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EBPC(2003.5.9)
社団法人 地域医療振興協会 公益事業部
地域医療研究所 地域医療研修センター
横須賀市立うわまち病院 臨床研修センター
名郷直樹
自己紹介
1961年 名古屋生まれ
1986年 自治医大卒
同年 名古屋第二赤十字病院研修医
1988年 作手村国保診療所
1992年 自治医大地域医療学
1995年 作手村国保診療所
1998年 共立薬科大学非常勤講師
2003年 横須賀市立うわまち病院臨床研修セン
ター
専門領域 地域医療、家庭医療
家庭医療・地域医療
あらゆる問題に対応する
患者により自分を変える
患者や問題の種類によって差別をしない
臓器、人にとどまらず、家庭、地域を視点
生物学的問題だけでなく、心理社会的問題も重視
診察室に来ない人も考慮
本コースの目標(名郷担当分)
1.EBMの概要を理解する
2.P-drugとEBMの関連を理解する
3.EBM実践のための資源を知る
4.情報収集の基本を身につける
5.批判的吟味の基本を身につける
6.EBMの教育法を知る
シナリオ
72歳男性、生来健康であった.66歳の妻が
高血圧で治療中、最近家庭用血圧計を購入
し、自宅での血圧測定を行っている.そのた
め自分も何度か測定してみたところ、収縮期
血圧が160mmHgを越えることが多く、心配に
なり来院.
あなたならどうする?
老人の多くは高血圧で心配ない
症状がないので様子を見る
血圧で治療中の友人に相談
薬剤師に相談
すぐ医者へかかる
とりあえず検査してもらう
くすりをくれるように頼む
とりあえず検査したら
外来血圧:平均180mmHg
自宅血圧 :平均168mmHg
24時間血圧:平均170mmHg
どうも本当に血圧が高いようです
あなたならどうする?
老人の多くは高血圧で心配ない
症状がないので様子を見る
血圧で治療中の友人に相談
薬剤師や他の医師に相談
食事や運動に気をつける
医師に薬をくれるように頼む
そもそも血圧を下げた方がいいのだろうか?
高齢者の高血圧を放置すると....
脳卒中になる危険は?
心筋梗塞になる危険は?
心不全になる危険は?
寿命が短くなる危険は?
収縮期血圧と脳梗塞
あなたならどうする?
別に脳卒中になってもかまわないので放置
血圧で治療中の友人に相談
薬剤師や他の医師に相談
食事や運動に気をつける
医師に薬をくれるように頼む
高血圧以外ではこんな事が
心筋梗塞後に不整脈がある人には突然死が多い
ある人たちには不整脈の薬を、別の人たちにはニ
セ薬(プラセボ)を飲んでもらって、突然死が減るか
どうか検討
その結果は?
・不整脈は減少
・突然死は.........
CAST研究の結果
不整脈は減ったが死亡は増加した!
それでは高血圧では?
平均70歳の高齢者の高血圧患者に
ある人たちは血圧を下げる薬を、別の人
たちにはニセ薬を投与し、脳卒中や心臓
病がどうなるか検討
その結果は?
・血圧は下がった
・脳卒中は............
・死亡は...............
SHEP研究の結果
実線が実薬
あなたならどうする?
別に脳卒中になってもかまわないので放置
薬剤師や他の医師に相談
食事や運動で血圧を下げる
医師に薬をくれるように頼む
薬の害で悪くなるなら放置
高血圧の治療に至る研究の歴史
高血圧と脳卒中には関連があるらしい
(臨床経験、横断研究、患者調査、動物実験)
↓
高血圧患者に脳卒中が多い
(症例対照研究、コホート研究)
↓
高血圧の治療で脳卒中が減少
(ランダム化比較試験)
↓
目の前の患者にとっても高血圧の治療が有用
(臨床医の判断)
EBMとその関連語句
広義のEBM = いわゆるEBM
Evidence-based Medicine
Evidence-based Nursing
Evidence-based Pharmaceutical Care
Evidence-based Policy-making
Evidence-based Public Health
Evidence-based Dentistryなど
→ 狭義のEBM
EBMの5つのプロセス
1.患者の問題の定式化
2.問題についての情報収集
3.情報の批判的吟味
4.情報の患者への適用
5.1-4のステップの評価
シナリオ
72歳男性、生来健康であった.66歳の妻が
高血圧で治療中、最近家庭用血圧計を購入
し、自宅での血圧測定を行っている.そのた
め自分も何度か測定してみたところ、収縮期
血圧が160mmHgを越えることが多く、心配に
なり来院.
EBMの5つのプロセス
1.患者の問題の定式化
2.問題についての情報収集
3.情報の批判的吟味
4.情報の患者への適用
5.1-4のステップの評価
問題のカテゴリー
頻度
診断
予後・リスク
因果関係・副作用
治療・予防
費用
問題の定式化
Patient どんな患者に
Exposure 何をすると
Comparison 何に対して
Outcome どうなるか
PECO
Patient:高齢者収縮期高血圧患者に
Exposure:降圧剤を投与して
Comparison::投与しないのと比べて
Outcome:血圧が下がるか
脳卒中が減少するか
死亡が減少するか
真のアウトカム
陳旧性心筋梗塞患者
代用のアウトカム:不整脈
真のアウトカム:突然死、死亡
高血圧患者
代用のアウトカム:血圧
真のアウトカム:脳卒中、死亡
胃潰瘍患者のOutcome
胃内pH
治癒までの期間
胃潰瘍の再発
死亡
最もPatient-orientedなのは?
胃潰瘍患者の死亡の危険が
胃潰瘍患者のうち胃潰瘍で死亡するのは、1
万人に1人とすると
治療効果を死亡で見ること自体が問題
Patient-orientedといっても相対的なものに過ぎ
ない!
陳旧性心筋梗塞患者のOutcome
冠動脈動脈硬化の程度
狭心痛
心筋梗塞の再発
突然死
死亡
最もPatient-orientedなのは?
心筋梗塞患者が90歳で
これ以上の長生きはたくさんだと思っていたら
コロッと死にたいと思っていたら
死亡や突然死の減少にどんな意味があるのか?
死亡であっても、個別の患者では真のアウトカム
とは限らない
シナリオ2
患者の両親は、ともに脳卒中で寝たきりに
なったあと亡くなっており、患者自身も脳卒中
に対する不安が強い。しかし、ころっと死ねる
のならいいが、寝たきりになるくらいなら死ん
だ方がましで、高血圧の薬を飲むことに関し
ては、出来るだけ飲みたくないと考えている。
目の前の患者のアウトカム
血圧
脳卒中
高血圧による合併症全体
死亡
高血圧に対する不安
その他
Step1 問題の定式化
個別行動目標
 臨床上の疑問をカテゴリー別に分類できる
 臨床上の疑問をPECOで定式化できる
 患者中心のOutcomeの設定ができる
Step1.実践のために
1.患者と積極的にコミュニケーション
2.自分の疑問でなく患者の疑問から
3.疑問に思ったらすぐ定式化
4.定式化したら書き留める
5.主治医と積極的にコミュニケーション
コミュニケーションの3原則
1.開かれた質問から
「どうしましたか?」
2.患者自身の「病気に対する思い」を尊重
「一番心配なことは何ですか?」
3.帰り際の一言に注目
帰り際に本音がでる!
ステップ1の実践を通して学んだこと
・患者からのエビデンスの面で
→何でも質問して下さいという態度の重要性
・外部のエビデンスの面で
→明確な根拠に基づく説明の重要性
ステップ1.問題の定式化から
ステップ2.情報収集へ
・患者の個別の問題の定式化
・情報検索のための問題の一般化
2つの問題のギャップをよく認識すること!
情報収集のためのPECO
Patient:高齢者収縮期高血圧患者に
Exposure:降圧剤を投与して
Comparison:投与しないのと比べて
Outcome:脳卒中が減少するか
EBMの5つのプロセス
1.患者の問題の定式化
2.問題についての情報収集
3.情報の批判的吟味
4.情報の患者への適用
5.1-4のステップの評価
情報の3つの情報
妥当性 妥当性が高いほど
関連性 関連性が高いほど
患者の疑問に一致するほど
労力 労力やコストが少ないほど
→ 臨床医にとって好ましい情報である
情報源の評価
情報の種類 労力 関連性 妥当性
経験、直感
病態生理
他の医師の意見
教科書
ガイドライン、総説
原著論文
小 大 小
小 大 小
小 大 中
中 中 中
中 中 大
大 中 大
医療従事者を取り巻く情報環境
頼みもしないのに送ってくる雑誌の山
自分の雑誌や教科書の山
MRが持ってくるパンフの山
壁には医学講演会の広告が十数枚
インターネットでは星の数ほどある医学関連
のサイト
Scott Richardsonの場合
(EBMの教科書の著者の一人)
臨床実習を始めた頃、山のような参考文献を渡され
て同僚が言うには、「誰も読んでいないよ」
臨床疫学と批判的吟味との出会い
理屈としてのやり方を理解
理屈を日常道具に
日常道具としての情報
→ これがEBMの本質
臨床疫学からEBMへ
勉強から実践へ
理論から行動へ
理想の根拠から手に入る最善の根拠へ
MEDLINE
米国国立医学図書館
 National Library of Medicine(NLM)
1966年以降
70ヶ国以上、4000誌
1100万件以上
無料で提供 (PubMed etc)
MeSHとtree構造
Nervous System Diseases
Central Nervous System Diseases
Brain Diseases
Cerebrovascular Disorders
Carotid Artery Diseases
Cerebral Embolism& Thrombosis
Cerebral Hemorrhage
Hematoma, Epidural
Hematoma, Subdural
Subarachnoid Hemorrhage
Cerebral Infarction
HypertensionのSubheading(一部)
1 ae Adverse Effects
---------------------------------------------------------------------------
9 de Drug Effects
10 dh Diet Therapy
11 di Diagnosis
12 dt Drug Therapy
---------------------------------------------------------------------------
17 ep Epidemiology
18 et Etiology
---------------------------------------------------------------------------
24 mo Mortality
27 pc Prevention & Control
---------------------------------------------------------------------------
37 th Therapy
検索論文の一例
AU - SHEP Cooperative Research Group
TI - Prevention of stroke by antihypertensive drug treatment in older
persons with isolated systolic hypertension. Final results of the Systolic
Hypertension in the Elderly Program (SHEP).
