CSS Nite LP36 「コンテンツ施策の立案から運用体制の設計まで〜ユーザーと対話する体制設計図〜」

1CSS Nite LP36drawing by Kazunori Tokoo, Copyright © 2014 simplescene.com All Rights Reserved.
コンテンツ施策の立案から運用体制の設計まで
～ユーザーと対話する体制設計図～
床尾一法 2014.09.20
※2015年1月6日一部改定および修正

プロフィール
床尾一法（とこお・かずのり）
自ら大規模商用Webサイト運営を多く体験、Web解析による「見えること化・言えること
化・できること化」を軸とした集客戦略、パーチェスジャーニー可視化、ユーザー行動分
析を得意とする。
2005年からコンテンツマーケティングに注力、自動車情報メディアの立ち上げ責任者として、素人の運用でもSEO
施策を反映できるオリジナルCMSの設計と、綿密なコンテンツシナリオ設計により、当時の検索結果上位表示の定
位置化を実現。
2007年には大手動画サイトのWeb解析とSEO施策を担当、集客設計の見直しにより前期比200%を超えるトラ
フィック成長を達成。
2008年にはグルメ情報サイト運営において戦略対象キーワードを最適化し、競合サイトとの差別化を図ったキー
ワード戦略による検索結果上位表示の定位置化も実現している。
2010年にWeb解析コンサルタントとして運用型広告の大手代理店に入社、後にWeb解析部門とSEO部門の両部
門グループマネージャー（部長職）に就任。
2014年7月からオンライン集客戦略支援「シンプルシーン」として独立、今はなき自動車メディアを立ち上げた、大
手中古車販売会社に戻るかたちで常駐。データを起点とした事業戦略と集客戦略の再設計に従事。
大阪芸術大学写真学科卒業の元カメラマンでもあり、写真家として創作活動を継続中。

ぜひお話しておきたい、
コンテンツによる信頼とショーバイの関係を紐解く体験談を。
まず、はじめに。
フリーのカーイラストレーター／ライター。東京都出身。
自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生
活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌
としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。
自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他に
ないユニークなテイストとして定評がある。2014年9月現在の愛車はプジョー309SI。
最新の掲載誌はfacebook (http://www.facebook.com/endoizuru)で確認！
挿絵協力：遠藤イヅル

さて転職を繰り返し、数々の職場を渡り歩いた知人Ｔ氏。
彼はどの職場でも、必ずと言っていいほど、
自分の趣味である「写真」を友人や後輩に次々と伝播させてきました。
当然、デジタルカメラの購入相談も数多く受けます。
君にはこのカメラが
いいんじゃない？
アナタのスタイルなら
断然コイツだよ！

こっちは
色を選べるけど
こっちは
なんか撮れそうな
気がする
私には
何がいいの？
といっても、彼ら彼女らはＴ氏が薦める以前から、
実は写真に少し興味がありました。「アレやコレや撮ってみたいなぁ」
しかし・・・踏み切れなかった理由はさまざま。
そもそも自分に最適な機種（場合によっては撮るものも・・・）がわからず、
趣味の始め方の答え、目的や基準が欲しい・・・

自分のスタイルや目的、評価軸がはっきりしていて、
各機種に対する客観的なスペック情報とともに、
Ｔ氏の主観的な情報・・・
豊富な
機能ならXXX
独特の
写りや色なら
YYY
選択基準ごとの
情報が欲しい
つまり、自分で判断の精度を上げるために、
身近で信頼できる人の「ぶっちゃけどうよ？」的な情報が
決断の判断材料として欲しい・・・

そして、本当は自分で買いたいと決めている機種がすでにあり・・・
実はXX-02Rに
決めている
人気機種だし
けど安直かな？
僕のチョイスに
賛同してほしいな
賛同者が現れることで安心したい人、
自分の選択の正しさを裏付ける材料がほしい人、
あるいは「もしや・・・」の購入リスクを回避したい人、
決断そのものを他者の情報に依存したい・・・

やがて、相談に来たほぼ全員が短期間で購入に至ります。
でも、元々買う気（写真を始める気）だったから当たり前？
確かにそうです。
しかし決断を則す有益な情報を提供したのはＴ氏であり、
購買行動のとりかたがわからない人にも、
行動のきっかけとなるトリガーを与えていました。さらに・・・

