– 遺伝子(DNA)の特許化
マネーの汎用性も拡大 ~それって魂の侵食?~
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世界の三層構造になっている
紐帯
(ネットワーク)
企業
(グローバル
カンパニー )
国家
(ソブリン)
Nestle
TOYOTA
Shell
GEWALMART
24
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世界のGDPトップ100のうち4割は「企業」
Rank Country/Company GDP/Revenue
1 United States 14,657.80
2 China 5,878.26
3 Japan 5,458.87
4 Germany 3,315.64
5 France 2,582.53
6 United Kingdom 2,247.46
7 Brazil 2,090.31
8 Italy 2,055.11
9 Canada 1,574.05
10 India 1,537.97
11 Russia 1,465.08
12 Spain 1,409.95
13 Australia 1,235.54
14 Mexico 1,039.12
15 Korea 1,007.08
16 Netherlands 783.29
17 Turkey 741.85
18 Indonesia 706.74
19 Switzerland 523.77
20 Poland 468.54
21 Belgium 465.68
22 Sweden 455.85
23 Saudi Arabia 443.69
24 Taiwan Province of China 430.58
25 Wal-Mart Stores Inc. (NYSE:WMT) 421.85
26 Norway 414.46
27 Austria 376.84
28 Argentina 370.27
29 Royal Dutch Shell plc (LSE:RDSA) 368.06
30 South Africa 357.26
31 Islamic Republic of Iran 357.22
32 Exxon Mobil Corporation (NYSE:XOM) 341.58
33 Thailand 318.85
34 Denmark 310.76
35 Greece 305.42
36 United Arab Emirates 301.88
37 BP plc (LSE:BP.) 297.51
38 Venezuela 290.68
39 China Petroleum & Chemical Corp. (SEHK:386) 290.11
40 Colombia 285.51
41 Toyota Motor Corp. (TSE:7203) 241.97
42 Finland 239.23
43 Malaysia 237.96
44 Portugal 229.34
45 Hong Kong SAR 225.00
46 Singapore 222.70
47 PetroChina Co. Ltd. (SEHK:857) 222.26
48 Egypt 218.47
49 Nigeria 216.80
50 Israel 213.15
51 Ireland 204.26
52 Chile 203.32
53 Czech Republic 192.15
54 Chevron Corporation (NYSE:CVX) 189.61
55 Philippines 188.72
56 Total SA (ENXTPA:FP) 188.37
57 EDF Trading Limited 187.66
58 ConocoPhillips (NYSE:COP) 179.16
59 Pakistan 174.87
60 Shell Trading International Limited 174.11
61 Volkswagen AG (DB:VOW) 170.13
62 AXA (ENXTPA:CS) 164.94
63 Romania 161.63
64 Algeria 160.27
65 Peru 152.83
66 General Electric Co. (NYSE:GE) 150.21
67 Glencore International plc (LSE:GLEN) 144.98
68 New Zealand 140.43
69 Kazakhstan 138.43
70 Samsung Electronics Co. Ltd. (KOSE:A005930) 137.95
71 Ukraine 136.42
72 Berkshire Hathaway Inc. (NYSE:BRK.A) 136.19
73 General Motors Company (NYSE:GM) 135.59
74 Eni SpA (BIT:ENI) 132.73
75 Kuwait 131.32
76 Daimler AG (XTRA:DAI) 131.09
77 Qatar 129.49
78 Hungary 128.96
79 Ford Motor Co. (NYSE:F) 128.95
80 Petroleo Brasileiro (BOVESPA:PETR4) 128.45
81 Hewlett-Packard Company (NYSE:HPQ) 127.16
82 Nippon Telegraph & Telephone Corp. (TSE:9432) 125.70
83 E.ON AG (DB:EOAN) 125.31
84 Allianz SE (DB:ALV) 124.28
85 AT&T, Inc. (NYSE:T) 124.28
86 Carrefour SA (ENXTPA:CA) 120.49
87 Gazprom Open Joint Stock Company (RTS:GAZP) 117.83
88 Hitachi Ltd. (TSE:6501) 116.49
89 Assicurazioni Generali SpA (BIT:G) 116.32
90 GDF Suez (ENXTPA:GSZ) 113.28
91 Nestlé S.A. (SWX:NESN) 111.97
92 Honda Motor Co., Ltd. (TSE:7267) 110.97
93 McKesson Corporation (NYSE:MCK) 109.87
94 Panasonic Corporation (TSE:6752) 109.10
95 E.ON Sales & Trading Gmbh 108.39
96 Verizon Communications Inc. (NYSE:VZ) 106.57
97 Nissan Motor Co. Ltd. (TSE:7201) 105.50
98 LUKOIL Oil Company (RTS:LKOH) 104.96
99 Bangladesh 104.92
100 Siemens AG (DB:SIE) 104.53
出所:琴坂将広氏作成。GDPも売上高も名目値
25
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• 信用度と汎用度の面から各国通貨の位置づけもわかる
主要通貨の信用度と汎用度の比較
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
220
240
260
0 500 1,000 1,500 2,000
GDP
/
政
府
債
務
比
率
通貨の利用者人数
円
元
USドル
ポンド
ユーロ
主要通貨の信用度と汎用度
強い
弱い
(信用度)
(汎用度)
26
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お金の土台は、資源から国家、そして個人や企業へ
信用金・鉱物
お金
国家(ソブリン)
昔のお金 今のお金
信用創造
お金 お金 お金 お金 お金
将来のお金
信用
信用創造
お金 お金 お金
企業
(グローバルカンパニー)
個人
27
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• 「国家」が発行する現在の“貨幣”の地位は下がり、「個人」の発行する“信用”が重視される世
界になる
「貨幣・市場経済」と「贈与・共有経済」の対比
貨幣・市場経済 贈与・共有経済
モノ
信用 信用
モノ モノ モノ
信用
取引
貨幣
担保
担保
取引
ネットワーク
信用
モノ
信用
モノ
信用
モノ
信用
モノ
信用
モノ
信用
モノ
Aさん Bさん Aさん Bさん
(*)信用のぐらつき
28
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貨幣の進化のまとめ
• 人々の様々な交換の結果、信用や取引の”記帳”として数字が産まれ、文字ができ、信用
が徐々に外部化されてゆき貨幣が形作られた。
29(*)「Money The Unauthorised Biography(Martin 2012)」を参考に作成(山口 2015)
出所:山口揚平(2015)
信用の外部化
「質的進化」
部族内 国家内 国家間
贈与
(持ち寄り)
不換通貨の
発行
個人間での
取引の記帳
地域的拡大
「量的進化」
アテネ・ローマ
金・銀貨 等
スパルタ 等
国際商人の
私的ネット
ワーク取引
ネットワーク
贈与経済
原始共産制
現代の中央
銀行通貨
メソポタミア・
ヤップ島の
フェイ等
無国籍
兌換通貨の
発行
商人間の取引
・民間銀行
代替通貨
(無国籍通貨)
金本位制度
内での中央
銀行通貨
金(キン)等
のコモディティ
新しい
地域通貨
時間通貨・
個人間貸借
地域通貨
(ポイント等)
中世の
ソブリンマネー
国際的な
共同体組織
(宗教法人等)
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発生するコスト
• 貨幣を構成している4つの要素と、それぞれの象限にむけて発生するコストがある
30
適合の
コスト
信用管理
コスト
コミュニ
ケーション
コスト
文脈毀損
コスト
(*)(山口 2015)
欲望の二重一致を解消するための
取引コスト(交換の道具としての貨幣の機能に相当)
貨幣価値の標準を
保つための管理コスト
経済的価値の概念を
社会に認知・通底させるコスト
交換において生じる人
間間のつながりと、交
換財の引き継ぐ物語
(歴史)等の文脈を貨
幣
取引により毀損するコ
スト
Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ
信用の外部化
「質的進化」
部族内 国家内 国家間
贈与
(持ち寄り)
不換通貨の
発行
個人間での
取引の記帳
地域的拡大
「量的進化」
アテネ・ローマ
金・銀貨 等
スパルタ 等
国際商人の
私的ネット
ワーク取引
ネットワーク
贈与経済
原始共産制
現代の中央
銀行通貨
メソポタミア・
ヤップ島の
フェイ等
無国籍
兌換通貨の
発行
商人間の取引
・民間銀行
代替通貨
(無国籍通貨)
金本位制度
内での中央
銀行通貨
金(キン)等
のコモディティ
新しい
地域通貨
時間通貨・
個人間貸借
地域通貨
(ポイント等)
中世の
ソブリンマネー
国際的な
共同体組織
(宗教法人等)
• 短期的には、中央銀行の金融政策の失敗で、代替通貨/多国籍通貨に注目が集まる。しかし、
内部に本質的信用を保全しておらず、流動性を頼りにした投機的存在に終わるだろう
• ②信用管理コストの肥大により、経済取引が停滞すると、信用回帰が起こり、これは個人
(indeividual)の数字である「時間」に落ち着くだろう。③同時にグローバル・レベルでの贈与経
済が起こるだろう
お金の進化についての3つの方向性
出所:山口揚平(2015)
31
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(参考)それぞれの経済システムの整理
市場・貨幣経済 贈与・共有経済 時間通貨
管理手法
安定性
言語としての
性質
適用可能な
価値・効用
取引関係
• 一部による金融機関・国家・
超国家によるコントロール・
システム
• 一定の割合で膨張と破綻を
繰り返す不安定性
• 数字という一点での交換を
可能とするためシンプルな
性質
• 貨幣によって効用が得られ
る分野には限界がある(例
えば社会的欲求)
• 相対的関係を前提とする。
例えば生産者/消費者、市
場/秩序などの対立関係
• 複雑な私的・地域的ネットワ
ークによる相互監視システ
ム
• ある域内においては安定性
を有する。また市場経済破
綻時のセーフティ・ネットにな
りうる
• あいまいで汎用性をもちにく
いが、不可視の価値(例え
ば文脈)を認知・交換しうる
• 贈与によって効用を得られ
る分野には限界と非効率性
がある(例えば生存欲求)
• 一体的関係を前提とする。
例えば、生産者が消費者に
もなりうる。両者の協業はそ
れぞれに価値を生む
• 時間は個人の信用を媒体と
するために統合的にも分散
的にもなりうる
• 個人の時間は、社会の人口
とその質を基盤としており安
定的であり、汎用性を持つ
• 時間は、労働対価としても、
文脈価値の醸成のための期
間としても比例関数として当
てはめることが可能
• 基礎的・文化的な両側面(生
存欲求・社会的欲求)を充足
しうる資源である。
• 有機的関係を前提とする。
ある局面では相対的資源と
して、別の側面では共有資
源として使用しうる
32
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• 21世紀のビジネスは、飢えや物不足に対応するものでなく、承認と尊厳を一
人ひとりに提供していく寄り合いプラットフォームのような形になるだろう
• 消費される財の中心が生存を担保するものでなく、承認を得るものになる
• 生産と消費が一体化する(社会的欲求の生成には生産者と消費者という概
念がない。両者が協業して成立する)
• 時間が価値流通メディアに一時的になる
• 貨幣の本質は(譲渡可能な)信用でなく、数字というメディア属性にある。数字
という情報が、人のアテンション(意識の焦点)を吸着しやすいからである
• おそらく代替通貨が短期的隆盛をほこる
• 貨幣の本質的問題は分断(文脈毀損)にある。それは社会関係資本を損なう
• ブロックチェーン(分散台帳システム)がそれを補完する
• 社会関係資本と人々の健康には大きな関係がある
• 国家は通貨の信用のコントロールに失敗する
• 価値基準の統一化の世界的広がりはとまらない
• 贈与・共有は社会的安定をもたらす
• 共有社会では余剰物も財になりうる
貨幣についてのまとめ
33
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ネットワーク社会
~貨幣を介在させない社会システム~
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• これまで作り上げてきた世界・システムを維持・運営する組織・人をマジョリティという。そこか
らあぶれているが、新しいしくみを創りだそうとする層をマイノリティという
• 両者の価値に差はない。しかし、現在、戦後のシステムが出来て60年たち、マジョリティシステ
ムが崩れようとしていることは事実。なぜなら、その比率が逆転しようとしているから
マジョリティ/マイノリティ比率は、6:4ぐらいまでになっている
マジョリティ
ニート(60万人、疾病ニート、コミュ障ニート、高
学歴ニート等)、若年派遣労働者、LGBT(15人
に1人)、シングルマザー(70万人)、独居老人
(100万人)、年収200万円以下(1000万人)…
マイノリティ 40%
60%
正規雇用労働者、従業員1,000人以上の会社
での勤務、専門職、公務員およびその家族
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• すでに出来上がったマジョリティのシステムは基本的に「タテ」。それに対し、円心をくりぬかれ
た周辺部に位置するマイノリティは「ヨコ」でつながるようになる
「タテ」と「ヨコ」
マジョリティ
タテのシステム
下から「吸い上げて」、上から「降らす」
偉い人
次に偉い人
普通の人
マイノリティ
お金・時間
ヨコのシステム
必要な資源を、都度、横で配分する
集めて
配分
資源
タ
テ
の
パ
イ
プ
ラ
イ
ン
マジョリティ マイノリティ
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• マジョリティの基本的な発想は、資源を吸い上げて、上からシャワーのように降らすことである。
これは出来上がったシステムなのであたりまえである
• マジョリティが提供するものは、生活(衣(医)食住)に必要な「コモディティ(匿名の製品・サー
ビス。たとえばカネ/票/エネルギー)」である
• 生活に必要なのはコモディティだから、人々が生存欲求を求めている時はこちらが便利
マジョリティの「タテ」の思想
マジョリティ
偉い人
次に偉い人
普通の人
お金・時間
タ
テ
の
パ
イ
プ
ラ
イ
ン
マジョリティは、基本的に、上から流してゆ
く。例えば、・・・・
• お金は、税金として集めて、財務省/
金融庁→都銀→地銀→信金と上から
下に流れてゆく
• エネルギーは、巨大な組織(東電)で作
って、流してゆく
• 選挙の票も組織で吸い上げ、与党が分
配してゆく
• 政策は上の人が創り、それを上意下達
してゆく
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• マイノリティは同心円を繰り抜かれており、分散している。だから、ヨコでつながることが基本と
なる。ネットの普及はマイノリティのつながりを一層強化しつつある
• マイノリティは、必要に応じて、資源をヨコで融通しあう。それは、相互扶助のしくみであり、そ
れぞれの社会的欲求(承認欲求・つながり欲求)を満たすことに適している
• 逆に、大量生産が有利に働くコモディティの流通には適さない
マイノリティの「ヨコ」の思想
マイノリティは、ヨコで配分してゆく。例え
ば、・・・・
• お金は、必要に応じてプロジェクト単位
でクラウドファンディング
• 知識や情報もヨコのネットワークで調達
• エネルギーは、電気を大量に「作る」の
でなく、個別にためておいて、必要に応
じて「配分」(スマートグリッド)
• 政治も、みんなの意見を吸い上げて共
有マイノリティ
集めて
配分
資源
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• では、人は今、何を求めているのか?人々の基本的な欲求構造が上位にシフトすれば、それ
に応じて当然社会システムも進化するだろう
• いまや生存欲求は脳に刷り込まれた習慣であり、本能ではない。人は本能的に社会的欲求を
求めている段階。それはヨコ社会が主役になるということ
• 「カネ(数字」という言語が有効なのは、衣(医)食住を満たす領域においてである。なぜならそ
れらはコモディティであり、一つ一つの製品・サービスに独自性を求められないからだ
• しかし、承認欲求の段階では、それを満たすためには、常に文脈が求められる。それはカネで
は買えない
欲求構造と社会システム
生存
(衣食住)
承認
(帰属・尊敬)
創造
欲求構造 人権の範囲
20
世
紀
21
世
紀
社会システム
タテ社会
(言語は金)
ヨコ社会
(言語は信)
グリッド社会
(言語は共)
22
世
紀
39
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• 21世紀のビジネスが社会的欲求(所属・尊敬)なら、それをやりとりする流通手法は貨幣でよ
いのか?