AB - OBJECTIVE. To assess the ability of antihypertensive drug
treatment to reduce the risk of nonfatal and fatal (total) stroke in
isolated
MH - Aged, Aged, 80 and over, Antihypertensive Agents/*TU,
Atenolol/CT/TU, Cause of Death, Cerebrovascular Disorders/MO/*PC
PT - Clinical Trial, Multicenter Study, Randomized Controlled Trial
SO - JAMA 1991 Jun 26;265(24):3255-64
DP - 1991 Jun 26
PG - 3255-64
検索式の一例
#1 44595 exp HYPERTENSION / dt, pc, th
#2 43671 SYSTOLIC
#3 965989 exp AGED /
#4 94514
RANDOMIZED CONTROLLED TRIAL IN PT
#5 782 #1 & #2 & #3 & #4
#6 112845
exp CEREBROVASCULAR DISORDERS /
#7 30 #5 and #6
カテゴリー毎の論文選択基準
1. 治療 ランダム割付
真のエンドポイント
2. 診断 感度、特異度が求められる
3. 予後 コホート研究
4. 因果関係 コホート研究、症例対照研究
RCT、メタ分析
選ばれた二つの原著論文
1. SHEP Cooperative Research Group. Prevention of
stroke by antihypertensive drug treatment in older
persons with isolated systolic hypertension. Final
results of the Systolic Hypertension in the Elderly
Program (SHEP). JAMA. 1991;265:3255-64.
2. Staessen JA, Fagard R, Thijs L, et al. Randomised
double-blind comparison of placebo and active
treatment for older patients with isolated systolic
hypertension. The Systolic Hypertension in Europe
(Syst-Eur) Trial Investigators. Lancet
1997;350(9080):757-64.
臨床統計解析学(2003.5.16)
EBMの5つのプロセス
1.患者の問題の定式化
2.問題についての情報収集
3.情報の批判的吟味
4.情報の患者への適用
5.1-4のステップの評価
Step1 問題の定式化
個別行動目標
 臨床上の疑問をカテゴリー別に分類できる
 臨床上の疑問をPECOで定式化できる
 患者中心のOutcomeの設定ができる
お薦めの4つのデータベース
Clinical Evidence
UpToDate
Cochrane Library
Best Evidence
南江堂洋書部
TEL 03-3811-9950
FAX 03-3811-5031
コクランライブラリー
Archiebald Cochrane
「全ての医学的介入の評価にはランダム化比
較試験が必要で、それらの情報が収集、要
約、アップデートされ、必要な人に伝えられる
べき」
システマティックレビュー
特定の課題について
系統的に
情報収集と批判的吟味をし
治療・予防の有効性の情報を提供する
CD-ROM 年4回の改訂
MeSHで検索可能
Cochrane Library
1. The Cochrane Database of Systematic Review
(CDSR)
2. Database of Abstracts of Reviews of Effectiveness
(DARE)
3. The Cochrane Central Register of Controlled Trial
(CENTRAL)
4. The Cochrane Methodology Register (CMR)
5. Health Technology Assessment Database (HTA)
6. NHS Economic Evaluation Database (NHS EED)
コクランレビューの一例
メタ分析の見方
四角がオッズ比
オッズ比が1より小さい
→治療が有効
横棒が95%信頼区間
横棒が1の縦線と交わらない
→危険率0.05で統計学的有意
オッズ比が、1より小で
95%信頼区間は1を含まない
→統計学的にも有効な治療
コクランレビューの各論文の結果
ACP Journal Club
Evidence-Based Medicine
 1991発刊(ACP)
 1995発刊(EBM)
 アメリカ内科学会
 1論文1ページ
 構造化抄録(Structured Abstract)
 専門家のコメント
 主要雑誌のみを対象
 2ヶ月に一度
 磁気媒体
Best Evidence
構造化抄録(Structured Abstract)
メニュー形式
総合医学誌が採用
(AIM,JAMA,BMJなど)
論文を読む側に立った抄録
治療の論文の構造化抄録
Objective(目的)
→最近「Question」に変更
Design(研究デザイン)
Setting(研究が行われた場所、設定)
Patients(対象患者)
Intervention(治療法)
Main outcome measures(主なアウトカム)
Main results(主な結果)
Conclusion(結論)
Clinical Evidence
1999年
BMJとACPが共同して創刊(現在はBMJ単独)
日常的な臨床介入に対する効果を要約
6ヶ月ごとに改定
Recommendationの提示を目標にしていない
Step4の作業は臨床医の仕事であることを強調
2001年9月日本語訳が出版
ホームページwww.clinicalevidence.com/(現在3ヶ月間無料)
UpToDate
Evidenceに基づくCD-ROM版の教科書
年3回改訂
数秒で目的の項目へ
画像、図表も豊富
参考文献のMEDLINEの抄録まで
www.uptodate.com/ で1週間無料
UpToDateのカバーする領域
Adult Primary Care
Allergy & Immunology
Cardiology
Critical Care
Family Practice
Hypertension
Nephrology
Neurology
Endocrinology
Rheumatology
Gynecology &Obstetrics
Oncology
Pediatrics
Drug Information
Pulmonary
Hematology
Hepatology
Gastroenterology
Infectious Disease
Women’s Health
UpToDateをみる
収縮期高血圧に対する薬剤の効果
降圧治療は有効である
拡張期血圧の下げ過ぎによる冠動脈疾患増加
の危険が指摘されていたが、2つのランダム化
比較試験の結果(SHEP、Syst-Eur)から、その害
についてはほぼ否定されている
UpToDateより
降圧治療により脳卒中が減少する!
二次情報のまとめ
Cochrane Library
多くの論文を1つに
Best Evidence
1つの論文を1ページに
Clinical Evidence
レビューも原著も1つに
UpToDate
すべて一項目に
PubMedのclinical queries
Therapy, Diagnosis, Prognosis, Etiology の
いずれかを選択
sensitivityの高い検索(見落としが少ない)か、
specificityの高い検索(はずれのない論文へ
の絞込み)のいずれかの選択
主な検索語句を入力して検索開始
PubMedのclinical queries
情報源の使い分け
 まず、 Clinical Evidence、 UpToDate
 次に、 Cochrane Library、 Best Evidence
 それでだめならMEDLINE(clinical queries)
 楽な勉強法こそEBMの王道
 勉強が大変と感じたら、EBMから遠ざ
かっている?
Step2 情報収集
個別行動目標
1. 情報源の種類と特徴を理解する
2. MEDLINEの文献情報の構造を理解する
3. MEDLINE検索の標準的な検索式を知る
4. 検索された文献リストから重要な論文を選
び出せる
5. 主要な二次資料が利用できる
Step2.実践のために
1.教科書は仕事場に
2.仕事場にコンピュータを
3.二次資料の積極利用
4.だめもとで検索する
5.検索は3分以内に
6.より簡単な勉強法を探す
7.DI室を情報センターに!
選ばれた二つの原著論文
1. SHEP Cooperative Research Group. Prevention of stroke
by antihypertensive drug treatment in older persons with
isolated systolic hypertension. Final results of the Systolic
Hypertension in the Elderly Program (SHEP). JAMA.
1991;265:3255-64.
2. Staessen JA, Fagard R, Thijs L, et al. Randomised double-
blind comparison of placebo and active treatment for older
patients with isolated systolic hypertension. The Systolic
Hypertension in Europe (Syst-Eur) Trial Investigators.
Lancet 1997;350(9080):757-64.