名機だけど
僕には合わなくて
使わなくなったし
Ｔ氏はどの職場でも彼の使用していた機材の中古を
一定の周期で友人や後輩に譲っていました。
自分のスタイルに
合ってるし
大事にしていて
綺麗で状態もいいよ
専門店の買取り価格と
同じ値段でいいよ
状態や値段を考えると
お得だし
それを資金に
新機種が買えるし
保証やサポートも
身近で安心
これが欲しい！
と、自分で決断！
もちろん、Ｔ氏は中古カメラ販売の副業を営んでいるわけではなく、
Ｔ氏の（新機種購入のための）譲渡提案と、相談相手の信頼による決断、
お互いの利益が一致していたケースが多かっただけのことです。

では、人が消費するとき、財布を目の前で開くときに
信頼するものって何？何が消費を決断させる基準？
共に働く
職場の仲間だから？
知識や経験？
それでは、検索ユーザーの思考を考え対話しつつ、
ＳＥＯからみたコンテンツ施策の立案から運用体制の設計までを
紐解いてみましょう。
あえて
これが欲しいと
思える
選択基準となる
情報が豊富
私には
何がいいのが
いっぱい
教えてくれた
僕のチョイスに
意見をくれた上で
賛同してくれた

ともかく、最初は自社サイトの集客の実体を可視化して、
コンテンツラインナップの設計となる足掛りを探しましょう。
では、コンテンツのお話へ。

価格情報や在庫
サービスを調査選
定
商品情報を収集
最適な商品を探す
自
社
サ
イ
ト
ブ
ラ
ン
ド
認
知
ネット
回遊調査開始比較
検討
リアル店舗めぐり
必要な情報を求めでネットを回遊するユーザー
価格情報や在庫
サービスを調査選定
リアル・ネットを問わず商品情報を収集
最適な商品やサービスの調査開始
利用しない
何度か訪問
利用・決済歴あり
競合
暇
目
的
が
な
い
ま
ま
ネ
ッ
ト
を
回
遊
す
る
ユ
ー
ザ
ー
サ
ー
ビ
ス
再
利
用
まず、集客の構造を紐解いていみます。
利用・決済
の決断
優
位
性
・
差
別
化

Web解析の成果とサイト流入元のデータをマッピングすると、
主な成果は広告の経路が握っていることでしょう（おそらく）。
リスティング
広告
リスティング
広告
ブランド指名
掛けあわせ自然検索
ブランド指名自然検索
リスティング
広告
ディスプレイ
広告
リターゲティング
広告
ターゲティング
広告

では、その他商材に関する自然検索キーワードの流入と
それらがもたらす成果は、どのような状態でしょうか？
商材の情報に
関連した
自然検索
キーワード
より
購入段階に近い
自然検索
キーワード

商品選びの決め手は？
はじめにお話した通り、ユーザーが行動を起こし消費に至るまで、
情報収集の内容はさまざま。
どこで決済する？
自然検索上位表示のサイトは？
どこのコンテンツで情報を収集する？

特に、決済の決め手となる価格関連のＳＥＯ対策は相当な激戦で、
皆様も激闘の日々だと思います。
獲得できる自然検索流入の目論見母数高低
リスティング
広告による
誘導勝負？

しかし、まだまだ闘うゾーン、競合に阻まれずに対策できる箇所が
きっとあるはずです。
獲得できる自然検索流入の目論見母数高低
ユーザーが
「欲しい情報」
を提供し
自社の
サイトブランドを
想起させる
下地づくりができる
余地がある

昔ばなしに近いですが、内容はSEOの技術トレンドに左右されない、
グルメ店舗情報サイトの事例を紹介します。
※体験実例を元に、架空の数値やキーワードを用いて解説しています。
実際の例をお話しましょう。

市場トップの
最競合
競合2番手
その他
競合
その他
競合
食べたい！
飲みたい！
集まりたい！
サイトブランド
指名検索
自社サイト
トップ
担当していたサイトのグルメ情報市場での検索競合との位置関係は
このような状況でした。
グルメ情報
市場
ブランド力で
競合の後塵を拝する
グルメ情報サイト