欲求構造・財の形態・価値流通の手法の関係
生存
承認
創造
安全
衣食住
所屬
社会的尊敬
自己実現
自己超越
国家・土地
家・食料・生活用品
携帯電話・インターネット
より上位のコミュニティの参加権 等
社交や評価機会を提供するサービス
外見(美容)・学歴を提供するサービス 等
アート作品、著作などの創造物
組織、事業、アイデア等の無形物
貨幣 贈与(マズローの欲求段階説)
現
代
の
欲
求
の
中
心
時間
(知識、教養、紐帯等)
知識・
ネット
ワーク
労働
としての
時間
欲求構造 財の形態 価値流通の手法
出所: ブルーマーリンパートナーズ分析
40
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• 幸福はレセプターの問題であって、お金の問題ではない
• お金を通してモノを買い、それを五感で認識して幸福を感じるか、それとも直接的に「私は幸
福である」と認識するか、あなたはどちらを選ぶか?
• 幸福の本質は「一体性」にある。つまり人とのつながりの中にこそそれはある。幸福とは解釈
から生まれる。つまり何があるかではなく、どう想うかである
金で尊敬は買えない
お金で「家」は買えるけれど、「家庭」は買えない。
お金で「時計」は買えるけれど、「時間」は買えない。
お金で「ベッド」は買えるけれど、「睡眠(快眠)」は買えない。
お金で「本」は買えるけれど、「知識(知恵)」は買えない。
お金で「名医」は買えるけれど、「健康」は買えない。
お金で「地位」は買えるけれど、「尊敬」は買えない。
お金で「血」は買えるけれど、「命」は買えない。
お金で「セックス」は買えるけれど、「愛」は買えない。
中国のことわざ(作者不明、一部補正)
41
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友達の数で寿命は決まる
• タバコや酒よりも、仕事があるか・人とのつながりが健康に与える影響のほうが大きい。
• ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が、健康状態に影響を与えるという実証研究がある
(Kawachi,1997)
42
社会参加が健康に影響を与える
出所:横山禎徳, 2013,「『社会システム・デザイン』と何か」
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• つながりとは財に関係する人間間の関係であり、物語とは一定の期間を経ることによって蓄
積される価値のことである。すなわち文脈価値とは、時間の連続性と他者との一体性の複合
体である
一般的な価値の概念と文脈価値
数量
単価
価値
(価格)
T
(時間軸)
過去 未来
受け手
送り手
価値
S
(空間軸)
一般的な価値(価格)
一点で収束
文脈
文脈価値
対象物に付帯する価値
(履歴効果・他者との一体感・共有感)
需要 供給
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• タテとヨコでは何もかもが違う
資本主義(タテ)社会とネットワーク(ヨコ)社会のまとめ
資本主義社会
(タテ社会/差の経済)
ネットワーク社会
(ヨコ社会/和の経済)
リテラシー
言語カネ(数字) ココロ(個人)
信用(契約・価値提供) 信頼(無条件)
価値
言語化される 見えない・うつろう
階層
「ハブ」が圧倒的に強い「上」にいく程強い
対応
• 計量化される比較
可能な単位を積み
上げてゆく(学歴・資
産・家柄・歴史等)
• つながりと信頼をひた
すらつくりあげてゆく
(多様性の肯定・功徳
等)
目的オペレーション イノベーション
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(参考)ネットワークの基本構造:幹(ハブ)と枝
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色の濃い点が男子、色の薄い点が女子で、複数の異性とつき合って
いる場合は2方向(もしくは3~4方向)に枝が伸びている。
「自分は幸福だ」とこたえたひとは黄色、「自分は不幸だ」
とこたえたひとは青色で、「どちらでもない」とこたえたひ
とは緑色
ジェファーソン高校(仮名)における性交渉図 フレーミングハム(ボストン西の小さな街)における
家族と友人のネットワーク
(出所)ニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー『つながり 社会的ネットワークの
驚くべき力』
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• なにかを起こすにはエネルギーが必要である。エネルギーとは集約された資源である
• 資源を「閉じ込める」ことのできる明確な言語は2つしかない。「数字」か「個人」である
• お金の本質は、それが数字であるということだ。数字というもっとも明確な膜の内側に信用と
価値を閉じ込めることができる
• 個人の英語(individual)とは、もともとは、これ以上、分けることができない、という意味である。
分かちがたい最小単位という膜の内側にも信用と価値を閉じ込めることができる
資源を集約する方法は2つしかない
数字
123456789..
個人
(individual)
できない 分けること
タテ社会の言語
「円」
ヨコ社会の言語
「縁」
「摩擦」がない 「文脈」「価値」を伝えられる
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• 断絶の時代、遍在・オープンな時代を経て、これからは1人の人間が多層的なコミュニティに
それぞれが所屬する時代になる。つまり、コミュニティ・ポートフォリオを持つということが必要
ヨコ社会の浸透で、新しいコミュニティが成熟化してくる(2010年〜2020年)
これからは、新しいコミュニティが
“成熟化”してゆく
(法・教育・福祉・市場:貨幣などの
システムを持つ)
コミュニティ・ポートフォリオをどう
形成するかがポイント
断絶の時代 遍在・オープンな時代 多層的なコミュニティの時代
国境・企業体 Google
グローバル
資本主義
Facebook
(過渡期)
・地域の少規模コミュニティ
・価値観
・スキル(ギルド)
Windows
(過渡期)
仲間分け世界への扉
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21世紀のビジネス
~貨幣が価値流通の手段として有効でない時代~
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欲求構造・財の形態・価値流通の手法の整理
• 人間は生命の安全や食の欲求が満たされると、社会的承認の欲求を求めるようになる
• 現代の先進国の欲求は生存欲求から社会的欲求へと変化している
生存
承認
創造
安全
衣食住
所屬
社会的尊敬
自己実現
欲求構造 財の形態
自己超越
国家・土地
家・食料・生活用品
携帯電話・インターネット
より上位のコミュニティの参加権 等
社交や評価機会を提供するサービス
外見(美容)・学歴を提供するサービス 等
アート作品、著作などの創造物
組織、事業、アイデア等の無形物
価値流通の手法
貨幣 贈与(マズローの欲求段階説)
現
代
の
欲
求
の
中
心
時間
(知識、教養、紐帯等)
知識・
ネット
ワーク
労働
としての
時間
出所: ブルーマーリンパートナーズ分析
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20世紀のビジネスと21世紀のビジネスの違い
20世紀までのビジネス 21世紀のビジネス
• 標準化
• 画一化
• 習慣化
• 多様化 (ダイバーシファイ)
• 個別化 (パーソナライズ)
• 肯定化 (セルフ・エスティーム)
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20世紀までのビジネス
標準化と画一化の行く先
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• 基本的な生活インフラは余剰の状態にあり、お金を払って買うものではなくなっている
– 国内の住宅の空室率は20%を越えていくという予測が有力である
– 乗用車の保有台数は、5000~6000万台で10年間変化がない
「家」も「車」も余っている。買う時代ではない
0
5
10
15
20
25
1988 1993 1998 2003 2008 2013 2018 2023
(%)
出所:野村総研「2025年の住宅市場」、自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向」
社会のインフラが隅々まで
行き渡ってきている(空き家率推移の予測)
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
乗用車保有台数
(万台)
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• ユニクロ(ファーストリテイリング社)は、売上高1兆8000億円、営業利益1700億円 という巨大
企業で、もはや「アパレル」とはいえない
• 服の「機能」という面に限って言えば、多くの人がユニクロで十分であると考えている。つまりユ
ニクロは「衣のインフラ」となっている
• 18~22才の女性が衣料品にかける費用は、1999年には15万円弱であったが、2014年には半
分以下の7万円弱まで低下している 。もはや服の「機能」にお金をかける時代でなくなっている
ユニクロは、「衣のインフラ」企業となっている
2009年 現在
(順位)
(年)
Gap
ZARA
Hennes&
Mauritz
Limited
Brands
Next
ユニクロ
PoloRalph
Lauren
17230
15170
13240
11080
6660
5860
5330
ZARA
Hennes&
Mauritz
ユニクロ
Gap
24000
21800
17900
16300
将来
ユニクロ1位
2位
3位
4位
出所:ファーストリテイリングIR
5位
6位
7位
アパレル企業の世界売上げランキング
※数字はすべて100万USドル
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• セブン&アイホールディングスが提供しているセブンプレミアムは、広範な食の定番商品を揃
えている。同社は最近宅食や給食など食の“ラストワンマイル(家まで)”に進出している。国内
コンビニ業界におけるシェアも4割まで上昇し、寡占状態が強まっている
• 会社が掲げる「5つの約束」にも、社会インフラとしての自負が謳われている
• 鈴木敏文氏「日本では小さな店は成り立たないと言われたが、実際にやってみたら社会インフ
ラになった…インフラというのは、それがあるからインフラなのではなく、無のところからでも環
境がどう変わるかという見方をしていけば創り出せる」
セブン&アイホールディングスは「食のインフラ」を目指す
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
セブン=イレブンの
国内コンビニ業界シェア
セブンイレブンが掲げる「5つの約束」
1) 社会インフラとして、すべての人が安心して便
利にお買物できる社会を実現します
2) 商品や店舗を通して、安全・安心を提供します
3) 商品、原材料、エネルギーの無駄を省き、地
球環境の保全に貢献します
4) 性別、年齢にかかわらず、すべての人が活躍
できる社会づくりを支援します
5) お客様やお取引先を巻き込んだエシカルな社
会づくりに取り組みます
(%)
出所:セブンイレブンIR、ダイヤモンド・オンライン
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• ヤマト運輸の国内シェアもすでに半分を占めており、インフラ化が非常に進んでいる
• 利益率は他のインフラ企業同様に高すぎず寧ろ低い、しかし「安定的」に推移してきた
• 山内雅喜社長「社会インフラとしての責任を果たさねばならないという思いから、強い意志をも
って運賃収受の適正化のお願いを進めていかないといけない」
ヤマトホールディングスも「輸送のインフラ」企業となるか
0
10
20
30
40
50
60
70
2005 2010 2015
ヤマトの国内宅配便業界シェア
(%)
出所:ヤマトホールディングスIR、Valuation Matrix
ヤマトホールディングスの収益
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• 航空業界でも、ピーチ、ジェットスター、エアアジアが日本に一斉参入した平成24年を機に、
ANA/JALの牙城が崩され、価格破壊が進んでいる
• 今後も世界中での移動コストはますます下がってゆく
世界での「移動コスト」もますます低下してゆく
16.2
16.4
16.6
16.8
17.0
17.2
17.4
17.6
17.8
H20 H21 H22 H23 H24
日本の航空会社の平均「イールド」推移
(円/キロ)
ピーチ(LCCを国内で名
乗った初の事業者)、ジ
ェットスター、エアアジア
参入のLCC元年
※「イールド」は、航空業界で”輸送人キロ
あたり旅客収入”、つまり、顧客を1人1キロ
運ぶといくら売上が立つかを表す指標
出所:国交省航空局
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• 生存欲求を満たす財(モノ)については、一部の大規模企業がその提供を独占し、インフラ化
してゆく
• 上記に加え、デフレ状況下において生活物資が安価に抑えられている状況もある。実際、政
府の金融政策以上に、事業家による効率化とイノベーションの速度は早く、原材料の調達や
消費者同士のシェアリングエコノミーを含め、モノの価格は低下を続けて限界費用を限りなく
ゼロに近づけている
モノのビジネスは終わりを告げる
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20世紀までのビジネス
習慣化(脳への刺激)とその終焉
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• 化学調味料の使用が現代では非常に普及している
• 身体でなく”脳で味わう”もの
習慣化ビジネス: 味の素
…ラットで詳細に調べると、迷走神経胃
枝の求心路は、タンパク質を構成する20
種類のアミノ酸の中では、グルタミン酸
のみに特異的な応答を示すことが近年
見いだされました。また、迷走神経求心
路の脳への入力先は、島皮質、大脳辺
縁系や視床下部であり、摂食や消化・吸
収と代謝の調節を担っている脳部位であ
ることが明らかとなりました。…
グルタミン酸は、過度な脂肪摂取によ
る肥満形成を予防できる知見が動物
実験により得られつつあります。ラット
の皮下及び内臓への脂肪の蓄積は、
グルタミン酸を摂取することで抑制で
きることが分かりました。現在、先端
的な脳科学研究手法を用いて、うま
味物質を介する味覚や内臓感覚によ
る脳でのエネルギー代謝調節機構の
全貌を明らかにしようとしています。
味の素公式ウェブサイトにおける研究紹介
出所:味の素公式サイト
消化管における
うま味の受容機構を解明する
うま味は脂肪の蓄積を抑える
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• 今でこそ広く親しまれているポカリスエットだが、30年前の発売時には一向に売れず、1年間で
3000万本を無料配布する賭けに出た。野球グラウンド・サウナなどの場を選んで、徹底的に
無料配布を続けた結果、汗で失われる成分を補給するというイメージが浸透した
• 2年目の夏の売上は、前年の3倍の280億円という爆発的ブームとなる
• ポカリスエットは、現在世界19カ国に展開。海外でも戦略は変わらず、ひたすら無料で配る。イ
ンドネシアではラマダン中の脱水によいと謳って配布
• 一度、体験してしまうと継続して人はそれを欲するという形で普及してゆく
習慣化ビジネス: 大塚製薬
明確なコンセプト ターゲットの厳選 徹底的な刷り込み
ポカリスエット成功の方程式
エジプト
タイ、ベトナム、ミャンマー、シンガポール、マレーシア、フィリピン
上海、北京、天津、広州
韓国、台湾、香港
東ティモール、インドネシア
出所:大塚製薬公式サイト
バーレーン、クウェート、サウジアラビア
60
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• 少なくとも40代までは、重病の発生確率が非常に低いので、保険料はふつう「発生確率×補
償額」よりも遥かに高いが、”テールリスク”を気にして加入してしまう
• これは、“テールリターン”に目がくらんでギャンブルに手を出すのと似ている。宝くじの全体の
払い戻し率は50%以下、その他の公営競技の払戻率は75%程度以下に法令で制限されている
という事実がある(当せん金付証票法など)
• ギャンブルの市場規模は30兆円、生命保険は40兆円とその規模は近い
脳のバイアス・刺激を活用: 生命保険とギャンブルは同じ?
