2015.2.10．浅間山ジオパーク構想．

1. ジオパークが目指す
持続可能な地域の発展
— —資源から遺産へ
公益財団法人 自然保護助成基金
目代邦康

2. 内容
● 自然保護の歴史とジオパークの思想的
背景
● ジオパークが目指すもの

3. 産業革命以降の文明
● 地下資源の採掘：燃料，金属
● エネルギー：「フロー」→「ストック」

4. 大規模な自然改変
● 干拓，埋め立て，川のせき止め，森林
伐採，灌漑・・・
● 工事の大規模化．自然改造．

5. 「豊かさ」
↕
自然破壊

6. 現代文明は，
人類にとって
最良のシステムか？

7. ?

8. とはいえ

9. 現代文明を全否定して，
社会を構築することは難しい．
1970年代〜 環境問題
・・地球規模

10. 現代文明を全否定して，
社会を構築することは難しい．
Sustainable development
（持続可能な開発）
1992年 環境と開発に関する国連会議（リオサミット）
リオ宣言

11. 持続可能な開発
Viable 生存可能な
Equitable
公平な
持続可能な
Bearable 我慢できる
環境問題環境問題
経済発展をど
うはかるか
より良い社会を
どう構築するか
良い環境をどう維持するか
経済問題経済問題社会問題社会問題

12. Think globally,
act locally.

13. ジオパークが目指すもの
● 地域社会の持続可能な開発（Sustainable
development）
● 地域の地形や地層の保全
● 何を守るのか？
● 誰が守るのか？
● どのように守るのか？

15. 開発の代替案としての
エコツーリズム
● 1982年第3回世界国立公園会議においてエコ
ツーリズムが「自然保護の資金調達として有
効」．
● 1980年代・・アフリカ，東南アジア，中南米で
森林開発の代替案として実施．

16. エコツーリズムの目的
● 自然の営み，人と自然との関係が対象．
● それらを楽しみ，その自然環境や文化を保全す
る．

17. エコツーリズムがあるなら
ジオツーリズムも
生態系の基盤としての地形，地質
↓
地形，地層を対象としたツーリズム

18. ジオパークの活動
保全
conservation
保全
conservation
教育
education
教育
education
ジオツーリズム
geotourism
ジオツーリズム
geotourism
第一の目的
手段であり
目的
手段

19. 何を守るのか
● 科学的に価値のあるもの：研究者が価値付け
– 地域の/地球の成り立ちが分かる
– そこにしかない地形，地層
– 適切に管理しないと（放っておくと），喪失してし
まう恐れのあるもの
– 天然記念物だから大事ではなく，大事なものだから
保護の方策を考える．
– 守る場所 → ジオサイト

20. 天草御所浦GP
足跡化石発見地

21. 銚子GP 屏風ヶ浦

22. 何を守るのか
● 地域の中で大切にされてきたもの
– 信仰，祭り・・・
– 美的，文化的，宗教的・・

23. 銚子GP 海岸沿いの石垣

24. 守るために必要なこと
● 価値を明らかにする＝調査
● 自然環境のメカニズム，人文・社会現象がどう
関連しているのか解明＝研究

25. 深く知ると景色の見え方が変わる
● 隆起波食棚
● 差別侵食
● 泥岩シルト
岩互層
● 風衝による
樹形の変形
● 将来が気に
なる

26. 調査をする人
● 大学，研究機関の研究者
● 調査会社の研究者
● 地域に暮らす人
● ナチュラリスト

27. 調査をする人
● 大学，研究機関の研究者
● 調査会社の研究者
● 地域に暮らす人
● ナチュラリスト
● 観光客

28. 調査をする人
● 大学，研究機関の研究者
● 調査会社の研究者
● 地域に暮らす人
● ナチュラリスト
● 観光客
論文
ガイド

29. 調査をする人
● 大学，研究機関の研究者
● 調査会社の研究者
● 地域に暮らす人
● ナチュラリスト
● 観光客
論文
ガイド

30. 地域住民と専門家が共に
新たな価値を作り出す

31. 知ることと守ること

32. ジオストーリーの構築
● 1人1人の人生：ストーリー
→自分とは何者か?（アイデンティティー）
● 地域の歴史：ジオストーリー（地域の物語）
→この地域とはどういった地域か？（地域アイ
デンティティー）

33. ジオストーリーの共有
● 地域の価値を知る
● 地域の将来像を考える基礎
– 地域の誇り，連帯感，伝統文化の継承
● 自然災害への備え