部門に配属されてから、
手始めにWeb解析ツールで自社サイトの自然検索流入キーワードの
流入状況を調査しました。
このように、情報探求「欲」の深さごとグルーピングし、表を作り・・・
※自然検索流入（インスタンス）全体を100とし各分類の比率を示す。
※数値は体験を元に架空のサイトとして設定、実在のものではない。

直近のグルメ欲求来店意向
集客の母数
情報への興味関心レコメンドへの反応
このように分類しました。

いわゆる
ビッグキーワードは
非常に弱く
条件利用を決めた
店舗を決めた
自然検索が中心

競合ブランド指名の
表記ゆれ合計
自社ブランド指名の
表記ゆれ合計
他多数
戦略対象の
グルメ関連
キーワード
戦略対象
キーワードと
ブランド指名
キーワードの
比率
また、キーワードアドバイスツールで市場規模を通年で観測すると・・・
絶大なブランド力
乏しいブランド力
季節ごとの変動

ブランド力の差は歴然でした。が、負けているばかりではなく
いくつか競合が不在の特徴的なキーワードが見受けられました。
細
々
と
し
た
関
連
キ
ー
ワ
ー
ド
で
強
み
を
発
揮
し
て
い
る
も
の
が
い
く
つ
か
存
在

自然検索流入の成果を照らし合わせると・・・
さらに

ブランド指名やビッグワードのLPより、ジャンルやエリアトップに流入する
ユーザーの方がサイト内の回遊度合い（シンプルにPV/訪問）が高く
サイトブランド
指名検索
関連キーワード
検索
自社サイト
トップ
回遊性に
乏しい
東京エリア
トップ

成果到達（店舗地図表示やクーポン印刷）の確率（CVR）も
ジャンルやエリアトップに流入するユーザーの方が高かった。

簡単なクイズを出題してみましょう。
ご来場の皆さんが普段向き合っている業務に近い内容です。
そこで、

検索
Ｑ：下記のどの検索キーワードが一番成果到達に近かったでしょうか？
「グルメ」
「東京グルメ」
「六本木グルメ」
「六本木グルメ口コミ」
お店探して！

検索
Ａ：実は「東京グルメ」でした。

東京出張の食事は
どこがいいだろう？
以下はWeb解析（回遊状況）から導いた推論ですが、
ユーザーの目的の階層の違いが鍵といえます。
「グルメ」
「六本木グルメ」
「六本木グルメ口コミ」
六本木なんだけど
どの店にしよう
（失敗したくない）
なんとなくグルメ情報
知らないサイト
レシピが知りたい
こだわり
サイト内での
店舗レコメンドの
幅が大きい
競合サイトと
検索サイト上で
比較される
曖昧（でも再訪問を勝ち取りたい）
サイト内で比較

リアル販売店でも同じような話がありました。
別の業態でも。

Tさん、どのご要望が
スムーズな商談だと
思いますか？
以前、中古車販売店の友人（敏腕営業）からこんな質問を受けました。
高級車が
ほしい
トヨタの
高級車が
ほしい
トヨタの
高級車
クラウンが
ほしい
トヨタの高級車
クラウンマジェスタ
がほしい

高級車が
ほしい
トヨタの
高級車
クラウンが
ほしい
トヨタの高級車
クラウンマジェスタ
がほしいクラウン・ロイヤル
アスリート・マジェスタ
SUVのハリヤー・ランクル
ワゴンのアルファード
レクサスも
コレじゃない
もっと
こだわりたい
ロイヤル
アスリート
マジェスタ
考えて見るね
また今度
妻と相談豊富な
在庫から
最適な
1台を丁寧で
わかり
やすいな
まだ曖昧買う前提こだわり
もちろんどのご要望もお応えしますが
「このメーカーの高級車が欲しい」とのご要望は
商談が特にスムーズです。
ポイントは決断への「距離」と提案への柔軟性と幅の「広さ」です。
も
ち
ろ
ん
全
力
で
お
探
し
し
ま
す
ピ
ッ
タ
リ
の
一
台
を
見
つ
け
て
お
き
ま
す
トヨタの高級車がほしい

