企業理念の書き方/How to corporate identity

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一番かんたんな
企業理念の書き方
～「基本構文」を知れば企業理念はすぐに書ける～
あらゆる言葉を人にやさしく。読みやすく。
コピーライター｜コンテンツエディター
中村和夫（なかむらかずお）
https://www.kazuo-nakamura.com/post/210331
～世界はコトでできている～
コピーライティングのトリセツ

ステップ1
概念の共通化
一番かんたんな企業理念の書き方

1-1）グル－ピング
項目
・存在意義（バリュー）
・使命（ミッション）
・哲学（フィロソフィ）
・世界観（ビジョン）
・目標（ゴール）
・規範（ポリシー）
・社是・社訓（モットー）
・信念（ビリーフ）
・精神（スピリット）
・倫理（モラル）

1-2）ヒエラルキー（上位／下位）
ヒエラルキー項目
上位
下位

1-3）ヒエラルキー（中位）
ヒエラルキー項目
上位
中位
・業務内容
・業務範囲
・業務対象
・マーケット
・ターゲット
下位

1-4）概念の種別
ヒエラルキー項目概念
上位
・約束（プロミス）？
中位
・業務内容
・業務範囲
・業務対象
・マーケット
・ターゲット
下位
・約束（プロミス）？
方針
（強み）
目的
手段
対象

1-5）全体構造
ヒエラルキー項目スターバックス概念
上位
人々の心を豊かで活力あるものにする
中位
・業務内容
・業務範囲
・業務対象
・マーケット
・ターゲット
コーヒー
下位
お客様中心のValues
方針
（強み）
目的
手段
対象

1-6）ビジネスラベル
ヒエラルキービジネスラベル項目スターバックス概念
上位
企業理念
（企業価値）
中位
事業領域
（事業ドメイン）
・業務内容
・業務範囲
・業務対象
・マーケット
・ターゲット
コーヒー
下位
企業指針
（企業姿勢）
お客様中心のValues
方針
（強み）
目的
手段
対象

1-7）自社キーワードの抽出
ヒエラルキービジネスラベル自社キーワードスターバックス概念
上位
企業理念
（企業価値）
世界
子ども
笑顔
中位
事業領域
水 ?
水 ?
コーヒー
下位
企業指針
（企業姿勢）
キレイ？お客様中心のValues
方針
（強み）
目的
手段
対象

ステップ2
企業理念の文章化

2-1）3つの概念による文章化
ヒエラルキービジネスラベル「３つの概念」による文章化スターバックス概念
上位
企業理念
（企業価値）
ほげほげの目的を
達成する
中位
事業領域
ほげほげの手段でコーヒー
下位
企業指針
（企業姿勢）
ほげほげな方針のお客様中心のValues
方針
（強み）
目的
手段
対象

ヒエラルキービジネスラベル「自問自答」による文章化スターバックス概念
上位
企業理念
（企業価値）
ほげほげの目的を
達成する
（ことで社会に貢献する）
中位
事業領域
ほげほげの手段でコーヒー
下位
企業指針
（企業姿勢）
ほげほげな方針のお客様中心のValues
方針
（強み）
目的
手段
対象
2-2）自問自答による文章化

ステップ3
企業理念の基本構文

私たちは
ほげほげな方針の
ほげほげの手段で
ほげほげの目的を果たすことで
社会に貢献します
3-1）理想的な企業理念

企業理念とは、
企業が社内外も含めた社会に対し、
どんな目的を果たすことで社会に貢献するのか
ということを、
誓約・宣言・コミットとして言語化した、
企業の存在価値や理想となる考えの根幹。
3-2）企業理念の定義

日米企業でみる企業理念の因数分解

➊ Amazon
地球上で最もお客様を大切にする企業を目指しています
※1：当社が何よりも重んじる「方針」とみなせるかも
※2：当社が何よりも自負する「強み」とみなせるかも
※3：（当然ながら）マーケット的には「対象」とみなせるかも
• 下位＞方針：大切にする（※1）
• 下位＞強み：地球上で最も（※2）
• 中位＞手段：───
• 中位＞対象：お客様（※3）
• 上位＞目的：───