0
10
20
30
40
50
日本のギャンブルと生命保険の
市場規模
出所: (生命保険)「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」日本郵政ほか (パチンコ)H27日本生産性本部 (公営競技)総務省
ギャンブル 生命保険
生命保険にせよギャンブルにせよ、
極めてまれにしか発生しない損失あ
るいは利益も平均に入れて考えてし
まう罠がある
(発生確率)
(利益or損失
の大きさ)
(兆円)
パチンコ
宝くじ
公営
5競技
61
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• セコムなどのホームセキュリティサービスは、異変を検知してから顧客宅まで出動するのに
15-25分はかかる(※法律上、ホームセキュリティ業は25分以内の出動を要求されている)。
警察に繋いだとしても到着時間に大差は無い
• 従って冷静に考えてみると、駆けつけサービスは安心感を買っているという側面が強い
心の問題: ホームセキュリティは警備でなく「安心料」
侵入開始 家屋へ侵入 逃走開始
セコム到着
5分0分 10分 20分
空き巣事件のイメージ図
異変検知
通報
出動開始
・警察にも連絡
警察到着
時間
出所:ブルーマーリンパートナーズ分析
62
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• 脳への刺激・バイアスを利用したビジネスについては、ジャーナリズムや政府・NPOのコミット
により、減少傾向にある
習慣化ビジネスの終焉
0
2
4
6
8
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
米国生命保険会社の営業利益率(%)
タバコ業界
• 10年におよぶ開発期間と30億ドルの資金を投じ、より健康へ
の害が少ない電子タバコが発売された(2016年末で日本を含
む20カ国に展開)
• 大手P社は年8700億本の紙タバコを生産するが、将来的な完
全撤退を掲げている
ファストフード
業界
• 高い習慣化の力で老若男女が通いつめたチェーン店は、異
物問題や様々な食材への疑惑の広がりに直面
• Youtubeに食材へのこだわりを説明する動画を繰り返し投稿
するなど、対策に追われている
米国の
生保各社
• 「オバマケア」等の影響もあるが、営業利益率は長期的な低
下傾向にある
出所:International Association of Insurance Supervisors ”2015 Global Insurance Market Report“
習慣化や脳への
影響に依存した
ビジネスは縮小
傾向にある
63
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• 標準化によってプロセスを単純化し、画一化によって商品を匿名化し、習慣化によって顧客の
生命を無機化する。貨幣と資本という切断機によって、有機物を無機物に変えること
20世紀のビジネスは、有機物を無機化する行為であった
関係の商品化
癒しの商品化
自然の商品化
知識の商品化
SNSは、関係性を細切れにして可視化することで無機化して利益を得る
悟りを得るという有機的現象を、宗教組織化したり、ヨガやマインドフルネスな
どのラベルをつけたりすることで商業化する
食品ビジネスは、自然が産んだ有機物、すなわち食物やエネルギーを無機化
して利益を得る
メディアや学校は、教養・知識・情報を無機化して流通させる。ゲーミフィケー
ションなどで膨大な時間の消費を誘い、習い事や情報に習慣的に没入させる
出所: ブルーマーリンパートナーズ分析
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財の変化:「モノ」から「コト」へ(つながりと物語)
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新しい産業構造
• 21世紀の消費行動は、「機能消費」と、「つながり消費」に明確に分かれてくると思われる。そ
れを前提とすれば、今後、業界の構造は、「何を売っているか(モノ)?」ではなく「何の欲求に
応えるか?」をベースとして区分けするのが妥当
生存欲求
(インフラ)
社会的欲求
(所属・承認)
自己実現
欲求(創造)
ユニクロ
ユナイテッド
アローズ・
SHIPS・
ビームス
セブン&アイ
ワタミ(個食
・宅食)
メッセージ
(高齢者
施設)
衣料 住居飲食
クックパッド シェアハウス・
Airbnb
巨大企業による
大量・自動供給
システムが確立
(機能消費)
21世紀の産業の
ほとんどが、この
欲求を満たすこと
を目的とする
(つながり消費)
資本主義の手の
届かないこの領域
を個人が開拓?
金融 小売
セブン
銀行
KiiVA・
Prosper・
maneo
スターバックス・
ヴィレッジ
ヴァンガード
セブン&アイ
イオン
何を売っているか(モノ) ?
何
の
欲
求
に
応
え
て
い
る
か
?
IT
GREE
DeNA
MS
Google
会員制クラブ
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• 日本最大のレシピサイトを運営。日々料理する20-30代の女性ユーザーを中心に、月間
6,270万人がサイトを利用。2009年に上場した、レシピサイトの草分け的存在である
• 機能的には一見優れた「楽天レシピ」の登場により、クックパッドは低迷すると見られたが、
現在のところ同社はその地位を保っている
承認欲求: クックパッドは一体何を提供しているのか?
クックパッドの利用者数の推移
(月次)
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
楽天レシピ
(2016.12)
出所:クックパッドIR、楽天レシピ「検索連動型インリード広告のご紹介」
(万人)
• 楽天レシピでは「人
気検索」が無料で出
来る(クックパッドは
有料会員限定)
• レシピ投稿で50円分
の楽天ポイントが付
与
楽天レシピはクックパッド
よりも機能的には優れ
ているように見える
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クックパッドの主婦の承認欲求を満たす戦略
• クックパッドは、ユーザーの承認欲求を満たすことに注力した戦略をとっている。クックパッドのレシピ投
稿者も利用者も、その中心は主婦である。主婦が自分のレシピを載せると、利用者はそれを閲覧して自
分の料理を作り、その写真をさらに投稿する。これが「つくれぽ」というしくみである。それをみたレシピ投
稿者は自分のレシピが評価され認められたとして、満足感が高まり、さらにレシピを公開しようというモチ
ベーションが高まる。するとよいレシピが集まり、利用者にとってメリットが高まる。この承認欲求を満たす
好循環のシステムを構築したことがクックパッドの成功の鍵となっている
• クックパッドは投稿者のレシピが広く公開されるように工夫をしている。人気レシピのランキングをあえて
非公開にし、有料会員のみ閲覧することが可能にしている。ランキングに課金することで商業上のメリッ
トもあるが、これはクックパッドの投稿者を大事にするという戦略にも適合している。もしランキングが容
易に使われてしまえば、ランキングの高いレシピしか利用者はみなくなる。すると露出するレシピのバラ
エティは限られ、露出される投稿者も一部に限定されてしまっただろう。クックパッドの戦略である広く投
稿者の承認欲求を満たすためには、できるだけ多くのレシピが色々な人の目に触れるのがふさわしい。
よってランキングの閲覧には課金するというしくみを取り入れたのである。楽天がポイントという現世利益
的なインセンティブをレシピ投稿者に用意したのに対し、クックパッドは、承認欲求という原初的でありな
がらなかなか満たされにくい欲求にもとづいた事業展開をしていることが優位に働いた結果となってい
る。現在までクックパッドの承認欲求に基づく戦略はうまく回っているといえる
• 社会的欲求を満たすという意味においては、クックパッドの真の競合は、ヤフーや楽天のレシピサイトで
はなく「女性の社会進出」といえる。なぜならば、専業主婦の女性は一般に、家庭から出られないがゆえ
に社会的欲求、特に承認欲求の領域で不満を抱いていると考えられるからである
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クックパッドの財務は極めて盤石かつ好調
• 非常にキャッシュリッチである(現金同等物132億円)
• 直近3年の売上CAGRは26.4%・営業利益CAGRは24.7%、売上営業利益率47.6%と高水準
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
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2011 2012 2013 2014
クックパッドの売上・営業利益(百万円)
出所:Valuation Matrix, クックパッドIR
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• ヴィクトリアズ・シークレット(下着通販)は、憧れや自尊欲求をくすぐるビジネスで、売上約80億
ドルまで成長した
• 下着という商品の特性をよく見切って、デザインや品質のよさは二の次とし、ミランダ=カーな
どトップモデルを起用することだけにフォーカスする戦略をとった
• 手の届かないくらい美しいモデルたちと同じ下着を自分がつけている、という自己投影の特別
な感情を抱かせるブランドとなった
自尊欲求を満たす: ヴィクトリアズ・シークレット
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
ヴィクトリアズ・シークレット売上(百万ドル)
出所:Limited Brands社決算
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• 他人に見せるために消費する、という評価経済の市場をネット上にFacebookが創出した
• かつてBMWを買って街へ繰り出したのと同じことである
- Facebook:「いいね」がつくようなアクティビティ、ライフスタイルを意識させる
- Instagram:「見せる」ために写真を撮る。一見してフォトジェニックな物を流行らせた
ex.ローストビーフ丼、善光寺、海外の絶景スポット…
• 見栄え重視の消費者がいることに留意しないと、企業は戦略を誤りかねない
- 英会話などは昔から出会いの場、習っている自分を見せるという側面が強い
自尊欲求を満たす: Facebook, Instagram
SNS経済の社会で考えられるビジネス
いいねのつく
コンテンツ生産
• プロフィール写真撮影、似顔絵を描く、ヘアメイク、有名
人と一緒に写真を撮る…
スキル系
• Skypeでの語学レッスン、翻訳やネイティブチェックなど
(知識アピール)、料理・インテリア教室(女子力/男子力
アピール)、マラソン・筋 トレセミナー(健康、セックス ア
ピール) 、ボランティア仲介(善人アピール)、絵画・音楽
教室( 才能 アピール)、旅行ビジネス(行っ てきたアピー
ル)、家族・マタニティ写真撮影
出所:ブルーマーリンパートナーズ分析
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• 信用評価を事業とする企業が成長している
• 代表例は「Klout」
• ソーシャルメディア上におけるある人の影響力を数値化することを本業とし、企業がキャン
ペーンのターゲット顧客を絞り込むといったニーズにこたえている
信用評価ビジネス: Klout
TwitterやFacebookのアクティブ
なフォロワー、友達数
Wikipediaのページランク
LinkdInでの”仕事内容”
LinkdInでの”学歴”
LinkdInでの”推薦”
TwitterやFacebookの返信やリ
ツイート、リンククリックの実績
反応されたタイミングと頻度
反応されたメディアはどこか
反応されたのは
文章か、写真か、動画か
反応はコメントか、いいねか、タ
グ付けか、シェアしたのか
誰に反応されたのか
信用力を算出
Kloutの信用力評価アルゴリズム
出所:Social Media Today誌
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• 21世紀のセーフティネットは孤独の解消。助けてといえる場の提供
• 邸宅風のおしゃれな外観と「敷金・礼金ゼロ」。地方から職を求めて上京してくる20代の若者に
コミュニティを提供する。他社との提携により、入居者に就職斡旋や婚活サポートまで行う企
業も存在する
所属欲求: シェアハウスビジネス
0
5
10
15
20
25
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
シェアハウスビジネスの日本での成長
(万部屋)
• 「世の中の枠組みや空気に苦し
くなった人たちが集まる居場所で
あり、そこで各自が何かしら独自
のアウトプットを追求する場所」と
いう意味です。
• アウトプットの内容は自由で、
ジャンルも規模も収益の有無も
問いません。本当に自分のやり
たいことを見つけ、それを形にし
ていく場所です。
家入一真氏の
リバ邸のコンセプト
出所:リバ邸公式サイト、日経カレッジ
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日本人はOECD諸国の中でもっとも孤独な人々?
• 世界価値観調査を元に、OECDが各国の社会指標を分析したところによると、日本人はもっ
とも付き合いがよくない(らしい)
友達、同僚、その他宗教・スポーツ・文化グループの人と全く、
あるいはめったに付き合わないと答えた比率
出所:Society at a Glance 2005 OECD Social Indicators
28
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ヒスパニック平均
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50
60
70
80
90
100
1990 1995 1998 2004 2005 2012
アメリカの公立高校の
規定年数通り卒業する生徒の割合
• 米国の高校では、Self-esteemを感じさせることが、教育の正に中心的テーマになっている
• 黒人、過度の肥満といったセグメントで、生活崩壊やドロップアウトが非常に多い
• 自尊心を満たすようなビジネスがもっと伸長していかなければ、全員が普通科高校に進み、
大半がいやいや勉強を強いられるという構図が続き、資本格差はこのまま持続拡大していく
米国では一人ひとりの個別性を肯定していかないと社会が成り立たない
アジア系平均
白人平均
黒人平均
※1統計調査が行われた年度を連続的に記載した
※2近年の上昇は主に人種構成の変化が要因
※3人種別平均は2013年度データ
アメリカの教育現場はSelf-
esteemの育成に奔走している
1992年のニューズウィーク誌は、増加を続ける低所
得層のドロップアウトへの対応として、狂乱とも言え
るSelf-esteem教育が開始していることを報じている
• 幼児のうちから「自分のポテンシャルを出し切
れ!」と奨励される。酒やドラッグ中毒対策プロ
グラムも今、Self–esteemの回復をターゲットにす
るようになっている
• 研究テーマとしてもSelf-esteemが盛んになって
おり、10000本の論文と200の測定方法が編み出
された。教育現場はニコニコマークのシール、ト
ロフィーの洪水と化し、現代の12歳の子供部屋
の棚は俳優さながらだ
出所:(左)National Center for Education Statistics (右)1992 NewsWeek
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• 家族の構成人数は2.1人になる。もはや家族は所属欲求を満たす制度となりえない
所属欲求: 家族の構成人数はわずか2.1人になる
結婚・家族
2015 2020 2025 2040
オリンピック システムの刷新
• 女性の8%が経済的自立
• 家庭管理費用の劇的低下
• 共依存関係から主体的
パートナーシップへ移行
(2022~2023)
• 家族の平均構成人数が2人へ
(兆し) (前夜) (新時代)
2017
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
平均世帯人数の推移と予測
(人)
出所: 国立社会保障・人口問題研究所
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• 人は、「給与」、「貢献感」、「所属欲求」の足し算で職場を選んでいる
• 日本の非営利セクター(NPO・NGO)の付加価値度合い(対GDP)は低いが、これからは評価
が上がってゆくだろう。転職の際にもNPO時の経験が評価され、キャリアアップが可能となる
NPO、NGOは日本でも社会の中心となっていく
出所(左)John Casey Comparing Nonprofit Sectors Around the World(2016) (右)総務省統計局ほか
NPOへの寄付総額:
25兆5,245億円
非営利セクターの付加
価値(対GDP比)
GDP規模
10
7.5
5
2.5
アメリカ
日本
フランス豪州
カナダ
非営利セクター付加価値の対GDP比
2.5兆ドル 5兆ドル
イスラエル
ベルギー
NZ
NPOへの寄付総額:
8,804億円
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• Pixivでは、自分のイラストを公開したい、評価されたい、という表現欲求がモチベーション
• ユーザーは、絵単体ではなく文脈で楽しんでいる。pixivは文脈の森、みんなが木を植えて育て
ている。様々な文脈が膨大に集まった森。評価やコメントやブックマークやシェアが、水や肥料
に当たる
表現欲求ビジネス: Pixiv
Pixivの転機
ユーザが描いてきた絵をみんな
に共有するチャネル、というコン
セプトで設計してサービス開始
• 2007年 「ピクシブたん(公式キャ
ラクター)が死にもの狂
いで練習して上手くなり、
過去の下手な絵を消そう
とするが、昔の絵をみて、
最近、大事なことを忘れ
ていたと気づく」という作
品が投稿される
既存の絵が投稿されるのではなくて、
pixivがきっかけになって作品が生ま
れることに可能性を感じた運営は、
積極的にお題などを提供し、描き手
の想像欲求を刺激する方向へ舵を
切る
• 2008年
ユーザーの投稿
現在はユーザー数2,000万人を突破、月PV38億まで成長
出所:logmi
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• DMM.Make (Makers Movement)
– 社会の成熟の中で、「欲望が分散化する」
– Fablabが世界中に1000箇所以上まで増加、自分だけのものを作りたいという
ニーズに対応 ex.劇場の物販
– 物流は無くなる?