高級車
マジェスタ中古車
検索エンジンの
インデックス上で
比較
おもてなしと
提案次第で
自社サイト内で
回遊探索
トヨタ
クラウンシルバー在庫
漠然とした
情報回遊
公式サイト
情報が
見たい
これらを検索ユーザーとWebサイトに置き換えると、このように考えられます。
トヨタ中古車
高級車選び方
他のサイトとネット上で比較
自社サイト内で情報探索

コンテンツのテーマづくりですが・・・
これらを踏まえて。

Webサイトディレクトリの論理構造に置き換えて見てみると・・・
集
客
対
策
の
難
易
度
は
？
検索エンジンの
インデックス上で
比較
おもてなしと
提案次第で
自社サイト内で
回遊探索

本格的に情報収集を開始した直後あたり、比較的前の段階で、
自社サイトの流入キーワードのバランスが悪い部分を埋めつつ、
競合がラインナップしていないゾーン✕キーワードのコンテンツを
カバーすれば・・・
検索流入キーワードの
バリエーションや訪問回数が
偏っていないか？
カバーするコンテンツの
ラインナップは？
競合が検索上位表示
されるキーワードは？
弱いキーワードは？

情報収集し回遊するユーザーとの接点が広がります。
ニーズに応じた
コンテンツによる
おもてなしと提案次第で
サイト内回遊促進と
決済の背中押し

これらの観点と情報で、
コンテンツ設計と戦略を推進しました。
体験談に戻りますが、

細かいエリアは
競合と戦える
店舗利用意向の高い
情報探索キーワードは弱い
自社ブランドは弱い
自社サイトの自然検索流入キーワードの弱みと強みを分類し、
Web解析データによるユーザー行動の深度
ユーザーのサイト内回遊の広がりと成果到達の貢献を可視化します。

また、検索市場の季節ごとのキーワード変異と、
比較的検索規模が大きく、
競合が対策していない分類のキーワードを把握します。

このように戦略対象キーワードの選定方法を定めました。
対競合
季節キーワード
検索市場データ
を用いた季節要因と
競合との比較コンテンツの軸となる戦略対象キーワードの
選定方法を定義（ロジック化は予算も通りやすい）
※体験を元に架空のサイトとして設定。
・「○○ グルメ」インデックス情報強化と量産
・「エリア＋グルメ」インデックス情報強化と量産
カテゴリトップの情報リッチ化
・季節特集の充実
・食材やメニューに関する特集の充実
クリスマス特集、定番の「忘年会特集」刷新、
バレンタインデーディナー、ビール特集などなど
自社サイトの
自然検索流入状況の把握

この結果、トラフィックが200%近い成長を遂げ、
関連キーワード検索の流入数も同様の成長を遂げました。
関連キーワードの自然検索流入数
また、ブランド指名キーワードの自然検索流入数も
140%程度の成長をとげました。
ブランド指名の
自然検索流入

特集入口
リッチ化した
カテゴリトップ
入口
つまり、検索流入したユーザーがコンテンツに触れることで、
自社サイトブランド体験行動を促進し、
ブランド指名による再訪問を誘引しているという結果になりました。
引き続き回遊性も高く、
PV/訪問や滞在時間も拡大しつつ、成果到達も向上しました。

グルメ情報サイトの具体的なコンテンツ施策はご紹介できませんが、、、
この2つの
プレゼンテーションシートが
コンテンツ設計のポイントです。
ユーザーの
「見たい」「知りたい」「感じたい」
にいかにスムーズに応えるか？
巡回してチェックするサイトに
ラインナップしてもらえるか？

現在進行形の提案事例
（実施はまだ先ですが・・・）
過去のコンテンツ運用事例、
「ハリアー燃費対決」
サイト名が変わり、
アーカイブされた現在でも、
検索の入口ページとなって
成果に貢献。
こちらの続きは
後ほど

