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人間漕ぐのに必死だと吹
いてる風に気づけなった
りするものだと思うんス。
ソーシャルスタートアップという仕掛け方のススメ
STEP4「機会とつよみを考える」
行きたいところに早くつくためには、自分のチカラを尽くすだ
けでなく、うまく吹いてる風を追い風に変えることも大事です
よね?今回はそんなお話です。
水
面
上
海
中
奥
底
ほ
ど
意
識
さ
れ
づ
ら
い
が
影
響
度
大
WHAT
アウター
社会や顧客に見える
WHAT
ヒト
組織体制は?
意思決定フローは?
モノ
オフィス、拠点は?
備品管理は?
カネ
価格設定は?
資金管理は?
情報
データベースは?
社内共有方法は?
下着
協力者/スタッフには見える
WHAT
肌
協力者/スタッフには見える
HOW
筋肉
共同経営メンバーに見える
WHY
心
自分自身も気づきづらい
自らの世界観
(フィルターとして作用)
体幹
他人には見えづらい
WHY
法人格/ 製品・サービス・WEB・パンフデザイン/団体名 /タグライン /イベントや企画
①インパクトについてのリーンキャンバス
(対、顧客(当事者)
②持続可能な仕組みのためのリーンキャンバス
(対、資金提供者)
どんな戦略でいくのか?
自社を拡大/ 売却して拡大/ 制度化/ オープンソース化/ 担い手育成/
行動への意志(アントレプレナーシップの発現)
ビジョン(実現したい未来像と問題(ギャップ)への気付き)
感情
出来事の解釈(認知する、意味づける)
機会とつよみ、戦略決めるうえで重要な要素です。
前提として、ソーシャルスタートアップにとって
①「機会」とは
理想の実現にむけて活かせそうな環境や状況の変化
②「つよみ」とは
活かせそうなヒト、モノ、カネ、情報
③「つよみ」とは自分の持ってるものに限らず
他の企業や団体がもってるものも使いうる!
環境の変化を「機会」と捉え、資源を「つよみ」に変えるには
そもそも「風」が吹いてることに気づくのが大事ですよね。
理想へ
風 一生懸命
漕ぐぞ!
理想へ
風
(機会)
風だ、、、
この布を
帆にすれ
ば!
■気づかない人 ■気づく人
布
(つよみ)
そこで、まずは以下の3層で 吹く「風」に気づくのが大切になります。
①時代のうねりレベルの風
②世界や国家の予定レベルの風
③トレンドやブームといったレベルの風
麦わらの一味の場合
ソーシャルスタート
アップ一味の場合
具体的な
調べる手段例
①時代のうねり
(10~30年単位)
・世界徴兵による
海軍の新戦力増強
・黒ひげの勢力図拡大
・最悪の世代の台頭
・AI・ロボット技術の
めざましい進歩
・SDGs/ESG投資へ
の取組
本読む、TED聞く
現場に足を運ぶなど
②世界や国家レベルの
予定(1~10年単
位)
今年は世界会議です。
・2020年オリンピック
・2025年団塊の世代の
大半が後期高齢者に
NRIさんのレポート
https://www.nri.com/~
/media/PDF/jp/opinion
/nenpyo/nenpyo_2018.
pdf
③トレンドやブームと
いったレベルの風(1
年以内)
関係者全員ワノ国へ向
かっている。
働き方改革
女性の人権への注目高
まる
ニュースみる
SNSみる
例えば、Code for Japan関さんの「風」のとらえ方
目指す理想
市民が主体となって
自分たちの街の課題
をIT技術を活用しな
がら自らの手で解決
する未来
使えるつよみ
エンジニアのみなさ
んとのネットワーク
無償で貸りられる
企業さんのスペース
環境の変化
若手官僚による
『不安な個人、立ち
すくむ国家』
と題されたレポート
がバズり異例の150
万DL 17年5月
機会に変える
立ちすくむ国家
ワークショップ企画
定員80名に
350の応募
https://togetter.co
m/li/1119791
例えば、ETIC. の「風」のとらえ方
目指す理想
日本社会におけるア
ントレプレナーシッ
プの質と量の最大化
使えるつよみ
次世代起業家人材と
のネットワーク
起業家人材の育成ノ
ウハウ
多様なコーディネー
ター人材
環境の変化
TOKYO2020オリン
ピック開催決定によ
り、ALL JAPANで協
力し易い雰囲気。
機会に変える
大企業×次世代起業
家の共創プラット
フォーム
Social impact for
2020 and beyond
余談
これまで一般的にいわれていたビジネスの常識だと、「つよみ」は「自社が他者