• KickstarterやCampfireといったクラウドファンディングサービス: 自分のサポートによって新し
いものが創出される、という創造欲求や自尊欲求を満たす
創造欲求・応援欲求ビジネス: クラウドファンディング
Kickstarter
Campfire
プロジェクト総数: 5,000件以上
参加人数総数: 180,000人以上
総額: 18億円
プロジェクト総数: 120,452件以上
参加人数総数: 12,499,603人以上
総額: 2,897億円
メイカーズを支えるクラウドファンディング革命
出所:Kickstarter、Campfire公式サイトより
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• 21世紀的なビジネスの具体的なアイデアは思い浮かぶだろうか?
• 承認欲求・所属欲求を満たす方法はなにがあるだろうか?なかでも、多様化 (ダイバーシファ
イ)、個別化 (パーソナライズ)、肯定化(セルフ・エスティーム)を満たす方法はどうだろうか?
クイズ) 21世紀のビジネス
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• 人々の孤独を埋められないか?
– ペットロボット、AIボット(映画「her」)等
• 個人の自由な生き方を肯定できないだろうか?
– 「VICE」のような特定の層を狙ったメディア作りはできないか?
– LGBTなどマイノリティをターゲットとしたビジネスには何があるか?
• 新しいコミュニティとそのインフラを創るビジネスは考えられないか?
– 地方創生を成果報酬でできないか?
– Airbnb:新しい価値観、ミニマリズム、Tinder:新しい出会い
− 自動翻訳サービス:新しいスムーズなコミュニケーション
• 表現欲求・自尊欲求をさらに拡大できないか?
– ハロウィン・コスプレマーケットの拡張
– 芸能人の概念の崩壊:youtuber、ざわちん、読モ
– 創作物がダイレクトに世界中の消費者に届く仕組み
• 中間財(モノ)を省けないか?
– ドンペリを入れたり、高級車に乗る形で誇示するのでなく、それらモノを省いて直接、換金
できる方法はないだろうか?
アイディアの例
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21世紀の産業展開マップ
• 21世紀の産業の中心は、社会的欲求の充足に向かう。そのためにデータ解析やブロック
チェーン(分散台帳)システムによるトレーサービリティが大きく貢献するだろう
82
ブロック
チェーンによる
トレーサビリティ
データ解析
(セキュリティ・
シェア・マーケ)
自主運営
(人的サービス)
メンテナンス
ノウハウの提供
スペアパーツ/
消耗品
機械本体
サービスオペレーショントレーディング
機能軸
顧客軸
化学プラント
自動車部品
航空機部品
飲料 食品
尊敬
欲求
所属
欲求
健康財
情報財
消費財
工業財・
インフラ
市
民
・コ
ミ
ュ
ニ
テ
ィ
消
費
者
生
産
者
(工
場
)
新
産
業
領
域
高収益機能
太陽光・太陽熱
シェア
エコノミー
(余剰分配・
感情シェア)
広告 等
医療機器
信用格付け・
貢献還元
IOT・
AI・
ロボティクス
による
効率化の
追求分野
行政支援
事業
生存
欲求
社会的
欲求
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まとめ
ブランド
感情価値をモノに投影
してカネで売買
21世紀の産業
社会的欲求の充足を
互いの貸借や時間に
よって精算
衣食住
限界費用の低減/ベー
シック・インカムで充足
贈与経済
シェアエコノミー等によ
る新しい繋がりの創出
モノ
コト
カネ(円) 信(縁)
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• 21世紀のビジネスは、飢えや物不足に対応するものでなく、承認と尊厳を一人ひとりに提供し
てゆくものになる
• モノからコトへと財が変わると、価値を交換する手段は、お金だけでなく信用や個々人間の貸
借となる
• 生産者と消費者という対立関係がなくなり、共に価値を創造する参加者(=価値還元者)となる
まとめ
84
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21世紀のリテラシー
~今世紀を楽しく生き抜くための方法~
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21世紀のビジネス(財と言語)を知ろう
• 20世紀から21世紀へのもっとも大きな変化は、欲求の対象が生存から承認へとシフトしたこ
と。これにともない財(製品)も「モノ」から「コト」へとシフトする
生存
承認
自己
実現
自己の概念
の拡張
財 言語 ~20世紀 21世紀 22世紀
モ
ノ
コ
ト
自
己
所属の人権
化
労働
基本的人権
新しい紐帯
限界費用の
極減
による無償化
金
信
時
共
愛
精神的階層
化
会社・家族
限りない
承認欲求
安全
衣食住
所屬
社会的尊敬
自己実現
自己超越
限られた人々
の世界
パラレル
キャリア
「個人」の
概念の崩壊
(マズローの欲求段階説)
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87
お金のピラミッド
お金
マネー)
価値
(バリュー)
信用
(クレジット)
覚悟
(コミットメント)
信念
(プリンシプル)
使命
(ミッション)
お金
(マネー)
クレジットtoマネー
(キャピタライズ)
バリューtoマネー
(マネタイズ)
マネーtoマネー
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人生のバランスシート(信頼残高)
• アセット(資産)は必ずしもキャッシュではない。様々なものがキャッシュの代替足りうる。
88
キャッシュ
クレジット
スキル
ミッション・
プリンシパル
つながり
健康・生命力
不安・欲望
借り
負債
純資産
(信頼残高)
資産
仕事・
マネタイズ
キャピタ
ライズ
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• 人間とは、「知識」「体験」「肉体」に吸着した“意識”の集合体のことである。そのパターンでい
わゆる「個性」が決まる
89
そもそも、まず人間とは何か?
時間軸
体験(過去)
知識(未来)
肉体(現在)
意識が吸着している部分
認知可能な部分
個性
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アート デザイン
宇宙開発
AI
土地
オーガニクス
発酵
感情労働
メディテーション
・リトリート 健康科学
• 人とは「情報(知識・経験・肉体)に吸着している意識の集合体」であり、意識の焦点を外側4つ
(天命・地・無我・愛情)に当てることで成熟してゆく存在
• 自分は、人間以前の存在、すなわち純粋な意識体である、という認識を持って生きてゆくこと
21世紀のリテラシーは国語・算数・理科・社会
国語
算数
理科
哲学
21世紀のリテラシーの全体像
• 仕事論
• コミュニケーション論
• コミュニティ論
• 創造の法
• 有機化・再統合
• 論理的思考
• 構造化
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21世紀の方程式は「信用」を基軸に形成される
• 「信用」を中心に構成される21世紀の生き方の方程式は、健康を前提とした時間資源を、紐
帯・知識・信用の形成へと振り分け、「コト(つながり・ものがたり)」を中心とした財を形成し、創
造(貢献)へとつなげることにある
91
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未来の不安を乗り越える方法
• 一言でいえば、5C(コミュニティ、クレジット、クリエイティビティ、キャリア、ケ
ア&キュア)を大事にして生きる、ということ
92
1. 時間と空間の自由度を高めてゆく(タイムリッチ、ロケーションフリー)
2. プロフェッショナルとして生きることを決める
3. あらゆる分野で(ひっそりと)「微成長」する
4. 異性について頭と経験で学び、主体的なパートナーシップを築く
5. 同窓会に出席し、地元と世界の友人に年賀状(手紙)・メールを送る
6. 信用のコンソーシアムを作り、コミュニティを強固にしてゆく
7. 数字と論理から距離を取り、創造性と感受性を喚起するセンサーを磨く
8. 人生のバランスシート(信頼残高)を記録する
9. 健康(=エネルギー)について継続的に学び、実践する
10.意識の焦点を4つの方向(天地愛悟)に向ける習慣を身につける
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  • 2. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 1. 自己紹介 2. 貨幣の歴史 3. 貨幣の未来 4. 21世紀のビジネス 5. 21世紀のリテラシー 2 アジェンダ
  • 3. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 3 自己紹介
  • 4. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ プロファイル 山口揚平 4 • ブルー・マーリン・パートナーズ株式会社 代表取締役社長 • 早稲田大学政治経済学部(小野梓奨学生)。東京大学大学院修士。 1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイ エーなどの企業再生に携わった後、独立・起業。 • 企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個 人投資家に情報を提供する。2010年に同事業を売却。 • 現在は、コンサルティング会社をはじめ、複数の事業・会社を運営する 傍ら、執筆・講演活動を行っている。専門は貨幣論・情報化社会論。 • 三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行・みずほコーポレート銀行のM&A研修、 電通・TOTO・株式会社セガ他事業会社における論理的思考研修講師 • NHK「ニッポンのジレンマ~僕らの新・資本主義~」日経CNBC放送、 テレビ東京「オープニングベル」論客出演 • 慶應義塾高校講師・福井県立大学非常勤講師(ビジネススキル講義) • 新しい働き方を提唱する著書や講演活動を多数行っている。
  • 5. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ ▲ 「企業分析力 養成講座」 ▲ 英国 留学 20代で企業再生、30代で起業・売却を経験、事業創造に従事 • 「自らの体験を通して学び、血肉化した知を、社会に還元する」という生き方を志向。アカデミ ズムでの研究から・思想家(著者)・事業家の枠を超えたキャリアを構築してきた。 5 2000 2005 2010 2015 2025 ▲ クリスピー・クリーム・ドーナツ 日本参入 ▲ 「新しい 株の本」 ▲ 「そろそろ会社 辞めようかな」 ▲ 「なぜゴッホは貧乏で ピカソは金持ちだったのか」 ▲ GM・いすず ▲ ダイエー・カネボウ ▲ シーガイア ▲ シェアーズ (企業分析システム) 創業 ▲ シェアーズ 売却 ▲ シェアーズ 再興 ▲Hakuto(宇宙開発) ▲Cool japan in Hoian ((株)旅武者) ▲ エーゼット (のちDeNAへ) ▲キビテク(IOT・ロボット) △e-Gle (EV) ▲メデテ(漢方) ▲ 早稲田 政経 (学士) ▲ 東大院 (修士) △「事業創造力養成講座」 △「21世紀のお金」 ビ ジ ネ ス 学術 ・ 出版 NPO ・ 政策 その他 5~10社を創 業・出資・支 援予定 20代 30代 ▲ NPO法人 RCF理事 企業再生 起業 ▲Firms(プロフェッショナル派遣) ▲Gift(贈与経済システム) ▲ 「世界を 変える 会社の 創り方」 ▲ホチキス(劇団) ▲メディアイノベメーション (先端医療メディア) ▲ NPO法人コフレ プロジェクト ▲ 「10年後世界が壊れても君 が生き残るために、今身に 付けるべきこと」出版 事業創造 事業・思想・政策 40代 ▲ 社団法人 日本ビリヤード協会
  • 6. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 6 事業創造 ポートフォリオ (2017年) 末端価格2兆円 の知の流通業を 目指します。 事業領域 ブルー・マーリン・ パートナーズ シェアーズ (73.8%) 旅武者 (36%) ispace inc. (非公開) QibiTech (25.3%) 劇団ホチキス (40%) • Valuation matrix: 全世界75000社のカルテ • TIMESHARE: 時間販売 • Firms: プロジェクトとプロフェッショナルのマッチングサ ービス • Gift: 贈与経済システム • 世界にベース(店舗等)を持つビジネス・リーダー教育・ 人財紹介・旅行事業 • 2017年には既に1000名以上がプログラムに参加し、学 生研修プログラムとしては日本最大 • 賞金30億のgoogleXprizeに日本唯一参加 • 惑星探査技術に定評 • IOTデバイスプロダクトの製造からサービス・金融へ • 守り用「共生型IoTロボットネットワークシステム」を開発 中 • ポップ劇団。演劇市場を超えてデート市場へ参入 資源・エネルギー IoT コンサルティング シェア・エコノミー 教育事業 事業創造 メンタリングプログラム M&A / 戦略コンサルティング 宇宙開発 省エネ建築 (ZEB/ZEH) ロボティクス AI アルゴリズム Valuation Matrix TIMESHARE Firms Gift ファイナンス マーケティング MAP (マーケティングリサーチ) クラウドファンディング ライブパフォーマンス アート スポーツ リトリート ヘルスケア 事業内容 会社(持ち株比率) 事業概要 ACTIT (25%) フレントレップ 日本ビリヤード協会 メディアイノベーション (8.6%) • 「これがほしい」という妄想の実現支援 • 医療の最新情報インターネットメディアの立ち上げ • アーティスト作品の販売 • 価格変動型チケット販売システムの開発 • ビリヤード場のIoT管理システムを提案
  • 7. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 7 貨幣の歴史 ~お金が生まれる経緯とビットコインまで~
  • 8. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 8 名前 パブロ・ディエゴ・ホセ・サンティアゴ・フランシスコ・デ・パウラ・フ ァン・ネポムセノ・クリシピン・クリスピニャーノ・デ・ロス・レメディ オス・シプリアーノ・デ・ラ・サンテシマ・トリニダッド・ルイス・イ
  • 9. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 9 シャトー・ムートン・ロートシルト 1973年 楽天価格 (¥168,000)
  • 10. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ ピカソの小切手 • ピカソは、日常生活の少額の支払いであっても好んで小切手を使った • 当時から有名であったピカソの「サイン」が入った小切手をもらった商人は それをどうするだろうか? 10 お金が引き落とされない 有名なピカソのサインを 大事に扱い換金をしない 小切手 チーズ ☓ ☓
  • 11. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 11 お金が物々交換からはじまったのは嘘?