コンテンツ運用設計はこのように、
・ユーザーのモチベーション変化に応じ、
戦略対象となる検索キーワードを選定。
・Web 解析で訪問を獲得しているキーワード群、
獲得できていないキーワード群を調査。
・競合に網羅されているコンテンツを調査。
を行い、それらキーワードを適切に配置する記事内容を担保しつつ、
ユーザーの行動やニーズを理解して「対話できる」
有意義な情報をもつコンテンツを設計することができます。
まとめ（1）

商材オモシロ活用記事
新製品情報
業界ニュース
気付き
興味喚起
ニーズ喚起
巡回
獲得
気になる新製品レビュー
興味の
深堀り
ユーザーアンケート調査
モニターレビュー
ブランド認知
最新在庫
注目の商品
人気ランキング
ユ
ー
ザ
ー
の
声
ニーズの
獲得
使
い
方
特
典
背中押し
信頼獲得
行動喚起
ブランド
発見
ブランド
発見
試しに下記のような戦略図を書いてみてください。
やれている施策、やれていない施策の棚卸しと可視化に役立ちます。

ここまでは、目的を持って回遊し、
情報収集行動の目的が明確化した
ユーザーを対象とする、
いわば常設すべきコンテンツ群のお話。
でも、もっと広くサイトブランドを
認知してもらいたいですよね？

そこで、
ブランド体験起点、
ブランド想起維持、
行動起点となるトリガー、
コンテンツの持つ3つの役割のお話。

先述の図の通り、ユーザーは日々PCやスマホでネット回遊しますが、

自社サイトの認知を得る起点も、またコンテンツの役割です。
むしろ、世間で言われている「（Webの）コンテンツ」という言葉は、
こちらの語意のほうが強いでしょう。
検索エンジン
自社企画
コンテンツ
○○まとめ
誰かが
つぶやき
引用
「新型XX-02Rで
イベントを撮ってみた」
これは
おもしろい
ブランド体験の起点

しかし、観てもらうこと、認知してもらうこと、
そして再利用してもらうことは、それぞれ異なる要素です。
ソーシャル伝播が
KPIとなっている
ケースが多いが・・・
情
報
収
集
の
巡
回
コ
ー
ス
と
し
て
も
ら
え
る
の
か
？
ブックマークや再訪問を
勝ち取れているのかどうか？
新規
コンテンツ
更新された
コンテンツ
一応
巡回
ブランド想起の維持

他サイトと
比較しよう
また、回遊の中で「気付き」や「発見」、選ぶ満足を提供し、
行動を起こさせるトリガーとして機能しているのかどうか？
決済に至らせる、
背中押しとなる機能をもっているのかどうか？
自社企画
コンテンツ
行動促進
コンテンツ
おお！
この情報は
決め手
背中押し
コンテンツ
決済には
このサイトを
利用しよう

まずは、ユーザーがブックマークやブランド指名検索で、
定期的に回遊したくなるWebサイトについて考えてみましょう。
では、コンテンツによる
再訪問の誘引とは？

業界の情報発信（ソース：公式サイトやプレスリリースなど）
業界ニュース
新商品情報
それは記事の更新性とラインナップ。別に特殊な運用ではありません。
例えば自社業界情報の発信は、ショップブログでも気軽に取り組める
初歩的なコンテンツ運用です。
一定の周期で更新

しかし、客観的な公式情報だけでは他所と変わりなく、
情報量で比較すると検索市場で上位のブランド力を持つサイトには
かないません。
そこで主観的なエッセンス、つまりアナタの意見こそがユニークな存在で
あり、共感によって差別化、ファン化をもたらす鍵となります。
（後述する運用の定義を怠ると、リスクも同等にありますが。）
ブックマーク
指名検索
業界ニュース
雑感レビュー
新商品情報
机上インプレ
客
観
的
情
報
主観

業界ニュース
雑感レビュー
新商品情報
机上インプレ
客
観
的
情
報
主観
そして獲得した回遊ユーザーに対し、自社サイトサービス利用を促す
コンテンツを配置し、連載的に連動させることで、成果へ誘導します。
セール情報入荷情報
在庫少情報
キャンペーン
ショップの情報発信
勝手にレビュー
商品の選び方季節テーマ How To 日々の雑感