• 下位＞方針：心（※1）
• 下位＞強み：───
• 中位＞手段：商い（※2）
• 中位＞対象：売り手／買い手／世間／三方／世の中（※3）
• 上位＞目的：よし／善き循環を生み出し／持続可能な社会に貢献する（※4）
➋ 伊藤忠グループ
「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」
（略）
「三方よし」は、世の中に善き循環を生み出し、
持続可能な社会に貢献する伊藤忠の目指す商いの心です。
※2：（当然ながら）商社に代表される卸売・商社業全般という「手段」とみなせるかも
※3：販売店（toB）、消費者（toC）、社会という「対象」とみなせるかも
※4：「善き循環を生み出し」て「三方よし」を達成することで（企業目的）、
「持続可能な社会に貢献する」（社会貢献）という構図とみなせるかも

• 下位＞方針：安心と信頼を基礎（※1）
• 下位＞強み：心（※2）
• 中位＞手段：つなぐ翼（※3）
• 中位＞対象：世界（※4）
• 上位＞目的：夢にあふれる未来に貢献（※5）
➌ ANAホールディングス
安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で
夢にあふれる未来に貢献します
※2：（直後の「翼」にかかることで）姿勢やホスピタリティに代表される「強み」とみなせるかも
※3：（当然ながら）旅客・航空施設に代表される航空業全般という「手段」とみなせるかも
※5：「夢にあふれる未来に貢献」することが「企業目的」であると同時に、「社会貢献」とみなせるかも

• 下位＞方針：───
• 下位＞強み：創造的融合（※1）
• 中位＞手段：人／技術（※2）
• 中位＞対象：ゆたかな暮らし（※3）
• 上位＞目的：未来を切り拓く価値を共創／地球環境に貢献（※4）
➍ カネカ
人と、技術の創造的融合により
未来を切り拓く価値を共創し、
地球環境とゆたかな暮らしに貢献します。
※1：化学製品業周辺における「方針」でありながら、同時に「強み」に重きがあるとみなせるかも
※2：人と技術に代表される化学製品業全般という「手段」とみなせるかも
※3：（やや社会貢献寄りな「地球環境」に対して）マーケット的には「対象」とみなせるかも
※4：「未来を切り拓く価値を共創」することで（企業目的）、
「地球環境（とゆたかな暮らし）に貢献」する（社会貢献）という構図とみなせるかも

• 下位＞方針：───
• 下位＞強み：───
• 中位＞手段：整理（※1）
• 中位＞対象：世界中の情報／世界中の人（※2）
• 上位＞目的：アクセスできて使えるようにする（※3）
➎ Google
Google の使命は、世界中の情報を
整理し、世界中の人がアクセスできて
使えるようにすることです。
※1：IT周辺のテクノロジー業全般という「手段」とみなせるかも
※3：「アクセスでき」るだけでなく（企業目的）、「使えるようにする」（社会貢献）という構図とみなせるかも

• 下位＞方針：あまねく（※1）
• 下位＞強み：───
• 中位＞手段：共に（※2）
• 中位＞対象：お店（※3）／地域社会（※4）
• 上位＞目的：利便性を追求／毎日の豊かな暮らしを実現（※5）
➏ セブン-イレブン・ジャパン
私たちは
いかなる時代にもお店と共に
あまねく地域社会の利便性を追求し続け
毎日の豊かな暮らしを実現する
※1：（「対象」とみなせる「地域社会」に対して）当社が何よりも重んじる「方針」とみなせるかも
※2：（「対象」とみなせる「お店」と）「共に展開する事業」とすると「手段」とみなせるかも
※3：フランチャイズ事業（toB）的にはお客様にあたるので「対象」とみなせるかも
※4：マーケット的には「対象」とみなせるかも
※5：「利便性を追求」することで（企業目的）、「毎日の豊かな暮らしを実現する」（社会貢献）という構図とみなせるかも