  • 12. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ ヤップ島 お金の起源 12 ココ
  • 13. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ フェイ(巨石) 13
  • 14. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ ヴェニスの商人 14 銀行家のプライベートネットワークと、 年に一度のリヨンの大市での大決算
  • 15. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 15 お金の始まりは、「記帳」だった。 お金の本質は「信用取引・精算のシステム」 お金とは「譲渡可能な債務(信用)」のこと
  • 16. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 商品の王様として成立した貨幣(もっとも支配可能性の高い商品=貨幣):民主的・ボトムアッ プの貨幣:貨幣商品説 お金はどうやってできたか?:ボトムアップ:最も販売可能性の高い商品=金 支配関係 一次財 高次財 お金? より高次財 画像出所:イラストAC 16
  • 17. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • ソブリンの権威(徴税・戦争)と信用母体(商人の権力)の結合によって発行された貨幣:貨幣 信用説 トップダウンでできたお金:初めての中央銀行 政府 (王権) イングランド 銀行 投資家 (国際金融ネッ トワーク) 市場 出資権威 貸付 銀行券の発行 市中銀行 決済 管理権 市民・企業 商取引 徴税・ 法の執行 所有・ 取引の執行 17
  • 18. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 中央銀行も、株式は半数程度を民間が保有しており、私企業的にとらえることが可能(株主総 会が無い点、基本的に破綻しない点などは異なり、あくまでアナロジーである) • 貨幣発行と株式資金で資金調達を行い、資産保有と売却で運営するビジネス 現在の中央銀行 株主構成 株主内訳 アメリカ政府: 0% 民間: 100% 日本政府:55% 民間: 45% 地区連邦準備銀行に よって管轄される個 別金融機関が株主 保有に必要な条件 はなく、個人も保有 FRB 日本銀行 18
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  • 20. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 20 貨幣の未来 ~お金のなくなる日~
  • 21. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • お金とは、数あるコミュニケーションツール(社会の共通言語)の一つである – 「マネーは、英語よりもグローバルな存在である」(日経ヴェリタスの広告) – 「クレジットカードと現金さえ持って行けばなんとかなる」(海外旅行に行く際の納得感のある言葉) • 広さと深さの軸で、様々なコミュニケーションツールを位置づけることができる • お金とは、汎用性が高いが、深さ(コンテキスト)を持たないため、摩擦がゼロ、誤解が生じない言語、つまり 数字である お金とは何か? お金 ことば 汎用性 (使える対象、 使う人の数) 深さ (Context) ボディ・ ランゲージ 価値観・ 宗教? 個人 indivicual 数字 123456789.. 21
  • 22. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 2000〜2006年の実体経済の成長率約1.4倍に対し、金融経済の成長率は約3倍だった “ザ・マネー”は量的に拡大 2000年 2006年 出所:日本政策投資銀行 鍋山徹 ファイナンス稲門会講演資料「成長市場をみる三つの目と人間力の3要素」 約570兆ドル 約70兆ドル 約190兆ドル 約50兆ドル 貿易 グローバル マネー GDP 左;実体経済 右;金融経済 デリバティブ 市場 急激な膨張 22
  • 23. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 貨幣を媒介として分業し合うことで、すべての人が自分でやるべきことはどんどん少なくなる • しかし貨幣には限界があり、どうしても人間として他人に任せられない部分(人間性)もあるは ず。「お金で買える、買えない」の境目を“倫理”という • お金で買えるもの、お金で“ケリ”つけて良いと思うのはどこまで? – 月の土地(3000円~)と南の島 – 人脈売買ビジネスとCEOの調達 – 角膜(3万ドル)、肝臓(13万ドル)、心臓(15万ドル) – 処女(1万ポンド)と臍帯血 – 廃棄物やCO2の排出権 – 裏口入学(500万円)や無罪判決 – 別れさせ屋(150万)と、出会い工作(30万~) – 遺伝子(DNA)の特許化 マネーの汎用性も拡大 ~それって魂の侵食?~ 23
  • 24. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 世界の三層構造になっている 紐帯 (ネットワーク) 企業 (グローバル カンパニー ) 国家 (ソブリン) Nestle TOYOTA Shell GEWALMART 24
  • 25. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 世界のGDPトップ100のうち4割は「企業」 Rank Country/Company GDP/Revenue 1 United States 14,657.80 2 China 5,878.26 3 Japan 5,458.87 4 Germany 3,315.64 5 France 2,582.53 6 United Kingdom 2,247.46 7 Brazil 2,090.31 8 Italy 2,055.11 9 Canada 1,574.05 10 India 1,537.97 11 Russia 1,465.08 12 Spain 1,409.95 13 Australia 1,235.54 14 Mexico 1,039.12 15 Korea 1,007.08 16 Netherlands 783.29 17 Turkey 741.85 18 Indonesia 706.74 19 Switzerland 523.77 20 Poland 468.54 21 Belgium 465.68 22 Sweden 455.85 23 Saudi Arabia 443.69 24 Taiwan Province of China 430.58 25 Wal-Mart Stores Inc. (NYSE:WMT) 421.85 26 Norway 414.46 27 Austria 376.84 28 Argentina 370.27 29 Royal Dutch Shell plc (LSE:RDSA) 368.06 30 South Africa 357.26 31 Islamic Republic of Iran 357.22 32 Exxon Mobil Corporation (NYSE:XOM) 341.58 33 Thailand 318.85 34 Denmark 310.76 35 Greece 305.42 36 United Arab Emirates 301.88 37 BP plc (LSE:BP.) 297.51 38 Venezuela 290.68 39 China Petroleum & Chemical Corp. (SEHK:386) 290.11 40 Colombia 285.51 41 Toyota Motor Corp. (TSE:7203) 241.97 42 Finland 239.23 43 Malaysia 237.96 44 Portugal 229.34 45 Hong Kong SAR 225.00 46 Singapore 222.70 47 PetroChina Co. Ltd. (SEHK:857) 222.26 48 Egypt 218.47 49 Nigeria 216.80 50 Israel 213.15 51 Ireland 204.26 52 Chile 203.32 53 Czech Republic 192.15 54 Chevron Corporation (NYSE:CVX) 189.61 55 Philippines 188.72 56 Total SA (ENXTPA:FP) 188.37 57 EDF Trading Limited 187.66 58 ConocoPhillips (NYSE:COP) 179.16 59 Pakistan 174.87 60 Shell Trading International Limited 174.11 61 Volkswagen AG (DB:VOW) 170.13 62 AXA (ENXTPA:CS) 164.94 63 Romania 161.63 64 Algeria 160.27 65 Peru 152.83 66 General Electric Co. (NYSE:GE) 150.21 67 Glencore International plc (LSE:GLEN) 144.98 68 New Zealand 140.43 69 Kazakhstan 138.43 70 Samsung Electronics Co. Ltd. (KOSE:A005930) 137.95 71 Ukraine 136.42 72 Berkshire Hathaway Inc. (NYSE:BRK.A) 136.19 73 General Motors Company (NYSE:GM) 135.59 74 Eni SpA (BIT:ENI) 132.73 75 Kuwait 131.32 76 Daimler AG (XTRA:DAI) 131.09 77 Qatar 129.49 78 Hungary 128.96 79 Ford Motor Co. (NYSE:F) 128.95 80 Petroleo Brasileiro (BOVESPA:PETR4) 128.45 81 Hewlett-Packard Company (NYSE:HPQ) 127.16 82 Nippon Telegraph & Telephone Corp. (TSE:9432) 125.70 83 E.ON AG (DB:EOAN) 125.31 84 Allianz SE (DB:ALV) 124.28 85 AT&T, Inc. (NYSE:T) 124.28 86 Carrefour SA (ENXTPA:CA) 120.49 87 Gazprom Open Joint Stock Company (RTS:GAZP) 117.83 88 Hitachi Ltd. (TSE:6501) 116.49 89 Assicurazioni Generali SpA (BIT:G) 116.32 90 GDF Suez (ENXTPA:GSZ) 113.28 91 Nestlé S.A. (SWX:NESN) 111.97 92 Honda Motor Co., Ltd. (TSE:7267) 110.97 93 McKesson Corporation (NYSE:MCK) 109.87 94 Panasonic Corporation (TSE:6752) 109.10 95 E.ON Sales & Trading Gmbh 108.39 96 Verizon Communications Inc. (NYSE:VZ) 106.57 97 Nissan Motor Co. Ltd. (TSE:7201) 105.50 98 LUKOIL Oil Company (RTS:LKOH) 104.96 99 Bangladesh 104.92 100 Siemens AG (DB:SIE) 104.53 出所:琴坂将広氏作成。GDPも売上高も名目値 25
  • 26. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 信用度と汎用度の面から各国通貨の位置づけもわかる 主要通貨の信用度と汎用度の比較 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 0 500 1,000 1,500 2,000 GDP / 政 府 債 務 比 率 通貨の利用者人数 円 元 USドル ポンド ユーロ 主要通貨の信用度と汎用度 強い 弱い (信用度) (汎用度) 26
  • 27. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ お金の土台は、資源から国家、そして個人や企業へ 信用金・鉱物 お金 国家(ソブリン) 昔のお金 今のお金 信用創造 お金 お金 お金 お金 お金 将来のお金 信用 信用創造 お金 お金 お金 企業 (グローバルカンパニー) 個人 27
  • 28. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 「国家」が発行する現在の“貨幣”の地位は下がり、「個人」の発行する“信用”が重視される世 界になる 「貨幣・市場経済」と「贈与・共有経済」の対比 貨幣・市場経済 贈与・共有経済 モノ 信用 信用 モノ モノ モノ 信用 取引 貨幣 担保 担保 取引 ネットワーク 信用 モノ 信用 モノ 信用 モノ 信用 モノ 信用 モノ 信用 モノ Aさん Bさん Aさん Bさん (*)信用のぐらつき 28
  • 29. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 貨幣の進化のまとめ • 人々の様々な交換の結果、信用や取引の”記帳”として数字が産まれ、文字ができ、信用 が徐々に外部化されてゆき貨幣が形作られた。 29(*)「Money The Unauthorised Biography(Martin 2012)」を参考に作成(山口 2015) 出所:山口揚平(2015) 信用の外部化 「質的進化」 部族内 国家内 国家間 贈与 (持ち寄り) 不換通貨の 発行 個人間での 取引の記帳 地域的拡大 「量的進化」 アテネ・ローマ 金・銀貨 等 スパルタ 等 国際商人の 私的ネット ワーク取引 ネットワーク 贈与経済 原始共産制 現代の中央 銀行通貨 メソポタミア・ ヤップ島の フェイ等 無国籍 兌換通貨の 発行 商人間の取引 ・民間銀行 代替通貨 (無国籍通貨) 金本位制度 内での中央 銀行通貨 金(キン)等 のコモディティ 新しい 地域通貨 時間通貨・ 個人間貸借 地域通貨 (ポイント等) 中世の ソブリンマネー 国際的な 共同体組織 (宗教法人等)
  • 30. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 発生するコスト • 貨幣を構成している4つの要素と、それぞれの象限にむけて発生するコストがある 30 適合の コスト 信用管理 コスト コミュニ ケーション コスト 文脈毀損 コスト (*)(山口 2015) 欲望の二重一致を解消するための 取引コスト(交換の道具としての貨幣の機能に相当) 貨幣価値の標準を 保つための管理コスト 経済的価値の概念を 社会に認知・通底させるコスト 交換において生じる人 間間のつながりと、交 換財の引き継ぐ物語 (歴史)等の文脈を貨 幣 取引により毀損するコ スト
  • 31. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 信用の外部化 「質的進化」 部族内 国家内 国家間 贈与 (持ち寄り) 不換通貨の 発行 個人間での 取引の記帳 地域的拡大 「量的進化」 アテネ・ローマ 金・銀貨 等 スパルタ 等 国際商人の 私的ネット ワーク取引 ネットワーク 贈与経済 原始共産制 現代の中央 銀行通貨 メソポタミア・ ヤップ島の フェイ等 無国籍 兌換通貨の 発行 商人間の取引 ・民間銀行 代替通貨 (無国籍通貨) 金本位制度 内での中央 銀行通貨 金(キン)等 のコモディティ 新しい 地域通貨 時間通貨・ 個人間貸借 地域通貨 (ポイント等) 中世の ソブリンマネー 国際的な 共同体組織 (宗教法人等) • 短期的には、中央銀行の金融政策の失敗で、代替通貨/多国籍通貨に注目が集まる。しかし、 内部に本質的信用を保全しておらず、流動性を頼りにした投機的存在に終わるだろう • ②信用管理コストの肥大により、経済取引が停滞すると、信用回帰が起こり、これは個人 (indeividual)の数字である「時間」に落ち着くだろう。③同時にグローバル・レベルでの贈与経 済が起こるだろう お金の進化についての3つの方向性 出所:山口揚平(2015) 31
  • 32. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ (参考)それぞれの経済システムの整理 市場・貨幣経済 贈与・共有経済 時間通貨 管理手法 安定性 言語としての 性質 適用可能な 価値・効用 取引関係 • 一部による金融機関・国家・ 超国家によるコントロール・ システム • 一定の割合で膨張と破綻を 繰り返す不安定性 • 数字という一点での交換を 可能とするためシンプルな 性質 • 貨幣によって効用が得られ る分野には限界がある(例 えば社会的欲求) • 相対的関係を前提とする。 例えば生産者/消費者、市 場/秩序などの対立関係 • 複雑な私的・地域的ネットワ ークによる相互監視システ ム • ある域内においては安定性 を有する。また市場経済破 綻時のセーフティ・ネットにな りうる • あいまいで汎用性をもちにく いが、不可視の価値(例え ば文脈)を認知・交換しうる • 贈与によって効用を得られ る分野には限界と非効率性 がある(例えば生存欲求) • 一体的関係を前提とする。 例えば、生産者が消費者に もなりうる。両者の協業はそ れぞれに価値を生む • 時間は個人の信用を媒体と するために統合的にも分散 的にもなりうる • 個人の時間は、社会の人口 とその質を基盤としており安 定的であり、汎用性を持つ • 時間は、労働対価としても、 文脈価値の醸成のための期 間としても比例関数として当 てはめることが可能 • 基礎的・文化的な両側面(生 存欲求・社会的欲求)を充足 しうる資源である。 • 有機的関係を前提とする。 ある局面では相対的資源と して、別の側面では共有資 源として使用しうる 32