人の行動は季節や時間に大きく影響を受けますが、
コンテンツ運用もその「時間軸」がポイントになります。
ユーザー行動に沿って、
時系列も意識しましょう。

歓
迎
会
桜
新
年
度
連
休
の
レ
ジ
ャ
ー
夏
の
レ
ジ
ャ
ー
海
帰
省
ボ
ー
ナ
ス
商
戦
決算商戦
次半期予算・投資計画
紅
葉
連
休
の
レ
ジ
ャ
ー
新型車・新製品
送
別
会
・新
生
活
不
動
産
・引
越
冬
の
レ
ジ
ャ
ー
帰
省
忘
年
会
・新
年
会
ク
リ
ス
マ
ス
商
戦
バ
レ
ン
タ
イ
ン
商
戦
検
索
市
場
の
活
発
化
求
人
・転
職
通年で商戦の盛り上がりにフォーカスして、コンテンツを練りましょう。

夏本番
レジャー満喫
今年こそ
夏を満喫
しよう
水着
レジャー用品
納車
間に合う？
中古車
おすすめの
エステ
夏に向けて
ダイエット
脱毛
利用する
サービスを選定し
プラン実行
四半期
新車
例えば、充実した夏に向けて。
エステ、クルマ、レジャー用品、旅のプラン、
「その季節まで、今この時点で準備しておくべきこと」を提案するという
展開が考えられます。

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
次期
ビジネス戦略
や課題
インフラ
の検討
事例
セミナー
参加
戦略プランの
検討
予算
見積
発注先ベンダー
の選定
コンペオリエン
社内
決済
要件
定義
半期
人員体制
求人
また、ビジネスの現場では半期ごとに大きな動きがあります。
例えば、新規プロジェクトに伴うシステム開発やASPサービスのベンダー選定の場合、
その担当者は予算獲得と線表作成、要件定義に奔走することでしょう。
読者層の業務にありがちな課題をコンテンツで棚卸しし、
ユーザーの共感を得つつ、解決手段を提示、
セミナーや商談へ誘導する、というのはよく見られる手法です。
ＩＴ系メディアサイトの広告や、記事広告でもよく見かけます。

検
索
市
場
の
活
発
化
通勤業務昼休み業務帰宅
業
務
の
情
報
収
集
個
人
的
な
情
報
収
集
飲み会
ニ
ュ
ー
ス
チ
ェ
ッ
ク
8：00 9：00 13：00 19：00
通販
商品
調査
システム
ソリューション
業界
ニュース
ランチ
グ
ル
メ
情
報
キュレーション
ソーシャル
いいね！
つぶやく
さらに、ユーザーの1日の行動を意識して記事の公開タイミングを
コントロールしましょう。
コンテンツはアーカイブにこそ集客価値があります（後述）が、鮮度も重要。

すでにご実感されている方も多いと思いますが、朝の出勤時間など、公開初動の段階
で、いかに伝播の波に乗るかが、その後のコンテンツ集客に大きな影響を与えます。
ねらいの公開時間をきちんと設定しましょう。
キュレーション伝播
メディア寄稿の記事でも
朝のSNS言及の状況で
午後の伝播状況がある程度
予測できる
朝の初動が悪いと
やっぱり昼以降の
伸びが良くないなぁ

いわゆる新着に対する続報という形で、
テーマの連続性を持ったコンテンツ、つまり連載です。
そして、テーマ性に沿って
連続性を持ったアーカイブ。

先述のとおり、マメに業界情報を発信しながら、
一つの商品やサービスに絞ったコンテンツ展開を考えてみましょう。
注目の商品だし
情報を掘り下げて
みよう

イベント発表・記者発表
新製品
新サービス
情報
発売時間の経過公式発表
プレスリリース
ファースト
インプレ
（机上レビュー）
イベント
レポート
取材ソース
スペックシート
イベント
画像集
取材ソース
宣材写真
レビュー
編集部が試用
ロングラン
レビュー
編集部が試用
導入ユーザー
1商材に対して、基本的には下記のような展開が考えられます。
場合によって
政治力が
必要ですが

新製品
新サービス
情報
ファースト
インプレ
イベント
レポート
イベント
画像集
レビュー
ロングラン
レビュー
1商材ごとに下記のようなディレクトリが誕生し（同時にサイト内導線設計の整備も必要）、
ディレクトリが増殖を続ける運用を根気良く続けることで、
コンテンツの持つ検索集客のチカラは徐々に集約されていきます。

