66. +補⾜| 下流の変数の追加は”partly”に機能する
X Y
Z Z’
Z’の固定により
部分的に
バックドアパスが
閉じる
Surrogate variableしか測定されていないときも
追加しておいたほうがベターな場合も多い
「部分的」の程度はZとZ’の関連の強さに応じて決まる
X Y
Z Z’
Z’の固定により
部分的に
双⽅向パスが開く
X
Y
Z
Z’の固定により
部分的に
因果効果が
ブロックされる
Z’
Zが分岐点 Zが合流点 Zが中間点
131. 因果推論と「質的な研究」|
メカニズム/媒介の重要性(壊⾎病の例)
Pearl and Mackenzie (2018)の記述に基づく
シトラス→”酸味”→壊⾎病(の防⽌)
しかしmediatorの取り違えにより悲劇が・・・
シトラス→レモン→ライム→加熱濃縮ライムジュース
へと代替されていった(代替のたびにビタミンが減っていく・・)
状況が多様な“復路”の現場において”処理”の同⼀
性の担保は必ずしも簡単な話ではない
e.g., RCTのパイロットスタディが⾏われた”意識の⾼い”
学校と同⼀の”処理”を普通の学校で実現できるのか?
異なる対象/⽂脈における“処理”の同⼀性の担保
は質的な理解度(”why it works”)に依存する
132. 因果推論と「質的な研究」|
メカニズム/媒介の重要性(”Algebra for all”の例)
Pearl and Mackenzie (2018)の記述に基づく
Algebra for all Learning
Environment
1997年からシカゴで教育改⾰として”Algebra for
all”というプログラムが導⼊された
因果効果の計算からは効果が⾒られなかったが・・
質的な省察に基づきmediatorを考慮すると
直接効果と間接効果が打ち消し合っていた
カリキュラム⾃体の効果はあり、クラス編成の改
善で効果が上がる(”Why it works”の考慮による改善策の発⾒)
クラス編成の変化により成績下位者の意欲低下
+2.7pt
-2.3pt
133. 本⽇の内容
III. 統計的因果推論と「質的な研究」(議論)
Evidence-Based Policy Makingの”往路”と”復路”
科哲っぽく: 反事実条件⽂による因果定義の特徴
移設可能性/外的妥当性の不適切な議論の例
メカニズム/媒介の重要性(壊⾎病の例)
メカニズム/媒介の重要性(再・マシュマロ実験)
EBPMにおける「RCT最強論」の半可通性
“What works” meets “why it works”
質的な”⼿触り”の重要性:介⼊の⽂脈的な意味
134. 因果推論と「質的な研究」|
メカニズム/媒介の重要性(マシュマロ実験の再試験)
Shoda et al. (1990) マシュマロ実験
Watts et al. (2018)マシュマロ実験の再試験
「マシュマロを⾷べるのを我慢できた⼦/できな
かった⼦」の⻑期追跡により、⼦供の”delay of
gratification”の能⼒が、その後の学業や社会⾏動に
おける成功において重要であることを⽰唆した
より⼤きくかつ多様なsample of childrenを調査
より洗練された統計モデルを使⽤
”delay of gratification”と後のachievementの関係は
⼦供の背景要因と認知能⼒で調整すると⼤幅に減
少し、統計的に有意な関係もほぼ消えた