  • 33. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 21世紀のビジネスは、飢えや物不足に対応するものでなく、承認と尊厳を一 人ひとりに提供していく寄り合いプラットフォームのような形になるだろう • 消費される財の中心が生存を担保するものでなく、承認を得るものになる • 生産と消費が一体化する(社会的欲求の生成には生産者と消費者という概 念がない。両者が協業して成立する) • 時間が価値流通メディアに一時的になる • 貨幣の本質は(譲渡可能な)信用でなく、数字というメディア属性にある。数字 という情報が、人のアテンション(意識の焦点)を吸着しやすいからである • おそらく代替通貨が短期的隆盛をほこる • 貨幣の本質的問題は分断(文脈毀損)にある。それは社会関係資本を損なう • ブロックチェーン(分散台帳システム)がそれを補完する • 社会関係資本と人々の健康には大きな関係がある • 国家は通貨の信用のコントロールに失敗する • 価値基準の統一化の世界的広がりはとまらない • 贈与・共有は社会的安定をもたらす • 共有社会では余剰物も財になりうる 貨幣についてのまとめ 33
  • 34. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 34 ネットワーク社会 ~貨幣を介在させない社会システム~
  • 35. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • これまで作り上げてきた世界・システムを維持・運営する組織・人をマジョリティという。そこか らあぶれているが、新しいしくみを創りだそうとする層をマイノリティという • 両者の価値に差はない。しかし、現在、戦後のシステムが出来て60年たち、マジョリティシステ ムが崩れようとしていることは事実。なぜなら、その比率が逆転しようとしているから マジョリティ/マイノリティ比率は、6:4ぐらいまでになっている マジョリティ ニート(60万人、疾病ニート、コミュ障ニート、高 学歴ニート等)、若年派遣労働者、LGBT(15人 に1人)、シングルマザー(70万人)、独居老人 (100万人)、年収200万円以下(1000万人)… マイノリティ 40% 60% 正規雇用労働者、従業員1,000人以上の会社 での勤務、専門職、公務員およびその家族 35
  • 36. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • すでに出来上がったマジョリティのシステムは基本的に「タテ」。それに対し、円心をくりぬかれ た周辺部に位置するマイノリティは「ヨコ」でつながるようになる 「タテ」と「ヨコ」 マジョリティ タテのシステム 下から「吸い上げて」、上から「降らす」 偉い人 次に偉い人 普通の人 マイノリティ お金・時間 ヨコのシステム 必要な資源を、都度、横で配分する 集めて 配分 資源 タ テ の パ イ プ ラ イ ン マジョリティ マイノリティ 36
  • 37. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • マジョリティの基本的な発想は、資源を吸い上げて、上からシャワーのように降らすことである。 これは出来上がったシステムなのであたりまえである • マジョリティが提供するものは、生活(衣(医)食住)に必要な「コモディティ(匿名の製品・サー ビス。たとえばカネ/票/エネルギー)」である • 生活に必要なのはコモディティだから、人々が生存欲求を求めている時はこちらが便利 マジョリティの「タテ」の思想 マジョリティ 偉い人 次に偉い人 普通の人 お金・時間 タ テ の パ イ プ ラ イ ン マジョリティは、基本的に、上から流してゆ く。例えば、・・・・ • お金は、税金として集めて、財務省/ 金融庁→都銀→地銀→信金と上から 下に流れてゆく • エネルギーは、巨大な組織(東電)で作 って、流してゆく • 選挙の票も組織で吸い上げ、与党が分 配してゆく • 政策は上の人が創り、それを上意下達 してゆく 37
  • 38. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • マイノリティは同心円を繰り抜かれており、分散している。だから、ヨコでつながることが基本と なる。ネットの普及はマイノリティのつながりを一層強化しつつある • マイノリティは、必要に応じて、資源をヨコで融通しあう。それは、相互扶助のしくみであり、そ れぞれの社会的欲求(承認欲求・つながり欲求)を満たすことに適している • 逆に、大量生産が有利に働くコモディティの流通には適さない マイノリティの「ヨコ」の思想 マイノリティは、ヨコで配分してゆく。例え ば、・・・・ • お金は、必要に応じてプロジェクト単位 でクラウドファンディング • 知識や情報もヨコのネットワークで調達 • エネルギーは、電気を大量に「作る」の でなく、個別にためておいて、必要に応 じて「配分」(スマートグリッド) • 政治も、みんなの意見を吸い上げて共 有マイノリティ 集めて 配分 資源 38
  • 39. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • では、人は今、何を求めているのか?人々の基本的な欲求構造が上位にシフトすれば、それ に応じて当然社会システムも進化するだろう • いまや生存欲求は脳に刷り込まれた習慣であり、本能ではない。人は本能的に社会的欲求を 求めている段階。それはヨコ社会が主役になるということ • 「カネ(数字」という言語が有効なのは、衣(医)食住を満たす領域においてである。なぜならそ れらはコモディティであり、一つ一つの製品・サービスに独自性を求められないからだ • しかし、承認欲求の段階では、それを満たすためには、常に文脈が求められる。それはカネで は買えない 欲求構造と社会システム 生存 (衣食住) 承認 (帰属・尊敬) 創造 欲求構造 人権の範囲 20 世 紀 21 世 紀 社会システム タテ社会 (言語は金) ヨコ社会 (言語は信) グリッド社会 (言語は共) 22 世 紀 39
  • 40. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 21世紀のビジネスが社会的欲求(所属・尊敬)なら、それをやりとりする流通手法は貨幣でよ いのか? 欲求構造・財の形態・価値流通の手法の関係 生存 承認 創造 安全 衣食住 所屬 社会的尊敬 自己実現 自己超越 国家・土地 家・食料・生活用品 携帯電話・インターネット より上位のコミュニティの参加権 等 社交や評価機会を提供するサービス 外見(美容)・学歴を提供するサービス 等 アート作品、著作などの創造物 組織、事業、アイデア等の無形物 貨幣 贈与(マズローの欲求段階説) 現 代 の 欲 求 の 中 心 時間 (知識、教養、紐帯等) 知識・ ネット ワーク 労働 としての 時間 欲求構造 財の形態 価値流通の手法 出所: ブルーマーリンパートナーズ分析 40
  • 41. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 幸福はレセプターの問題であって、お金の問題ではない • お金を通してモノを買い、それを五感で認識して幸福を感じるか、それとも直接的に「私は幸 福である」と認識するか、あなたはどちらを選ぶか? • 幸福の本質は「一体性」にある。つまり人とのつながりの中にこそそれはある。幸福とは解釈 から生まれる。つまり何があるかではなく、どう想うかである 金で尊敬は買えない お金で「家」は買えるけれど、「家庭」は買えない。 お金で「時計」は買えるけれど、「時間」は買えない。 お金で「ベッド」は買えるけれど、「睡眠(快眠)」は買えない。 お金で「本」は買えるけれど、「知識(知恵)」は買えない。 お金で「名医」は買えるけれど、「健康」は買えない。 お金で「地位」は買えるけれど、「尊敬」は買えない。 お金で「血」は買えるけれど、「命」は買えない。 お金で「セックス」は買えるけれど、「愛」は買えない。 中国のことわざ(作者不明、一部補正) 41
  • 42. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 友達の数で寿命は決まる • タバコや酒よりも、仕事があるか・人とのつながりが健康に与える影響のほうが大きい。 • ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が、健康状態に影響を与えるという実証研究がある (Kawachi,1997) 42 社会参加が健康に影響を与える 出所:横山禎徳, 2013,「『社会システム・デザイン』と何か」
  • 43. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • つながりとは財に関係する人間間の関係であり、物語とは一定の期間を経ることによって蓄 積される価値のことである。すなわち文脈価値とは、時間の連続性と他者との一体性の複合 体である 一般的な価値の概念と文脈価値 数量 単価 価値 (価格) T (時間軸) 過去 未来 受け手 送り手 価値 S (空間軸) 一般的な価値(価格) 一点で収束 文脈 文脈価値 対象物に付帯する価値 (履歴効果・他者との一体感・共有感) 需要 供給 43
  • 44. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • タテとヨコでは何もかもが違う 資本主義(タテ)社会とネットワーク(ヨコ)社会のまとめ 資本主義社会 (タテ社会/差の経済) ネットワーク社会 (ヨコ社会/和の経済) リテラシー 言語カネ(数字) ココロ(個人) 信用(契約・価値提供) 信頼(無条件) 価値 言語化される 見えない・うつろう 階層 「ハブ」が圧倒的に強い「上」にいく程強い 対応 • 計量化される比較 可能な単位を積み 上げてゆく(学歴・資 産・家柄・歴史等) • つながりと信頼をひた すらつくりあげてゆく (多様性の肯定・功徳 等) 目的オペレーション イノベーション 44
  • 45. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ (参考)ネットワークの基本構造:幹(ハブ)と枝 45 色の濃い点が男子、色の薄い点が女子で、複数の異性とつき合って いる場合は2方向(もしくは3~4方向)に枝が伸びている。 「自分は幸福だ」とこたえたひとは黄色、「自分は不幸だ」 とこたえたひとは青色で、「どちらでもない」とこたえたひ とは緑色 ジェファーソン高校(仮名)における性交渉図 フレーミングハム(ボストン西の小さな街)における 家族と友人のネットワーク (出所)ニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー『つながり 社会的ネットワークの 驚くべき力』
  • 46. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • なにかを起こすにはエネルギーが必要である。エネルギーとは集約された資源である • 資源を「閉じ込める」ことのできる明確な言語は2つしかない。「数字」か「個人」である • お金の本質は、それが数字であるということだ。数字というもっとも明確な膜の内側に信用と 価値を閉じ込めることができる • 個人の英語(individual)とは、もともとは、これ以上、分けることができない、という意味である。 分かちがたい最小単位という膜の内側にも信用と価値を閉じ込めることができる 資源を集約する方法は2つしかない 数字 123456789.. 個人 (individual) できない 分けること タテ社会の言語 「円」 ヨコ社会の言語 「縁」 「摩擦」がない 「文脈」「価値」を伝えられる 46
  • 47. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 断絶の時代、遍在・オープンな時代を経て、これからは1人の人間が多層的なコミュニティに それぞれが所屬する時代になる。つまり、コミュニティ・ポートフォリオを持つということが必要 ヨコ社会の浸透で、新しいコミュニティが成熟化してくる(2010年〜2020年) これからは、新しいコミュニティが “成熟化”してゆく (法・教育・福祉・市場:貨幣などの システムを持つ) コミュニティ・ポートフォリオをどう 形成するかがポイント 断絶の時代 遍在・オープンな時代 多層的なコミュニティの時代 国境・企業体 Google グローバル 資本主義 Facebook (過渡期) ・地域の少規模コミュニティ ・価値観 ・スキル(ギルド) Windows (過渡期) 仲間分け世界への扉 47
  • 48. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 48 21世紀のビジネス ~貨幣が価値流通の手段として有効でない時代~
  • 49. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 欲求構造・財の形態・価値流通の手法の整理 • 人間は生命の安全や食の欲求が満たされると、社会的承認の欲求を求めるようになる • 現代の先進国の欲求は生存欲求から社会的欲求へと変化している 生存 承認 創造 安全 衣食住 所屬 社会的尊敬 自己実現 欲求構造 財の形態 自己超越 国家・土地 家・食料・生活用品 携帯電話・インターネット より上位のコミュニティの参加権 等 社交や評価機会を提供するサービス 外見(美容)・学歴を提供するサービス 等 アート作品、著作などの創造物 組織、事業、アイデア等の無形物 価値流通の手法 貨幣 贈与(マズローの欲求段階説) 現 代 の 欲 求 の 中 心 時間 (知識、教養、紐帯等) 知識・ ネット ワーク 労働 としての 時間 出所: ブルーマーリンパートナーズ分析 49
  • 50. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 20世紀のビジネスと21世紀のビジネスの違い 20世紀までのビジネス 21世紀のビジネス • 標準化 • 画一化 • 習慣化 • 多様化 (ダイバーシファイ) • 個別化 (パーソナライズ) • 肯定化 (セルフ・エスティーム) 50
  • 51. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 20世紀までのビジネス 標準化と画一化の行く先 51
  • 52. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 基本的な生活インフラは余剰の状態にあり、お金を払って買うものではなくなっている – 国内の住宅の空室率は20%を越えていくという予測が有力である – 乗用車の保有台数は、5000~6000万台で10年間変化がない 「家」も「車」も余っている。買う時代ではない 0 5 10 15 20 25 1988 1993 1998 2003 2008 2013 2018 2023 (%) 出所:野村総研「2025年の住宅市場」、自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向」 社会のインフラが隅々まで 行き渡ってきている(空き家率推移の予測) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 乗用車保有台数 (万台) 52
  • 53. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • ユニクロ(ファーストリテイリング社)は、売上高1兆8000億円、営業利益1700億円 という巨大 企業で、もはや「アパレル」とはいえない • 服の「機能」という面に限って言えば、多くの人がユニクロで十分であると考えている。つまりユ ニクロは「衣のインフラ」となっている • 18~22才の女性が衣料品にかける費用は、1999年には15万円弱であったが、2014年には半 分以下の7万円弱まで低下している 。もはや服の「機能」にお金をかける時代でなくなっている ユニクロは、「衣のインフラ」企業となっている 2009年 現在 (順位) (年) Gap ZARA Hennes& Mauritz Limited Brands Next ユニクロ PoloRalph Lauren 17230 15170 13240 11080 6660 5860 5330 ZARA Hennes& Mauritz ユニクロ Gap 24000 21800 17900 16300 将来 ユニクロ1位 2位 3位 4位 出所:ファーストリテイリングIR 5位 6位 7位 アパレル企業の世界売上げランキング ※数字はすべて100万USドル 53
