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障がい者就労促進プロジェクト
                                 第3回学習会 資料

                                                     2011年10月16日
                                                    当事者代表 asayume001




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1 本日の議題について


               復職・転職を経験した当事者の立場から

               脳障害における復職後の課題と、社会の
               中でのありかたについて講演いたします。



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2 私のプロフィール
     ■年齢&お仕事                                          ■主な症状(現在も残っています)
     40歳、広告代理店ストラテジックプランナー                            •新しいことが覚えづらい
                                                      •過去の記憶喪失(きっかけがあれば思い出せる)
     ■病歴                                              •同時複数作業が苦手
     37歳の時に心筋梗塞による突然の心肺停止。                            •うるさいところが苦手
     家族の蘇生と救急搬送により助命。意識不明                             •疲れやすい(アクティブインタレストの相反)
     4日間を経て戻ってきました。高次脳機能障害                            •意欲・発動性の低下
     と付き合っている3児のパパです。




                                                    こんな状況で4ヵ月後に復職。当時は認識
                                                    していたものの自覚はなく、簡単に戻れる
                                                    と思ってました。。。
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3 就労復帰の経緯




                                                                                       復職企
                      休職               猶予                通常勤務        他企業に通常雇用転職        業に転
                       4.5M            勤務                                               職
                                        3.5M


          発症                                        1年          2年                3年    現在



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4 就労復帰の経緯とストレス曲線
    主 高                        フラッシュバック①
                                                         疎外感・先の見え
                                                                     フラッシュバック②    フラッシュバック③
    観                                                    ない不安感等悶々
    的                                                    とした状況続く                 業務役割の
                                OTさんに                                            変更依頼
    な                           きつい一言                                                     自分ができる
    「不                                                                                    ことを見直す
    安             障害認知                                    やる気がないだ
    ・つ           (理解はしていない)
                                                          けと勘違いし退社
    ら        あしたば
    さ         開始
    」
         低
                                                                                              復職企
                      休職               猶予                通常勤務              他企業に通常雇用転職         業に転
                                       勤務                                                      職

          発症                                        1年                2年                 3年    現在
            本格復職してから非常に強いストレスが発生。受傷後一年二年も経ってから、改めて自分
            の障害に遭遇したときに、精神的ストレスが発症し自発性を低下させ不安を増幅させる。
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5 就労復帰してから何が起こったのか?


                           障害                            仕事        金銭面

                      先が「見えない」から不安に陥る
                             高次脳は復帰すればするほど「湯水のごとく出てくる障害」。
                             症状も改善し自分の状況が自己認識できればできるほど、
                           5年後、10年後の自分や家族の姿がイメージできない状況に陥る。
                            単に周囲から「見えない」だけではなく、自分からも「見えない」。          住宅ローン
           病気




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                                                    家族        老後             6
6 「先が見えるようにする」ために
                   「復帰の道しるべ(指標)」をもとう。
            1.過去の自分の確認
            • 自分がそもそもどういう人間だったかを振り返る。仕事資料、
              写真、旧友に会う、ビデオ、アルバム、メール、手紙、年賀状、
              音楽、購入したもの、幼稚園のものまで・・・・。

            2.今の自分の確認
            • 「再体験」によって、現在の自分を確認する。障害の認知・受
              容。高次脳単独の場合ここが一番難しい。過去で経験してい
              たことにも再トライ。やる気が起きないので好きなことから始め
              る。趣味、遊び、買い物、仕事、転職・・・

            3.新しい自分を創る
            • メモ、ライフログ、アクティブインタレスト等の代替手段の取得と
              同時に、新しい生き方をシェアする場を活用して、時間をかけ
              て新しい自分づくりをする。同じ障害者の方々の経験談も参考
              に。患者会、家族会、ブログ、mixi、twitterなど。
                                                    7
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7 みえない障害の復帰のポイント
                     「復帰の道しるべ」を、社会復帰に関与する方々全てで
                     シェアすることが最大のポイントである。




Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved.   8
8 サポーターに求められるもの


                                当事者の「新しい自分づくり」
                                を自発誘導すること。

              障害の程度や当事者背景にもよりますが、あくまでも当事者の
              「新しい自分づくり」を自発的に誘導してあげるのが、リハビリス
              タッフやサポーターのミッションだと感じています。自発性が落ち
              ても、好きなことはやり続けられると思います。


Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved.   9
9 社会保障のゴールと、当事者ゴールのギャップ




                    急性期                             リハ期        復職・就労期
                                                          社会復帰において、最もサポートが必要な時期




          退院⇒復職してからが非常に大変であり、そこをサポートする社会保障システムが
          できていない。医療提供者側からすると「復職」は一つのエンドポイントとなりうるが、
          患者側からするとエンドポイントではない。
          「その後の人生を、残された機能を活かしながらいかに充実して過ごせるか?」が、
          エンドポイントととらえている。


Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved.                                 10
10 社会における復帰のあるべき姿とは?


                            救貧
                                                          ポジティブ・
                                                          ウェルフェア
                            防貧                          すべての人に社会への参加を保障する
                                                        参加型社会保障(ポジティブ・ウェルフェア)
                                                        を目指すことが重要。

                                                    ※全員参加型社会の実現(平成23年版厚生労働白書)


                  就労あるいは社会参加を通じて、当事者が自らの可能性を引き出し、
                  発揮することを支援する。新しい当事者の価値創りをサポートするところ
                  まで支援できる「全員参加型の社会保障システムの構築」が重要である
                  と感じてます。
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11 まとめ

            復職にあたって、周囲への障害の説明や理解も重要ですが、一番重要なのは、
            「新しい自分・君を一緒に創っていこう」という自身と周囲のコミット(意志の合意)
            だと思ってます。
            軽いから復職できたのではなく、自分も周囲も共通の「復帰の道しるべ」を持つと
            同時に、「新しい自分を社会の中で創ること」を、周囲も理解してくれたし、自分
            も受け入れたからこそ復職できたと思ってます。
            それを自発誘導してあげて、就労参加をしながら十人十色の当事者の価値を
            高めてあげることをサポートすることが、これからの医療の当事者とサポーターの
            ミッションだと思います。




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お知らせ
           臨床作業療法
           8巻5号
                                              「働くことが最高のリハビリ」というタイトルで記事が掲
                                              載されます。お時間がある時にご覧ください。




                                              「asayume001」高次脳機能障害でも残された機能
                                              を活かし働くことに挑戦し続ける姿をつぶやいてます。
                                              よろしければ覗いてみてください。



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高次脳機能障害 障がい者就労促進プロジェクト 111016