EBMの5つのプロセス
1.患者の問題の定式化
2.問題についての情報収集
3.情報の批判的吟味
4.情報の患者への適用
5.1-4のステップの評価
情報の表す3つのもの
 真実
 バイアス
 偶然
情報の表す3つのもの
真実
バイアス
研究デザインの吟味
偶然
統計学の適用法の吟味
バイアスを取り出す
朝御飯を食べるかどうかをアンケートで、成
績を大学の資料より調査
朝御飯食べない学生の平均点は、食べる学
生に比べ、統計学的に有意に低かった
結論:朝御飯を食べないと成績が下がる
バイアスの種類
選択バイアス
測定(情報)バイアス
交絡因子
3つのバイアスで考える
選択バイアス
アンケートに答えたのは30%
情報バイアス
大学当局の調査だとわかっていたため、成績のよい
優等生の中に、食べていないのに食べたと答えた
学生が多くいた
交絡因子
朝御飯を食べない学生は、勉強時間も短く、授業へ
の出席率も低かった
偶然の影響を考える
調査1
朝御飯のみについて調査
→ 朝御飯と成績が関連
調査2
朝御飯のほか、昼御飯、晩御飯、間食、夜食、飲酒、
喫煙、運動、睡眠時間、についても調査
→ 朝御飯のみが成績と関連
どちらの結果に偶然の影響が小さいか?
偶然の影響を考える
1. 1個の仮説(朝御飯と成績の関連)を立て、そ
の仮説を検定して統計学的に有意であった
2. 10個の仮説(朝御飯を含む)を立て、そのうち
の一つ(朝御飯との関連)が統計学的に有意
であった
偶然の影響が小さいのはどっち?
偶然の影響を計算する
1回の検定であれば 0.05
10回の検定なら、少なくとも1つ有意になる確
率は(それぞれの因子が独立と仮定)
1-(1-0.05)10= 0.4
研究規模の設定
大規模臨床試験はどれくらい大規模であればよい
のか?
100例
200例
500例
1000例
10000例
さてどれでしょう。またその理由は?
研究規模の違い
高血圧の臨床試験は、両群で3000例
ピロリ菌除菌の臨床試験は、両群で100例
なぜこんなに規模が違うのだろう
効果の大きさと有意差の矛盾
論文1:治療薬A群での治癒率60%、治療群B
群での治癒率50%で、治療薬Aの治癒率が、
危険率5%で統計学的にも有意に優れていた
論文2:治療薬A群での治癒率60%、治療群B
群での治癒率30%で、治療薬AとBの有効率
には統計学的な有意差は認められなかった
研究規模とβエラー
論文1は、10%の差を有意と言える規模で行
われた
論文2は、60%の差がないと有意と言えない
規模で行われた
研究規模は
→ 1の方が大きく、2はβエラーの可能性
二つの大規模試験
ピロリ菌除菌療法
80%再発する患者の再発を80%減少
50例で統計学的有意差あり
コレステロール低下療法
年率数%の心筋梗塞を30%減少
3000例でようやく統計学的有意差あり
どちらも大規模試験!
研究規模を決めるもの
1.対象疾患の発症率
2.治療効果
3.危険率:αエラー
差がないのにあるとするエラー
4.βエラー(検出力:1-β)
差があるのにないとするエラー
あわてん坊のα(アルファ)
ぼんやりβ(ベータ) と覚えよう!
研究規模の設定法
1.発症率を観察研究から設定
2.治療効果を相対危険から逆算
3.αを0.05未満に設定
4.βを0.1-0.2に設定
偶然の影響のまとめ
少数の仮説に限って検討しているか
適切な規模で検討しているかどうか
無意味に大規模でないか
意味のある差を見逃さないか
研究仮説を読みとる
1. 研究仮説をPECOで定式化
2. 研究仮説を分類
研究開始以前に設定されたか?
優先順位は明確か?
解析対象は全体か?
論文のPECO
Patient:高齢者収縮期高血圧患者に
Exposure:利尿剤+ベータ遮断薬を投与して
Comparison:プラセボと比べて
Outcome:脳卒中が減少するか
SHEP研究の研究仮説
一次アウトカム
脳卒中の減少
二次アウトカム
1)心血管死及び発症
2)原因が特定できる死亡
3)痴呆、うつ、認知機能障害
4)副作用
5)入院や施設への入所
6)転倒と骨折
7)Quality of Life
サブグループ仮説
1)研究開始時点での降圧療法の有無による治
療効果の違い
2)心電図異常の有無による突然死、虚血性心
疾患に対する治療効果の違い
研究規模の設定法
1.発症率を観察研究から設定
2.治療効果を相対危険から逆算
3.αを0.05未満に設定
4.βを0.1-0.2に設定
SHEP研究の研究規模の設定
一次アウトカムである脳卒中について
5年間の追跡で
1.対象疾患の発症率:1.6%
2.治療効果:32%
3.危険率:0.05
4.検出力(1-β):0.90
4800例必要
偶然、バイアスの少ない研究仮説
1. 研究開始前に設定され
2. 優先順位が高く
3. 全体を対象とした
4. 研究規模の設定法が明確な
研究仮説ほど偶然、バイアス
の影響が少ない
論文の批判的吟味の公式1
1. 論 文 の Patient 、 Exposure 、 Comparison 、
Outcomeは何か
2. 研究仮説は明確か
3. 研究規模の設定法が述べられているか
4. 仮説に対応した解析がなされているか
5. デザインに即した統計手法が用いられている
か
論文のPECO
Patient:高齢者収縮期高血圧患者に
Exposure:利尿剤+ベータ遮断薬を投与して
Comparison:プラセボと比べて
Outcome:脳卒中が減少するか
公式1による論文のまとめ
一次アウトカム
脳卒中を減らすかどうか
研究規模の設定法
α:0.05 β:0.1
脳卒中発生率:1.6% 予想される治療効果:32%
仮説に対応して解析
Coxの比例ハザードモデル
EBPC(2003.5.23)
Step2 情報収集
個別行動目標
1. 情報源の種類と特徴を理解する
2. MEDLINEの文献情報の構造を理解する
3. MEDLINE検索の標準的な検索式を知る
4. 検索された文献リストから重要な論文を選
び出せる
5. 主要な二次資料が利用できる
情報の表す3つのもの
真実
バイアス
研究デザインの吟味
偶然
統計学の適用法の吟味
バイアスの種類
選択バイアス
測定(情報)バイアス
交絡因子
論文の批判的吟味の公式1
1. 論 文 の Patient 、 Exposure 、 Comparison 、
Outcomeは何か
2. 研究仮説は明確か
3. 研究規模の設定法が述べられているか
4. 仮説に対応した解析がなされているか
5. デザインに即した統計手法が用いられている
か
論文のPECO
Patient:高齢者収縮期高血圧患者に
Exposure:利尿剤+ベータ遮断薬を投与して
Comparison:プラセボと比べて
Outcome:脳卒中が減少するか
公式1による論文のまとめ
一次アウトカム
脳卒中を減らすかどうか
研究規模の設定法
α:0.05 β:0.1
脳卒中発生率:1.6% 予想される治療効果:32%
仮説に対応して解析
Coxの比例ハザードモデル
二重盲検とランダム化
バイアスが少ないのは
二重盲検試験
ランダム化試験
二重盲検ランダム化試験
臨床試験-例1
A病院の20人の胃潰瘍患者に新薬Aを投与
B病院の20人の胃潰瘍患者に従来薬Bを投与
A病院での治癒率が80%
B病院での治癒率が40%
バイアスの可能性
治療施設の違い
B病院は高度専門医療機関
A病院は一般病院
臨床試験-例2
 A病院の40人の胃潰瘍患者
性、年齢、潰瘍部位、病期、罹病期間をあわせて2群に分ける
一方に新薬Aを投与、もう一方に新薬Bを投与
新薬Aの治癒率が80%
新薬Bの治癒率が40%
 バイアスの可能性
未知の背景因子の違い
既知の因子は揃えることが可能
未知の因子は揃えることが不可能
ランダム化の重要性
既知の因子はマッチングでも等しく割り付け可能、し
かし、エンドポイントを左右する因子が全てわかってい
るわけではない
↓
未知の因子についても等しく割り付けることが出来る
(交絡因子の排除)
世界初のRCTは1948年の結核のSMのトライアル
ランダム化の様々な問題
ランダム化と準ランダム化
中央管理と施設管理
Concealment(隠蔽:いんべい)
層別
日付や曜日、カルテ番号でなく、
乱数などで割り付けされ
中央管理され、
割付が隠蔽されたランダム化がよい
臨床試験の開始から終了までに何が起こるか
胃潰瘍患者200人をランダムに割り付けたとこ
ろ、103人が治療群、97人がプラセボ群に割
り付けられた。4週間の治療期間において、
治療群では25人が薬の服用を中止、プラセ
ボ群では31人が実薬を服用した。
あなたはどちらの解析を支持?