  • 54. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • セブン&アイホールディングスが提供しているセブンプレミアムは、広範な食の定番商品を揃 えている。同社は最近宅食や給食など食の“ラストワンマイル(家まで)”に進出している。国内 コンビニ業界におけるシェアも4割まで上昇し、寡占状態が強まっている • 会社が掲げる「5つの約束」にも、社会インフラとしての自負が謳われている • 鈴木敏文氏「日本では小さな店は成り立たないと言われたが、実際にやってみたら社会インフ ラになった…インフラというのは、それがあるからインフラなのではなく、無のところからでも環 境がどう変わるかという見方をしていけば創り出せる」 セブン&アイホールディングスは「食のインフラ」を目指す 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 セブン=イレブンの 国内コンビニ業界シェア セブンイレブンが掲げる「5つの約束」 1) 社会インフラとして、すべての人が安心して便 利にお買物できる社会を実現します 2) 商品や店舗を通して、安全・安心を提供します 3) 商品、原材料、エネルギーの無駄を省き、地 球環境の保全に貢献します 4) 性別、年齢にかかわらず、すべての人が活躍 できる社会づくりを支援します 5) お客様やお取引先を巻き込んだエシカルな社 会づくりに取り組みます (%) 出所:セブンイレブンIR、ダイヤモンド・オンライン 54
  • 55. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • ヤマト運輸の国内シェアもすでに半分を占めており、インフラ化が非常に進んでいる • 利益率は他のインフラ企業同様に高すぎず寧ろ低い、しかし「安定的」に推移してきた • 山内雅喜社長「社会インフラとしての責任を果たさねばならないという思いから、強い意志をも って運賃収受の適正化のお願いを進めていかないといけない」 ヤマトホールディングスも「輸送のインフラ」企業となるか 0 10 20 30 40 50 60 70 2005 2010 2015 ヤマトの国内宅配便業界シェア (%) 出所:ヤマトホールディングスIR、Valuation Matrix ヤマトホールディングスの収益 55
  • 56. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 航空業界でも、ピーチ、ジェットスター、エアアジアが日本に一斉参入した平成24年を機に、 ANA/JALの牙城が崩され、価格破壊が進んでいる • 今後も世界中での移動コストはますます下がってゆく 世界での「移動コスト」もますます低下してゆく 16.2 16.4 16.6 16.8 17.0 17.2 17.4 17.6 17.8 H20 H21 H22 H23 H24 日本の航空会社の平均「イールド」推移 (円/キロ) ピーチ(LCCを国内で名 乗った初の事業者)、ジ ェットスター、エアアジア 参入のLCC元年 ※「イールド」は、航空業界で”輸送人キロ あたり旅客収入”、つまり、顧客を1人1キロ 運ぶといくら売上が立つかを表す指標 出所:国交省航空局 56
  • 57. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 生存欲求を満たす財(モノ)については、一部の大規模企業がその提供を独占し、インフラ化 してゆく • 上記に加え、デフレ状況下において生活物資が安価に抑えられている状況もある。実際、政 府の金融政策以上に、事業家による効率化とイノベーションの速度は早く、原材料の調達や 消費者同士のシェアリングエコノミーを含め、モノの価格は低下を続けて限界費用を限りなく ゼロに近づけている モノのビジネスは終わりを告げる 57
  • 58. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 20世紀までのビジネス 習慣化(脳への刺激)とその終焉 58
  • 59. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 化学調味料の使用が現代では非常に普及している • 身体でなく”脳で味わう”もの 習慣化ビジネス: 味の素 …ラットで詳細に調べると、迷走神経胃 枝の求心路は、タンパク質を構成する20 種類のアミノ酸の中では、グルタミン酸 のみに特異的な応答を示すことが近年 見いだされました。また、迷走神経求心 路の脳への入力先は、島皮質、大脳辺 縁系や視床下部であり、摂食や消化・吸 収と代謝の調節を担っている脳部位であ ることが明らかとなりました。… グルタミン酸は、過度な脂肪摂取によ る肥満形成を予防できる知見が動物 実験により得られつつあります。ラット の皮下及び内臓への脂肪の蓄積は、 グルタミン酸を摂取することで抑制で きることが分かりました。現在、先端 的な脳科学研究手法を用いて、うま 味物質を介する味覚や内臓感覚によ る脳でのエネルギー代謝調節機構の 全貌を明らかにしようとしています。 味の素公式ウェブサイトにおける研究紹介 出所:味の素公式サイト 消化管における うま味の受容機構を解明する うま味は脂肪の蓄積を抑える 59
  • 60. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 今でこそ広く親しまれているポカリスエットだが、30年前の発売時には一向に売れず、1年間で 3000万本を無料配布する賭けに出た。野球グラウンド・サウナなどの場を選んで、徹底的に 無料配布を続けた結果、汗で失われる成分を補給するというイメージが浸透した • 2年目の夏の売上は、前年の3倍の280億円という爆発的ブームとなる • ポカリスエットは、現在世界19カ国に展開。海外でも戦略は変わらず、ひたすら無料で配る。イ ンドネシアではラマダン中の脱水によいと謳って配布 • 一度、体験してしまうと継続して人はそれを欲するという形で普及してゆく 習慣化ビジネス: 大塚製薬 明確なコンセプト ターゲットの厳選 徹底的な刷り込み ポカリスエット成功の方程式 エジプト タイ、ベトナム、ミャンマー、シンガポール、マレーシア、フィリピン 上海、北京、天津、広州 韓国、台湾、香港 東ティモール、インドネシア 出所:大塚製薬公式サイト バーレーン、クウェート、サウジアラビア 60
  • 61. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 少なくとも40代までは、重病の発生確率が非常に低いので、保険料はふつう「発生確率×補 償額」よりも遥かに高いが、”テールリスク”を気にして加入してしまう • これは、“テールリターン”に目がくらんでギャンブルに手を出すのと似ている。宝くじの全体の 払い戻し率は50%以下、その他の公営競技の払戻率は75%程度以下に法令で制限されている という事実がある(当せん金付証票法など) • ギャンブルの市場規模は30兆円、生命保険は40兆円とその規模は近い 脳のバイアス・刺激を活用: 生命保険とギャンブルは同じ? 0 10 20 30 40 50 日本のギャンブルと生命保険の 市場規模 出所: (生命保険)「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」日本郵政ほか (パチンコ)H27日本生産性本部 (公営競技)総務省 ギャンブル 生命保険 生命保険にせよギャンブルにせよ、 極めてまれにしか発生しない損失あ るいは利益も平均に入れて考えてし まう罠がある (発生確率) (利益or損失 の大きさ) (兆円) パチンコ 宝くじ 公営 5競技 61
  • 62. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • セコムなどのホームセキュリティサービスは、異変を検知してから顧客宅まで出動するのに 15-25分はかかる(※法律上、ホームセキュリティ業は25分以内の出動を要求されている)。 警察に繋いだとしても到着時間に大差は無い • 従って冷静に考えてみると、駆けつけサービスは安心感を買っているという側面が強い 心の問題: ホームセキュリティは警備でなく「安心料」 侵入開始 家屋へ侵入 逃走開始 セコム到着 5分0分 10分 20分 空き巣事件のイメージ図 異変検知 通報 出動開始 ・警察にも連絡 警察到着 時間 出所:ブルーマーリンパートナーズ分析 62
  • 63. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 脳への刺激・バイアスを利用したビジネスについては、ジャーナリズムや政府・NPOのコミット により、減少傾向にある 習慣化ビジネスの終焉 0 2 4 6 8 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 米国生命保険会社の営業利益率(%) タバコ業界 • 10年におよぶ開発期間と30億ドルの資金を投じ、より健康へ の害が少ない電子タバコが発売された(2016年末で日本を含 む20カ国に展開) • 大手P社は年8700億本の紙タバコを生産するが、将来的な完 全撤退を掲げている ファストフード 業界 • 高い習慣化の力で老若男女が通いつめたチェーン店は、異 物問題や様々な食材への疑惑の広がりに直面 • Youtubeに食材へのこだわりを説明する動画を繰り返し投稿 するなど、対策に追われている 米国の 生保各社 • 「オバマケア」等の影響もあるが、営業利益率は長期的な低 下傾向にある 出所:International Association of Insurance Supervisors ”2015 Global Insurance Market Report“ 習慣化や脳への 影響に依存した ビジネスは縮小 傾向にある 63
  • 64. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 標準化によってプロセスを単純化し、画一化によって商品を匿名化し、習慣化によって顧客の 生命を無機化する。貨幣と資本という切断機によって、有機物を無機物に変えること 20世紀のビジネスは、有機物を無機化する行為であった 関係の商品化 癒しの商品化 自然の商品化 知識の商品化 SNSは、関係性を細切れにして可視化することで無機化して利益を得る 悟りを得るという有機的現象を、宗教組織化したり、ヨガやマインドフルネスな どのラベルをつけたりすることで商業化する 食品ビジネスは、自然が産んだ有機物、すなわち食物やエネルギーを無機化 して利益を得る メディアや学校は、教養・知識・情報を無機化して流通させる。ゲーミフィケー ションなどで膨大な時間の消費を誘い、習い事や情報に習慣的に没入させる 出所: ブルーマーリンパートナーズ分析 64
  • 65. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 財の変化:「モノ」から「コト」へ(つながりと物語) 65
  • 66. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 新しい産業構造 • 21世紀の消費行動は、「機能消費」と、「つながり消費」に明確に分かれてくると思われる。そ れを前提とすれば、今後、業界の構造は、「何を売っているか(モノ)?」ではなく「何の欲求に 応えるか?」をベースとして区分けするのが妥当 生存欲求 (インフラ) 社会的欲求 (所属・承認) 自己実現 欲求(創造) ユニクロ ユナイテッド アローズ・ SHIPS・ ビームス セブン&アイ ワタミ(個食 ・宅食) メッセージ (高齢者 施設) 衣料 住居飲食 クックパッド シェアハウス・ Airbnb 巨大企業による 大量・自動供給 システムが確立 (機能消費) 21世紀の産業の ほとんどが、この 欲求を満たすこと を目的とする (つながり消費) 資本主義の手の 届かないこの領域 を個人が開拓? 金融 小売 セブン 銀行 KiiVA・ Prosper・ maneo スターバックス・ ヴィレッジ ヴァンガード セブン&アイ イオン 何を売っているか(モノ) ? 何 の 欲 求 に 応 え て い る か ? IT GREE DeNA MS Google 会員制クラブ 66
  • 67. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 日本最大のレシピサイトを運営。日々料理する20-30代の女性ユーザーを中心に、月間 6,270万人がサイトを利用。2009年に上場した、レシピサイトの草分け的存在である • 機能的には一見優れた「楽天レシピ」の登場により、クックパッドは低迷すると見られたが、 現在のところ同社はその地位を保っている 承認欲求: クックパッドは一体何を提供しているのか? クックパッドの利用者数の推移 (月次) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 楽天レシピ (2016.12) 出所:クックパッドIR、楽天レシピ「検索連動型インリード広告のご紹介」 (万人) • 楽天レシピでは「人 気検索」が無料で出 来る(クックパッドは 有料会員限定) • レシピ投稿で50円分 の楽天ポイントが付 与 楽天レシピはクックパッド よりも機能的には優れ ているように見える 67
  • 68. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ クックパッドの主婦の承認欲求を満たす戦略 • クックパッドは、ユーザーの承認欲求を満たすことに注力した戦略をとっている。クックパッドのレシピ投 稿者も利用者も、その中心は主婦である。主婦が自分のレシピを載せると、利用者はそれを閲覧して自 分の料理を作り、その写真をさらに投稿する。これが「つくれぽ」というしくみである。それをみたレシピ投 稿者は自分のレシピが評価され認められたとして、満足感が高まり、さらにレシピを公開しようというモチ ベーションが高まる。するとよいレシピが集まり、利用者にとってメリットが高まる。この承認欲求を満たす 好循環のシステムを構築したことがクックパッドの成功の鍵となっている • クックパッドは投稿者のレシピが広く公開されるように工夫をしている。人気レシピのランキングをあえて 非公開にし、有料会員のみ閲覧することが可能にしている。ランキングに課金することで商業上のメリッ トもあるが、これはクックパッドの投稿者を大事にするという戦略にも適合している。もしランキングが容 易に使われてしまえば、ランキングの高いレシピしか利用者はみなくなる。すると露出するレシピのバラ エティは限られ、露出される投稿者も一部に限定されてしまっただろう。クックパッドの戦略である広く投 稿者の承認欲求を満たすためには、できるだけ多くのレシピが色々な人の目に触れるのがふさわしい。 よってランキングの閲覧には課金するというしくみを取り入れたのである。楽天がポイントという現世利益 的なインセンティブをレシピ投稿者に用意したのに対し、クックパッドは、承認欲求という原初的でありな がらなかなか満たされにくい欲求にもとづいた事業展開をしていることが優位に働いた結果となってい る。現在までクックパッドの承認欲求に基づく戦略はうまく回っているといえる • 社会的欲求を満たすという意味においては、クックパッドの真の競合は、ヤフーや楽天のレシピサイトで はなく「女性の社会進出」といえる。なぜならば、専業主婦の女性は一般に、家庭から出られないがゆえ に社会的欲求、特に承認欲求の領域で不満を抱いていると考えられるからである 68
  • 69. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ クックパッドの財務は極めて盤石かつ好調 • 非常にキャッシュリッチである(現金同等物132億円) • 直近3年の売上CAGRは26.4%・営業利益CAGRは24.7%、売上営業利益率47.6%と高水準 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 2011 2012 2013 2014 クックパッドの売上・営業利益(百万円) 出所:Valuation Matrix, クックパッドIR 69
  • 70. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • ヴィクトリアズ・シークレット(下着通販)は、憧れや自尊欲求をくすぐるビジネスで、売上約80億 ドルまで成長した • 下着という商品の特性をよく見切って、デザインや品質のよさは二の次とし、ミランダ=カーな どトップモデルを起用することだけにフォーカスする戦略をとった • 手の届かないくらい美しいモデルたちと同じ下着を自分がつけている、という自己投影の特別 な感情を抱かせるブランドとなった 自尊欲求を満たす: ヴィクトリアズ・シークレット 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 ヴィクトリアズ・シークレット売上(百万ドル) 出所:Limited Brands社決算 70
  • 71. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 他人に見せるために消費する、という評価経済の市場をネット上にFacebookが創出した • かつてBMWを買って街へ繰り出したのと同じことである - Facebook:「いいね」がつくようなアクティビティ、ライフスタイルを意識させる - Instagram:「見せる」ために写真を撮る。一見してフォトジェニックな物を流行らせた ex.ローストビーフ丼、善光寺、海外の絶景スポット… • 見栄え重視の消費者がいることに留意しないと、企業は戦略を誤りかねない - 英会話などは昔から出会いの場、習っている自分を見せるという側面が強い 自尊欲求を満たす: Facebook, Instagram SNS経済の社会で考えられるビジネス いいねのつく コンテンツ生産 • プロフィール写真撮影、似顔絵を描く、ヘアメイク、有名 人と一緒に写真を撮る… スキル系 • Skypeでの語学レッスン、翻訳やネイティブチェックなど (知識アピール)、料理・インテリア教室(女子力/男子力 アピール)、マラソン・筋 トレセミナー(健康、セックス ア ピール) 、ボランティア仲介(善人アピール)、絵画・音楽 教室( 才能 アピール)、旅行ビジネス(行っ てきたアピー ル)、家族・マタニティ写真撮影 出所:ブルーマーリンパートナーズ分析 71