との競争に勝つ上での」もの、となっていますよね。この発想は資本主義の「私有
財産制度」という考えかたがベースになっていると思う。誰もが自分のものと、他
人のものを切り分けて、自分のものを増やそうとする。いわゆる「所有」と「競
争」が前提になっている考えかたですよね。
ソーシャルスタートアップが面白いのは、その「所有」の観念を越えられる可能
性を秘めてるとこ。「みんなの未来にとって大事なこと」だから、ライバル会社だ
からとか言ってないで、儲かりそうにないからとか言ってないで、チカラ貸してく
ださいよ!と言えちゃう。
もちろん、みんながみんな、すぐにチカラ貸してくれるわけではない。「会社の
方針が、、」「株主が、、」「ワタシはやりたいんだけど、上がね、、、」なんて
台詞は、よく返ってくるのでいちいちがっかりしないで大丈夫。笑
大事なのは「ダメ元で頼んでみる!」ってことかと。初期のソーシャルスタート
アップ起業家でも、案外これをやるのには、気が引けてしまうみたいです。
けど、世の中案外いろんなものが余っているので、なんでも生真面目に自分たちの
チカラだけでやろうとせずに、 「それ使わせてくんない?」と気楽に聞いてみても
良いんじゃないでしょうか。
■目次(予定)
はじめに もろもろの背景
第一部 ソーシャルスタートアップの特徴
①価値観
②ビジョン
③ミッション
④戦略
⑤技術、知恵
第二部 ソーシャルスタートアップ始め方のポイント
・Whyを明らかにしよう
①ビジョンを明らかにする
②動機を見つめる
・HOW、初期戦略仮説を定めよう
①構造を俯瞰し、ツボをさがす。
②機会とつよみを考える。
③戦略とミッションを決める
④事業のゴール(マイルストーンを定める)
・WHAT
① リーンスタートアップ手法の使い方と留意点
② まず、最初の3人を誰からはじめるか?
③ かれらの困り事は?
④ 代替手段をさがり、研究する
⑤ 効果的なソリューションを考える
⑥ とりあえず、最小最速で仮説検証してみる。
・ これでやってみよう!と思えるものができたら。
⑧ チャネルを検討する
⑨ KPIを開発する
⑩ UVPを意識しつつ(ほかと何が違う?)
⑪ 築いていくべき、つよみを描く(だれと組むか?
どう蓄積するか?)
⑫ コストの見積もりをたてる。
⑬ 必要なお金の集め方を考える
⑭ 資金提供者の仮説をたてる。
⑮ 彼らの困り事は?
⑯ 資金提供者むけの価値を考える。
⑰ 資金提供社むけの提案資料をつくる.
⑱ 資金提供者を乗り気にさせる。
⑲ ゴールまでの戦略を描き直す。
⑳ もっとも効果的な法人格を選ぶ
㉑ 法人を立ち上げる。
㉒ 事業としての実証実験期へ
・第三部、上記プロセスで留意したほうが良い点
①何度ももどる
②螺旋階段
③タイミングについて
④場所について
⑤チームについて
⑥資金調達について
⑦組織内外のコミュニケーションについて
みんなの自分らしさを
創造力に換える共同体を
つくりたい。
渡邉 賢太郎
SUSANOOプロデューサー
おせっかい社かける COO(チーフ面白がるオフィサー)
1982年、大分県別府市生まれ/兼業農家の三人兄弟の長男坊
/小中での書道教室を通じ余白のデザインを学ぶ/中高大と
バレーボール部、チームワークの大切を学ぶ/留学生が半分
のAPUに進学、日本の価値観がOne of them でしかないこと
を知る/別府八湯温泉道 第123代温泉名人になる過程で
地域社会の抱える課題とまちづくりにのめり込む/大学二年
の時に休学し上京、ETIC.が提供するアントレプレナーシップ
インターンプログラム(EIP)に参加、株式会社ラストリゾー
トで法人営業を10ヶ月行う/山形の地域おこしNPOイン
ターン/北極圏グリーンランドでよさこい踊る/復学後、地
元別府の老若男女が繋がる場としての祭の立上げ/地元学/
能の講義を経て、余白の価値を再認識/卒業後、メガバンク
系金融機関にて個人富裕層や法人むけ資産運用アドバイザー
/AFP取得/リーマン・ショックを経て金融システムに疑問
をもち退職/2年間47カ国の世界旅へ、白砂漠の夜および、
コロンビア強盗事件にて生と死の境目の曖昧さに気づき、機
械論的世界観の恩恵と限界、多様性の価値などに気づく/2
013年に帰国後、NPO法人ETIC.に参画/ソーシャルスター
トアップに特化した創業支援プログラム「SUSANOO(スサ
ノヲ)」プロジェクトを立ち上げ、現在までプロデュースを
行わせてもらってます。

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