ランダム化により、103人が治療群、97人がプラセボ
群に割り付けられた。
解析1:脱落者を除き、治療を完了した治療群78人、
プラセボ群66人で治療効果を検討したところ、治癒
患者はそれぞれ72人(92%)、33人(50%)であった。
解析2:脱落者も治療完了者と同様に潰瘍の治癒の
有無を評価し、解析に組み入れたところ、治癒患者
はそれぞれ84人(81%)、57人(59%)であった。
ITTについて考える
どんな人が脱落しやすいか
脱落者を除いた患者背景はどのように変化
するか
その結果どんなバイアスが入り込むか
見かけの治療効果はどうなるか
現実の医療での脱落率は臨床試験に比べど
うか
ITT解析の利点と欠点
患者背景が維持される
割付時に排除したバイアスを維持できる
現実の医療をよく反映する
臨床試験のコンプライアンスは現実の医療よりよいのが
普通
治療効果を過小に評価する
過小評価しても有効なら問題ない
薬自体の効果を判断しにくい
臨床試験の目的は薬の効果でなく、臨床での医療行為の
効果の判定
Intention to Treat(ITT)の意味
薬物の効果を評価するのでない
薬物を投与しようとする医療行為を評価する
薬はちゃんと飲まれるものだという理想は現実
の医療にそぐわない
追跡率
トライアル終了まで追跡した割合
プロトコールを守った割合
一般的には前者を追跡率とする
率だけでなく、平均期間、最小、最大にも注意する
ITTでは研究後一度でもエンドポイントが評価されて
いれば解析に組み入れることが出来るため、追跡
率のチェックは重要である
ランダム化とITTのまとめ
ITT解析
On treatment 解析
情報の独立した評価
情報を測定、評価するところにバイアスあり
(情報バイアス)
情報を測定、評価する人たち
患者、医師、診断をする医師、解析担当者
盲検(独立した評価)
患者:一重盲検
患者、医師:二重盲検
患者、医師、解析者:三重盲検
論文を書く人:四重盲検?
二重盲検とは、
情報の独立した評価の中での一部に過ぎない!
患者背景の類似性
ランダムに割付けたのだから、そろっている
はずじゃ?
バイアスは除けても、偶然は排除できない
小規模トライアルの弱点
4人兄弟で男か女が3人
(4C3*2)/24=1/2
4人兄弟で男と女が2人づつ
(4C2)/24=3/8
ある程度の規模でないとランダムに割り付けても背
景はそろわない
大規模でそろっていなければランダム化そのものに
問題
患者背景の差の見方
参加者の喫煙者の割合が
トライアルAは
20%と40%で有意差なし
トライアルBは
20%と30%で有意差あり
どういうことだろう?
先の例を実数でみてみると
トライアルA 全症例数が10
1/5と2/5で有意差なし
トライアルB 全症例数5000
500/2500と750/2500で有意差あり
患者背景は実数でみる
検定結果に惑わされるな!
最近の論文では検定していない!
併用療法の違い
喘息発作に対するステロイド吸入の効果
β刺激剤の吸入、キサンチン製剤の内服の頻度
ステロイド群:週に数回の使用
プラセボ群:1日平均1回の使用
・β刺激剤とキサンチンの効果により差が薄められる
・β刺激剤とキサンチンによる副作用の減少が差を大
きくする
治療の論文批判的吟味の公式
第一のガイド
・ランダム割付か
・解析時のランダム化の保持
ITT解析、追跡率
第二のガイド
・情報の独立した評価
・患者背景の類似性
・評価対象外の治療
公式と制御できるバイアスの対応
ランダム割付か
解析時のランダム化の保持
情報の独立した評価
患者背景の類似性
評価対象外の治療
→ 交絡因子の制御
→ 情報バイアスの制御
→ 偶然による交絡因子
→ 割付以後の交絡因子
選択バイアスは制御できない!
SHEPを公式で読む1
第一のガイド
ランダム割付
中央管理
解析時のランダム化の保持
ITT解析
追跡率99.8%
SHEPを公式で読む2
第二のガイド
情報の独立した評価
三重盲検(患者、医師、診断医師)
患者背景の類似性
問題なし
評価対象外の治療
カリウムの投与割合不明
相対危険
治療群とプラセボ群の発生率の比
暴露群と非暴露群の発生率の比
1. 累積罹患率比
2. 罹患率比
3. ハザード比
4. オッズ比
人年データの前向き研究では、ハザード比がよく用
いられる
解析法の選択
背景因子の調整が不要な場合
前向き:累積罹患率比 (罹患率比)
後ろ向き:オッズ比
背景因子の調整が必要な場合
前向き:ハザード比(比例ハザードモデル)
後ろ向き:オッズ比(ロジスティックモデル)
頻度比較のための指標
1.相対指標(比)
相対危険:RR
相対的な治療効果を反映
2.絶対指標(差)
罹患率差:ARR
罹患率差の逆数:NNT
罹患率を反映
治療効果を表す各指標
1. Relative Risk (RR)
(a/N1) / (b/N0)
2. Relative Risk Reduction (RRR)
(b/N0 - a/N1) / (b/N0) = 1-RR
3. Absolute Risk Reduction (ARR)
(b/N0 - a/N1)
4. Number needed to Treat (NNT)
1 / (b/N0 - a/N1)
治療群 対照群
症例 a b
非症例 c d
N1 N0
実例で考える
累積罹患率 例1 例2
治療群 10% 1%
プラセボ群 20% 2%
RR: 10/20=0.5 1/2=0.5
ARR: 0.2-0.1=0.1 0.02-0.01=0.01
NNT: 1/0.1=10 1/0.01=100
比だけでみると1も2も同じ、両方でみる必要性
NNTだけではだめ?
累積罹患率 例1 例2
治療群 50% 1%
プラセボ群 51% 2%
RR: 50/51=0.98 1/2=0.5
ARR: 0.51-0.50=0.01 0.02-0.01=0.01
NNT: 1/0.01=100 1/0.01=100
やはり両方での評価が必要
検定・区間推定
研究参加者の結果から母集団(高血圧患者
全体)を類推する
論文結果:脳卒中を36%減少
1.検定
母集団:減少が0%以下である確率が0.0003
2.区間推定
母集団:脳卒中を18-50%減少
帰無仮説と検定
帰無仮説:( )という仮説
帰無仮説が正しい確率=( )
帰無仮説が正しい確率が小さい
一般には( )未満
帰無仮説が正しくない
帰無仮説を( )
差が( )と判定
帰無仮説と検定
帰無仮説:(差がない)という仮説
帰無仮説が正しい確率=(危険率)
帰無仮説が正しい確率が小さい
一般には(0.05)未満
帰無仮説が正しくない
帰無仮説を(棄却)
差が(ある)と判定
危険率0.05の直感的理解
巨人と阪神とどちらが強いか?
帰無仮説:巨人と阪神は強さに差はない
勝つ確率はどちらも1/2
巨人が阪神に3連勝した! (1/2)3=1/8=0.125
巨人が阪神に4連勝した (1/2)4=1/16=0.0625
巨人が阪神に5連勝した (1/2)5=1/32=0.03125
5連勝すれば巨人が強いと言っていいだろう(危険
率0.05未満、片側検定)
標本から母集団を類推する
母集団
標本 36%減少
15-50%減少
区間推定
信頼区間と危険率
RR=0.7、P=0.03
95%信頼区間 0.5-0.9
0.7
1
0.90.5 95%信頼区間
片側検定
RR=0.7、P=0.030.7
1
この部の
面積が
0.03
両側検定
RR=0.7、P=0.030.7
1
この部分の面積の和が0.03
信頼区間と危険率:練習問題
RR=0.6、P=0.02
95%信頼区間 0.4-0.8
( )
1
( )( ) 95%信頼区間
( )%信頼区間
信頼区間と危険率:練習問題解答
RR=0.6、P=0.02
95%信頼区間 0.4-0.8
0.6
1
0.80.4 95%信頼区間
98%信頼区間
信頼区間の威力1
有意差がない場合
→信頼区間の下限をチェック
RR=0.85
p=0.15
95%信頼区間 0.60-1.15
RRは0.60くらいかもしれない!
信頼区間の威力2
有意差がある場合
→信頼区間の上限をチェック
RR=0.64
p=0.0003
95%信頼区間 0.50-0.82
本当のRRは、0.82くらいかもしれない!
p値だけではこのような判断が出来ない
統計学的有意差
治療群:19.9%脳卒中発症
プラセボ群:20%脳卒中発症
0.1%の差は統計学的にも有意であった?
→ サンプルサイズを大きくすればどんな小さ
な差でも統計学的には有意と言える!
統計学的有意差の決定因子
差の大きさ
差が大きいほど、有意差がでやすい
研究規模(サンプルサイズ)
研究規模が大きいほど、 有意差がでやすい
検定結果を吟味する
統計学的有意差と臨床的有意差
統計学的に差がない
→ 研究規模は十分か?
(βエラーの可能性はないか)
統計学的に差がある
→ 臨床的に意味のある差か?