• 下位＞方針：クリーンで安全（※1）
• 下位＞強み：───
• 中位＞手段：商品の提供（※2）
• 中位＞対象：国際社会（※3）
• 上位＞目的：豊かな社会づくりに貢献／信頼される良き企業市民（※4）
➐ トヨタ
トヨタはクリーンで安全な商品の提供を通じて、
豊かな社会づくりに貢献し、
国際社会から信頼される良き企業市民を目指しています。
※1：当社が何よりも自負する「強み」でありながら、同時に「方針」に重きがあるとみなせるかも
※2：自動車に代表されるモビリティ周辺商品全般という「手段」とみなせるかも
※4：「信頼される良き企業市民」を目指すことで（企業目的）、「豊かな社会づくりに貢献」する（社会貢献）という構図とみなせるかも

• 下位＞方針：より良い（※1）
• 下位＞強み：───
• 中位＞手段：くらしを想像（※2）
• 中位＞対象：世界中の人々／地球（※3）
• 上位＞目的：しあわせ／社会の発展／地球の未来に貢献（※4）
• 最上＞標語：A Better Life, A Better World（※5）
➑ パナソニック
A Better Life, A Better World
私たちパナソニックは、より良いくらしを創造し、
世界中の人々のしあわせと、社会の発展、そして
地球の未来に貢献しつづけることをお約束します。
※1：（直後の「くらしを創造」にかかるというより）当社製品に対する「方針」とみなせるかも
※2：（「対象」というより）「くらしを創造する当社の製品」としての「手段」とみなせるかも
※4：（世界中の人々の）「しあわせ」を果たし（企業目的）、「社会の発展」を目指し（社会貢献）、
（地球の）「未来に貢献」する（未来貢献）という、3段階的な構図とみなせるかも
※5：企業理念を端的に言い表した、いわゆる「コーポレートスローガン」とみなせるかも

• 下位＞方針：───
• 下位＞強み：───
• 中位＞手段：応援（※1）
• 中位＞対象：コミュニティづくり／人と人（※2）
• 上位＞目的：身近になる世界（※3）
➒ Facebook
コミュニティづくりを応援し、
人と人がより身近になる世界を
実現します。
※1：SNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）、その周辺ツールの「手段」とみなせるかも
※3：「人と人がより身近になる世界」の実現が「企業目的」であると同時に、「社会貢献」ともみなせるかも

なぜ企業理念は必要なのか

企業理念は「点」と「線」の視点
＜企業理念の視点①＞
• 「目標」とは、達成・成就という、地点・時点を示すもの、すなわち「点」の視点
• 「意義」とは、動機・動因という、持続・恒久を示すもの、すなわち「線」の視点
▼
＜企業理念の視点②＞
• 企業理念としての「目標」は、「企業として達成・成就すること」
• 企業理念としての「意義」は、「企業として達成・成就すること」で、「社会に貢献すること」

企業理念の効果と価値
＜企業理念の効果＞
• 社内：同じ方向・距離・速度で行動・活動できるなど、判断・評価・価値観の共有化
• 社外：活動の原動となる意義への賛同・評価・存在価値など、ブランド価値の均一化
▼
＜企業理念の価値＞
• 企業として整合性のある統治を行うためのよりどころ
• 企業が恒久的に走り続けるための源泉であり、企業に宿る「魂」

企業理念の添削用フォーマット

私たちは
どんな方針（強み）の
どんな手段で
（どんな対象に）
どんな目的を果たすことで
社会に貢献する
企業理念の添削用フォーマット

おわりに
ご笑覧いただき、
誠にありがとうございました。
本稿が何かの一助になること、
願ってやみません。
あらゆる言葉を人にやさしく。読みやすく。
コピーライター｜コンテンツエディター
中村和夫（なかむらかずお）
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