X社商材
コンテンツトップ
製品レビュー
トップ
X社商材
レビュートップ
コンテンツのバリエーションが増えれば検索流入の入口となる
「トビラ」（インデックス）ページが増産しやすくなり、回遊導線も強化されます。
新製品
新サービス
情報
ファースト
インプレ
イベント
レポート
イベント
画像集
レビュー
ロングラン
レビュー
新製品
新サービス
情報
ファースト
インプレ
イベント
レポート
イベント
画像集
レビュー
ロングラン
レビュー
新製品
新サービス
情報
ファースト
インプレ
イベント
レポート
イベント
画像集
レビュー
ロングラン
レビュー

まとめ（2）
コンテンツ運用に、ユーザーとのコミュニケーション手段として、
・ブランド体験起点、ブランド想起維持、決断を即す行動起点の役割
・再訪問に値する更新性
・ユーザーの季節ごとの動きを想定したテーマ性
・ユーザーの回遊行動時間帯を意識した公開タイミング
・テーマに対する切り口の網羅性、情報の連続性（つづきモノ、連載モノ）
の要素を内包させることで、ユーザーが繰り返し訪問し、
何度も利用したくなるような状態を作ることができます。

むしろ、これらを推進させる仕組み化が必要です。
しかし、これらの方針が定まったからといって、
コンテンツ施策は勝手に進行はしません。

かつて運営に関わっていたグルメ情報サイトでは、
検索エンジンの評価も競合に大きく負けていましたが・・・
特定のキーワード検索で競合に優っているエリア、
つまり、検索で上位に表示されるエリアがあったのです。

そのエリアの管轄営業所ではお客様店舗の掲載ページをこまめに更新、
季節のメニューをリサーチしながら、旬の最新情報を発信していました。

コンテンツ運用も、「人」に依存する部分が大きく、
Web解析数値とユーザーのニーズ変化に鋭く、実践肌の担当者が組織
にいると、コンテンツ施策は成功する確率が高くなります。

しかし、問題はその属人性。
その担当者が不在になれば、それまで積み上げたコンテンツの資産も
活用されずに予算が打ち切られ、施策が止まる可能性があります。
また、後任の担当者も、方針が定まらず（引き継がれず）、
散漫で面白さや新鮮さだけを追った、
打ち上げ花火的なコンテンツ運用に手を出す、
なんてことも考えられます。
有名人に
面白いことでも
させようかな？
何か新しい仕掛けは
ないかな？

編集方針コンテンツ運用の
テーマの決め方
評価基準となる
KPI設計
コンテンツの役割
そこで、コンテンツ制作を担当する組織内で、
コンテンツ運用におけるルールを明確化し、ブレない編集方針を定め、
安定してねらいの定まったコンテンツを提供できる体制を造ります。
その方が決済者にも制作意図が伝わり、予算獲得の上でも有利です。
あれやりたい
これやりたい
おもしろいこと
をやりたい
「おもしろいことをやりたい」
だけでは困る

編
集
方
針
プロ・著名人
評論家
客観的な情報・スペック
競合の戦略
を整理
競合差別化
ポイントの定義
編集方針
市場における自社コンテンツの
位置付けを定め、
ユーザーへ届けるメッセージを
明確化しましょう。
アマチュア
ユーザーの声
主観的な情報・レビュー

コンテンツ運用テーマ
話題の新製品が発売など
情報が発生した場合、
誰がどのテーマで制作するのか、
定期的に制作する特集、
内製が外注か、
制作ルールと公開期日
（発表から何日以内に、どの季節に、など）
を定めましょう。

実際に使用していたコンテンツカタログ例です。
公式発表からの公開タイミング
予算、納期、ライター定義などを
カタログ化

コンテンツの役割新規集客、再訪問誘引、検討段階ユーザーの
背中押し、などなど、全体像を可視化し、
コンテンツ単体の目論見を定めます。
ユーザー（記事読者）に
どういう状態になって欲しいのか
目論見をロジック化した
コンテンツ機能フロー