(無意味な差を統計的に有意としていないか)
結果の読み方
研究仮説に沿って読む
さまざまな指標で評価する
 相対指標 : 相対危険
 絶対指標 : 治療必要数
確率的なものとして読む
 95%信頼区間
実数で評価する
 治療群でのイベント率
 プラセボ群のイベントなしの率
計算演習
表4.の5年間の累積罹患率からRR、ARR、
NNTを計算(治療群5.2%、プラセボ群8.2%)
RR = 5.2/8.2 = 0.63
ARR = 0.082-0.052 = 0.03
NNT = 1/0.03 = 33.3
結果の見方の具体例1
脳卒中(第一の仮説)について(平均4.5年)
治療群 103/2365
対照群 159/2371
・相対指標:相対危険
0.64 (0.50-0.82)
・絶対指標:治療必要数
33(5年間) (23-63)
公式に沿った結果のまとめ1
第一の仮説 脳卒中について
相対危険 0.64
→36%しか減らさない
治療必要数 33
→32人は無駄に薬を飲んだ
信頼区間 RR: 0.50-0.82、 NNT: 23-63
→少なく見積もると18%しか減らさない
治療しても103人(5%)が脳卒中
治療しなくても2212人(93%)は脳卒中にならない
結果の見方の具体例2
心血管疾患(第二の仮説)について(平均4.5年)
治療群 289/2365
対照群 414/2371
・相対指標:相対危険
0.68 (0.58-0.79)
・絶対指標:治療必要数
18(5年)
公式沿った結果のまとめ2
相対危険 0.68
→32%しか減らさない
治療必要数 18
→17人は無駄に薬を飲んだ
信頼区間
→少なく見積もると21%しか減らさない
治療しても289人(12%)が心血管疾患
治療しなくても1957人(83%)は心血管疾患にならない
偶然の可能性は大きい(二次アウトカム)
二次アウトカム結果のまとめ
二次アウトカム 治療群 プラセボ群
心血管事故 289 414
死亡 213 242
痴呆 37 44
うつ 104 112
副作用 28.1% 20.8%
入院、入所 1027 1086
転倒 12.8% 10.4%
骨折 2.4% 2.0%
二次アウトカムの検定結果については偶然の影響が大きい
偶然の影響を補正する
1. 1回の検定であれば 0.05
2. 5回の検定なら、少なくとも1つ有意になる確率は
(それぞれの因子が独立と仮定)
1-(1-0.05)5= 0.23
3. 10回の検定なら
1-(1-0.05)10= 0.4
→ 0.05X5=0.25、0.05X10=0.5
検定の数をかけると近似できる(ボンフェローニ補正)
多重比較とボンフェローニ補正(例)
p値 補正値
脳卒中 0.0003 0.003
心血管事故 0.02 0.2
死亡 0.06 0.6
痴呆 0.20 -
うつ 0.15 -
副作用 0.63 -
入院、入所 0.03 0.3
転倒 0.08 0.8
骨折 0.06 0.6
QOL 0.01 0.1
同時に検定する数10をp値にかける
歩きながら論文を読む
論文のPECOを読む
構造化抄録の利用
ランダム化かどうか読む
まず表題、次に抄録
ITT解析かどうか読む
患者背景の表と結果の表から
一次アウトカムの結果を読む
Primaryという単語、研究規模の設定に用いたアウトカム
Step3.実践のために
1.心にいつも
「真実、バイアス、偶然」
2.優れた二次資料の利用
3.まず抄録だけは読む
4.論文は歩きながら読む
5.仲間と読む
EBPC(2003.5.30)
二次アウトカム結果のまとめ
二次アウトカム 治療群 プラセボ群
心血管事故 289 414
死亡 213 242
痴呆 37 44
うつ 104 112
副作用 28.1% 20.8%
入院、入所 1027 1086
転倒 12.8% 10.4%
骨折 2.4% 2.0%
二次アウトカムの検定結果については偶然の影響が大きい
偶然の影響を補正する
1. 1回の検定であれば 0.05
2. 5回の検定なら、少なくとも1つ有意になる確率は
(それぞれの因子が独立と仮定)
1-(1-0.05)5= 0.23
3. 10回の検定なら
1-(1-0.05)10= 0.4
→ 0.05X5=0.25、0.05X10=0.5
検定の数をかけると近似できる(ボンフェローニ補正)
多重比較とボンフェローニ補正(例)
p値 補正値
脳卒中 0.0003 0.003
心血管事故 0.02 0.2
死亡 0.06 0.6
痴呆 0.20 -
うつ 0.15 -
副作用 0.63 -
入院、入所 0.03 0.3
転倒 0.08 0.8
骨折 0.06 0.6
QOL 0.01 0.1
同時に検定する数10をp値にかける
歩きながら論文を読む
論文のPECOを読む
構造化抄録の利用
ランダム化かどうか読む
まず表題、次に抄録
ITT解析かどうか読む
患者背景の表と結果の表から
一次アウトカムの結果を読む
Primaryという単語、研究規模の設定に用いたアウトカム
Step3.実践のために
1.心にいつも
「真実、バイアス、偶然」
2.優れた二次資料の利用
3.まず抄録だけは読む
4.論文は歩きながら読む
5.仲間と読む
Step3. 批判的吟味
個別行動目標
1. 治療の論文に批判的吟味の公式を適用
できる
2. 治療効果を表す指標の種類と特徴が言え
る
3. 危険率、信頼区間の説明ができる
SHEPを公式で読む1
第一のガイド
ランダム割付
中央管理
解析時のランダム化の保持
ITT解析
追跡率99.8%
SHEPを公式で読む2
第二のガイド
情報の独立した評価
三重盲検(患者、医師、診断医師)
患者背景の類似性
問題なし
評価対象外の治療
カリウムの投与割合不明
公式に沿った結果のまとめ1
第一の仮説 脳卒中について
相対危険 0.64
→36%しか減らさない
治療必要数 33
→32人は無駄に薬を飲んだ
信頼区間 RR: 0.50-0.82、 NNT: 23-63
→少なく見積もると18%しか減らさない
治療しても103人(5%)が脳卒中
治療しなくても2212人(93%)は脳卒中にならない
EBMの5つのプロセス
1.患者の問題の定式化
2.問題についての情報収集
3.情報の批判的吟味
4.情報の患者への適用
5.1-4のステップの評価
シナリオ
72歳男性、生来健康であった.66歳の妻
が高血圧で治療中、最近家庭用血圧計を購
入し、自宅での血圧測定を行っている.その
ため自分も何度か測定してみたところ、収縮
期血圧が160mmHgを越えることが多く、心配
になり来院.
シナリオ2
患者の両親は、ともに脳卒中で寝たきりに
なったあと亡くなっており、患者自身も脳卒中
に対する不安が強い。ころっと死ねるようなら
いいが、寝たきりになるくらいなら死んだほう
がましだと思っている。ただ高血圧の薬を飲
むことに関しては、出来るだけ飲みたくないと
考えている。
患者への適用の公式
1. 論文の患者と目の前の患者は結果が適用
できないほど異なっていないか?
2. 臨床上重要なすべてのアウトカムが評価さ
れたか?
3. コストや害を上回る効果が期待できるか?
論文患者と目の前の患者をつなぐ
サブグループ分析
目の前の患者に似た患者を取り出して解析
Sackettの「F」
目の前の患者でのNNTの計算
論文の患者と目の前の患者
 論文の患者
年 齢 60-85 歳 、 平 均 72 歳 、 収 縮 期 血 圧 160-
220mmHg、平均170mmHgの合併症のない患者
 実際の患者
降圧薬の服用歴はなく、心電図異常もない72歳
の男性
サブグループ分析
全対象者のうち、一部の対象者での分析
もともと降圧剤の服用中の人だけ
心電図異常のある人だけ
男だけ
80歳以上だけ
βブロッカー追加した人だけ
服薬率80%以上の人だけ
サブグループ仮説
1)研究開始時点での降圧療法の有無による治
療効果の違い
2)心電図異常の有無による突然死、虚血性心
疾患に対する治療効果の違い
サブグループ分析の結果1
脳卒中について
治療歴あり 治療歴なし
RR(CI) 0.57(0.38-0.85 ) 0.69 (0.51-0.95)
心事故について
心電図異常 心電図正常
RR(CI) 0.69 (0.50-0.94) 0.83 (0.53-1.29)
*(CI:95%信頼区間)
→心電図正常者では効果がない?
サブグループ分析の問題点
ランダム化が保証されない
対象数減少によるβエラー
(差があるのにないとする)
多重比較によるαエラー
(差がないのにあるとする)
特に問題のあるサブグループ分析
研究開始以後に計画
多数行われたうちの一つ
研究開始以後の測定因子による
コンプライアンス
薬の投与量
治療の影響を受ける因子
降圧の程度
適切なサブグループ分析
1.治療効果の差が臨床的にも有用なほど大きいか
2.その差は統計学的に有意か
3.解析前に設定された仮説かどうか
4.少数行われたサブグループ分析の一つか
5.研究間の比較ではなくて研究内の比較か
6.他の研究でも同様な結果がでているか
7.仮説を支持する間接的な証拠があるか
SHEPのサブグループ分析1
心電図異常がある場合の効果
1. 相対危険で数十%減少
2. 統計学的に有意
3. 解析前に設定された仮説
4. 2つのサブグループ分析の1つ
5. 研究内比較
6. 同様な他の研究については不明
7. 観察研究結果に矛盾
→ ほぼ公式を満たす
SHEPのサブグループ分析2
心電図異常がない場合の効果
1. 相対危険で数十%減少
2. 統計学的に有意でない
3. 解析前に設定された仮説
4. 2つのサブグループ分析の1つ
5. 研究内比較
6. 同様な他の研究については不明
7. 観察研究結果に矛盾
→ 有意でないのはβエラーの可能性
目の前の患者に戻って
論文の患者:年齢60-85歳、平均72歳、収縮期血圧
160-220mmHg、平均170mmHgの合併症のない患
者
実際の患者:ふとり気味で、たばこを1日に20本吸
い、酒を2合飲み、父親も母親も脳卒中でなくなって
いるが、血圧の薬はできるだけ飲みたくないし、塩
辛いものも好きなだけ食べ、できればコロッと死に
たいと考えている、72歳の上の血圧が平均160を越
える男性
すべてのアウトカムを考慮したか
この患者のアウトカムを左右するものは?