  • 1. 障がい者就労促進プロジェクト 第3回学習会 資料 2011年10月16日 当事者代表 asayume001 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved.
  • 2. 1 本日の議題について 復職・転職を経験した当事者の立場から 脳障害における復職後の課題と、社会の 中でのありかたについて講演いたします。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 2
  • 3. 2 私のプロフィール ■年齢&お仕事 ■主な症状(現在も残っています) 40歳、広告代理店ストラテジックプランナー •新しいことが覚えづらい •過去の記憶喪失(きっかけがあれば思い出せる) ■病歴 •同時複数作業が苦手 37歳の時に心筋梗塞による突然の心肺停止。 •うるさいところが苦手 家族の蘇生と救急搬送により助命。意識不明 •疲れやすい(アクティブインタレストの相反) 4日間を経て戻ってきました。高次脳機能障害 •意欲・発動性の低下 と付き合っている3児のパパです。 こんな状況で4ヵ月後に復職。当時は認識 していたものの自覚はなく、簡単に戻れる と思ってました。。。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 3
  • 4. 3 就労復帰の経緯 復職企 休職 猶予 通常勤務 他企業に通常雇用転職 業に転 4.5M 勤務 職 3.5M 発症 1年 2年 3年 現在 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 4
  • 5. 4 就労復帰の経緯とストレス曲線 主 高 フラッシュバック① 疎外感・先の見え フラッシュバック② フラッシュバック③ 観 ない不安感等悶々 的 とした状況続く 業務役割の OTさんに 変更依頼 な きつい一言 自分ができる 「不 ことを見直す 安 障害認知 やる気がないだ ・つ (理解はしていない) けと勘違いし退社 ら あしたば さ 開始 」 低 復職企 休職 猶予 通常勤務 他企業に通常雇用転職 業に転 勤務 職 発症 1年 2年 3年 現在 本格復職してから非常に強いストレスが発生。受傷後一年二年も経ってから、改めて自分 の障害に遭遇したときに、精神的ストレスが発症し自発性を低下させ不安を増幅させる。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 5
  • 6. 5 就労復帰してから何が起こったのか? 障害 仕事 金銭面 先が「見えない」から不安に陥る 高次脳は復帰すればするほど「湯水のごとく出てくる障害」。 症状も改善し自分の状況が自己認識できればできるほど、 5年後、10年後の自分や家族の姿がイメージできない状況に陥る。 単に周囲から「見えない」だけではなく、自分からも「見えない」。 住宅ローン 病気 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 家族 老後 6
  • 7. 6 「先が見えるようにする」ために 「復帰の道しるべ(指標)」をもとう。 1.過去の自分の確認 • 自分がそもそもどういう人間だったかを振り返る。仕事資料、 写真、旧友に会う、ビデオ、アルバム、メール、手紙、年賀状、 音楽、購入したもの、幼稚園のものまで・・・・。 2.今の自分の確認 • 「再体験」によって、現在の自分を確認する。障害の認知・受 容。高次脳単独の場合ここが一番難しい。過去で経験してい たことにも再トライ。やる気が起きないので好きなことから始め る。趣味、遊び、買い物、仕事、転職・・・ 3.新しい自分を創る • メモ、ライフログ、アクティブインタレスト等の代替手段の取得と 同時に、新しい生き方をシェアする場を活用して、時間をかけ て新しい自分づくりをする。同じ障害者の方々の経験談も参考 に。患者会、家族会、ブログ、mixi、twitterなど。 7 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved.
  • 8. 7 みえない障害の復帰のポイント 「復帰の道しるべ」を、社会復帰に関与する方々全てで シェアすることが最大のポイントである。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 8
  • 9. 8 サポーターに求められるもの 当事者の「新しい自分づくり」 を自発誘導すること。 障害の程度や当事者背景にもよりますが、あくまでも当事者の 「新しい自分づくり」を自発的に誘導してあげるのが、リハビリス タッフやサポーターのミッションだと感じています。自発性が落ち ても、好きなことはやり続けられると思います。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 9
  • 10. 9 社会保障のゴールと、当事者ゴールのギャップ 急性期 リハ期 復職・就労期 社会復帰において、最もサポートが必要な時期 退院⇒復職してからが非常に大変であり、そこをサポートする社会保障システムが できていない。医療提供者側からすると「復職」は一つのエンドポイントとなりうるが、 患者側からするとエンドポイントではない。 「その後の人生を、残された機能を活かしながらいかに充実して過ごせるか?」が、 エンドポイントととらえている。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 10
  • 11. 10 社会における復帰のあるべき姿とは? 救貧 ポジティブ・ ウェルフェア 防貧 すべての人に社会への参加を保障する 参加型社会保障(ポジティブ・ウェルフェア) を目指すことが重要。 ※全員参加型社会の実現(平成23年版厚生労働白書) 就労あるいは社会参加を通じて、当事者が自らの可能性を引き出し、 発揮することを支援する。新しい当事者の価値創りをサポートするところ まで支援できる「全員参加型の社会保障システムの構築」が重要である と感じてます。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 11
  • 12. 11 まとめ 復職にあたって、周囲への障害の説明や理解も重要ですが、一番重要なのは、 「新しい自分・君を一緒に創っていこう」という自身と周囲のコミット(意志の合意) だと思ってます。 軽いから復職できたのではなく、自分も周囲も共通の「復帰の道しるべ」を持つと 同時に、「新しい自分を社会の中で創ること」を、周囲も理解してくれたし、自分 も受け入れたからこそ復職できたと思ってます。 それを自発誘導してあげて、就労参加をしながら十人十色の当事者の価値を 高めてあげることをサポートすることが、これからの医療の当事者とサポーターの ミッションだと思います。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 12
  • 13. お知らせ 臨床作業療法 8巻5号 「働くことが最高のリハビリ」というタイトルで記事が掲 載されます。お時間がある時にご覧ください。 「asayume001」高次脳機能障害でも残された機能 を活かし働くことに挑戦し続ける姿をつぶやいてます。 よろしければ覗いてみてください。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 13