『きょうだいが持ちうる悩みと人間的成長の可能性』 私がきょうだい支援に関する講演をお引き受けしたときにお話しする内容の一部です。 障がい児・者や慢性病の子どものきょうだいが持ちうる悩みとそれを少しでも少なくするための対策，そして人間的成長の可能性です。

1. きょうだいが持ちうる悩みと成長の可能性
周りの大人ができる支援策について
きょうだい支援を広める会 有馬靖子

2. 1. 親の悩みを共有
2. きょうだいに特有の悩み
3. 親亡き後の重要なキーパーソン
2

3.  悲嘆
 孤立／孤独感
 罪悪感
 情報の必要性
 労力と時間
 将来の不安
3

4.  自己が確立する前
 情報収集能力がない
 年齢不相応の責任
4

5.  親は半生，きょうだいは一生
 学校卒業後はサービス不足
 大家族 → 核家族
5

6.  幼年期
 思春期
 成人期
6

7.  親との時
間
 世間の目
 仲間
 通常のきょうだい関
係
 子ども向けの情報
 親の役に立ちたい
7

8. • 世間の目
• 仲間
• 通常のきょうだい関係
• 中学生・高校生向けの情報
• 外の世界との時間
8

9. • 世間の目
• 仲間
• 通常のきょうだい関係
• きょうだい向けの情報
• 親代わりという責任
9

10. 1. 兄弟姉妹の障害の種類にかかわらず，きょうだ
いは似たような経験とニーズをもつ。
2. 1.と矛盾するようだが，きょうだい一人一人が
違っていて，兄弟姉妹の障害に対して異なる反
応をする。また，時とともに変化する。
3. きょうだいを支援したいと思ったら，まずその
きょうだいの話を聴くこと。
出典『Brothers & Sisters A Special Part of Exceptional
Families』
10

11. 1. 正確な情報の欠如
2. 過剰な同一視／心配
3. 孤立／孤独感
4. 罪悪感
5. 恐怖，恐れ
6. 将来に関する不安
7. 喪失感・悲嘆
8. 不満／憤り／恨み／嫉妬
9. 恥ずかしさ
10. 友だち／結婚相手
11. 介護負担／関わり過ぎ
12. 早熟
13. 完璧への圧力
14. 信仰の喪失
15. 抑うつ／摂食障害
16. 自己の喪失（アダルトチャイル
ド）
11

12. 場面 対策
 想像力で物語を創作
 孤独感の増幅
 自分自身がもつ疑問
 他人からの質問
 兄弟姉妹との関わり方
 年齢に応じた情報
 自閉症の場合，応用行
動分析の基本も含めて。
12

13. 場面 対策
 障害や病気がうつると
いう誤解
 外見から分かりにくい
障害
 年下か年齢が近い時
 年齢に応じた情報
13

14. 場面 対策
 親との時間
 仲間がいない
 情報不足
 外の世界との時間
 健常児との時間
 仲間づくり
 情報提供
 サービスの利用
14

15. 場面 対策
 障害や病気は自分のせい
 自分の健康や能力
 きょうだいゲンカ
 楽しめない
 実家を出ること
 自分の力のなさ
 年齢に応じた情報
 きょうだい自身の人生
15

16. 場面 対策
 暴力、問題行動
 攻撃の対象
 兄弟姉妹の死
 きょうだいの逃げ場
 安全な場所の確保
 年齢に応じた情報
 ウソはつかない
16

17. 場面 対策
 自分の子ども
 計画を知らされない
 遺伝カウンセリング
（知らないでいる権利）
 計画を立て，伝える
The Future Is Now
 勝手に期待しない
17

18. 場面 対策
 ふつうのきょうだい関
係
 人生の節目
 特に二人っ子
 仲間と出会う機会づく
り
 異世代と出会える場
18

19. 場面 対策
 親の関心の偏り
 お金や時間の偏り
 障害児の過保護
 将来設計の欠如
 健常児との時間
 できるだけ平等に！
 できることはやらせる
 計画を立て伝える
19

20. 場面 対策
 学校での質問
 見知らぬ人からの質問
 じろじろ見られる
 思春期がいちばん大変
 非難しない
 情報提供
 ロールプレイ
 きょうだいの逃げ場
20

21. 場面 対策
 いじめやからかい
 選択肢が少ない
 非虐待的な関係
 強くなれと言わない
 ？
 他人の面倒だけはダメ，
自分の面倒もみさせる
21

22. 場面 対策
 女きょうだい
 兄弟姉妹との関係悪
化
 娘と息子の両方に責
任
 過重負担に注意
 自分の時間の確保
22

23. 場面 対策
 自分のことは自分で
 年齢不相応の責任
 成熟とコインの裏側
 甘える機会
 過重負担にならない
ように
 バランスが重要
23

24. 場面 対策
 スーパーキッズ
 親からの圧力
 祖父母，近所の人か
らの圧力
 自分でかける圧力
 きちんとほめる
 できて当たり前と思
わない
 圧力をかけないよう
にお願いする
24

25. 場面 対策
 キリスト教
 仏教
 何も悪いことをしていな
い兄弟姉妹
 理不尽さ
 なぜ私だけが苦しむのか
－現代のヨブ記（When
Bad Things Happen to
Good People 『善良な人
に悪いことが起こると
き』）
25

26. 場面 対策
 多くのきょうだいが経
験
 表現されない怒りやそ
の他の感情
 内に向かった怒り
 怒りを批判されずに表
現できる場
 カウンセリング
 セルフヘルプグループ＝仲間
26

27. 定義／場面 回復への道
 アルコール依存症の親
の子ども
 共通の苦しさや不自由
さ
 現在は，広義に使用
 親の役に立ちたい
 アスク・ヒューマン・ケ
ア
 インナー・チャイルド
 仲間との出会い
 他人中心 → 自分中心
（飛行機の酸素マスク）
27

28. 1. 成熟
2. 洞察力／思いやり
3. 寛容／忍耐力
4. 感謝
5. 職業選択
6. 誇り
7. 忠誠心
8. 権利擁護
28

29. １．成熟 ２．洞察力／思いやり
 精神的に成熟
 年齢以上の責任感
 早熟とコインの裏側
 人生の深い理解
 見かけで判断しない
 兄弟姉妹がリトマス
紙
29

30. ３．寛容／忍耐力 ４．感謝
 違いを受け入れる  自分の健康や能力
 家族の絆
 罪悪感とコインの裏
側
30

31. ５．職業選択 ６．誇り
 援助専門職
 目標が明確
 兄弟姉妹のできるこ
とに注目
31

32. ７．忠誠心 ８．権利擁護
 いじめに立ち向かう
 実家を気にかける
 罪悪感とコインの裏
側
 マイノリティの権利
擁護
 正義感が強すぎると
…
32