薬を飲むかどうか
重篤な薬の副作用がでるかどうか
どれくらいの医療費の負担なら可能か
脳卒中以外の高血圧関連の合併症
高血圧と無関係な病気
転倒、交通事故など不慮の事故
家族の健康
ブラックジャックに学ぶアウトカム
こんな言葉をかけてあげたい!
高血圧だからといって全員脳卒中になってし
まうわけではないのですよ!
本当は脳卒中にならない人の方がずっと多
い(90%以上)のです。
今の日本人は世界で最も長生きです。若い
人たちに是非長生きの秘訣を伝えて下さい。
よりよい医療実践のために
論文に従うのでなく
論文を患者に生かす
目の前に患者で何が起こるかはわからない!
Step4. 患者への適用
個別行動目標
1. 論文の医療環境と実際の医療環境の違い
を指摘できる
2. サブグループ分析の問題点を指摘できる
3. 論文の情報を患者に正しくフィードバックで
きる
Step4.実践のために
1.よく話を聞く
2.主治医とよく相談する
3.よく説明する
4.チームとして患者に接する
再び、EBMとは?
患者からの情報 外部の情報
臨床判断
Step 1 Step 2、3
Step 4
統合
評価・反省 Step 5
EBMの実践:副作用編
シナリオ2
患者、60歳男性。10年来の糖尿病で治療中。
現在グリベンクラミド2.5mg/dayで、HbA1c7%
台のコントロール。尿蛋白、糖尿病性網膜症、
神経症は認めない。最近の3ヶ月の外来血圧
が平均160/90mmHg前後、現在サイアザイド
利尿薬を服用中。主治医はACE阻害薬を追
加したが咳がひどく服薬が困難であった。
主治医は低血糖の副作用が心配だがβ遮
断薬の投与を考えた。
Best Evidenceより
Curb JD, Pressel SL, Cutler JA, et al., for the
Systolic Hypertension in the Elderly Program
Cooperative Research Group. Effect of diuretic-
based antihypertensive treatment on
cardiovascular disease risk in older diabetic
patients with isolated systolic hypertension. JAMA.
1996;276:1886-92.
サブグループ分析の結果1
心血管事故全体について
糖尿病あり 糖尿病なし
RR 0.73 0.70
CI 0.54-0.98 0.60-0.89
脳卒中でみるとどのような結果が予想される
か?
サブグループ分析の結果2
糖尿病あり 糖尿病なし
 心血管事故全体
RR 0.73 0.70
CI 0.54-0.98 0.60-0.89
脳卒中
RR 0.78 0.62
CI 0.45-1.34 0.46-0.83
N 583 4149
UpToDateより
糖尿病合併高血圧に対するβ遮断薬の効果
低血糖症状のマスクや末梢動脈疾患の悪化の
可能性があるが、β遮断薬は糖尿病における高
血圧治療に有効である。II型糖尿病患者の
UKPDS研究において、アテノロールは血圧降下
作用、細血管合併症の予防の両方についてカプ
トプリルと同様の効果がある
シナリオ続き(副作用編)
患者は主治医よりβ遮断薬を処方され、低血
糖の危険について説明を受けたが、薬局で
薬を受け取るなりこうきり出した。
「この薬で、重症の低血糖が起きると聞いた
のですが........」
問題の定式化
Patient どんな患者に
Exposure 何をすると
Comparison 何に対して
Outcome どうなるか
問題の定式化
P:糖尿病合併高血圧患者
E:β遮断薬の投与
C:他の降圧薬
O:重篤な低血糖発作
情報収集1
コクランライブラリー
CDSRにシステマティック
レビューあり
低血糖についての解析はなし
ACP Journal Club
症例対照研究の1論文
情報収集2
UpToDate
・βブロッカーは低血糖マスクの危険がある
・ACE阻害薬も低血糖の危険を増加させる
Clinical Evidence
・明確な記載なし
情報収集2:MEDLINEの検索式
A) HYPOGLYCEMIA
B) ADRENERGIC ALPHA-ANTAGONISTS
C) ADRENERGIC BETA-ANTAGONISTS
D) ANGIOTENSIN-CONVERTING ENZYME INHIBITORS
E) ANTIHYPERTENSIVE AGENTS
F) CALCIUM CHANNEL BLOCKERS G) DIURETICS H) DIURETICS, THIAZIDE
I) *SUM BCDEFGH J) *ON A&I
U) COHORT STUDIES V) FOLLOW-UP STUDIES
W) LONGITUDINAL STUDIES
X) META-ANALYSIS Y) PROSPECTIVE STUDIES
Z) *SUM UVWXY
1A) CASE-CONTROL STUDIES 1B) RETROSPECTIVE STUDIES
1D) *SUM UVWXY1A1B
1E) *ON J&1D 11
MEDLINEから選んだ論文
選択基準
コホート研究、症例対照研究、メタ分析
症例対照研究:2論文
後向きコホート研究:1論文
(このうち1つはACPで検索され、残り2論文
はUpToDateの参考文献に採用)
→ ACP、UpToDateのみで十分!
原著論文にさかのぼる
 Herings, RM, de Boer, A, Stricker, BH, et al.
Hypoglycaemia associated with use of inhibitors of
angiotensin converting enzyme. Lancet 1995; 345:1195.
 Morris, AD, Boyle, DIR, McMahon, AD, et al. ACE
inhibitor use is associated with hospitalization for severe
hypoglycemia in patients with diabetes. Diabetes Care
1997; 20:1363.
 Shorr, RI, et al. Antihypertensives and the risk of serious
hypogycemia in older persons using insulin or
sulfonylurea. JAMA 1997; 278: 40-43
EBMの5つのプロセス
1.患者の問題の定式化
2.問題についての情報収集
3.情報の批判的吟味
4.情報の患者への適用
5.1-4のステップの評価
比較対照試験
人偽的に曝露群を割付
研究開始 アウトカムの評価
アウトカム発症
発症なし
発症なし
アウトカム発症
曝露因子あり
曝露因子なし
観察研究の基本要素
曝露因子
交絡因子
アウトカム
時間軸の有無
研究の向き
横断研究
何がおきているか?
アウトカム発症
発症なし
曝露因子あり
曝露因子なし
曝露因子あり
曝露因子なし
症例シリーズ
対照群なし
アウトカム発症
発症なし
曝露因子あり
症例対照研究
過去に何があったか?
研究開始曝露因子の評価
アウトカム発症
発症なし
曝露因子あり
曝露因子なし
曝露因子あり
曝露因子なし
コホート研究
これから何がおこるか?
研究開始 アウトカムの評価
アウトカム発症
発症なし
発症なし
アウトカム発症
曝露因子あり
曝露因子なし
Nested Case-Control Study
(コホート内症例対照研究)
過去に設定されたコホートにさかのぼる
研究開始曝露因子の評価
発症なし
曝露因子あり
曝露因子なし
曝露因子あり
曝露因子なし
研究デザインのまとめ
時間軸があるか
なければ横断研究
関連の有無しかわからない
因果関係は不明
後ろ向きか、前向きか
後ろ向きなら症例対照研究
前向きならコホート研究
因果関係が推測できる
研究デザインの選択
症例対照研究
費用が少ない
まれなアウトカムも評価可能
アウトカム評価時のバイアスが少ない
コホート研究
費用ががかる
まれなアウトカムは評価不能
曝露因子の評価時のバイアスが少ない
観察研究デザインのまとめ
研究の方向
前向き 後ろ向き
症例の把握時期
開始時 追跡後
予後因子、危険因子の調査
現在
過去
過去にさかのぼって調査
過去のコホート集団のデータ
研究デザイン鑑別法
研
究
の
方
向
前
向
き
後
ろ
向
き
曝
露
因
子
の
調
査
新
規
に
調
査
過
去
の
コ
ホ
ー
ト
( )
( )
( )
研究デザイン鑑別法
研
究
の
方
向
前
向
き
後
ろ
向
き
曝
露
因
子
の
調
査
新
規
に
調
査
過
去
の
コ
ホ
ー
ト
コホート研究
症例対照研究
コホート内
症例対照研究
後ろ向きコホート研究
どの研究デザインが適当か?