  • 72. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 信用評価を事業とする企業が成長している • 代表例は「Klout」 • ソーシャルメディア上におけるある人の影響力を数値化することを本業とし、企業がキャン ペーンのターゲット顧客を絞り込むといったニーズにこたえている 信用評価ビジネス: Klout TwitterやFacebookのアクティブ なフォロワー、友達数 Wikipediaのページランク LinkdInでの”仕事内容” LinkdInでの”学歴” LinkdInでの”推薦” TwitterやFacebookの返信やリ ツイート、リンククリックの実績 反応されたタイミングと頻度 反応されたメディアはどこか 反応されたのは 文章か、写真か、動画か 反応はコメントか、いいねか、タ グ付けか、シェアしたのか 誰に反応されたのか 信用力を算出 Kloutの信用力評価アルゴリズム 出所:Social Media Today誌 72
  • 73. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 21世紀のセーフティネットは孤独の解消。助けてといえる場の提供 • 邸宅風のおしゃれな外観と「敷金・礼金ゼロ」。地方から職を求めて上京してくる20代の若者に コミュニティを提供する。他社との提携により、入居者に就職斡旋や婚活サポートまで行う企 業も存在する 所属欲求: シェアハウスビジネス 0 5 10 15 20 25 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 シェアハウスビジネスの日本での成長 (万部屋) • 「世の中の枠組みや空気に苦し くなった人たちが集まる居場所で あり、そこで各自が何かしら独自 のアウトプットを追求する場所」と いう意味です。 • アウトプットの内容は自由で、 ジャンルも規模も収益の有無も 問いません。本当に自分のやり たいことを見つけ、それを形にし ていく場所です。 家入一真氏の リバ邸のコンセプト 出所:リバ邸公式サイト、日経カレッジ 73
  • 74. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 日本人はOECD諸国の中でもっとも孤独な人々? • 世界価値観調査を元に、OECDが各国の社会指標を分析したところによると、日本人はもっ とも付き合いがよくない(らしい) 友達、同僚、その他宗教・スポーツ・文化グループの人と全く、 あるいはめったに付き合わないと答えた比率 出所:Society at a Glance 2005 OECD Social Indicators 28
  • 75. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ ヒスパニック平均 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 1990 1995 1998 2004 2005 2012 アメリカの公立高校の 規定年数通り卒業する生徒の割合 • 米国の高校では、Self-esteemを感じさせることが、教育の正に中心的テーマになっている • 黒人、過度の肥満といったセグメントで、生活崩壊やドロップアウトが非常に多い • 自尊心を満たすようなビジネスがもっと伸長していかなければ、全員が普通科高校に進み、 大半がいやいや勉強を強いられるという構図が続き、資本格差はこのまま持続拡大していく 米国では一人ひとりの個別性を肯定していかないと社会が成り立たない アジア系平均 白人平均 黒人平均 ※1統計調査が行われた年度を連続的に記載した ※2近年の上昇は主に人種構成の変化が要因 ※3人種別平均は2013年度データ アメリカの教育現場はSelf- esteemの育成に奔走している 1992年のニューズウィーク誌は、増加を続ける低所 得層のドロップアウトへの対応として、狂乱とも言え るSelf-esteem教育が開始していることを報じている • 幼児のうちから「自分のポテンシャルを出し切 れ!」と奨励される。酒やドラッグ中毒対策プロ グラムも今、Self–esteemの回復をターゲットにす るようになっている • 研究テーマとしてもSelf-esteemが盛んになって おり、10000本の論文と200の測定方法が編み出 された。教育現場はニコニコマークのシール、ト ロフィーの洪水と化し、現代の12歳の子供部屋 の棚は俳優さながらだ 出所:(左)National Center for Education Statistics (右)1992 NewsWeek 75
  • 76. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 家族の構成人数は2.1人になる。もはや家族は所属欲求を満たす制度となりえない 所属欲求: 家族の構成人数はわずか2.1人になる 結婚・家族 2015 2020 2025 2040 オリンピック システムの刷新 • 女性の8%が経済的自立 • 家庭管理費用の劇的低下 • 共依存関係から主体的 パートナーシップへ移行 (2022~2023) • 家族の平均構成人数が2人へ (兆し) (前夜) (新時代) 2017 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 平均世帯人数の推移と予測 (人) 出所: 国立社会保障・人口問題研究所 76
  • 77. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 人は、「給与」、「貢献感」、「所属欲求」の足し算で職場を選んでいる • 日本の非営利セクター(NPO・NGO)の付加価値度合い(対GDP)は低いが、これからは評価 が上がってゆくだろう。転職の際にもNPO時の経験が評価され、キャリアアップが可能となる NPO、NGOは日本でも社会の中心となっていく 出所(左)John Casey Comparing Nonprofit Sectors Around the World(2016) (右)総務省統計局ほか NPOへの寄付総額: 25兆5,245億円 非営利セクターの付加 価値(対GDP比) GDP規模 10 7.5 5 2.5 アメリカ 日本 フランス豪州 カナダ 非営利セクター付加価値の対GDP比 2.5兆ドル 5兆ドル イスラエル ベルギー NZ NPOへの寄付総額: 8,804億円 77
  • 78. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • Pixivでは、自分のイラストを公開したい、評価されたい、という表現欲求がモチベーション • ユーザーは、絵単体ではなく文脈で楽しんでいる。pixivは文脈の森、みんなが木を植えて育て ている。様々な文脈が膨大に集まった森。評価やコメントやブックマークやシェアが、水や肥料 に当たる 表現欲求ビジネス: Pixiv Pixivの転機 ユーザが描いてきた絵をみんな に共有するチャネル、というコン セプトで設計してサービス開始 • 2007年 「ピクシブたん(公式キャ ラクター)が死にもの狂 いで練習して上手くなり、 過去の下手な絵を消そう とするが、昔の絵をみて、 最近、大事なことを忘れ ていたと気づく」という作 品が投稿される 既存の絵が投稿されるのではなくて、 pixivがきっかけになって作品が生ま れることに可能性を感じた運営は、 積極的にお題などを提供し、描き手 の想像欲求を刺激する方向へ舵を 切る • 2008年 ユーザーの投稿 現在はユーザー数2,000万人を突破、月PV38億まで成長 出所:logmi 78
  • 79. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • DMM.Make (Makers Movement) – 社会の成熟の中で、「欲望が分散化する」 – Fablabが世界中に1000箇所以上まで増加、自分だけのものを作りたいという ニーズに対応 ex.劇場の物販 – 物流は無くなる? • KickstarterやCampfireといったクラウドファンディングサービス: 自分のサポートによって新し いものが創出される、という創造欲求や自尊欲求を満たす 創造欲求・応援欲求ビジネス: クラウドファンディング Kickstarter Campfire プロジェクト総数: 5,000件以上 参加人数総数: 180,000人以上 総額: 18億円 プロジェクト総数: 120,452件以上 参加人数総数: 12,499,603人以上 総額: 2,897億円 メイカーズを支えるクラウドファンディング革命 出所:Kickstarter、Campfire公式サイトより 79
  • 80. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 21世紀的なビジネスの具体的なアイデアは思い浮かぶだろうか? • 承認欲求・所属欲求を満たす方法はなにがあるだろうか?なかでも、多様化 (ダイバーシファ イ)、個別化 (パーソナライズ)、肯定化(セルフ・エスティーム)を満たす方法はどうだろうか? クイズ) 21世紀のビジネス 80
  • 81. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 人々の孤独を埋められないか? – ペットロボット、AIボット(映画「her」)等 • 個人の自由な生き方を肯定できないだろうか? – 「VICE」のような特定の層を狙ったメディア作りはできないか? – LGBTなどマイノリティをターゲットとしたビジネスには何があるか? • 新しいコミュニティとそのインフラを創るビジネスは考えられないか? – 地方創生を成果報酬でできないか? – Airbnb:新しい価値観、ミニマリズム、Tinder:新しい出会い − 自動翻訳サービス:新しいスムーズなコミュニケーション • 表現欲求・自尊欲求をさらに拡大できないか? – ハロウィン・コスプレマーケットの拡張 – 芸能人の概念の崩壊:youtuber、ざわちん、読モ – 創作物がダイレクトに世界中の消費者に届く仕組み • 中間財(モノ)を省けないか? – ドンペリを入れたり、高級車に乗る形で誇示するのでなく、それらモノを省いて直接、換金 できる方法はないだろうか? アイディアの例 81
  • 82. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 21世紀の産業展開マップ • 21世紀の産業の中心は、社会的欲求の充足に向かう。そのためにデータ解析やブロック チェーン(分散台帳)システムによるトレーサービリティが大きく貢献するだろう 82 ブロック チェーンによる トレーサビリティ データ解析 (セキュリティ・ シェア・マーケ) 自主運営 (人的サービス) メンテナンス ノウハウの提供 スペアパーツ/ 消耗品 機械本体 サービスオペレーショントレーディング 機能軸 顧客軸 化学プラント 自動車部品 航空機部品 飲料 食品 尊敬 欲求 所属 欲求 健康財 情報財 消費財 工業財・ インフラ 市 民 ・コ ミ ュ ニ テ ィ 消 費 者 生 産 者 (工 場 ) 新 産 業 領 域 高収益機能 太陽光・太陽熱 シェア エコノミー (余剰分配・ 感情シェア) 広告 等 医療機器 信用格付け・ 貢献還元 IOT・ AI・ ロボティクス による 効率化の 追求分野 行政支援 事業 生存 欲求 社会的 欲求
  • 83. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ まとめ ブランド 感情価値をモノに投影 してカネで売買 21世紀の産業 社会的欲求の充足を 互いの貸借や時間に よって精算 衣食住 限界費用の低減/ベー シック・インカムで充足 贈与経済 シェアエコノミー等によ る新しい繋がりの創出 モノ コト カネ(円) 信(縁) 83
  • 84. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 21世紀のビジネスは、飢えや物不足に対応するものでなく、承認と尊厳を一人ひとりに提供し てゆくものになる • モノからコトへと財が変わると、価値を交換する手段は、お金だけでなく信用や個々人間の貸 借となる • 生産者と消費者という対立関係がなくなり、共に価値を創造する参加者(=価値還元者)となる まとめ 84
  • 85. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 85 21世紀のリテラシー ~今世紀を楽しく生き抜くための方法~
  • 86. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 21世紀のビジネス(財と言語)を知ろう • 20世紀から21世紀へのもっとも大きな変化は、欲求の対象が生存から承認へとシフトしたこ と。これにともない財(製品)も「モノ」から「コト」へとシフトする 生存 承認 自己 実現 自己の概念 の拡張 財 言語 ~20世紀 21世紀 22世紀 モ ノ コ ト 自 己 所属の人権 化 労働 基本的人権 新しい紐帯 限界費用の 極減 による無償化 金 信 時 共 愛 精神的階層 化 会社・家族 限りない 承認欲求 安全 衣食住 所屬 社会的尊敬 自己実現 自己超越 限られた人々 の世界 パラレル キャリア 「個人」の 概念の崩壊 (マズローの欲求段階説) 86
  • 87. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 87 お金のピラミッド お金 マネー) 価値 (バリュー) 信用 (クレジット) 覚悟 (コミットメント) 信念 (プリンシプル) 使命 (ミッション) お金 (マネー) クレジットtoマネー (キャピタライズ) バリューtoマネー (マネタイズ) マネーtoマネー
  • 88. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 人生のバランスシート(信頼残高) • アセット(資産)は必ずしもキャッシュではない。様々なものがキャッシュの代替足りうる。 88 キャッシュ クレジット スキル ミッション・ プリンシパル つながり 健康・生命力 不安・欲望 借り 負債 純資産 (信頼残高) 資産 仕事・ マネタイズ キャピタ ライズ
  • 89. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ • 人間とは、「知識」「体験」「肉体」に吸着した“意識”の集合体のことである。そのパターンでい わゆる「個性」が決まる 89 そもそも、まず人間とは何か? 時間軸 体験(過去) 知識(未来) 肉体(現在) 意識が吸着している部分 認知可能な部分 個性
  • 90. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ アート デザイン 宇宙開発 AI 土地 オーガニクス 発酵 感情労働 メディテーション ・リトリート 健康科学 • 人とは「情報(知識・経験・肉体)に吸着している意識の集合体」であり、意識の焦点を外側4つ (天命・地・無我・愛情)に当てることで成熟してゆく存在 • 自分は、人間以前の存在、すなわち純粋な意識体である、という認識を持って生きてゆくこと 21世紀のリテラシーは国語・算数・理科・社会 国語 算数 理科 哲学 21世紀のリテラシーの全体像 • 仕事論 • コミュニケーション論 • コミュニティ論 • 創造の法 • 有機化・再統合 • 論理的思考 • 構造化 90
  • 91. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 21世紀の方程式は「信用」を基軸に形成される • 「信用」を中心に構成される21世紀の生き方の方程式は、健康を前提とした時間資源を、紐 帯・知識・信用の形成へと振り分け、「コト(つながり・ものがたり)」を中心とした財を形成し、創 造(貢献)へとつなげることにある 91
  • 92. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ 未来の不安を乗り越える方法 • 一言でいえば、5C(コミュニティ、クレジット、クリエイティビティ、キャリア、ケ ア&キュア)を大事にして生きる、ということ 92 1. 時間と空間の自由度を高めてゆく(タイムリッチ、ロケーションフリー) 2. プロフェッショナルとして生きることを決める 3. あらゆる分野で(ひっそりと)「微成長」する 4. 異性について頭と経験で学び、主体的なパートナーシップを築く 5. 同窓会に出席し、地元と世界の友人に年賀状(手紙)・メールを送る 6. 信用のコンソーシアムを作り、コミュニティを強固にしてゆく 7. 数字と論理から距離を取り、創造性と感受性を喚起するセンサーを磨く 8. 人生のバランスシート(信頼残高)を記録する 9. 健康(=エネルギー)について継続的に学び、実践する 10.意識の焦点を4つの方向(天地愛悟)に向ける習慣を身につける
  • 93. Copyright 2017 Blue Marlin Partners, Ltd. 本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、info@dsigr.comまでご連絡くださいませ お疲れ様でした。最後までありがとうございました 93