自然検索キーワードの
バリエーション増加
コンテンツ
施策成果
貢献
コンテンツを入口ページ
とする再訪問
回
遊
成果
効率
とする成果効率
KPI設計
先述のコンテンツ定義に応じて、
ユーザー行動の変化を数値で観測、報告し、
変化への影響度を評価します。
ただ、成果に寄り過ぎると、
担当者の施策の広がりを失い、
決済者の判断も萎縮を招きます。
平均PV
滞在時間
とする成果到達
ブックマーク指名検索
Web解析
担当者が直感的に理解し
施策による数値変化を
楽しめるダッシュボード作る
新
規
訪
問
獲
得

業界の新しい
ニュースソースを
探してみようよ！
担当者が
ブランド体験を創る
名誉を感じてもらう
評価体系も大事
コンテンツ運用を成功させるには、組織的にルール化された組立方法を定義し、
運用メンバーがそれを理解して、自ら情報ソースを探して周り、コンテンツを増殖させる
ような体制づくりが必要です。
業界各社の
プレスリリースを
毎日巡回！
Web解析数字と
市場調査を見ると
こんな特集が必要
だと思うな

実際に使用していた運用フロー図
企画・制作の決済や
公開の可否についても
承認ラインを定義

まとめ（3）
特定の担当者のスキルや独断に依存しない、
担当者同士や組織が共通認識をもってコンテンツ制作をおこなえる
仕組みづくりが必要です。
ただでさえコンテンツの良し悪しは主観的であいまい。
設計と評価方法を仕組み化することで、
論理的に決済者の理解を得やすく、
予算配分の不整合（声が大きな担当者のやりたいこと偏重）を
防ぐことができます。
一方で、ルール化は施策の狭まりや萎縮を招く弊害もあるので、
定期的に編集方針は見直しつつ、ある程度の自由さも必要です。

どうしても乗り越えないといけない壁、それは予算獲得。
コンテンツの成果獲得は、どうしても広告運用の効率に勝てません。
コンテンツ運用の課題。

消費の選考期間と獲得領域
広告による成果獲得の大半は、消費の期間の中でもユーザーが意思決定したほぼ後半あたります。
コンテンツ施策はその期間の前半、消費行動に到達する以前のユーザーにも接触できる施策である、
ということを決済者に理解してもらう必要があります。
広告運用の入念なWeb解析や、市場データとの比較を行えば、説得力をもって証明できます。
データを元に
消費シナリオを可視化した
ユーザー行動フロー

また、コンテンツを入口としたユーザーが、間接
的にどのように成果に至っているのかを解析し、
新規ユーザーとの接触面積を拡大と、繰り返し
訪問するユーザーの獲得をコンテンツが担って
いる、ということも証明せねばなりません。
加えて、コンテンツを入口とした再訪問ユーザー
の間接効果やリターゲティング施策の成果獲得
効率は、他の広告施策より優れているケースも
あります。
予算を有効に使うためも、広告施策を含め総
合的に捉えて結果を分析すべきです。
リターゲティングの
成果とコストを加味した
ROI評価

最後に、皆様と創造したいコンテンツ施策のあるべき姿。
お客様が自ら訪問したくなる、信頼できるWebサイトを
皆さんのコンテンツ企画で作ることができます！
「ここで知る・選ぶ・決める」・・・頻繁に訪問する価値があり、
お客様がサービスに対する魅力を感じる自社サイトであること。
ブランド体験
の醸成

ご清聴ありがとうございました。

CSS Nite LP36 「コンテンツ施策の立案から運用体制の設計まで〜ユーザーと対話する体制設計図〜」

Recommended

Recommended

More Related Content

What's hot

What's hot (16)

Viewers also liked

Viewers also liked (9)

Similar to CSS Nite LP36 「コンテンツ施策の立案から運用体制の設計まで〜ユーザーと対話する体制設計図〜」

Similar to CSS Nite LP36 「コンテンツ施策の立案から運用体制の設計まで〜ユーザーと対話する体制設計図〜」 (20)

CSS Nite LP36 「コンテンツ施策の立案から運用体制の設計まで〜ユーザーと対話する体制設計図〜」