10人に1人の副作用
1万人に1人の副作用
1例でも副作用と言える場合
適当なデザイン
10人に1人の副作用
→ RCTで十分
1万人に1人の副作用
→ 症例対照研究、メタ分析
1例でも副作用と言える場合
→ 症例報告
副作用情報におけるRCTの弱点
研究規模
有効というための最小規模
重症副作用はそれより少ない
→副作用についてはβエラーの危険大
代表性
RCTの参加者は特殊な集団
少なくともランダム抽出はされていない
→一般的な患者への適用に問題
観察研究・メタ分析の必要性
十分な研究規模がえられる
観察研究ではランダム抽出が可能
副作用においては、「疑わしきは罰する」
1症例でもあれば意味を持つ
治療効果については、「疑わしきは用いない」
1例に効いても意味は少ない
3Xの法則
 X人に1人の副作用の検討には、以下のサンプル数が必要
10人に1人:30人
100人に1人:300人
1000人に1人:3000人
 信頼区間でいうと
1/30の95%CIの上限:10%
1/300の95%CIの上限:1%
1/3000の95%CIの上限:0.1%
→大規模なデータでなければ稀な副作用を見逃す!
副作用情報と研究デザイン
【長所】 【短所】
 RCT バイアスが少ない 実施が困難
結果を一般化しにくい
稀な事象の検討が困難
 コホート 実施が比較的容易 交絡因子
代表性が高い
 症例対照研究
実施が容易 交絡因子
稀な事象でも検討可能
→ RCTが最適というわけではない!
論文の批判的吟味
研究仮説は明確か
論 文 の Patient 、 Exposure 、 Comparison 、
Outcomeは何か
研究規模の設定法が述べられているか
仮説に対応した解析がなされ ているか
デザインに即した統計手法が用いられているか
観察研究の研究仮説、研究規模
前向き研究では
仮説は事前に設定可能
研究規模も設定可能
副作用の発生率、予想される相対危険
α、β
後向き研究では
仮説は設定可能だが、偶然の影響大きい
(そのために集められたデータでない!)
研究規模の設定は新規発症例を使えば可能
研究仮説・研究規模
研究仮説 P:糖尿病患者
E:ACE阻害薬
C:ACE阻害薬なし
O:重篤な低血糖の増加
研究規模
症例:1986年-1992年間の低血糖による入院患者全員(94人)
対照:症例の約7倍(654人)
バイアスの種類
選択バイアス
測定(情報)バイアス
交絡因子
両群の背景の一致(交絡因子)
研究開始前
マッチング
研究開始後
層別、多変量解析
ランダム化との比較
未知の因子は揃えられない
未知の交絡因子は除けない!
両群の背景の一致
研究開始前
マッチング - 施行せず
研究開始後
多変量解析
性、年齢、index year、市、グルカゴン使用歴、
糖尿病合併症による入院歴、心血管疾患治
療薬の使用、インスリンの種類と濃度、経口糖
尿病薬の投与量で調整
情報の独立した評価(情報バイアス)
曝露因子
アウトカム
交絡因子
以上の因子を両群、同じ方法で評価
しているか?
情報の独立した評価(情報バイアス)
曝露因子:降圧剤
アウトカム:低血糖
交絡因子:他の使用薬剤
糖尿病の治療状況
両群、同じ方法で評価しているか?
すべて同一のデータベースからindex
dateの時点で調査
その他の吟味のポイント
追跡
追跡期間:アウトカムの発生の観察に十分長い
か?
追跡率
時間的関連性
曝露がアウトカムの発生に先立つか?
量反応関係
曝露が多いほど、アウトカムの発生が多いか?
その他の吟味のポイント
追跡
追跡期間:6年間のデータを使用
追跡率:後ろ向き研究のため評価不能
時間的関連性
過去の服薬を調査
量反応関係
示されていない
経口糖尿病薬で示されている
観察研究におけるバイアスの制御
選択バイアス
( ) ( )
測定(情報)バイアス
( )
交絡因子
( ) ( )
観察研究におけるバイアスの考慮
選択バイアス
悉皆調査、ランダム抽出
測定(情報)バイアス
マスキングした評価
交絡因子
マッチング、多変量解析
未知の因子については不可能
副作用論文批判的吟味の公式
第一のガイド
・両群で患者背景は同じか
・曝露、アウトカムの評価は両群で同じか
第二のガイド
・追跡期間、追跡率は十分か
・時間関連性は成り立つか
・量反応関係はあるか
副作用論文批判的吟味の結果
第一のガイド
・両群で患者背景は同じか:多変量解析
・曝露、アウトカムの評価は両群で同じか
:同一データベースから
第二のガイド
・追跡期間、追跡率は十分か:6年間のデータ
・時間関連性は成り立つか:あり
・量反応関係はあるか:なし
EBPC(2003.6.6)
Step4. 患者への適用
個別行動目標
1. 論文の医療環境と実際の医療環境の違い
を指摘できる
2. サブグループ分析の問題点を指摘できる
3. 論文の情報を患者に正しくフィードバックで
きる
研究デザイン鑑別法
研
究
の
方
向
前
向
き
後
ろ
向
き
曝
露
因
子
の
調
査
新
規
に
調
査
過
去
の
コ
ホ
ー
ト
コホート研究
症例対照研究
コホート内
症例対照研究
後ろ向きコホート研究
バイアスの種類
選択バイアス
測定(情報)バイアス
交絡因子
情報の独立した評価(情報バイアス)
曝露因子
アウトカム
交絡因子
以上の因子を両群、同じ方法で評価
しているか?
情報の独立した評価(情報バイアス)
曝露因子:降圧剤
アウトカム:低血糖
交絡因子:他の使用薬剤
糖尿病の治療状況
両群、同じ方法で評価しているか?
すべて同一のデータベースからindex
dateの時点で調査
その他の吟味のポイント
追跡
追跡期間:アウトカムの発生の観察に十分長い
か?
追跡率
時間的関連性
曝露がアウトカムの発生に先立つか?
量反応関係
曝露が多いほど、アウトカムの発生が多いか?
その他の吟味のポイント
追跡
追跡期間:6年間のデータを使用
追跡率:後ろ向き研究のため評価不能
時間的関連性
過去の服薬を調査
量反応関係
示されていない
経口糖尿病薬で示されている
観察研究におけるバイアスの制御
選択バイアス
( ) ( )
測定(情報)バイアス
( )
交絡因子
( ) ( )
観察研究におけるバイアスの考慮
選択バイアス
悉皆調査、ランダム抽出
測定(情報)バイアス
マスキングした評価
交絡因子
マッチング、多変量解析
未知の因子については不可能
副作用論文批判的吟味の公式
第一のガイド
・両群で患者背景は同じか
・曝露、アウトカムの評価は両群で同じか
第二のガイド
・追跡期間、追跡率は十分か
・時間関連性は成り立つか
・量反応関係はあるか
副作用論文批判的吟味の結果
第一のガイド
・両群で患者背景は同じか:多変量解析
・曝露、アウトカムの評価は両群で同じか
:同一データベースから
第二のガイド
・追跡期間、追跡率は十分か:6年間のデータ
・時間関連性は成り立つか:あり
・量反応関係はあるか:なし
オッズと確率
10人に1人は低血糖が起きる
確率 =ある事象/全事象=1/10
オッズ=ある事象/ない事象=1/(10-1)=1/9
Nが大なら、確率=オッズ と近似できる
確率からオッズを求める練習
確率が 1/2
オッズは 1/1
確率が 1/10
オッズは 1/9
確率が 1/100
オッズは 1/99
オッズから確率を求める練習
オッズが3
確率は3/4
オッズ 1/2
確率は 1/3
オッズが 1/100
確率は 1/101
オッズ比
低血糖群
10人に2人が降圧薬
対照群
10人に1人が降圧薬
症例対照研究ではアウトカムの列で考える
降圧薬の低血糖のオッズ比は?
オッズ比 =(2/8)/(1/9)= 2.25
低血糖群 対照群
降圧薬有 2 1
降圧薬無 8 9
10 10
オッズ比を計算しよう
ACEについて
(18/76)/(58/596)=2.4
β遮断薬について
(11/83)/(84/570)=0.9
背景(交絡)因子は考慮されていない
低血糖群 対照群
ACE有 18 58
ACE無 76 596
94 654
低血糖群 対照群
β遮断薬有 11 84
β遮断薬無 83 570
94 654
症例対照研究と多変量解析
マッチングデータ
条件付きロジスティックモデル
マッチング無し
条件無しロジスティックモデル
交絡因子で補正したオッズ比が求められる
(多変量解析の意味は交絡因子の補正にあ
る)
交絡因子の影響
インスリン治療者の割合を例に
(インスリン治療で2.5倍危険)
ACE服用者でインスリン治療者の割合
多い場合 →危険を過大評価、調整でオッズ比↓
少ない場合→危険を過小評価、調整でオッズ比↑
実際は?
ACE服用者中67%がインスリン治療(全体では
74%)
交絡因子の調整の概念
ACE服用者もインスリン治療者の割合を考慮
しないときのオッズ比
補正前のオッズ比=2.4
ACE服用群でインスリン治療者の割合が全
体より低い場合、同じ割合だとして補正する
とACE服用群で低血糖はもっと多いはず
補正後のオッズ比=2.8
確かに補正後のオッズ比が高い
調整した交絡因子
性、年齢、index year、市
グルカゴン使用歴、糖尿病合併症による入
院歴
心血管疾患治療薬の使用、インスリンの種
類と濃度、経口糖尿病薬の投与量
調整できない交絡因子
糖尿病のコントロールの良否
コントロールの悪い患者にACEが投与されやす
い?
β遮断薬による低血糖の危険はよく知られて
いる
β投与患者は厳重な監視下におかれ重篤な低血
糖になる前に対処された?
結果のまとめ
ACE阻害薬 2.8 (1.4-5.7)*
β遮断薬 1.0 (0.4-2.1)
selective 0.5 (0.1-3.2)
サリチル酸 0.9 (0.4-2.1)
副作用のオッズ比の信頼区間は上限で評価してみる
有意水準0.05で有意=95%CIが1を含まない
有害必要数(NNH)を求める
 NNH = 1-PEERx(1-OR)
(1-PEER)xPEERx(OR-1)
EEER(曝露群での発症率) PEER(非曝露群での発症率)
 OR = EEER/(1-EEER)
PEER/(1-PEER)
 1/NNH = EEER-PEER を上記に代入
NNHについて解くと導かれる
 こんなもの私も覚えていません
コンピュータに式を入力
いつでも計算できるように準備
有害必要数(NNH)の実際
NNH = 1-PEERx(1-OR)
(1-PEER)xPEERx(OR-1)
糖尿病患者200人5年間で1例
PEER=0.005
OR=2.8
NNH(1年間)= 1-0.005x(1-2.8) =113
(1-0.005)x0.005x(2.8-1)
副作用論文の結果の公式
オッズ比とその95%信頼区間
害必要数とその95%信頼区間
調整した交絡因子
公式に沿った論文の結果
オッズ比
ACE阻害薬 2.8 (1.4-5.7)
β遮断薬 1.0 (0.4-2.1)
害必要数とその95%信頼区間
ACE 113人 (504-44):PEER=0.005として
調整した交絡因子
性、年齢、index year、市、グルカゴン使用歴、糖尿病
合併症による入院歴、心血管疾患治療薬の使用、イ
ンスリンの種類と濃度、経口糖尿病薬の投与量
EBMのプロセスと治療と副作用論文
治療 副作用
情報収集 効率よく 網羅的に
批判的吟味 厳密に 簡単に
患者への適用 疑わしきは
治療せず 副作用と判定
Step3 批判的吟味
個別行動目標
1.治療、副作用の論文に批判的吟味の公式
を適用できる
2.治療効果、副作用の危険を表す指標の種
類と特徴が言える
3.危険率、信頼区間の説明ができる
EBMの5つのプロセス
1.患者の問題の定式化
2.問題についての情報収集
3.情報の批判的吟味
4.情報の患者への適用
5.1-4のステップの評価
シナリオ2
患者、60歳男性。10年来の糖尿病で治療中。現在
グリベンクラミド2.5mg/dayで、HbA1c7%台のコント
ロール。尿蛋白、糖尿病性網膜症、神経症は認め
ない。最近の3ヶ月の外来血圧が平均160/90mmHg
前後、現在サイアザイド利尿薬を服用中。主治医は
ACE阻害薬を追加したが咳がひどく服薬が困難で
あった。
薬剤師であるあなたは、この主治医から降圧薬の
選択について相談を受け、SHEP研究に基づきβブ
ロッカーを推薦した。
シナリオ続き(副作用編)
患者は主治医よりβ遮断薬を処方され、低
血糖の危険について説明を受けたが、薬局
で薬を受け取るなりこうきり出した。
 「この薬で、重症の低血糖が起きると聞いた
のですが........」
結果のまとめ
ACE阻害薬 2.8 (1.4-5.7)
β遮断薬 1.0 (0.4-2.1)
selective 0.5 (0.1-3.2)
サリチル酸 0.9 (0.4-2.1)
ACE服用の場合
糖尿病患者200人5年間で1例の低血糖と仮定して
NNH=113(1年間)
Step4. 患者への適用
1. 論文の患者と目の前の患者は結果が適用でき
ないほど異なっていないか?
2. リスクはどの程度大きいか
3. 曝露を防止するよう努力すべきか
論文の患者と目の前の患者の違い
経口薬服用中
過去に低血糖で2回の入院歴
やや高齢
一人暮らし
このような患者は、論文の患者に比べて低血
糖のリスクは高い
Sackettらの「 F 」
目の前の患者が論文の平均的患者に比べ、
「F倍」低血糖の危険が高い
NNFを「F」で割る
目の前の患者の場合
糖尿病患者200人5年間で1例の低血糖と仮定し
てF=3とすると
目の前の患者のNNFは、113/3=37人
実際の患者に
先日咳で飲めなかった薬では、40人ほどの人が1年
間服薬すると1人低血糖で入院になる危険があるの
ですが、今回の薬の方が低血糖が少ないようです
ただ今回の薬も低血糖を起こさないというわけでは
ありません
どっちの薬も心配になってきました
降圧薬を増やさないという手段もあります
血圧が高いのも心配だなあ
主治医の先生にもう一度相談してみましょうか
シナリオ続き
薬剤師であるあなたが話し終えたところ、患
者が以下のように答えた
「えっ、名郷先生に相談するんですか?今回
のことは、名郷先生には黙っていてほしいの
ですが。この前もいろいろしつこく聞いていた
ら怒り出すんですよ。」
Step4. 患者への適用
個別行動目標(副作用編)
1.論文の医療環境と実際の医療環境の違いを
指摘できる
2.実際の患者でのリスクを見積もれる
3.論文の情報を患者に正しくフィードバックできる
作手村診療所 1番診察室
田中さん、
1番へどうぞ
診察室へ入ると.....
 何が違
う?
 肱掛椅子
 コン
ピュータ
 張り紙
本音を聞き出すは大変ですが
薬は?
飲んだほうが
塩分は?
ひかえめに
お酒は飲んでい
い?
少々なら
たばこは?
止めたほうが...
情報は診察室に
あなたに似た患者さんでは....
治療の効果を調べる
 これまでの研究で
は
脳卒中を30%減少
死亡を20%減少
十数人治療して治
療のおかげで助か
るのはそのうち一人
診察を終わって
それでは薬を
しっかり飲ん
で
2週間後にま
たいらして下
さい
薬を飲めというけれど…
薬は本当は飲
みたくないのだ
けれど.....
論文に基づく
のでなく、論文
を役立てる
医師と患者の情報格差
患者さんに
も勉強しても
らう
患者さんか
らも教えても
らう
格差は小さ
い方がい
い!
EBMを理解、実践したプロセス1
第一段階:無知レベル 6年
私の医療は役に立っているのか?
第二段階:臨床疫学レベル 3年
苦労して勉強すれば質の高い医療が提供で
きるかもしれない
第三段階:コクランレベル 1年
勉強法も楽になってこれなら私にもできるかも
しれない
EBMを理解、実践したプロセス2
第四段階:EBM実践レベル 3年
論文を読んだところで目の前の患者のことが分
かる訳じゃない
第五段階:あきらめレベル 1月
EBMをもってしても医療はそれほど患者の役に
立たない?
第六段階:前向きレベル
少なくとも患者に向き合うためEBMが必要
Step1.実践のために
1.患者と積極的にコミュニケーション
2.自分の疑問でなく患者の疑問から
3.疑問に思ったらすぐ定式化
4.定式化したら書き留める
5.主治医と積極的にコミュニケーション
コミュニケーションの3原則
1.開かれた質問から
「どうしましたか?」
2.患者自身の「病気に対する思い」を尊重
「一番心配なことは何ですか?」
3.帰り際の一言に注目
帰り際に本音がでる!
Step2.実践のために
1.教科書は仕事場に
2.仕事場にコンピュータを
3.二次資料の積極利用
4.だめもとで検索する
5.検索は5分以内に
6.より簡単な勉強法を探す
7.DI室を情報センターに!
Step3.実践のために
1.心にいつも「真実、バイアス、偶然」
2.優れた二次資料の利用
3.まず抄録だけは読む
4.論文は歩きながら読む
5.仲間と読む
Step4.実践のために
1.よく話を聞く
2.主治医とよく相談する
3.よく説明する
4.チームとして患者に接する
最後に
実践してこそEBM
EBMとは何かと問う前に、目の前の患者に
とっての最善の医療は何かと自問しよう
EBMが役に立つかどうかではなく、EBMを利
用する自分自身が患者の役に立てるかどう
か
論文に対して批判的になるだけでなく、自分
自身に対してこそ批判的に
歩きながら論文を読む
論文のPECOを読む
構造化抄録の利用
ランダム化かどうか読む
まず表題、次に抄録
ITT解析かどうか読む
患者背景の表と結果の表から
一次アウトカムの結果を読む
Primaryという単語、研究規模の設定に用いたアウトカム

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